退職届の日付欄は、上部に提出日、本文中に退職日を書き分けるのが基本です。この2つを混同すると、有給消化や社会保険の切り替え日で手続きがずれることがあります。書式のどの位置に何を書くべきか、手渡し・郵送での提出日の考え方、和暦・西暦の使い分け、書き間違えたときの直し方まで、状況別の具体的な記載例とあわせて解説します。
退職届の日付の書き方|結論は「上部が提出日、本文中が退職日」
結論
退職届には、性質の異なる2つの日付が存在します。1つは表題「退職届」のすぐ下に書く提出日、もう1つは本文中の「〇年〇月〇日をもって退職いたします」に書く退職日です。この2箇所を取り違えると、届け出た日と実際に会社を辞める日が書類上ズレてしまい、人事側で確認の手間が発生します。
提出日は「いつ会社に届け出たか」の記録、退職日は「いつ雇用契約が終了するか」を示す記録です。どちらも同じ「日付」ですが役割が違うと覚えておくと、書き間違いを防げます。
【見本】日付の書き方
実際の記載例で、2つの日付がどの位置に入るかを確認しておきましょう。
良い例文
退職届
令和8年8月18日(ここが提出日)
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇〇〇様
私儀 この度一身上の都合により、来る令和8年9月30日(ここが退職日)をもって退職いたします。
NG例
上部の日付欄に、本来本文に書くべき退職予定日(例:9月30日)をそのまま書いてしまう。あるいは本文の「〇年〇月〇日をもって退職いたします」に、うっかり今日の日付(提出日)を書いてしまう。2つの日付を逆にすると、いつ辞めるつもりなのかが書類上わからなくなります。
採用担当者はここを見ている
- 提出日と退職日が矛盾していないか(例:提出日より前の退職日になっていないか)
- 有給消化や引き継ぎに必要な期間が退職日までに確保されているか
- 日付・元号・数字の表記が書類全体で統一されているか
提出日の書き方|手渡しと郵送で日付が変わる
提出日は「退職届を会社に届け出た日」を指します。渡し方によって、書くべき日付が変わる点に注意が必要です。
手渡しの場合
直属の上司や人事担当者に手渡しする場合は、実際に手渡す当日の日付を書きます。あらかじめ日付を書いた退職届を用意しておき、提出の直前に手渡す日と一致しているか確認してから渡すと、書き直しの手間を防げます。
郵送の場合
郵送する場合は、投函する日(発送日)を提出日として書きます。到着日や会社が受理した日ではありません。土日を挟むと到着まで数日かかることがあるため、就業規則の退職申出期限から逆算し、余裕を持って投函します。人事担当者は、消印の日付と退職届の提出日欄が離れすぎていないかを確認していることがあります。封筒の書き方や郵送時のマナーは、退職届の封筒の書き方もあわせて確認しておくと安心です。
退職日の書き方|有給消化と引き継ぎ期間から逆算する決め方
退職日は「雇用契約が終了する日」であり、最終出社日とは限りません。有給休暇をまとめて消化してから退職する人も多く、その場合は最終出社日と退職日がずれます。人事担当者は、退職日が就業規則の申出期限を満たしているか、引き継ぎ期間が現実的かをまず確認します。
決め方の手順
- 就業規則で退職の申出期限(多くは1〜3ヶ月前)を確認する
- 残っている有給休暇の日数を確認する
- 引き継ぎに必要な期間を見積もる
- 最終出社日を仮決めし、そこに有給消化分を足して退職日を確定する
転職先が決まっている場合は入社日から逆算し、決まっていない場合は引き継ぎと有給消化を優先して退職日を決めるのが現実的です。提出のタイミングそのものに迷う場合は、退職届はいつまでに出す?で法律上の期限もあわせて確認してください。

有給消化がある場合の記載例
良い例文(有給消化20日ありのケース)
最終出社日:令和8年9月1日/有給消化20日/退職日:令和8年9月30日
本文:「私儀 この度一身上の都合により、来る令和8年9月30日をもって退職いたします」
和暦・西暦、漢数字・算用数字はどちらが正解か
元号の指定や数字の書き方に法律上の決まりはありませんが、書式によって自然な組み合わせがあります。縦書きなら和暦・漢数字、横書きなら西暦・算用数字が一般的です。
| 書式 | 年号 | 数字 | 記載例 |
|---|---|---|---|
| 縦書き | 和暦 | 漢数字 | 令和八年八月十八日 |
| 横書き | 西暦 | 算用数字 | 2026年8月18日 |
| 横書き(社内様式指定) | 和暦 | 算用数字 | 令和8年8月18日 |
会社から指定の様式がある場合はそれに従い、指定がない場合は書類内で表記を統一することが最も重要です。提出日は西暦、退職日は和暦のように混在させると、雑な印象を与えてしまいます。退職届と同時に転職活動の書類を整える場合は、様式にこだわらず整えたい人向けの厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートも参考にしてください。
本文中の日付は縦書きの退職届では漢数字にするのが基本です。数字の使い分けをさらに詳しく確認したい場合は、退職届の縦書きは漢数字が正解も参照してください。

退職届の日付を書き間違えたときの対処法
提出前に気づいた場合は書き直すのが原則です。退職届は1枚で完結する重要書類のため、修正テープでの訂正は避けてください。
NG例
日付の書き間違いを修正テープで消して上から書き直す。シャチハタ(浸透印)で訂正印を代用する。
手元に用紙がなくすぐに書き直せない場合は、間違えた箇所に定規で二重線を引き、その上に認印(シャチハタ以外)で訂正印を押したうえで、正しい日付を書き添える方法もあります。ただし退職届は書き直しがきく書類なので、時間が許す限り新しい用紙で書き直すほうが印象は良くなります。
すでに提出してしまってから日付の誤りに気づいた場合は、自己判断で処理せず、人事担当者に事情を伝えて再提出が必要かを確認しましょう。退職日の記載が就業規則の申出期限に違反していないかも、あわせて確認しておくと安心です。
退職届と退職願で日付の扱いは違う?
提出日・退職日の書き方自体は、退職届でも退職願でも同じです。違うのは日付を書いたあとに撤回できるかどうかです。退職願は会社の承認前であれば退職日の変更・撤回を相談できる余地がありますが、退職届は会社に受理された時点で効力が確定し、原則として撤回できません。
そのため退職届に書く退職日は、あとから変更できない前提で慎重に決める必要があります。人事担当者から見ても、退職届に書かれた退職日は原則そのまま手続きを進める基準になるため、提出前の日付確認が重視されます。2つの書類の使い分けをまだ迷っている場合は、退職届と退職願の違いを先に確認しておくことをおすすめします。

退職届の準備と並行して転職活動の応募書類を整える場合は、状況に合わせたフォーマットを選ぶと効率的です。転職活動全般には転職用の履歴書テンプレート、ハローワーク経由での応募にはハローワーク用の職務経歴書テンプレートが使いやすい形式です。
まとめ
- 退職届の日付は「上部が提出日」「本文中が退職日」の2箇所を書き分ける
- 提出日は手渡しなら渡した日、郵送なら投函した日を書く
- 退職日は有給消化・引き継ぎ期間を踏まえて逆算し、就業規則の申出期限も確認する
- 元号・数字の表記は書式に合わせて選び、書類内で統一する
- 書き間違えた場合は書き直しが原則。訂正するなら二重線と訂正印を使う
2つの日付の役割を分けて考えれば、退職届の日付欄で迷うことはなくなります。
退職届の日付に関するよくある質問
- 退職届の日付を空欄にして提出してもいいですか?
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おすすめできません。日付が空欄だと提出日・退職日のどちらも証明できず、後から会社側に都合よく記入される可能性があります。必ず自分で記入してから提出してください。
- 提出日と退職日が同じ日になっても問題ありませんか?
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法律上は問題ありませんが、就業規則の申出期限(多くは1〜3ヶ月前)を満たしていないと、会社側との調整が必要になる場合があります。事前に就業規則を確認したうえで日付を決めてください。
- 退職日は最終出社日と同じですか?
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異なる場合があります。退職日は雇用契約が終了する日で、有給休暇をまとめて消化してから退職する場合は、最終出社日より後の日付になります。
- パソコンで作成した退職届の日付も手書きにすべきですか?
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本文をパソコンで作成した場合でも、日付は本文と同じ形式で入力して問題ありません。会社によっては日付・署名のみ手書きを求める場合もあるため、指定があれば従ってください。

