土地家屋調査士の職務経歴書は、担当した業務を「業務の種類×規模×役割」で数値化して書くのが正解です。「測量業務に従事しました」で終わる書き方では、採用担当者に実力が伝わりません。この記事では、境界確定や表示登記といった実務の具体的な書き方から、経験者・未経験者それぞれの例文、採用担当者が実際に見ているポイントまで解説します。
土地家屋調査士の職務経歴書の書き方と例文
結論:担当業務を「業務の種類×規模×役割」で数値化して書く
土地家屋調査士の実務は、境界確定測量・表示登記申請・現地調査など多岐にわたります。職務経歴書では、これらの業務のうちどの種類の業務を、年間何件程度、どの役割(補助者/主担当)で担当したかを具体的に書くことが評価につながります。
「測量および登記業務に従事」だけでは、応募者が実際にどこまでの判断を任されていたのかが採用担当者に伝わりません。担当件数や使用機器、折衝経験まで書き込むことで、実務レベルが具体的に伝わります。
✅ 数値化すると伝わりやすい項目
- 業務の種類:境界確定測量/表示登記(表題登記・地目変更等)/現地調査/筆界特定手続き支援
- 担当件数:年間対応件数、または在籍期間中の累計件数
- 使用機器・ソフト:トータルステーション、GNSS測量機、CAD(一筆センサー等の登記図面作成ソフト)
- 折衝経験:依頼者説明、隣接地権者との立会い、法務局・自治体との協議
【経験者】土地家屋調査士事務所勤務者の例文
すでに土地家屋調査士事務所での実務経験がある場合は、担当した業務の範囲と件数、折衝経験を軸に書きます。
良い例文
〇〇土地家屋調査士事務所にて、境界確定測量および表題登記申請業務を担当。年間約40件の現地調査・測量に従事し、うち15件は依頼者・隣接地権者との立会い調整を主担当として実施。トータルステーションおよびGNSS測量機を使用した現地測量から、CADによる地積測量図の作成、法務局への登記申請書類一式の準備まで一連の流れを対応した。
NG例
土地家屋調査士事務所にて測量および登記業務に従事しました。件数や担当範囲の記載がなく、どの程度の裁量で業務を任されていたのかが読み手に伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- 件数の記載があるか(規模感の把握)
- 立会い・折衝を任されていたか(対人対応力の判断材料)
- 測量から登記申請までどこまで一人でこなせるか
【未経験・補助者からのステップアップ】の例文
資格を取得したばかりで実務経験が浅い場合や、補助者としての経験を主担当への転職に活かしたい場合は、担った業務の正確性と、そこから学んだ判断軸を中心に書きます。
良い例文
〇〇土地家屋調査士事務所にて、補助者として2年間、現地測量の補助および登記申請書類の作成補助を担当。トータルステーションでの測量補助を月平均10件程度こなし、地積測量図の下図作成では法務局からの補正指摘件数を前年比で半減させた実績がある。在職中に土地家屋調査士試験に合格し、次のステップとして主担当としての業務経験を積みたいと考えている。
NG例
土地家屋調査士試験に合格しました。実務経験はありませんが、頑張りたいと思います。資格取得の事実だけで、これまでの業務経験との接点が示されていないため、即戦力としての判断材料に乏しくなります。
採用担当者はここを見ている
- 補助者としてどこまで正確な作業を任されていたか
- ミスの少なさ・正確性を示す具体的なエピソードがあるか
- 資格取得と実務経験がどうつながっているか
職務経歴書の全体的な様式に迷う場合は、建設業界の職務経歴書テンプレートを使うと、業務内容欄のフォーマットを崩さずに書き進められます。

職務経歴書に書くべき項目と記載順
土地家屋調査士の職務経歴書は、一般的な「職務要約」「職務経歴」「資格・スキル」の三部構成をベースに、実務の専門性が伝わる項目を加えて構成します。
職務要約
冒頭の2〜3行で、これまでの実務経験の全体像を要約します。「〇年間、〇〇県内を中心に境界確定測量と表示登記業務に従事」のように、経験年数・対応エリア・主な業務範囲を簡潔にまとめると、採用担当者が最初の数秒で経験の水準を把握できます。
職務経歴(時系列)
事務所名・在籍期間・従業員数(規模感の参考情報)に加え、担当した業務範囲を箇条書きで整理します。転職回数が多い場合や異業種からの転職の場合は、直近の経験から新しい順に書く方が効果的なこともあります。
| 項目 | 記載内容の例 |
|---|---|
| 在籍期間 | 2020年4月〜2026年3月(5年11ヶ月) |
| 事務所規模 | 従業員5名(土地家屋調査士2名・補助者3名) |
| 担当業務 | 境界確定測量、表題登記申請、現地調査、依頼者対応 |
| 実績 | 年間担当件数40件、立会い調整15件 |
資格・スキル欄
土地家屋調査士の資格は「合格年月」と「登録年月」が異なる場合があります。どちらを記載すべきか迷う場合は、業務に直結するのは登録年月であるため、両方併記しておくと誤解を防げます。あわせて使用可能なCADソフト名や測量機器の操作経験も明記すると、即戦力としての判断材料になります。

採用担当者が土地家屋調査士の職務経歴書で見ているポイント
土地家屋調査士は、測量図面を正確に作成する技術力に加えて、依頼者や近隣住民との折衝が発生する仕事です。採用担当者は書類の中に、この2つの側面が両方書かれているかを確認しています。
✅ 採用担当者が確認している3つの視点
- 折衝力:境界確定の立会いでは、隣接地権者と意見が食い違う場面もあるため、対人対応の経験があるかを見ている
- 機器・ソフトスキル:トータルステーションやGNSS測量機、CADソフトの操作経験の有無で、即戦力かどうかを判断する
- 案件規模:担当件数や対応エリアの広さから、任せられる業務量の目安を把握する
とくに独立開業を視野に入れている応募者は「早期退職されるのでは」と懸念されやすい傾向があります。その場合は、応募先で経験を積みたい理由を具体的に添えることで、前向きな成長意欲として伝わりやすくなります。
【状況別】書く内容に困ったときの実務の切り出し方
「担当件数が少ない」「補助者としての経験しかない」など、書く内容に迷うケースは珍しくありません。状況別に実務の切り出し方を整理します。
小規模事務所・案件数が少ない場合
案件数が少ない事務所では、件数の多さではなく1件あたりの対応範囲の広さで実力を示します。「現地測量から登記申請、依頼者への説明まで一人で一貫対応した」というように、担当した工程の幅を具体的に書くと、少ない件数でも実務力が伝わります。
補助者としての経験しかない場合
補助者としての経験は、正確性やサポート力を裏づける材料になります。測量データの入力精度や、図面作成時のチェック体制でミスを防いだ経験など、数字で示せる正確性を中心に書くと説得力が増します。
測量士・CAD経験など他分野からの転職の場合
測量士や測量士補、建設業界でのCAD実務経験がある場合は、その経験が土地家屋調査士の業務とどう接続するかを説明します。「測量業務で培った現地測量のスキルを、境界確定業務に活かしたい」といった形で、前職の実務と応募先の業務内容を橋渡しすると、未経験でも実務適性が伝わりやすくなります。
他分野からの転職を検討している場合、応募書類全体の形式は転職用の履歴書テンプレートで整えておくと、職務経歴書の内容作成に集中できます。
よくある失敗パターンと改善のコツ
土地家屋調査士の職務経歴書でよくある失敗パターンと、その改善方法を整理しました。
| 失敗パターン | 改善のコツ |
|---|---|
| 「測量業務に従事」だけで終わる | 境界確定・表示登記・現地調査など業務種別を具体的に分けて記載する |
| 担当件数・規模の記載がない | 年間件数や対応エリアなど、数字で規模感を示す |
| 資格の有無しか書いていない | 合格年月・登録年月に加え、実務経験や使用機器も併記する |
| 折衝経験が書かれていない | 依頼者・隣接地権者・法務局とのやり取りを具体的に書く |
ハローワークの様式で提出を求められる場合の書き方に迷う場合は、あわせて記載ルールを確認しておくと安心です。

ハローワーク経由で提出する場合の書式は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと項目の抜け漏れを防げます。厚生労働省が示す標準様式に沿って整えたい場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートも参考になります。
まとめ
- 担当業務は「業務の種類×規模×役割」で数値化して書く
- 職務要約・職務経歴・資格スキル欄の三部構成を基本にする
- 折衝経験と機器・ソフトスキルは必ず盛り込む
- 案件数が少ない・補助者経験のみの場合は担当範囲の幅や正確性で示す
実務の具体性が伝わる職務経歴書は、書類選考の通過率に直結します。上記のポイントを踏まえて、自分の経験を数字と業務範囲で整理してみてください。
土地家屋調査士の職務経歴書に関するよくある質問
- 合格したばかりで実務経験がない場合、職務経歴書はどう書けばいいですか?
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実務経験がない場合は、前職での業務内容のうち、正確性・折衝力・数値管理など土地家屋調査士の業務に通じるスキルを抜き出して書きます。測量士補や関連資格を保有している場合は、資格取得の背景や学習内容もあわせて記載すると、意欲と適性の両方が伝わります。
- 担当件数が少ない事務所での経験しかない場合、どう書けば評価されますか?
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件数の多さよりも、1件あたりでどこまでの業務を任されていたかを具体的に書くことが重要です。現地測量から登記申請、依頼者説明までを一貫して担当した経験があれば、少ない件数でも実務の幅広さとして評価されます。
- 職務経歴書は手書きとパソコンのどちらで作成すべきですか?
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職務経歴書はパソコンで作成するのが一般的です。図面作成やCAD操作など専門スキルを扱う職種であるため、パソコンでの書類作成能力自体も基本的なビジネススキルとして見られる傾向があります。
- 独立開業を目指している場合、そのことを職務経歴書に書いてもいいですか?
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独立志向をそのまま書くと早期離職を懸念されることがあります。書く場合は「応募先でどの業務経験を積みたいか」という形で、前向きな成長意欲として表現するのが無難です。面接で聞かれた際に補足する形でも問題ありません。

