エントリーシートを廃止する企業は2025年後半から急増しており、対話や動画選考への切り替えが主流になりつつあります。ロート製薬やソフトバンクなど大手が先行するこの流れは、書類作成が苦手だった人には追い風です。一方で「対策不要」と考えると、面接や対話の場で自分の言葉を語れず失敗するケースも起きています。廃止の背景と今からできる準備を、採用担当者の視点から解説します。
エントリーシート廃止は本当に進んでいる?結論と主要企業の動き
結論:大手を中心に廃止の動きが広がっている
結論として、エントリーシートを廃止する企業は2025年後半から明確に増加しています。ただし全企業が一斉に廃止したわけではなく、大手を中心に段階的に広がっている段階です。代表例がロート製薬で、2027年4月入社の新卒採用からES選考を廃止し、人事担当者と15分間話す「Entry Meet採用」に切り替えました。
エントリーシートを廃止した主な企業
| 企業名 | 廃止時期・対象 | 代替の選考方法 |
|---|---|---|
| ロート製薬 | 2025年12月発表・2027年4月入社の新卒採用から | 人事担当者との15分間対話「Entry Meet採用」 |
| ソフトバンク | 一次選考から | 動画提出+AIによる評価 |
| 土屋鞄製造所 | 新卒採用全体 | 人物重視の対面選考 |
なぜ今エントリーシートが廃止されているのか
背景には、大きく3つの理由があります。
- 生成AIによる応募書類の均質化:マイナビの調査では2025年卒の半数以上が就職活動で生成AIを利用したとされ、誰が書いても似たような文章になりやすくなりました
- 「選抜」から「出会い」への転換:人手不足を背景に、採用担当者が学生と直接会う機会そのものを増やす動きが広がっています
- 対話でしか見えない情報の評価:文章の完成度よりも、その場での受け答えや人柄を見極めたいという狙いがあります
採用担当者はここを見ている
- 書類の完成度より、困難を乗り越えた経験を自分の言葉で語れるか
- 想定外の質問にどう反応するか(生成AIでは代行できない部分)
エントリーシート廃止企業が新たに重視している評価ポイント
対話・面談重視型
ロート製薬の「Entry Meet採用」はその代表例です。全国8拠点で人事担当者と15分間話すことが選考の第一歩になり、服装も私服が推奨されています。土屋鞄製造所も、書類の内容より人物そのものを見る採用に切り替えました。
動画選考・ワークサンプル型
ソフトバンクは一次選考でのES提出をやめ、動画提出に切り替えています。動画面接の評価にAIシステムを取り入れることで選考にかかる時間を削減しながら、話し方や表情といった非言語情報も評価対象に加えています。
採用担当者はここを見ている
台本を読み上げるような話し方は、対話型でも動画型でも見抜かれやすいものです。「素の自分」で話せる練習量が、そのまま評価の差になります。
エントリーシート廃止はあなたにとって有利?不利?状況別に整理
文章でのアピールが苦手だった人にとってのメリット
文章を書くこと自体が苦手で、ESの段階で本来の実力を発揮できなかった人には追い風です。対話や動画であれば、話す力や表情、熱意といった要素で評価される余地が広がります。
逆に不利になりやすい人の特徴
一方で、エピソードを頭の中で整理しきれていない人や、即興で自分の言葉に言い換えるのが苦手な人は、これまで以上に準備が必要になります。
良い対応
自己分析で出てきたエピソードを、状況・行動・結果の順で30秒程度で話せるように練習している人は、対話型選考でも落ち着いて対応できます。
NG例
ES対策として生成AIが作った文章を丸暗記してそのまま話そうとすると、言葉に感情が乗らず不自然な印象を与えてしまいます。
エントリーシート廃止企業の選考で今からやるべき準備
エピソードの棚卸しと言語化
学生時代に力を入れたことや、困難を乗り越えた経験を、箇条書きで紙に書き出しておくことが土台になります。文章として完成させる必要はなく、キーワードとつながりが分かれば十分です。
模擬面接・対話練習で「素の自分」を鍛える
家族や友人、大学のキャリアセンターを相手に、声に出して話す練習を重ねることが効果的です。回数を重ねるほど、初対面の相手にも自然に話せるようになります。
採用担当者はここを見ている
- 質問の意図をくみ取って、的外れではない答えを返せているか
- 沈黙を恐れず、自分の言葉で考えながら話せているか
- 相手の反応を見ながら話す量を調整できているか
エントリーシートが必要な企業への対策も並行して進めよう
エントリーシートを廃止した企業がある一方で、依然として多くの企業がESや履歴書の提出を求めています。志望企業がどちらのスタイルかを早めに確認し、両方に対応できる準備をしておくと安心です。採用担当者は「ES提出後に対話や面接でどれだけ内容と一致した話ができるか」も見ているため、書類の段階で手を抜かない姿勢がそのまま評価につながります。
- 新卒で複数社にエントリーする場合:新卒用の履歴書テンプレートで基本情報を整えておくと、急な提出依頼にも対応しやすくなります
- 転職活動と並行している場合:転職用の履歴書テンプレートで経歴を整理しておくと、面談前の準備時間を短縮できます
- 志望動機をまだ言語化できていない場合:志望動機なしの履歴書テンプレートから書き始め、対話の練習と並行して仕上げる方法もあります
- 書類の形式そのものに迷う場合:厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを選べば、どの企業に提出しても形式面で困ることはありません



まとめ
- エントリーシート廃止は2025年後半から大手企業を中心に広がっている
- 生成AIによる応募書類の均質化が主な背景
- 対話や動画選考では、エピソードを自分の言葉で語れる準備が評価を左右する
- ES提出を求める企業もまだ多く、両方への備えが安心につながる
エントリーシートの有無にかかわらず、自分の経験を整理しておくことが選考突破の土台になります。
エントリーシート廃止に関するよくある質問
- エントリーシートが廃止された企業は、履歴書の提出も不要になりますか?
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企業によって異なります。ロート製薬の「Entry Meet採用」でも、対話に進む前に必要書類の提出を求めるケースがあるため、応募先の採用ページで最新の募集要項を必ず確認してください。
- エントリーシート廃止の動きは今後も広がりますか?
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生成AIの普及や人手不足を背景にした流れのため、今後も一定数の企業で導入が進むと見られます。ただし全ての企業が同時に切り替わるわけではなく、業界や企業規模によって差が出ています。
- 対話型選考が苦手な場合、どう準備すればいいですか?
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いきなり本番で話そうとせず、友人や家族相手に声に出して話す練習を重ねることが近道です。エピソードを箇条書きで整理しておくと、当日の会話でも落ち着いて言葉にしやすくなります。

