とび職の志望動機は、「高所への不安」を「安全意識の高さ」に変えて伝えるのが通過の近道です。稼げそう・楽そうといった動機は避け、危険な現場でも長く続けられる根拠を具体的に示すことが求められます。未経験の方も経験者の方も、状況別の例文とNG例を交えて解説します。
とび職の志望動機の書き方と例文【結論】
結論:とび職の志望動機は「安全意識」と「続けられる覚悟」を軸に書く
とび職の現場は高所での作業が中心で、資格の有無よりも安全意識とチームワークが仕事の質を左右します。そのため志望動機では、なぜこの危険な仕事を選び、なぜ長く続けられると考えているのかを具体的に書くことが重要です。
「体力に自信がある」だけで終わらせず、安全確認を怠らない姿勢や、現場のチームで働くことへの理解を添えると、採用担当者に伝わりやすくなります。
未経験の場合の例文(良い例・NG例)
良い例文
前職では倉庫内での軽作業に従事しており、体を動かす仕事にやりがいを感じてきました。将来性のある技術を身につけたいと考えたとき、完成した建物という形に残る仕事に携われるとび職に魅力を感じ、貴社を志望しました。未経験ではありますが、まずは玉掛け技能講習の取得を目指し、現場のルールと安全確認を確実に覚えることから始めたいと考えています。
NG例
未経験ですが体力には自信があります。稼げると聞いたので応募しました。頑張りますのでよろしくお願いします。なぜとび職なのか、なぜこの会社なのかが書かれていない点がNGです。体力アピールだけでは、安全意識や継続する覚悟が伝わりません。
経験者・資格取得を目指す場合の例文(良い例・NG例)
良い例文
前職では足場鳶として3年間、マンション新築工事の足場組立・解体を担当してまいりました。玉掛け技能講習とフルハーネス型墜落制止用器具の特別教育を修了しており、高所作業でも安全確認を徹底できる自負があります。貴社では大規模現場を数多く手がけていると伺い、これまで培った技術をさらに高いレベルで発揮したいと考え志望いたしました。将来的にはとび技能士の資格取得にも挑戦したいと考えております。
NG例
前職と同じような仕事内容で、給料が良さそうだったので応募しました。経験を活かして頑張ります。経験の中身が具体的でなく、待遇面の理由しか書かれていない点がNGです。担当した工事の種類や身につけた技術に触れないと、経験者としての強みが伝わりません。
高所恐怖症・体力に不安がある人向けの例文
高所への不安を抱えながら応募を迷っている方は少なくありません。ですが高さへの慎重さは、安全確認を怠らない意識の高さとして評価されることもあります。不安を隠すのではなく、どう向き合っていくかを具体的に書くことが大切です。
良い例文
高所での作業に初めは緊張がありますが、だからこそ足元や周囲の安全確認を人一倍丁寧に行えると考えています。慎重さを活かしながら、フルハーネス型墜落制止用器具の使い方など安全ルールを一つひとつ確実に身につけ、信頼される職人を目指したいと考え志望いたしました。
採用担当者はここを見ている
- 不安を「危険軽視しない慎重さ」に言い換えられているか
- 安全教育やルールを学ぶ姿勢が具体的に書かれているか
- 不安だけで終わらず、前向きな結論に着地しているか
志望動機の欄自体をどう埋めればよいか迷ったときは、志望動機なしの履歴書テンプレートで欄の構成そのものを確認してから書き進めるのもひとつの方法です。
採用担当者はとび職の志望動機のどこを見ているか
とび職の採用担当者が志望動機で確認しているのは、応募者の器用さや経験の有無だけではありません。高所での作業を伴う仕事だからこそ、安全に対する姿勢と、現場に定着してくれるかどうかを重視しています。
採用担当者はここを見ている
- 安全意識:危険な現場でも慎重に行動できるか、ルールを守る姿勢があるか
- 継続する覚悟:体力的にきつい仕事でも辞めずに続けられそうか
- チームワーク:一人ではなく複数人で連携して作業する仕事への理解があるか
とび職は「足場鳶」「鉄骨鳶」「重量鳶」など担当領域が分かれる仕事です。求人票に記載された作業内容を志望動機に一言でも織り込むと、他社にも使い回せる文章ではないことが伝わります。
建設業界全体の職務経歴書の考え方は建設業界の職務経歴書テンプレートでも解説していますので、経験者の方はあわせて確認しておくと書類全体の一貫性を保ちやすくなります。
とび職の志望動機でやってはいけないNG例と理由
とび職の志望動機でよくある失敗は、危険できつい仕事というイメージに引っ張られ、意欲や覚悟が伝わらない文章になってしまうことです。代表的なNGパターンを確認しておきましょう。
| NGパターン | 採用担当者が感じること |
|---|---|
| 「稼げそうだから」だけの動機 | 安全意識より条件面が優先されていると感じる |
| 体力自慢のみで終わる | 安全確認への意識が伝わらず不安に感じる |
| 「高所は平気です」の一言のみ | 慎重さがなく、事故のリスクを軽視していると受け取られる |
| 他業種でも使い回せる文章 | とび職・自社への志望度が低いと判断される |
NG例
とび職はきつい仕事だと聞いていますが、頑張ります。高いところも平気なので大丈夫だと思います。「平気」を強調するだけでは、安全確認への意識が伝わらない点がNGです。慎重さを持って作業に臨む姿勢を添えましょう。
状況別|とび職の志望動機の書き方
第二新卒・高卒の場合
職歴が浅い場合は、実績よりも学ぶ姿勢と継続力を伝えることが中心になります。部活動やアルバイトで体を動かし続けた経験があれば、とび職との相性として書き添えると説得力が増します。
良い例文(第二新卒・高卒)
高校時代は野球部で3年間、朝練から欠かさず取り組み、体力と継続力には自信があります。体を動かしながら技術を身につけられる仕事を探すなかで、完成した建物という形に残るとび職の仕事に魅力を感じました。未経験ですが、先輩の指導を素直に吸収し、一日でも早く現場で頼られる存在になりたいと考えております。
職歴欄の書き方に不安がある第二新卒の方は、転職用の履歴書テンプレートもあわせて確認しておくと、職歴欄と志望動機のバランスを整えやすくなります。
異業種からの転職(体力仕事未経験)の場合
デスクワークや接客業からの転職では、前職と正反対の職種を選んだ理由を明確にすることが重要です。「なぜ体力仕事に転じるのか」を、前職での気づきとつなげて説明しましょう。
良い例文(異業種からの転職)
前職では事務職として3年間勤務しておりましたが、パソコン上の作業だけでなく、自分の手で目に見える成果を積み上げる仕事に挑戦したいと考えるようになりました。体力面には自信があり、休日はスポーツで体を動かしています。未経験の分野ではありますが、現場のルールを一つずつ確実に覚え、貴社の戦力として貢献したいと考えております。
一度離れた業界に戻る場合
以前とび職として働いていて別の仕事に就いた後、再びとび職に戻る場合は、離れた理由と戻る理由をセットで伝えると、また辞めるのではという懸念を払拭できます。
良い例文(とび職に戻る場合)
以前とび職として2年間従事しておりましたが、家庭の事情で一時的に別の職種に就いておりました。事情が落ち着いた今、やはり現場で体を動かし、形に残る仕事に携わりたいという思いが強くなり、再び志望いたしました。当時学んだ足場組立の基礎を活かしながら、貴社の現場で改めて力を発揮したいと考えております。
面接でとび職の志望動機を聞かれたときの答え方
履歴書の志望動機は面接でもほぼ確実に深掘りされます。書いた内容と話す内容がずれないよう、想定される質問への答え方を事前に整理しておきましょう。
面接での想定問答
- 「高いところは平気ですか」→ 慎重に安全確認しながら作業できることを伝える。無理に「平気」と言い切らなくてよい
- 「体力に自信はありますか」→ 具体的な経験(部活・前職での立ち仕事など)を根拠に答える
- 「長く続けられそうですか」→ どのようなキャリアを描いているか(資格取得など)を添えて答える
面接では、履歴書に書いた志望動機を丸暗記した口調で話すより、自分の言葉で理由を説明できるかどうかが見られています。書いた内容の要点だけを覚えておき、質問に合わせて肉付けする形で答えると自然に伝わります。
とび職に活かせる資格と志望動機への盛り込み方
とび職に就くこと自体に必須の資格はありません。ただし、志望動機に資格取得への意欲を添えると、長く働く姿勢が伝わりやすくなります。代表的な資格は以下の通りです。
| 資格名 | 概要 |
|---|---|
| 玉掛け技能講習 | クレーンでの資材の吊り上げ・玉掛けに必要。1〜2日程度で取得可能 |
| とび技能士(1〜3級) | 技能検定制度の国家資格。実務経験に応じて等級が分かれる |
| 足場の組立て等作業主任者 | 足場工事の現場で選任が必要になる国家資格 |
| フルハーネス型墜落制止用器具の特別教育 | 高さ2m以上での作業に使用する安全器具の特別教育。2022年1月に義務化 |
これらは入社後に会社が取得をサポートしてくれることも多い資格です。志望動機には「入社後に玉掛け技能講習を取得したい」のように、具体的な資格名を挙げて意欲を示すと、他の応募者との差がつきやすくなります。
経験者で資格をすでに保有している場合は、正式名称と取得年月を志望動機や職務経歴書に正確に記載しましょう。書類全体の様式に迷ったときは厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使うと、資格欄と職歴欄のバランスを整えやすくなります。


まとめ
- とび職の志望動機は「安全意識」と「続けられる覚悟」を軸に書く
- 高所への不安は隠さず、慎重さや安全確認への意識に言い換えて伝える
- 未経験・経験者・状況別に、具体的な経験や資格取得への意欲を添える
- 面接では書いた内容を自分の言葉で説明できるように準備しておく
とび職の志望動機は、危険な仕事だからこそ安全への向き合い方を丁寧に伝えることが通過の近道になります。

とび職の志望動機に関するよくある質問
- とび職の志望動機で高所恐怖症のことは書かない方がいいですか?
-
隠す必要はありません。高さへの慎重さを「安全確認を怠らない意識」に言い換えて伝えれば、むしろ評価につながることがあります。不安だけで終わらせず、どう向き合っていくかまで書くことが大切です。
- とび職に応募するのに資格は必要ですか?
-
とび職に就くこと自体に必須の資格はありません。ただし、玉掛け技能講習やとび技能士、足場の組立て等作業主任者などの資格があると、より高度な仕事を任されやすくなります。未経験の場合は、入社後の資格取得への意欲を志望動機に添えると好印象です。
- 未経験からとび職に転職する場合、志望動機は何文字くらい書けばいいですか?
-
200〜300字程度を目安にすると、読みやすく熱意も伝わります。応募理由・具体的なエピソード・入社後の姿勢の3点を簡潔にまとめましょう。
- とび職の面接で志望動機以外によく聞かれることは何ですか?
-
高所作業への適性、体力面の自信、長く働き続けられそうかという定着意欲がよく聞かれます。あわせて、勤務可能な曜日や通勤方法を確認されることもあります。

