経理の職務経歴書は、「経理業務全般」という書き方ではなく、担当範囲と規模感を数字で示すことが採用担当者に通過する条件です。決算区分・会計ソフト名・伝票量まで書き込むことで、即戦力かどうかを判断してもらえます。この記事では経験レベル別の例文と、採用担当者が実際にチェックしているポイントをあわせて解説します。
経理の職務経歴書の書き方と例文
結論:担当範囲と数字を明記するのが基本
経理の業務は伝票入力から連結決算まで幅が広いため、「経理業務を担当」とだけ書いても採用担当者には何も伝わりません。「何を」「どこまで」「どのくらいの規模で」担当したかを、会社の売上規模・従業員数・経理部門の人数とあわせて記載することが基本です。
- 担当していた決算区分(月次・年次・連結など)
- 使用していた会計ソフト・システム名
- 処理していた伝票量や取引件数の目安
- 業務改善や効率化で出した具体的な数字
この4点を職務経歴に組み込むだけで、同じ「経理担当」という肩書きでも情報量が大きく変わります。
経理の職務経歴書 記載例(経験者の場合)
実際にどう書けば伝わるのか、良い例とNG例を比較しながら確認します。
良い例文
従業員120名・年商25億円の製造業にて、経理担当として3年間勤務。月次決算(伝票処理約400件/月)から年次決算までを2名体制で担当し、会計ソフトは勘定奉行を使用。経費精算フローの見直しにより、月次決算の締め日を3営業日短縮しました。
NG例
経理業務全般を担当。伝票処理、月次決算、年次決算などを行いました。会社の規模・担当範囲・使用ソフトが一切書かれていないため、採用担当者はこの応募者にどこまで任せられるのか判断できません。
採用担当者はここを見ている
- 規模感が数字で伝わるか(従業員数・売上高・伝票件数)
- 決算業務のどこからどこまでを一人で完結できるか
- 会計ソフト名が具体的に書かれているか
未経験・実務経験が浅い場合の書き方のポイント
実務経験が浅い場合は、業務量や規模の代わりに経理業務に関連する周辺スキルを具体的に書くことでカバーできます。簿記資格の取得過程で学んだ内容、Excelでの関数・ピボットテーブルの使用経験、前職での数字を扱う業務経験などを、経理業務との接点として言語化することがポイントです。
抽象的な「頑張ります」といった意欲表現だけで終わらせず、事務の職務経歴書テンプレートを参考に、担当していた業務を数字と一緒に棚卸しすることから始めると書きやすくなります。
採用担当者が経理の職務経歴書で本当に見ているポイント
採用担当者が経理の職務経歴書を読むとき、最初に確認しているのは「この人は実際に何をやっていたのか」という業務範囲です。経理は担当領域によって求められるスキルが大きく異なるため、範囲が不明確な職務経歴書は評価のしようがありません。
採用担当者はここを見ている
- 募集ポジションと担当範囲の親和性があるか
- 決算業務を「補助」していたのか「主担当」だったのか
- 数字や事実の記載に誤りや矛盾がないか
- 業務改善や効率化への取り組み経験があるか
「経理業務全般」という表現がNGとされるのは、担当範囲が伝わらないだけでなく、応募先の業務内容との親和性を判断する材料が失われるためです。募集ポジションが月次決算中心なのか、連結決算まで求めているのかによって、アピールすべきポイントも変わります。応募先の求人票にある業務内容と、自分の経験を照らし合わせて記載範囲を調整することが通過率を左右します。
状況別・経験レベル別の書き方と例文
経理経験3年未満の場合の例文
良い例文
従業員30名の小売業にて、経理担当として2年間、日次の入出金管理と月次決算補助を担当。先輩社員の指導のもと、請求書発行から入金消込までの一連の流れを一人で完結できるようになりました。簿記2級を取得済みで、決算業務のさらなる習熟を目指しています。
経験年数が短い場合は、無理に業務の幅を広げず、確実にできる業務を明確に区切って書くほうが誠実な印象を与えます。
決算実務(月次・年次・連結)を担当した場合の例文
良い例文
グループ会社5社を含む従業員450名規模の企業で、経理チーム4名のうち連結決算担当として2年間従事。子会社からの資料回収から連結パッケージの作成、監査法人対応までを主担当として実施。連結決算にかかる期間を5営業日短縮する業務フローを構築しました。
経理から管理職・マネジメントを目指す場合の例文
良い例文
経理課長として、メンバー5名(うち2名は入社1年未満)のマネジメントと決算スケジュールの管理を担当。業務分担の見直しにより属人化を解消し、担当者が急な休みでも決算が止まらない体制を構築しました。採用面接にも同席し、部門の採用計画にも関与しています。
マネジメント経験をアピールする場合は、人数・体制の変化・課題解決の3点をセットで書くと、単なる「役職経験」ではなく実務としての説得力が増します。採用担当者はどの経験レベルの例文でも「役職名」より「実際に何をどこまで動かしたか」を見ています。肩書きだけを強調した記載は、実務が伴っていないと判断されやすいため注意してください。
職務経歴書に書くべき5つの項目とテンプレート
経理の職務経歴書は、以下の5項目を軸に構成すると読みやすくなります。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| 職務要約 | これまでの経理経験を3〜5行で要約 |
| 職務経歴 | 在籍企業ごとの業務内容・規模感・実績 |
| 活かせる経験・スキル | 決算経験、会計ソフトの操作スキルなど |
| 資格 | 簿記・税理士科目合格など取得年月とあわせて記載 |
| 自己PR | 強みと応募先での再現性を結びつけて記載 |
ゼロから組み立てるのが難しい場合は、経理の職務経歴書テンプレートに自分の経験を当てはめていくと、項目の抜け漏れを防げます。ハローワーク経由での応募を予定している場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートの書式を確認しておくと安心です。採用担当者は5項目のうち「職務経歴」と「自己PR」の整合性を特に見ています。職務経歴で書いた経験と自己PRの主張がずれていると、内容の信ぴょう性が下がる点に注意してください。
経理の職務経歴書でよくある失敗と対策
- 業務の羅列で終わっている:「伝票処理、月次決算、年次決算」だけで規模感がない → 会社規模・件数・使用ソフトを添える
- 成果が書かれていない:担当業務の説明だけで終わっている → 効率化・コスト削減などの数字を添える
- 数字の不一致:在籍期間と職歴の年数が合わない、資格取得年月が誤っている → 提出前に履歴書と突き合わせる
- 自己PRが経理と結びついていない:「コミュニケーション力があります」など抽象的な表現のみ → 経理業務での具体的な発揮場面を添える
これらの失敗は、書き終えた後に「この職務経歴書だけで担当範囲が伝わるか」を第三者視点で読み返すことで多くが防げます。可能であれば、家族や友人など経理の知識がない人に読んでもらい、業務内容がイメージできるか確認するのもひとつの方法です。
まとめ
- 「経理業務全般」ではなく、担当範囲・規模感・数字で具体的に書く
- 会計ソフト名・伝票量・決算区分を明記して即戦力度を伝える
- 実務経験が浅い場合は周辺スキルと数字を組み合わせて補う
- 提出前に第三者視点で担当範囲が伝わるか読み返す
経理の職務経歴書は、書類選考の通過率を大きく左右する重要な資料です。今回紹介した記載例を参考に、自分の経験を数字と結びつけて整理してみてください。



経理の職務経歴書に関するよくある質問
- 経理の職務経歴書は何枚が適切ですか?
-
A4用紙1〜2枚が目安です。経験が長く担当範囲が広い場合は2枚まで、経験3年未満であれば1枚に収めると読みやすくなります。枚数よりも、担当範囲と規模感が具体的に伝わるかを優先してください。
- 簿記資格がなくても経理の職務経歴書は書けますか?
-
資格がなくても、実務で数字を扱った経験やExcelスキル、勉強中の資格があればそれを具体的に記載することでカバーできます。資格の有無より、実務での再現性が伝わるかどうかが重視されます。
- 経理の職務経歴書と履歴書の自己PRは分けて書くべきですか?
-
役割を分けて書くのが基本です。履歴書の自己PRは人柄や強みを簡潔に、職務経歴書の自己PRは経理業務での具体的な発揮場面や実績を中心に記載すると、内容が重複せず読み手に伝わりやすくなります。
- 転職回数が多い場合、経理の職務経歴書はどう書けばいいですか?
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各社での担当業務を時系列で羅列するのではなく、共通して培ってきた経理スキルを職務要約でまとめたうえで、各社の経歴では担当範囲の違いが伝わるように簡潔に記載する方法が有効です。

