職務経歴書は指定がなければパソコン作成が原則で、手書きは指定がある場合だけにします。読みやすさ、修正、データ提出の三点で手書きより有利です。履歴書を手書きにするかどうかの議論とは切り分け、職務経歴書だけの判断基準と作成手順を確認できます。パソコンがない場合のスマホ作成と、提出形式ごとの注意点もまとめました。
職務経歴書は手書きとパソコンどっち?結論と使い分け
結論:指定がなければパソコン
職務経歴書は、応募先から手書き指定がなければパソコンで作るのが原則です。A4で1〜2枚に業務内容と実績を載せる書類なので、手書きだと読みにくさと書き直しの負担が先に立ちます。複数社へ出す前提なら、元データを残せる手段を先に選ぶ方が合理的です。
ハローワークの案内も作成手段を限定していません。見やすさと中身が先で、手段そのものが合否を決めることは少ないです。迷ったときの初期値はパソコン、例外だけ手書き、と決めてください。履歴書を手書きにしたかどうかは、職務経歴書の判断材料にはしません。
判断の分岐
| 応募先の指定 | 作成手段 | 理由 |
|---|---|---|
| 指定なし | パソコン(Wordなど) | 読みやすさ、修正、データ提出 |
| 手書き・自筆と明記 | 手書き | 指定違反の方が減点になる |
| データ提出(PDF・フォーム) | パソコン | スキャン前提の手書きは手間と画質で損をする |
| 紙提出のみ | 原則パソコン印刷 | 手書き指定がなければ印刷で足りる |
求人票、応募フォーム、採用からのメールを先に確認する。
基本の体裁
用紙はA4、枚数は1〜2枚が目安です。フォーマットに迷う場合はハローワーク用の職務経歴書テンプレートを土台に、職種に合わせて見出しを足します。
良い書き方(パソコン作成の見出し)
職務経歴書
2026年8月23日 山田 太郎
■職務要約
■職務経歴
■活かせる知識・スキル
■資格
■自己PR
NG例
便箋に縦書きで職歴を箇条書きし、修正テープで日付を直した2枚。指定がないのに手書き+修正跡は、読みにくさとPCスキルへの不安が同時に残ります。
採用担当者はここを見ている
- 2枚以内で、担当業務と数字が拾えるか
- フォントと余白が揃い、印刷やPDFで崩れないか
- 手書き指定を無視していないか、逆に指定もないのに読みにくい手書きになっていないか
パソコン作成が支持される3つの理由
マイナビ転職が2025年9月に中途採用担当352人へ行った調査では、職務経歴書について「パソコン作成のほうがよい」が50.9%、「どちらでもよい」が30.4%、「手書きのほうがよい」が18.8%でした。手書き支持は少数で、読みやすさとデータ管理が理由の上位です。
読みやすさ
職務経歴書は履歴書より情報量が多いです。手書きだと文字の大きさ、行間、見出しの位置がばらつき、採用担当者は「どこに実績があるか」を探すことになります。パソコンなら太字と見出しで階層を作れます。
- フォントを1種類に揃える(明朝またはゴシック)
- 本文10.5〜11ポイント、見出しは1段階大きくする
- 余白は上下左右15〜20mm程度を目安にする
修正と使い回し
応募先が変わるたびに、志望動機に近い自己PRと、出す実績の順番を入れ替えます。手書きだと1文字の誤記で全枚やり直しです。パソコンなら企業名と強調する数字だけ差し替えられます。事務職のように文書作成そのものが業務の中心なら、事務の職務経歴書テンプレートをパソコンで埋めること自体が、実務スキルの見本になります。
データ提出
Web応募、メール添付、採用管理システムのアップロードが増えています。手書きを写真やスキャンで送ると、影・傾き・文字つぶれが起きやすいです。最初からデータで作れば、PDF化とファイル名の整理だけで済みます。
良い書き方(ファイル名)
20260823_職務経歴書_山田太郎.pdf
NG例
最終_本当の最終2_職務経歴書(コピー).docx
社内用の仮名と、編集可能なWordのまま送るのは避けます。
採用担当者はここを見ている
- 開いた瞬間に氏名と職歴の骨格が分かるか
- PDFが文字化けせず、スマホでも読めるか
- ファイル名で「誰の・何の書類か」が分かるか

手書きが必要なのは指定がある場合だけ
手書きが正解になるのは、求人票や案内に「手書き」「自筆」「市販の用紙に記入」と書いてあるときです。老舗企業や一部の専門職で残っています。指定があるのにパソコンで出すと、内容以前に指示違反になります。
指定の見つけ方
- 求人票の応募方法欄(手書き、自筆、指定用紙)
- 応募フォームの注意書き(PDF指定、手書き不可、など)
- 採用担当からのメール本文と添付の案内
手書き指定のときのマナー
黒の油性ボールペン(0.5〜0.7mm)を使い、消せるインクは使いません。誤字は修正液や修正テープで直さず、新しい用紙に書き直します。シャープペンシルも提出用には向きません。
良い書き方(手書き指定時)
市販または配布された職務経歴書用紙に、見出し・所属・担当・実績を枠内へ収めて記入。数字は半角でも全角でも文書内で統一する。
NG例
指定用紙があるのにA4白紙へパソコン印刷し、「内容は同じです」と添えた。指定違反は中身の前に止まります。
履歴書も職務経歴書も手書き、は避ける
履歴書を手書きにする判断と、職務経歴書を手書きにする判断は別です。両方を手書きにすると、情報量の多い職務経歴書が読みにくくなり、事務・営業・ITなど文書作成がある職種では「パソコンを使わない人」と読まれることがあります。手書き指定が職務経歴書にないなら、履歴書だけ手書きでも問題ありません。
履歴書の手書き議論との切り分け
「手書きの方が熱意が伝わる」は、主に履歴書側の話として残っています。履歴書はプロフィール、職務経歴書は実績の説明資料です。役割が違うので、作成手段をそろえる必要はありません。
| 組み合わせ | 印象 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 履歴書:手書き/職務経歴書:パソコン | 熱意と文書作成の両方を見せられる | 紙提出で、職務経歴書に指定がない |
| 両方パソコン | 効率と読みやすさ | Web応募、IT・外資・ベンチャー、データ提出 |
| 両方手書き | 読みにくさとPCスキルへの不安 | 両方に手書き指定がある場合だけ |
営業職のように提案資料を日常的に作る仕事なら、営業の職務経歴書テンプレートをパソコンで整え、数字と担当範囲を先に見せます。資格の正式名称や記載順は、パソコン作成でも手書きでも同じルールです。
良い書き方(切り分けの判断)
履歴書:手書き指定があるので手書き。
職務経歴書:指定なし、実績が多いのでパソコンで2枚に整理。
NG例
履歴書の手書き記事を読み、「誠意を出すために職務経歴書も便箋で書いた」。職務経歴書に誠意は、読みやすい実績の並べ方で出します。
採用担当者はここを見ている
- 履歴書と職務経歴書で、在籍期間と会社名が一致しているか
- 職務経歴書だけが手書きで雑になっていないか
- コピーした文章が両書類に重複し、読み飛ばされていないか

職種別の判断とよくある失敗
作成手段の優先度は、職種によって差が出ます。事務・経理・人事・営業企画のように文書と表計算が日常業務なら、パソコン作成は前提に近いです。現場職や接客でも、日報やシフト管理でパソコンを使う会社は増えています。手書き指定がないのに手書きで出す利点は、ほとんど残っていません。
| 職種の傾向 | 推奨 | 手書きが残る場面 |
|---|---|---|
| 事務・経理・人事 | パソコン | 指定用紙への記入だけ |
| 営業・企画 | パソコン | ほぼない |
| IT・Web・外資 | パソコン(データ提出) | ほぼない |
| 製造・物流・接客 | 原則パソコン | 求人に自筆とある場合 |
失敗しやすいパターン
NG例(よくある失敗)
- 履歴書記事の「手書きが有利」を職務経歴書にそのまま当てはめる
- Wordのまま送り、相手の環境で表が崩れる
- 手書き2枚をスマホ写真で送り、影で数字が読めない
- 装飾フォントと色付き見出しで、印刷すると薄い
良い書き方(やり直しの判断)
指定を再確認する → パソコンでA4・2枚以内に組み直す → PDFで自分のスマホでも開く → ファイル名を直して再送する。
採用担当者はここを見ている
- 職種に対して、作成手段が極端に古くないか
- 失敗した提出物を、指摘される前に差し替えているか
- 見た目の装飾より、担当と数字が先に目に入るか
パソコンで作るときの体裁ルール
ソフトはWordが無難です。文章量が中心の職種はWord、数値や担当一覧を表で見せたい場合はExcelでも構いません。完成後はPDFに変換して提出します。履歴書側の用紙を揃えるなら、転職用の履歴書テンプレートと日付・氏名の表記を合わせてください。
WordとExcelの使い分け
迷ったらWordです。職務要約と自己PRが長くなる人は、文章の改行を制御しやすい方が先です。プロジェクトを横並びの表で見せたいエンジニアや、店舗数値を並べる店長職はExcelでも読めます。どちらのソフトでも、提出物はPDFに揃えてください。
| ソフト | 向く内容 | 注意 |
|---|---|---|
| Word | 職務要約、自己PR、時系列の文章 | 行間を詰めすぎると読みにくい |
| Excel | 数値実績、担当一覧、プロジェクト表 | 列がはみ出し、印刷範囲から消える |
| Googleドキュメント | パソコンがないときの下書き | 提出前にPDFへ書き出す |
良い書き方(Excelの印刷)
印刷範囲をA4縦1〜2枚に固定し、縮小は80%より下げない。見出し行を繰り返す設定は1枚目だけで足りる場合が多い。
NG例
Excelのまま送り、相手が開くと列幅が崩れ、右側の売上数字だけ見切れている。Excel提出を指定されていないなら、PDF化が先です。
| 項目 | 推奨 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 用紙 | A4・片面・1〜2枚 | 3枚超、両面印刷 |
| フォント | 游明朝、MS明朝、游ゴシックなど1種類 | 装飾フォント、文書内の混在 |
| 提出形式 | 未変換のWord、写真JPEGだけ | |
| 色 | 黒文字が基本 | 薄いグレー、背景色の多用 |
印刷と紙提出
白黒で印刷し、インクのかすれがないか確認します。自宅にプリンタがなくても、コンビニのネットプリントで足ります。クリアファイルに履歴書と揃え、折り癖をつけない状態で持参します。
メール・フォーム提出
- 指定拡張子がなければPDF
- パスワードを求める案内があるときだけ設定し、別メールでパスワードを送る
- ファイルを開いて、改行と表の崩れを自分で確認してから送る
良い書き方(提出前チェック)
会社名の正式名称、在籍年月、数字の単位、誤変換(応募/応募先名)を印刷プレビューで確認。氏名のフォントだけが大きくなっていないかも見る。
NG例
画面上では整って見えた表が、PDF化で右端の数字だけ切れている。送る前にPDFを開き直す工程を省くと起きやすいです。
パソコンがないときの作り方
自宅にパソコンがなくても、手書きへ戻す必要はありません。スマホやタブレットの文書アプリ、転職サービスの作成ツールで同じ体裁のPDFが作れます。印刷はコンビニで足りるので、「パソコンがない=手書き」ではありません。
スマホで作る手順
- 職務要約、会社ごとの担当、数字、資格をメモアプリに書き出す
- 作成ツールまたはGoogleドキュメント等に見出し付きで移す
- A4プレビューで2枚以内に収める
- PDFを保存し、ファイル名を「日付_職務経歴書_氏名」にする
- 必要ならコンビニで印刷する
職歴が少ない場合もパソコンでよい
学生や第二新卒で職歴が薄い場合も、作成手段はパソコンで構いません。枚数を無理に増やさず、アルバイトや実習の担当範囲を短く整理します。手書きで余白を埋めるより、読みやすい1枚の方が評価しやすいです。
提出前に見る5点
| 確認 | 見る場所 | 落ちやすい状態 |
|---|---|---|
| 指定 | 求人票・メール | 手書き指定を見逃してパソコン提出 |
| 枚数 | 印刷プレビュー | 3枚超、または極端な1枚詰め込み |
| 日付と氏名 | 右上 | 履歴書と作成日が1ヶ月以上ずれている |
| 社名・年月 | 履歴書の職歴 | 片方だけ退職月が違う |
| ファイル | PDFを開き直し | 拡張子がdocx、ファイル名が「最終」 |
指定確認に5分、PDFの開き直しに1分あれば足りることが多いです。作成手段で迷う時間より、数字の根拠と担当範囲の具体化に使ってください。
採用担当者はここを見ている
- 提出物を自分で開き直した形跡があるか(崩れ・見切れがないか)
- 履歴書と職務経歴書で、会社名の正式名称が一致しているか
- 作成手段の話より、最初の15秒で担当と数字が入ってくるか
パソコン作成は「手抜き」ではなく、読む側の時間を先に確保する選び方です。熱意は手書きの字ではなく、担当範囲の具体と、応募先で使う実績の並べ方で示してください。同じ文面を全社に使い回す場合も、会社名の置換漏れと、応募職種に関係しない実績の残留だけは提出前に消します。
良い書き方(職歴が少ない)
A4・1枚。職務要約3行、アルバイト経歴を所属・期間・担当・工夫の4点で記載。資格と自己PRを下部に置く。
NG例
手書き2枚に感想と意気込みだけを書き、担当業務が1行しかない。枚数より、何をしたかが先です。
採用担当者はここを見ている
- 手段ではなく、担当と成果が具体か
- スマホ作成でも誤字と改行崩れがないか
- 学生時代の経験を、応募職種の言葉に翻訳できているか

まとめ
- 指定がなければ職務経歴書はパソコン作成が原則
- 手書きは、応募先が手書き・自筆と書いてあるときだけ
- 読みやすさ、修正、データ提出の三点でパソコンが有利
- 履歴書の手書き議論とは切り分け、組み合わせは揃える必要がない
- パソコンがなくてもスマホとコンビニ印刷で同じ体裁にできる
指定がなければパソコンで作り、手書きは応募先の指定があるときだけにしてください。
職務経歴書の手書き・パソコンに関するよくある質問
- 手書きの方が熱意が伝わりますか?
-
職務経歴書では、熱意は読みやすい実績の並べ方で伝わります。手書き指定がないのに手書きにすると、読みにくさと文書作成スキルへの不安が残ることがあります。履歴書側の手書き議論とは分けて考えてください。
- 履歴書は手書き、職務経歴書はパソコンでもよいですか?
-
問題ありません。作成手段をそろえるルールはありません。紙提出で履歴書だけ手書き指定がある場合に多い組み合わせです。在籍期間と会社名だけは両書類で一致させてください。
- パソコンがない場合は手書きにすべきですか?
-
手書きへ戻す必要はありません。スマホの作成ツールやドキュメントアプリでPDFを作り、必要なときだけコンビニで印刷します。手書き指定がある場合に限り、手書きに切り替えます。
- ハローワーク提出もパソコンでよいですか?
-
作成手段の指定がなければパソコンで構いません。ハローワークの案内も手段を限定していません。窓口で手書き用紙を渡された場合は、その場の指示に従ってください。
- 手書き指定を見落としてパソコンで出してしまいました。どうしますか?
-
気づいた時点で採用担当へ連絡し、指定どおりの書類を作り直して再提出できるか確認してください。黙って放置するより、指示違反に気づいて差し替えた方が被害は小さくなります。

