履歴書は指定がなければパソコン作成でよく、手書き必須という一般ルールはありません。指定がある場合と、新卒で大学指定用紙がある場合だけ手書きに従います。判断の順番、手書きのペンと修正、パソコンのフォント、業界・雇用形態別の選び方と、熱意に関する誤解まで比較して整理します。
結論:指定がなければパソコン、指定があれば従う
結論:先に「指定の有無」を見る
履歴書の作成方法は、求人票や案内に手書き・自筆の指定がなければパソコンで作ってよいが答えです。指定があるのにパソコンで出すと、中身の前に「指示を読まない人」と見なされます。指定が無いときの優劣は、読みやすさと修正の速さでパソコン側に寄っています。
dodaが採用担当者に聞いた調査では、「パソコン(またはスマホ)作成のほうがよい」が42.7%、「どちらでも構わない」が41.6%、「手書き」が15.8%でした。形式そのもので落とす担当者は少数です。迷った時間は、志望動機の具体化に回します。手書き指定の有無は、求人票本文だけでなく応募フォームの注意書きと、返信メールの末尾にも書かれます。
3秒で決める判断表
| 確認順 | 条件 | 選ぶ方法 |
|---|---|---|
| 1 | 「手書き」「自筆」「所定様式に記入」と書いてある | 手書き |
| 2 | 大学指定の紙履歴書を使う(新卒) | 手書き |
| 3 | 面接会場でその場記入 | 手書き |
| 4 | PDFやWeb入力での提出 | パソコン |
| 5 | 指定なし・複数社へ並行応募 | パソコン |
| 6 | 指定なし・字に自信がない | パソコン |
良い書き方(判断の言葉)
求人票を上から検索し、「手書き」「自筆」「記入」の3語が無ければパソコンで作成する。新卒は先にキャリアセンターの指定用紙の有無を見る。用紙が紙なら手書き、データ提出ならパソコン。
NG例
「熱意を見せたいから全部手書き」と、10社分を徹夜で清書する。誤字と志望動機の使い回しが同時に起きやすい選び方です。指定が無いならパソコンで中身を揃え、手書きは指定社だけに残します。
新卒だけ先に用紙を確認する
新卒は「手書きかパソコンか」より先に、使う用紙が決まります。大学指定の履歴書は紙で配られることが多く、その時点で手書き一択です。企業の説明会で会場用紙に書く場合も手書きです。
指定用紙が無く、企業も形式を指定していないなら、パソコンで問題ありません。厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートは入力前提の欄組みなので、指定なしの新卒・中途のどちらにも使えます。
手書きとパソコン、向く場面は対称ではない
メリットとデメリットを同じ分量で並べると、実際の判断を誤ります。いまの中途採用では、パソコン側の利点(読みやすさ・修正・複製)のほうが大きい一方、手書きが効く場面は限定的です。
| 観点 | パソコン | 手書き |
|---|---|---|
| 読みやすさ | フォントが揃い、スキャン後も崩れにくい | 字の巧拙がそのまま残る |
| 修正 | 誤字を直して再印刷できる | 書き直しが1枚単位。修正液は使えない |
| 複数社応募 | 基本情報を残し、志望動機だけ差し替えられる | 社数分の清書が必要 |
| 熱意の見え方 | 形式では伝わらない。文面で示す | 手間は伝わる。字が乱れると逆効果 |
| 向く職種の例 | IT・事務・外資・Web提出が前提の求人 | 手書き指定がある求人。受付・秘書で字が業務に直結し、かつ字に自信がある場合 |
採用担当者はここを見ている
- 手書きかパソコンかより、空欄・誤字・日付の西暦和暦混在を先に見ます
- パソコンでも、全社同じ志望動機を貼った書類はすぐにわかります
- 手書きでも、薄れたインクや斜めの行は「雑な仕事」の先行イメージになります
手書きを選ぶときのペンと修正ルール
手書きを選んだあとに見るのは、ペンと書き損じの扱いです。消せるボールペン、鉛筆、薄いインクは使いません。黒の油性ボールペン、0.5mm前後が読みやすい太さです。
- インク:黒。フリクションなどの熱で消える芯は不可
- 字体:楷書。崩した行書は読み手が止まります
- 下書き:鉛筆で薄く書いてから清書し、消しゴムは枠を傷めないよう軽くかける
- 修正:修正液・修正テープは使わない。1字でも書き直す
良い書き方(手書き)
黒の油性ボールペンで、枠内に収まる大きさの楷書。数字と漢字の大きさは揃える。書き損じた欄は、その1枚を廃棄して新しい用紙に最初から書く。
NG例
志望動機の1文を修正テープで塗り、上から書き直す。コピーやスキャンで白い跡が残り、改ざんに見える処理です。予備の用紙を最初から2〜3枚用意します。

パソコンを選ぶときのフォントと体裁
パソコンを選んだあとに見るのは、フォント・サイズ・余白です。装飾フォントや社名ロゴ風の文字は使いません。本文は明朝、氏名は少し大きくする程度で十分です。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 日本語フォント | 游明朝、MS 明朝、ヒラギノ明朝 |
| 英数字 | 日本語フォントに合わせる。本文中でゴシックと明朝を混在させない |
| 本文サイズ | 10.5〜11pt。氏名は12〜14pt |
| 提出データ | 指定が無ければPDF。Wordのまま送るとレイアウトが崩れやすい |
| 印刷 | A4、等倍、両面指定が無い限り片面。かすれがないか光にかざして見る |
欄の型は、廃止前のJIS様式に寄せる必要はありません。いま使うなら厚労省の推奨様式か、用途別のテンプレです。JIS規格に沿った履歴書テンプレートを使う場合も、項目を空欄のまま残さないことが先です。
良い書き方(パソコン)
游明朝11ptで全文を揃え、社名は「株式会社」を略さない。志望動機だけ応募先の事業名を入れて差し替える。印刷前にPDFで改行崩れを確認する。
NG例
見出しだけゴシック極太、本文は細い明朝、英数字はComic Sans。資料作成のルールが無い人に見える組み合わせです。フォントは1系統に固定します。

新卒・中途・アルバイトでの選び方
中途採用
並行応募が前提ならパソコンです。基本情報を固定し、志望動機と自己PRだけ会社ごとに書き換えます。転職用の履歴書テンプレートで職歴欄の行数を確保してから入力すると、手書き用紙の行不足で書き切れない事態を避けられます。
新卒
大学指定用紙、企業指定の「自筆」、当日記入の3つが揃うと手書きになります。それ以外はパソコンで出せます。エントリーシートがWeb、履歴書だけ紙、という組み合わせでも、履歴書側に手書き指定が無ければパソコンで揃えて問題ありません。
アルバイト・パート
店舗提出の手書き用紙が置いてある場合は、その場で手書きします。事前提出で形式指定が無いならパソコンでも手書きでも通ります。字に自信が無いなら、家でパソコン印刷して持参するほうが読みやすいです。履歴書と職務経歴書で作成方法を分ける必要はありません。片方だけ手書きにすると、揃えていない印象になります。
良い書き方(状況別)
中途5社:パソコンで基本情報を共通化し、志望動機だけ社名と事業を変える。
新卒・大学指定用紙あり:黒ボールペンで手書き。指定用紙以外は使わない。
アルバイト・店頭用紙なし:A4をパソコン印刷して持参する。
採用担当者が形式より先に見ている点
「手書きのほうが誠実」という話は残っていますが、現場の優先順位は別です。先に見られるのは、読めること、事実が正確なこと、応募先の名前が本文に入っていることです。
採用担当者はここを見ている
- 会社名の正式名称と、募集職種との対応。略称や旧社名のままは減点対象です
- 学歴・職歴の年月が他書類と食い違っていないか
- 志望動機が「御社の理念に共感」だけで終わっていないか。パソコンでも手書きでも同じ減点です
形式を決めたあとは、通る書き方と落ちる書き方の差を本文側で埋めます。欄ごとの見本が必要なときは、書き方の見本記事へ進みます。パソコンで作った履歴書を印刷したあと、手書きで日付だけ足す混在は、指定が無い限り避けます。日付も入力して印刷し、提出日(持参日または投函日)に合わせて再出力します。

業界・雇用形態で判断が分かれる点
指定が無いときの初期値はパソコンです。例外は「手書きの字が仕事そのもの」か、「紙の指定用紙しか受け付けない」かの2つにほぼ限られます。金融・官公庁・老舗メーカーでも、近年はデータ提出が増えています。口伝の「うちは手書き」より、募集要項の一文を優先します。
| 応募先の傾向 | 初期値 | 手書きに切り替える合図 |
|---|---|---|
| IT・Web・外資 | パソコン | 自筆と明記されたときだけ |
| 事務・企画・営業(中途) | パソコン | 受付・秘書で手書き業務が求人本文にある |
| 保育・介護・医療事務 | 指定確認が先 | 園・病院指定の紙履歴書 |
| 公務員・教採 | 所定様式 | 様式が紙なら手書き。電子申請ならパソコン |
| アルバイト店舗 | 店頭用紙に従う | 事前提出で用紙指定が無いならパソコン可 |
証明写真の向きと解像度は、手書きでもパソコンでも同じです。パソコン作成で写真を画像貼付するときは、引き伸ばしで画素が荒れていないかを印刷後に見ます。手書き用紙へ写真を貼るときは、剥がれ防止ののり代を先に確保します。作成方法の選択と、写真の失敗は別問題として扱います。
良い書き方(業界)
Web企業5社:パソコンでPDF提出。1社だけ「自筆」とあるメーカー:その1社だけ手書き。
市役所の会計年度任用:配布PDFに入力して印刷。会場記入の一次試験は手書き。
よくある誤解を先に外す
「手書きのほうが熱意が伝わる」は、指定がある職場や字が業務に直結する職種ではまだ残っています。一方で、読みにくい手書きは熱意より先に「読むコスト」として処理されます。熱意は志望動機の固有名詞と、職歴の数字で示します。
| 誤解 | 実際の扱い |
|---|---|
| 手書きなら内容が薄くても許される | 形式は減点対象にならないだけ。中身の薄さは残る |
| パソコンは手抜き | 担当者調査ではパソコン可が多数。手抜きに見えるのは使い回し文 |
| 全部手書きにすれば差別化できる | 10社分の清書は誤字を増やす。指定社だけ手書きにする |
| スマホ作成は失礼 | 体裁が整ったPDFなら手段は問われない |
| JIS用紙だけが正式 | 厚労省の推奨様式で足りる。空欄を残さないほうが先 |
指定の探し方
指定は求人票の本文だけでなく、応募フォームの注意書き、採用メールの末尾、会社案内のPDFにも書かれます。「応募書類」「提出方法」「手書き」「自筆」「所定」で検索してから作り始めます。口頭だけ「手書きが好ましい」と言われた場合は、メールで「手書き指定でよろしいでしょうか」と一文確認します。
スマホだけで作る場合
パソコンが無いときは、ブラウザの履歴書作成画面か、Word互換アプリで同じフォント規則を守ります。完成後は必ずPDFにして、スマホの画面ではなく印刷プレビューで改行を見ます。コンビニ印刷なら、等倍・A4・片面を先に機械で選び、縮小印刷になっていないかを端の余白で確認します。
良い書き方(誤解を外した選び方)
求人票とメールを「自筆」で検索し、ヒットしなければパソコン。志望動機に事業名と数字を入れる。手書き指定の1社だけ、黒の油性ボールペンで清書する。
NG例
「パソコンは熱意が足りないと言われた気がする」だけで全社手書きにする。根拠の無い口伝を全社ルールにしている選び方です。書いてある指定だけを手書き対象にします。
まとめ
- 指定がなければパソコン:手書き必須の一般ルールはない。指定と大学用紙だけ手書き
- 担当者の多数派はパソコン可:doda調査ではパソコン42.7%、どちらでも41.6%
- 手書きはペンと書き直しが本体:消えるペンと修正液は使わない
- パソコンはフォントを1系統に:明朝系、PDF確認、志望動機だけ差し替える
- 合否は形式のあと:空欄・誤字・使い回しの志望動機のほうが先に見られる
求人票の「手書き」「自筆」を先に探し、無ければパソコンで中身を磨く順番にしてください。
履歴書の手書きとパソコンに関するよくある質問
- 履歴書は手書きとパソコン、どちらが有利ですか?
-
指定が無い限り、形式だけで有利不利はほぼ分かれません。読みやすさと修正の速さではパソコン側です。手書き指定がある求人だけ手書きにします。
- 新卒は手書きのほうがよいですか?
-
大学指定用紙か、企業の「自筆」指定か、会場記入があるときだけ手書きです。指定が無ければパソコンで提出して問題ありません。
- 手書きの履歴書に修正液は使えますか?
-
使えません。1字の誤りでも新しい用紙に書き直します。下書きを鉛筆で入れてから清書すると、書き直し回数を減らせます。
- パソコン作成のフォントは何がよいですか?
-
游明朝、MS 明朝、ヒラギノ明朝など明朝系で統一します。本文10.5〜11pt、氏名は少し大きくします。装飾フォントは使いません。
- 一部だけ手書き、残りはパソコンでもよいですか?
-
日付と署名だけ手書きにする方法はありますが、混在の理由が伝わらないとちぐはぐに見えます。指定が無いならパソコンに揃えるほうが安全です。

