ゲームクリエイターの職務経歴書は、担当したプロジェクトのフェーズと役割、そして数字に翻訳した成果を軸に書くのが正解です。未発表タイトルやNDA案件が多い職種だからこそ、書き方ひとつで採用担当者に伝わる情報量が大きく変わります。プランナー・デザイナー・プログラマーそれぞれの記載例と、NDA案件での対応方法を採用担当者の視点から解説します。
ゲームクリエイターの職務経歴書は「担当フェーズ×成果」で書くのが正解
結論
ゲームクリエイターの職務経歴書で採用担当者が最初に確認するのは、応募者が開発のどの工程を、どこまでの裁量で担当したかです。タイトル名や職種名だけを並べても、実際の業務範囲は伝わりません。
企画・設計・実装・運営のうちどのフェーズを担当したのか、チーム内での立ち位置は何人体制の中の何番目だったのかを明記したうえで、成果は可能な限り数字に置き換えて記載します。プランナーなら継続率やユーザー数、デザイナーなら制作物の点数や採用率、プログラマーなら処理速度の改善幅などが該当します。
基本の記載例(プランナーの場合)
良い例文
スマートフォン向けRPG(DL数200万本規模)の運営フェーズを担当。月次イベント企画を10本以上立案し、継続率を平均8%改善。プランナー4名体制の中でリーダーとして仕様書作成からエンジニア・デザイナーへの実装依頼まで一貫して対応した。
NG例
スマートフォンゲームの企画運営を担当。イベント企画や仕様書作成を行った。担当タイトルの規模・体制人数・成果が一切書かれておらず、どこまで任せられる人材かが採用担当者に伝わらない。
採用担当者はここを見ている
- 担当タイトルのジャンル・規模感(DL数や会員数など)が書かれているか
- チーム体制の中で自分がどの役割・立ち位置だったか
- 成果が定性的な言葉だけで終わらず、数字で裏付けられているか
デザイナー・アーティストの場合の書き方
デザイナー・アーティスト職は、担当した制作物の種類と工程を具体的に書くことで説得力が増します。ツール名の羅列だけで終わると、実務経験の深さが伝わらず評価が下がりやすい点に注意が必要です。
良い例文
コンシューマー向けアクションゲームのキャラクターデザインを担当。原案から3Dモデル用のラフ画まで一貫して制作し、主要キャラクター12体のデザイン監修を担当。Photoshop・Blenderを使用し、アートディレクターへの進捗共有は週次で実施した。
NG例
Photoshop、Illustrator、Blenderが使用可能。ゲームのキャラクターデザインやUI制作を担当。ツール名の羅列で終わり、どの制作物にどう関わったかが不明なため、実務レベルが判断できない。
詳しい書き方はスキルシートの書き方|デザイナー編でも解説しています。

プログラマー・エンジニアの場合の書き方
プログラマー・エンジニア職は、担当した機能とその技術的な難易度、パフォーマンスへの貢献を具体的に書きます。使用言語やエンジンの羅列だけでは、他の候補者との差別化ができません。
良い例文
Unity/C#を用いたソーシャルゲームのクライアント開発を担当。バトル演出システムの実装を中心に、起動時のメモリ使用量を20%削減し、低スペック端末でのクラッシュ率を改善。3名体制のチームでコードレビューも担当した。
NG例
使用言語:C#、C++、Java。Unity、Unreal Engineでの開発経験あり。担当機能や改善実績が書かれておらず、技術力の証明になっていない。
職種別のテンプレートを使うと項目の抜け漏れを防げます。エンジニアの職務経歴書テンプレートを活用し、記載項目の順番を整えてから内容を書き込むとまとまりやすくなります。

NDA・未発表タイトルでも実績が伝わる書き方
ゲーム業界では、開発中タイトルの情報や契約条件がNDA(秘密保持契約)の対象になっているケースが少なくありません。「非公開」とだけ書いて終わらせると、実績そのものが伝わらず選考で不利になります。
NDAの範囲内で書ける情報とは
タイトル名や未公開の数値そのものを書けない場合でも、ジャンル・プラットフォーム・開発規模・使用エンジンは伏せずに記載できるケースがほとんどです。転職エージェントや前職の担当者に、どこまでなら開示可能か事前に確認しておくと安心です。
良い例文
コンシューマー向けオープンワールドアクション(開発規模50名以上・NDAによりタイトル非公開)のレベルデザインを担当。1エリアのマップ構築からプレイテストによる調整までを一人で完結させ、テストプレイでの評価スコアを前バージョンから15%向上させた。
NG例
NDAのため詳細非公開。ゲーム開発全般に従事。ジャンルも規模感も書かれておらず、どんな仕事をしてきたか採用担当者が想像できない。
採用担当者はここを見ている
- 「非公開」で終わらせず、書ける範囲の情報を最大限記載しているか
- 開発規模やジャンルから、応募者の経験値を推測できるか
- 成果を第三者評価(テストプレイのスコアなど)で示せているか
職種別に書くべき項目を整理する
ゲームクリエイターは職種によって求められる情報の粒度が異なります。以下の表を参考に、自分の職種に必要な項目を過不足なく盛り込んでください。採用担当者は「必ず書く項目」が抜けているだけで実務経験を疑い、「差がつく項目」の有無で他の候補者との比較をしています。
| 職種 | 必ず書く項目 | 差がつく項目 |
|---|---|---|
| プランナー | 担当フェーズ・体制人数 | 継続率・売上への貢献 |
| デザイナー | 制作物の種類・使用ツール | 制作数・採用率 |
| プログラマー | 使用言語・担当機能 | パフォーマンス改善の数値 |
| ディレクター | プロジェクト規模・マネジメント人数 | 納期・品質・収益の実績 |
ハローワーク経由での応募を検討している場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと様式のミスマッチを防げます。また、業務委託や派遣契約でゲーム開発に参画してきた方は派遣の職務経歴書テンプレートも参考になります。
定性的な成果を数字に翻訳するコツ
「面白さ」「使いやすさ」といった定性的な成果は、そのままでは採用担当者に伝わりにくいのが実情です。以下の切り口で数字に置き換えると説得力が増します。
- ユーザー反応:継続率・レビュー評価点・ダウンロード数の変化
- 開発効率:制作リードタイムの短縮率、バグ件数の削減率
- チーム貢献:レビュー対応件数、後輩指導人数、会議での提案採用件数
- 規模感:担当マップ数、キャラクター制作数、実装機能数
正確な数値が手元にない場合でも、社内資料やプロジェクト完了報告を見返せば概算値が見つかることがあります。前職の同僚に確認できる範囲で数値の裏を取ってから記載すると、面接での質問にも一貫した回答ができます。採用担当者は「頑張りました」ではなく数字の裏付けがある成果を見て即戦力度を判断するため、この一手間が通過率を左右します。
採用担当者に「会ってみたい」と思わせる最終チェック
提出前に、以下の観点で自分の職務経歴書を読み返してみてください。書類選考の通過率を左右する最終確認です。
最終チェックリスト
- タイトル名の羅列だけで終わっていないか
- 担当フェーズ・体制人数・成果の3点が各プロジェクトに書かれているか
- NDA案件で「非公開」とだけ書いて終えていないか
- 応募先の求人票にある求めるスキルと、記載内容が対応しているか
- A4用紙で1〜2枚に収まっているか
手書きかパソコン作成かで迷う場合は、職務経歴書は手書きとパソコンどっちもあわせて確認しておくと安心です。

まとめ
- 担当フェーズ・体制人数・数字に翻訳した成果の3点を必ず盛り込む
- NDA案件は「非公開」で終わらせず、開示できる範囲を最大限伝える
- 職種ごとに必要な項目を整理し、抜け漏れなく記載する
これらのポイントを押さえた職務経歴書は、書類選考の通過率を大きく左右します。書き上げたら一度時間を置き、第三者の視点で読み返してから提出してください。
ゲームクリエイターの職務経歴書に関するよくある質問
- 未経験からゲームクリエイターへ転職する場合、職務経歴書はどう書けばいいですか?
-
前職での経験を、ゲーム制作に活かせる形に翻訳して書きます。たとえば接客業なら「ユーザー視点での改善提案力」、事務職なら「スケジュール管理・進行管理の経験」など、企画職やディレクション職に通じるスキルを具体的なエピソードとともに記載すると評価されやすくなります。
- 個人開発やインディーゲームの実績は職務経歴書に書いてもいいですか?
-
書いて問題ありません。特に企業での実務経験が浅い場合は、個人開発の実績が技術力や制作意欲を示す重要な材料になります。公開しているタイトルであれば、ダウンロード数やレビュー評価などの数字も添えると説得力が増します。
- 職務経歴書とポートフォリオはどちらを重視して準備すべきですか?
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両方が必要です。ポートフォリオは制作物のクオリティを見せるもの、職務経歴書はプロジェクトでの役割や成果、チーム内での立ち位置を伝えるものと役割が異なります。職務経歴書にポートフォリオへの導線を明記し、両方をあわせて読んでもらえるように準備してください。
- 担当したタイトルが炎上・不評だった場合はどう書けばいいですか?
-
結果だけを隠すのではなく、そこから何を学び次にどう活かしたかを添えて書きます。「ユーザーからのフィードバックを分析し、次回作の仕様策定に反映した」のように、改善への姿勢を示すことで、むしろ誠実さや学習能力の評価につながることがあります。

