看護師の履歴書で職歴が書ききれないときは、病院を消さず行を圧縮するのが正しい対処です。学歴を高校以降に縮め、1病院を1行にまとめ、病棟の詳細は職務経歴書へ移します。消した病院は空白と見られ、詐称を疑われる恐れがあります。用紙を職歴欄の広いものに変えるところから始めると、欄内で無理をしなくて済みます。収める順番と記載例を、このあと順に示します。

看護師の履歴書で職歴が書ききれないときの収め方と記載例
結論:病院は消さず、収める順番で行を減らす
欄が溢れたときに先にやるのは、病院名の削除ではありません。残すのは法人名と入職・退職の年月です。病棟名や配属の補足は、後から職務経歴書へ移します。
- 職歴欄が多い用紙に変える
- 学歴を高校卒業以降に短縮する
- 病棟異動の詳細を職務経歴書へ移す
- 1病院の入職と退職を1行にまとめる
- 現在に至ると以上を1行にまとめる
- それでも溢れたら「詳細は職務経歴書をご参照ください」と書く
この順を守ると、履歴書は年表、職務経歴書は病棟と業務の説明、と役割が分かれます。採用担当者は2枚を突き合わせるので、病院の抜けだけは避けます。
1病院を1行にまとめた記載例
入職の行と退職の行を分けると、病院1件で2行使います。転職が多いときは、同じ病院の入職と退職を1行にまとめて構いません。退職年月を落とさないことが条件です。
良い例文
令和2年 4月 社会福祉法人〇〇会 〇〇病院 入職 令和4年 3月 一身上の都合により退職
令和4年 4月 医療法人社団〇〇会 〇〇総合病院 入職 令和6年 3月 一身上の都合により退職
令和6年 4月 地方独立行政法人〇〇市立病院機構 〇〇市立病院 入職
NG例
令和2年 4月 〇〇病院 入社
令和4年 4月 〇〇総合病院 入社
令和6年 4月 〇〇市立病院 入社 現在に至る
退職年月が消えています。古い病院を1件落とした書き方も、空白月の説明がつかなくなります。
採用担当者はここを見ている
- 入職と退職の年月が、在職証明と月単位で一致するか
- 病院の通称だけで、法人名が欠けていないか
- 1行まとめでも、退職理由の型(一身上の都合など)が残っているか
現在に至ると以上を1行にした記載例
在職中なら、最後の病院の次に「現在に至る」と「以上」を置きます。行が足りないときは、この2つを1行にまとめて問題ありません。締めを省略すると、職歴が途中で切れた印象になります。
良い例文
令和6年 4月 地方独立行政法人〇〇市立病院機構 〇〇市立病院 入職
現在に至る 以上
NG例
令和6年 4月 〇〇市立病院 入職
(以上も現在に至るもなし)
欄の末尾が空だと、続きの病院を書き忘れたのか、在職中なのか判別できません。

収める順番:用紙変更→学歴短縮→詳細は職務経歴書
行を減らす作業は、下の表の上から進めます。先に病院を消すと、あとから用紙を変えても履歴が戻りません。応募先が指定する様式があるときは、指定用紙のまま圧縮します。
| 順番 | やること | 履歴書に残すもの |
|---|---|---|
| 1 | 職歴欄が多い用紙に変える | 病院は全件 |
| 2 | 学歴を高校卒業以降に短縮する | 学校の正式名称 |
| 3 | 病棟・配属の詳細を職務経歴書へ移す | 入職・退職と法人名 |
| 4 | 1病院を1行にまとめる | 入職年月と退職年月 |
| 5 | 現在に至ると以上を1行にする | 締めの文言 |
| 6 | 詳細は職務経歴書をご参照ください | 病院名は消さない |
職歴欄が多い用紙に変える
市販の履歴書は学歴欄が広く、職歴欄が狭いものが少なくありません。転職回数が多い看護師は、転職用の履歴書テンプレートのように職歴の行が多い用紙を先に選びます。
指定がなければ、厚生労働省の履歴書テンプレートも候補になります。手書きで行間が詰まるときは、同じ内容をパソコンで組むと1行あたりの文字数が安定します。
学歴は高校以降に短縮できる
中学校卒業まで書く必要はありません。高校卒業以降にそろえると、職歴に2〜3行回せます。学校名の略称は避け、卒業証書と同じ正式名称を残します。
- 高校卒業 → 看護専門学校卒業、または大学卒業
- 学部・学科名は証明書どおり
- 学歴と職歴のあいだの空行は、行が足りないときは空けなくてよい
病棟異動は履歴書から職務経歴書へ移す
病棟異動はキャリアです。内科から手術室、急性期から訪問看護へ移った事実は、本来履歴書にも書けます。書ききれないときは、履歴書は入職と退職だけにし、病棟名と業務は職務経歴書へ移します。
良い例文
履歴書
令和2年 4月 医療法人社団〇〇会 〇〇病院 入職 令和5年 3月 一身上の都合により退職
職務経歴書
令和2年4月 外科病棟(40床)に配属。周術期看護と夜間の急変対応を担当
令和3年4月 内科病棟へ異動。慢性期の退院支援と多職種カンファレンスを担当
NG例
履歴書に外科・内科・外来・夜勤回数まで全部書き、最後の病院を1件消す。詳細を残して病院を消すと、年表が壊れます。
採用担当者はここを見ている
- 履歴書の病院数と、職務経歴書の所属数が一致するか
- 異動の理由を履歴書に長文で書いて、行を圧迫していないか
- 応募先の診療科と近い病棟経験が、職務経歴書側に残っているか
医療機関の職歴は「入職」「退職」と法人名で書く
入社と書かない理由
一般企業は「入社」ですが、病院・診療所・施設は入職と書きます。採用担当者は医療職の履歴書を日常的に見ているので、入社と書いてあると用語のずれが先に目に入ります。辞めるときは退職です。退職理由は、自己都合なら「一身上の都合により退職」で足ります。
法人名から書く記載例
病院の通称だけだと、同名の施設と区別できません。名刺や就業規則、源泉徴収票に出ている法人名から書き、そのあとに施設名を置きます。国立・公立・独立行政法人は、法人名が長いので1行まとめと相性がよいです。
良い例文
令和3年 4月 医療法人社団〇〇会 〇〇クリニック 入職 令和5年 6月 一身上の都合により退職
NG例
令和3年 4月 〇〇クリニック(通称のみ) 入社 令和5年 6月 円満退職
法人名がなく、入社と円満退職が医療職の欄に混ざっています。
採用担当者はここを見ている
- 法人名が、保険証や源泉徴収票の事業主と一致するか
- グループ内の異動を、別法人への転職と誤って2行にしていないか
- 非常勤と常勤の区別が、職務経歴書側で読み取れるか
それでも書ききれないときの「詳細は職務経歴書をご参照ください」
書き方と置く位置
用紙変更と1行まとめをしても溢れるときは、職歴欄の末尾に一文を置きます。詳細は職務経歴書をご参照くださいで足ります。「別紙参照」だけだと、何の別紙か分かりません。
履歴書側には、直近の病院と応募先に近い診療科の病院を優先して残します。古い病院も消さず、年月と法人名だけ残すのが基本です。病棟ごとの人数や夜勤回数は、最初から職務経歴書へ回します。
良い例文
令和6年 4月 地方独立行政法人〇〇市立病院機構 〇〇市立病院 入職
現在に至る
詳細は職務経歴書をご参照ください 以上
NG例
令和6年 4月 〇〇市立病院 入職 現在に至る 以上
(前職3病院を記載せず、空白の説明もない)
病院を消すと詐称を疑われる
短い勤務や円満でない退職を隠すと、年金記録・源泉徴収票・前職調査で食い違います。欄が足りないことと、経歴を隠すことは別です。職務経歴書に全病院を時系列で残し、履歴書には圧縮した年表を置く、という分担にします。
病棟と業務の書き方は、看護師の職務経歴書テンプレートの欄に合わせて移すと、履歴書側の一文とつながります。

看護師免許は資格欄に「看護師免許 取得」と書く
職歴欄を圧縮している最中に、資格を職歴へ混ぜないでください。看護師免許は資格欄へ移し、看護師免許 取得と書きます。「正看護師」は履歴書の正式名称ではありません。准看護師免許がある場合は、取得年月順に並べます。
良い例文
令和2年 4月 看護師免許 取得
NG例
令和2年 4月 正看護師資格 取得(職歴欄の末尾に記入)
ここまでの主題は職歴欄の溢れです。免許の正式名称を資格欄へ移すだけで、職歴に1行戻せます。
パート・夜勤専従・同じ法人の異動も病院は消さない
常勤だけ残して非常勤を消すと、週の働き方が伝わらないだけでなく、年金記録と月がずれます。欄が足りないときは雇用形態の説明を職務経歴書へ移し、履歴書には年月と法人名を残します。
パート・夜勤専従の記載例
夜勤専従やパートは、履歴書では1行に収めて構いません。「夜勤専従」の語を残すと、応募先の勤務体制と照合しやすくなります。人数やシフト回数は職務経歴書側です。
良い例文
令和3年 4月 医療法人〇〇会 〇〇病院 入職(夜勤専従) 令和4年 9月 一身上の都合により退職
令和4年 10月 社会福祉法人〇〇会 〇〇訪問看護ステーション 入職(非常勤) 令和5年 3月 一身上の都合により退職
NG例
令和3年 4月〜令和5年 3月 ブランク(実際は夜勤専従と非常勤あり)
短い勤務を空白に置き換えると、職歴の削除と同じ扱いになります。
同じ法人内の異動は1件にまとめてよい
同じ医療法人の別病棟、別事業所への異動は、転職ではありません。履歴書では法人への入職と退職を1セットにし、事業所の移動は職務経歴書へ移します。別法人への転籍だけ、新しい入職行を立てます。
良い例文
令和元年 4月 医療法人社団〇〇会 入職
〇〇病院外科病棟 → 〇〇病院手術室 → 〇〇クリニック外来(詳細は職務経歴書)
令和6年 3月 一身上の都合により退職 以上
NG例
同じ法人の病棟移動を、毎回「入職・退職」で3行に分け、古い病院を1件消して帳尻を合わせる。異動を転職に見せて行を溶かす書き方です。
採用担当者はここを見ている
- 雇用主が同じなのに、入職が何度も出ていないか
- 非常勤の月が、履歴書から消えて空白になっていないか
- 和暦と西暦が、学歴と職歴で混在していないか
面接では「欄が足りず職務経歴書に病棟を移した」と先に言えば足ります。隠した病院を後から説明するより、圧縮の順番を話した方が信頼は残りやすいです。
提出前に履歴書と職務経歴書を突き合わせる
圧縮した履歴書だけ見て提出すると、職務経歴書側の病院数や年月とずれます。採用担当者は2枚を並べて見るので、提出前に次を確認します。
- 履歴書にある病院が、職務経歴書にも同じ法人名で出ているか
- 入職・退職の年月が、源泉徴収票や雇用保険の記録と月単位で合うか
- 病棟名を履歴書から外した病院に、職務経歴書の所属行があるか
- 和暦と西暦が、学歴欄と職歴欄で混ざっていないか
- 「詳細は職務経歴書をご参照ください」を書いたのに、職務経歴書が付いていない、ということがないか
年月が1か月ずれるだけでも、在職証明の取り寄せで止まります。記憶で書かず、給与明細の最初と最後の支給年月から起こします。グループ名と法人名が違う場合は、法人名を履歴書の主語にします。
| 見る書類 | 履歴書に転記するもの | 職務経歴書へ移すもの |
|---|---|---|
| 源泉徴収票 | 法人名、在職の年 | なし |
| 配属辞令・勤務表 | 入職・退職の年月 | 病棟名、夜勤、業務 |
| 看護師免許証 | 資格欄の取得年月 | なし |
欄が足りないこと自体は減点になりにくいです。減点になるのは、消した病院と、証明書類の不一致です。収める順番を守った履歴書は、短い年表でも追跡できます。
よくある失敗と直し方
| 失敗 | 直し方 |
|---|---|
| 短い勤務の病院を消した | 年月と法人名だけ戻し、病棟は職務経歴書へ |
| 入社と書いた | 入職に直す |
| 病棟を全部書いて最後の病院が溢れた | 履歴書は入職・退職だけにする |
| 正看護師と資格欄に書いた | 看護師免許 取得に直す |
| 現在に至るを省略した | 以上と同じ行に戻す |
面接で「職歴欄が短い」と聞かれたら、用紙の行数と、病棟を職務経歴書へ移した事実を先に話します。消した病院の言い訳を考える必要はありません。残している病院の法人名を、証明と同じ読みで答えられるようにしておきます。
まとめ
看護師の履歴書で職歴が書ききれないときは、病院を消さず、用紙変更・学歴短縮・病棟詳細の移設・1行まとめの順で収めます。医療機関は入職と退職、施設は法人名から書きます。同じ法人の異動は1件にまとめ、パートや夜勤専従も年月だけは残します。
それでも溢れたら、詳細は職務経歴書をご参照ください、と末尾に置きます。免許は資格欄へ「看護師免許 取得」と移します。提出前に、源泉徴収票の法人名と履歴書の病院名が一致しているかを見ます。
- 履歴書は入職・退職の年表、病棟は職務経歴書
- 1病院1行、現在に至る+以上の1行まとめは使ってよい
- 最後の手段は「詳細は職務経歴書をご参照ください」
- 看護師免許は資格欄に「看護師免許 取得」(正看護師とは書かない)
看護師の履歴書で職歴が書ききれないときに関するよくある質問
- 病棟異動を履歴書に書かないと詐称になりますか
-
病棟名の省略自体は詐称ではありません。消してはいけないのは病院そのものです。履歴書は入職と退職、病棟と業務は職務経歴書、と役割を分ければ足りません。応募先の診療科に近い病棟だけ履歴書へ残す必要もなく、職務経歴書側で十分伝わります。
- パートや非常勤の病院は履歴書から外してよいですか
-
期間が短くても、雇用されていた事実は職歴です。履歴書では年月と法人名だけ残し、常勤との違いは職務経歴書に書きます。外すと空白月の説明がつきません。週1日の非常勤でも、法人名と期間は残します。
- 履歴書を2枚にして職歴を続ければよいですか
-
指定用紙が1枚のときは、2枚に分けず圧縮します。裏面に続ける指定がある場合を除き、職務経歴書へ詳細を移す方が読み手の負担は小さくなります。指定が「履歴書のみ」でも、職歴が多いときは職務経歴書を添えて構いません。
- 現在に至ると以上は、必ず2行に分けますか
-
分けられる余白があるときは2行でも構いません。職歴が書ききれないときは1行にまとめて問題ありません。どちらも欄の末尾に置く点は同じです。締めを省略すると、続きの病院を書き忘れた印象になります。

