企画営業の職務経歴書は、担当商材・顧客・提案手法・実績の4点を職務要約の冒頭で明示するのが正解です。「企画営業」と「営業企画」を混同したまま書くと、採用担当者の評価が下がります。数字の実績が出しにくい場合の書き方や、BtoB・BtoC別の例文、自己PRと志望動機の一貫性まで解説します。
企画営業の職務経歴書はこう書く|結論と例文
結論:担当商材・顧客・提案手法・実績の4点を冒頭で明記する
採用担当者が職務経歴書を読む時間は、初回のスクリーニングで1通あたり30秒から1分程度といわれています。この短時間で判断材料になるのは、次の4点です。
| 項目 | 書く内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 担当商材 | 何を売っていたか・単価帯 | 業務用SaaS(1件30万〜200万円) |
| 顧客 | 誰に売っていたか・規模感 | 従業員100〜500名の製造業/首都圏 |
| 提案手法 | 新規・既存の比率、進め方 | 新規開拓6割・既存深耕4割、課題ヒアリング型 |
| 実績 | 目標に対する達成度 | 年間目標達成率114%(部内2位) |
この4点が職務要約に入っていない書類は、採用担当者にとって「どんな企画営業なのか」が像を結びません。以降の項目でも、この4点を軸にした組み立て方を使います。
職務要約の例文
職務要約は職務経歴書の冒頭に置く、経歴の概要文です。160〜200文字程度で、商材・顧客・提案手法・実績の4点を圧縮してまとめるのが基準です。
良い例文
製造業向け業務システムの企画営業として5年間、新規開拓を中心に担当しました。関東エリアの中堅製造業(従業員100〜500名)を対象に、現場の生産管理課題をヒアリングした上で提案書を設計する手法を確立し、直近2年は年間目標達成率114%・部内2位(8名中)を維持しています。
NG例
法人向けの営業として5年間勤務しました。お客様のニーズをくみ取りながら提案を行い、目標達成に向けて努力してきました。この経験を活かして貴社でも貢献したいと考えています。
NGの理由:商材・顧客規模・実績の数字がすべて抜けています。「努力してきました」だけでは、他の応募者と何が違うのか採用担当者に伝わりません。
採用担当者はここを見ている
採用担当者はここを見ている
- 職務要約の最初の2〜3行だけで「何を・誰に・どう売っていたか」が読み取れるか
- 数字の隣に目標値や社内順位など、比較できる基準が添えられているか
- 「企画営業」を名乗りながら、実態がテレアポ中心の反響営業になっていないか
「企画営業」と「営業企画」は別の職種と理解する
「企画営業」と「営業企画」は名前が似ていますが、求められる経験とアピールすべき内容が異なります。この違いを理解しないまま書き始めると、求人が求めている情報と職務経歴書の内容がずれてしまいます。
求人票で役割を見極める
| 職種 | 主な役割 | 職務経歴書でアピールすべき点 |
|---|---|---|
| 企画営業 | 顧客課題を分析し、自社製品・サービスで解決策を提案する | 提案力・顧客折衝力・商談設計力・受注実績 |
| 営業企画 | 営業組織の戦略立案・施策設計・数値分析を担う | 分析力・企画立案力・プロジェクト管理・数値改善実績 |
求人票に「顧客への提案活動」が中心に書かれていれば企画営業、「営業組織全体の数字を動かす施策」が中心であれば営業企画です。応募前に求人票の職務内容を読み込み、どちらの側面が求められているかを確認してから書き始めてください。
混同したまま書くと評価が下がる理由
企画営業の求人に対して、営業組織の分析や施策立案の話ばかりを書くと、採用担当者は「現場で顧客と直接やり取りした経験が薄いのでは」と受け取ります。逆に営業企画の求人に個人の商談実績だけを並べても、組織を動かした経験が伝わりません。応募先の求人内容に合わせて、職務経歴の書き方の重心を変えてください。
職務経歴の書き方|商材・顧客・提案手法を具体化する
職務経歴の本文では「誰に・何を・どうやって売っていたか」が即座に読み取れる構成にします。この3点が抜けている書類は、採用担当者から見て情報が不足していると判断されます。
記載フォーマット
| 記載要素 | 具体的に書くべき内容 |
|---|---|
| 担当商材 | 製品名またはカテゴリ・価格帯・自社製品か代理店扱いか |
| 顧客 | 業種・規模(従業員数・売上規模)・法人か個人か・新規か既存か |
| 提案手法 | テレアポ・紹介・インバウンド、訪問頻度、提案から受注までの平均期間 |
担当したプロジェクトや職場が複数ある場合は、時系列または担当内容ごとに分けて記載してください。まとめて書くと、成長の過程や役割の変化が読み取れなくなります。書式に迷う場合は、営業の職務経歴書テンプレートに沿って項目を埋めていくと、必要な要素が自然に揃います。
複数社の経歴を整理する方法
転職回数が複数回ある場合、すべての職歴を同じ密度で書くと要点がぼやけます。応募先に近い直近の経験を厚く書き、それ以外は在籍期間と担当業務のみに絞ってください。ハローワーク経由で応募する場合は、指定の様式を案内されることがあるため、事前に窓口で確認しておくと安心です。様式が決まっている場合はハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと形式を揃えやすくなります。
数字の実績がない場合の書き方
「実績を数字で表せない」という相談は、企画営業の職務経歴書作成でよく出てくる悩みです。数字が出しにくい状況でも、採用担当者に伝わる書き方はあります。
業務量を数値化する視点
- 行動量を数字に変える:「月間20件の商談を自ら組み、週3件のペースで提案を実施」など、日常業務のボリュームを数字にする
- プロセスを具体化する:「競合3社との比較提案書を作成し、最終選考まで残り受注に至った」など判断の過程を書く
- 社内外での役割を記す:「新人3名のOJTを担当」「担当顧客のリピート率を3年間維持」など他者への影響を書く
良い例・NG例
良い例
2024年度は主要顧客の設備投資凍結により、目標達成率82%と未達でした。要因を大口依存と分析し、翌年度は新規アプローチ数を月40件から70件へ引き上げ、単価100万円未満の小口案件も対象に加えています。結果として2025年度は達成率106%、担当顧客数を18社から27社に増やしました。
NG例
市場環境の悪化で目標未達となりましたが、諦めずに努力を続けた結果、翌年は目標を達成できました。
NGの理由:原因を市場環境だけに置き、自分が変えた行動が書かれていません。この書き方では、同じ状況が起きたときにまた環境のせいにする人物だと受け取られます。
業種・状況別の例文集
BtoB企画営業の例文
BtoBの企画営業では「顧客の業務課題をどう解決したか」というプロセスと規模感が、採用担当者が特に確認するポイントです。
職務要約例(BtoBメーカー営業)
金属加工部品メーカーの企画営業として6年間、製造業・自動車部品業界の中堅企業(従業員100〜800名)を担当しました。見積依頼を待つのではなく、顧客の生産ライン課題を先読みして能動的に提案する手法を確立し、担当エリアの年間受注件数を前年比1.4倍に伸ばしました。
法人営業として実績をどう積み上げてきたかの整理に迷う場合は、以下も参考にしてください。

BtoC企画営業の例文
BtoCの企画営業では「顧客の意思決定をどう支援したか」と「紹介・リピートにつながる関係構築」が評価のポイントになります。
職務要約例(不動産BtoC)
首都圏の分譲マンション企画営業として4年間、来場顧客への提案とアフターフォローを担当しました。主な顧客は30〜40代の共働き世帯で、年間販売棟数は58棟です。契約後のフォローを継続した結果、後半2年は紹介経由の受注が全体の28%を占めるようになりました。
未経験から企画営業を目指す場合の例文
これまで一般的な営業職(ルート営業・テレアポ型)を経験してきた場合でも、企画営業への転換を職務経歴書で後押しできます。採用担当者が未経験転換者に確認するポイントは次の3つです。
未経験転換者に求める3つの確認ポイント
- 提案経験の有無:ルート営業の中でも、顧客の課題を聞き出して解決策を提案した場面を具体的に書く
- 商材・業界知識の深さ:自社製品や業界の仕組みを理解した上で提案してきたことを示す
- 企画思考の素地:業務改善提案・後輩指導など、「仕組みで解決しようとした」経験があれば積極的に記載する
自己PR・志望動機で一貫性を出す
自己PRで使える3つの切り口
自己PRは「誰でも書けそうなこと」を書いても評価されません。企画営業特有の強みを、次の3つの軸から選んで組み立ててください。
| 軸 | 概要 | 採用担当者が見るポイント |
|---|---|---|
| 提案力・課題発見力 | 顧客の表面ニーズの裏にある課題を見抜き、解決策を設計する力 | 提案のプロセスと思考の深さ |
| 関係構築力 | 新規・既存顧客との信頼関係を構築し、継続取引につなげる力 | 担当顧客数・リピート率・紹介受注の有無 |
| 仕組み化・再現性 | 個人の営業経験をチームに展開し、組織の成果に変える力 | OJT実績・マニュアル作成・後輩指導の経験 |
良い例
製造業向けシステムの提案において、顧客の「効率化したい」という曖昧な要望に対し、業務フローを可視化して課題を整理するアプローチを自分で設計しました。この手順をチームに展開した結果、チーム全体の提案受注率が前年比1.3倍になりました。
NG例
お客様のニーズを的確に把握し、提案することで信頼関係を築いてきました。チームメンバーと連携しながら、常に目標達成を意識して業務に取り組んできました。
NGの理由:「的確に把握」「常に意識」は誰でも書ける内容で、具体的なエピソードがありません。採用担当者にとって判断材料がない状態です。
自己PR欄をどう埋めればいいか迷う場合は、以下のテンプレートも参考にしてください。

志望動機との整合性チェック
自己PRと志望動機が矛盾していると、採用担当者は一貫性のない人物という印象を持ちます。自己PRは「過去の再現性」、志望動機は「応募先を選んだ理由」と役割を分けて考えると、内容の重複を防げます。志望動機欄を設けない書式を使う場合は志望動機なしの履歴書テンプレートも参考にしてください。応募書類全体の形式を揃えたい場合は、転職用の履歴書テンプレートも確認しておくと安心です。
まとめ
- 企画営業の職務経歴書は、担当商材・顧客・提案手法・実績の4点を職務要約の冒頭で明示する
- 「企画営業」と「営業企画」は別職種。求人票の職務内容を確認してから書き始める
- 数字が出せない場合は「行動量の数値化」「プロセスの具体化」「社内外の役割」で代替できる
- 自己PRは提案力・関係構築力・仕組み化の3軸から1〜2つ選び、具体的なエピソードで厚みを出す
- 自己PRと志望動機は役割を分けて書くと一貫性が生まれる
書き上げた内容を土台に、下書きの精度を上げたい場合は自動作成ツールも活用できます。

企画営業の職務経歴書に関するよくある質問
- 企画営業と営業企画の職務経歴書の書き方に違いはありますか?
-
違いがあります。企画営業は顧客への提案活動のプロセスと実績を中心に書き、営業企画は組織全体の数字を動かした施策や分析経験を前面に出します。求人票で「顧客折衝が中心か、社内の企画立案が中心か」を確認し、書く内容の重心を変えてください。
- 職務経歴書に書ける数字がほとんどありません。どうすればいいですか?
-
数字がなくても書けます。月間の商談件数や提案書の提出件数など、日常の業務量を数字に置き換えるのが最初のステップです。それでも難しい場合は、提案のプロセスを具体的に書く、または社内での役割や評価を記す方法で代替できます。
- 職務経歴書の適切な文字数はどのくらいですか?
-
A4用紙2枚(2,000〜3,000文字程度)が目安です。企画営業は担当案件が複数になりやすいため、プロジェクト単位で整理し、採用担当者が全体像を把握できる構成にすることを優先してください。
- 未経験から企画営業へ転職する場合、職務経歴書で何を強調すればいいですか?
-
これまでの営業経験の中から、提案した場面や顧客課題を分析した場面、仕組みを改善した場面を掘り起こして書くことが優先です。採用担当者は即戦力だけでなくポテンシャルも見ているため、企画営業に近い視点が見える経験を積極的に記載してください。

