特別養護老人ホームの職務経歴書では、事業内容を「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)の運営」に、施設形態・入所定員・職員数を添えて書くのが基本です。社会福祉法人に勤めていて資本金や売上高がわからず手が止まった方に向けて、項目ごとの書き方、施設タイプ別の例文4つ、採用担当者がこの欄から読み取っていることをまとめました。
特別養護老人ホームの職務経歴書「事業内容」の書き方【結論】
事業内容は「介護老人福祉施設の運営」+定員・形態で書く
職務経歴書の会社概要欄にある「事業内容」は、勤務先がどんな事業をしているかを1〜2行で伝える項目です。特別養護老人ホームの場合、事業の名称だけを書いて終わりにせず、規模がわかる数字を一緒に書くと情報として成立します。
- 事業名:特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の運営
- 施設形態:従来型/ユニット型/地域密着型 など
- 規模:入所定員、併設サービスの定員、職員数
- 法人の他事業:デイサービス・ショートステイ・居宅介護支援などを運営していれば併記
「特別養護老人ホーム」は老人福祉法上の名称で、介護保険法上は「介護老人福祉施設」と呼ばれます。どちらか一方でも誤りではありませんが、「特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)」と併記しておくと、介護業界以外の採用担当者にも伝わります。
会社概要欄の基本の記載例
職務経歴書では、勤務先ごとに「法人名・施設名」「事業内容」「規模」を並べ、その下に担当業務を書く形が一般的です。まずは基本形を確認してください。
良い書き方(基本形)
20XX年4月~現在 社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム△△苑
事業内容:特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の運営 入所定員80名(従来型)、短期入所生活介護 定員10名を併設
設立:19XX年 職員数:約70名(施設全体) 雇用形態:正職員
NG例
20XX年4月~現在 (福)〇〇会 特養△△
事業内容:介護
「(福)」「特養」は略称で、「介護」だけでは入所施設か通所施設かもわかりません。法人名・施設名は正式名称で書き、事業内容には施設の種類と規模を入れてください。
社会福祉法人で資本金・売上高がない場合の書き方
一般企業向けの職務経歴書の見本には「資本金」「売上高」「上場区分」の欄がありますが、特別養護老人ホームの多くは社会福祉法人や地方公共団体が運営しています。社会福祉法人には資本金がないため、資本金の項目は書かなくて問題ありません。空欄のまま残すより、項目ごと削除するほうが見た目も整います。
| 項目 | 特養での扱い | 書き方のポイント |
|---|---|---|
| 事業内容 | 必ず書く | 施設の種類+形態+定員 |
| 設立年 | わかれば書く | 法人の設立年か施設の開設年かを明記 |
| 職員数 | 書く | 「施設全体」「法人全体」のどちらの数字かを明記 |
| 資本金 | 書かない | 社会福祉法人には資本金がないため項目ごと削除 |
| 売上高 | 原則書かない | 一般企業の「売上高」とは性質が異なるため省略で可 |
| 上場区分 | 書かない | 株式会社ではないため不要 |
空いたスペースには、資本金の代わりに「入所定員」「併設サービス」を書くと、介護の採用担当者が知りたい情報で欄が埋まります。介護業界向けの項目があらかじめ並んだ書式を使いたい方は、介護業界向けの職務経歴書テンプレートから始めると手間が減ります。
【施設タイプ別】特別養護老人ホームの事業内容の例文4つ
同じ特別養護老人ホームでも、居室の形態や規模によってケアの進め方が変わります。自分の勤務先に近い例文を選び、法人名・定員・職員数を書き換えて使ってください。
従来型(多床室・従来型個室)の例文
多床室(相部屋)や従来型個室が中心の施設です。フロア単位で多くの入所者を少人数の職員で担当するため、定員の数字がそのまま「対応してきた人数の目安」になります。
良い書き方(従来型の場合)
社会福祉法人〇〇福祉会 特別養護老人ホーム〇〇の里
事業内容:特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の運営 入所定員100名(多床室・従来型個室、3フロア)
職員数:約80名(施設全体)
ユニット型の例文
ユニット型は、少人数のグループ(1ユニットは原則おおむね10人以下)ごとに生活単位をつくる形態です。ユニット数と1ユニットの人数まで書くと、ユニットケアの経験者であることが一目で伝わります。
良い書き方(ユニット型の場合)
社会福祉法人〇〇会 ユニット型特別養護老人ホーム△△
事業内容:ユニット型特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の運営 入所定員60名(全室個室・6ユニット×10名)
職員数:約55名(施設全体)
地域密着型(定員29人以下)の例文
入所定員が29人以下の特別養護老人ホームは「地域密着型介護老人福祉施設」と呼ばれ、原則として施設がある市町村の住民が利用します。小規模なため、介護以外の業務を兼ねていた方は事業内容の直後にその旨を書いておくと評価につながります。
良い書き方(地域密着型の場合)
社会福祉法人〇〇会 地域密着型特別養護老人ホーム〇〇
事業内容:地域密着型介護老人福祉施設の運営 入所定員29名(ユニット型・3ユニット)、短期入所生活介護 定員9名を併設
職員数:約30名
デイサービス・ショートステイなど複数事業を運営する法人の例文
法人がデイサービスや居宅介護支援事業所なども運営している場合は、法人全体の事業を1行、自分が所属していた施設を1行に分けて書きます。法人の事業をすべて並べると、自分がどこで働いていたのかが埋もれてしまいます。
良い書き方(複数事業の法人の場合)
社会福祉法人〇〇会(職員数:約300名)
法人の事業内容:特別養護老人ホーム2施設、短期入所生活介護、通所介護、訪問介護、居宅介護支援事業の運営
所属:特別養護老人ホーム△△園(入所定員70名・ユニット型)
NG例
事業内容:特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、ヘルパーステーション、ケアプランセンター、グループホームの運営
法人の事業だけを並べると、どの事業所に所属していたのかが読み取れません。所属施設は別の行に分けて明記してください。
採用担当者が特養の「事業内容」欄で確認していること
事業内容の欄は、ただの会社紹介ではありません。介護施設の採用担当者は、この1〜2行から応募者がどのくらいの介護度の方を、どんな体制でケアしてきたかを推測しています。
採用担当者はここを見ている
- 重度の方へのケア経験:特別養護老人ホームの新規入所は2015年4月から原則要介護3以上。「特養勤務」と書いてあるだけで、身体介護の比重が高い現場にいたことが伝わる
- 施設の規模:入所定員や職員数から、夜勤の担当人数やチーム内での役割の大きさを推測している
- ケアの形態:ユニット型の施設は、ユニットケア経験者を求めることが多い。従来型かユニット型かは必ず確認される
- 書類の正確さ:法人名・施設名の略称や表記ゆれは、介護記録の書き方まで想像させる
書類選考でつまずく人に多いのは、事業内容を「介護事業」の一言で済ませ、自己PR欄で「重度の方の介助に慣れています」と書くパターンです。根拠となる施設の情報が事業内容欄にないため、自己PRの説得力が下がってしまいます。事業内容欄に形態と定員を書いておけば、自己PRと職務内容が数字で裏付けられます。
介護職の職務経歴書全体で落とされやすいポイントは、次の記事で例文と一緒に確認できます。

定員・職員数など事業内容の情報を正確に調べる方法
勤務先の正確な入所定員や職員数を覚えていない方は少なくありません。記憶だけで書くと数字がずれ、面接で聞かれたときに説明できなくなります。次の順で確認すると、公開されている情報から正確な数字を拾えます。
- 法人・施設の公式サイト:「法人概要」「施設案内」に設立年、入所定員、併設事業が載っていることが多い
- 介護サービス情報公表システム(厚生労働省):施設名で検索すると、定員や従業者数、居室の形態を確認できる
- 施設のパンフレット・重要事項説明書:手元にあれば、定員・居室形態・併設サービスが正確に書かれている
- ハローワークの求人票:勤務先が過去に出した求人票の「事業内容」「従業員数」欄も参考になる
どうしても正確な数字がわからない場合は「約70名」のように概数で書いてかまいません。ただし、定員や職員数を実際より大きく書くのは避けてください。施設名から公開情報をすぐ調べられるため、盛った数字は面接で確認されると信頼を失います。ハローワーク経由で応募する方は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートも使えます。
事業内容のあとに続く「職務内容」の書き方【職種別】
事業内容で施設の全体像を示したら、その下に自分の担当業務を書きます。ここでも「介護業務全般」のような一言で済ませず、担当人数・勤務体制・役割を数字で書くのがポイントです。
介護職員の場合
良い書き方(介護職員)
- 1ユニット(入居者10名)を担当し、食事・入浴・排泄・移乗などの身体介護に従事
- 夜勤:月4〜5回(2ユニット20名を1名で担当)
- 20XX年よりユニットリーダーとして勤務表作成・新人職員3名の指導を担当
NG例
入所者様の介護業務全般を担当。
何人を、どんな体制で担当していたのかが伝わらず、他の応募者との差が出ません。
生活相談員の場合
良い書き方(生活相談員)
- 入所申込の受付・入所判定会議の運営(年間申込 約〇件)
- 入所者・家族との面談、契約手続き、苦情対応
- 居宅介護支援事業所・医療機関・行政との連絡調整
福祉職として他業態への応募も考えている方は、福祉業界の職務経歴書テンプレートの構成も参考になります。
看護職員の場合
良い書き方(看護職員)
- 入所者80名の健康管理(バイタル測定・服薬管理・褥瘡処置・経管栄養)
- オンコール対応:月〇回、協力医療機関との連携
- 看取り介護の対応、介護職員向けの感染症対策研修の実施
病院や訪問看護など医療系の職場にも応募する場合は、看護師向けの職務経歴書テンプレートで書式を切り替えると、医療処置の経験を見せやすくなります。
採用担当者はここを見ている
- 夜勤の回数と担当人数(夜勤に入れるかどうかは採用判断に直結する)
- リーダー・委員会・新人指導など、介助以外の役割の有無
- 看取り・認知症ケア・医療的ケアなど、施設ごとに差が出る経験
職務経歴書と同時に提出する履歴書の職歴欄も、施設名の書き方をそろえておく必要があります。

応募先に合わせて事業内容の見せ方を変えるコツ
事業内容は事実を書く欄ですが、どの情報を前に出すかは応募先によって変えられます。同じ特養勤務でも、転職先によって採用担当者が知りたい情報は異なります。
| 応募先 | 前に出す情報 |
|---|---|
| 別の特別養護老人ホーム | 施設形態(従来型/ユニット型)、定員、夜勤体制 |
| 介護老人保健施設・病院 | 医療的ケアの対応範囲、協力医療機関との連携 |
| 有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅 | 入居者・家族対応、看取りの経験 |
| デイサービス・訪問介護 | 併設事業との関わり、送迎・在宅との連携経験 |
| 介護業界以外(事務・営業など) | 法人規模・職員数、記録・調整・指導などの汎用業務 |
介護業界の外へ応募する場合は、「特別養護老人ホーム」という言葉だけでは規模感が伝わりません。職員数や入所定員を一般企業の「従業員数」に近い形で示すと、異業種の採用担当者にも職場の大きさが伝わります。

まとめ
- 事業内容の基本形:「特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の運営」+施設形態+入所定員
- 資本金・売上高:社会福祉法人には資本金がないため項目ごと削除し、定員や併設サービスで埋める
- 複数事業の法人:法人の事業と所属施設を行を分けて書く
- 数字の確認:介護サービス情報公表システムや法人サイトで正確な定員・職員数を調べる
- 職務内容とつなげる:担当人数・夜勤体制・役割を数字で書き、事業内容と矛盾させない
事業内容の1〜2行は、あなたがどんな現場で経験を積んできたかを示す欄です。施設の形態と定員を書き足すだけで、書類の情報量は大きく変わります。
特別養護老人ホームの職務経歴書の事業内容に関するよくある質問
- 職務経歴書に「特養」と略して書いてもいいですか?
-
略さず「特別養護老人ホーム」と書いてください。法人名の「(福)」も同様に「社会福祉法人」と正式名称で書きます。施設名に「特養」が含まれていない場合でも、事業内容欄で「特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)の運営」と明記すれば施設の種類が伝わります。
- 資本金の欄が空欄になってしまいます。どうすればいいですか?
-
社会福祉法人には資本金がないため、資本金の項目自体を削除して問題ありません。空欄のまま残すと記入漏れに見えるため、項目ごと消して、代わりに入所定員や併設サービスを書くと欄が有効に使えます。
- 事業内容は法人全体と勤務していた施設、どちらを書くべきですか?
-
両方書くのが理想です。法人全体の事業は1行で簡潔にまとめ、所属していた施設は別の行に定員・形態まで書きます。採用担当者が知りたいのは「あなたがどの施設で働いていたか」なので、所属施設の情報を優先してください。
- 入所定員や職員数がわかりません。書かなくてもいいですか?
-
まずは法人・施設の公式サイトや、厚生労働省の介護サービス情報公表システムで施設名を検索して確認してください。正確な人数がわからない場合は「約70名」のような概数でもかまいません。実際より多い数字を書くのは避けてください。
- 派遣社員として特別養護老人ホームで働いていた場合はどう書きますか?
-
雇用主である派遣会社を所属先として書き、その下に「派遣先:社会福祉法人〇〇会 特別養護老人ホーム△△(入所定員〇名・ユニット型)」のように派遣先の事業内容を書きます。派遣先が複数ある場合は、派遣先ごとに期間と施設情報を分けて記載してください。

