除籍でも履歴書は基本「中途退学」と書き、証明書提出や懲戒のときだけ除籍と事実記載します。中退は本人の退学願、除籍は学校が学籍を抹消する処理で、定義は学則によります。学費未納などと生々しく書かず、最終学歴は前の卒業校です。両方の記載例と、証明書照会で齟齬が出る場合の判断を示します。高校・大学それぞれの書き分けも扱います。

中退と除籍の履歴書|結論と記載例
結論:基本は中途退学。除籍と書く場面は限る
学籍が途中で消えた事実は、履歴書では中途退学と書くのが基本です。退学願を出した中退も、学費未納や修業年限超過で学校が除籍したケースも、欄内の言葉は同じにそろえる実務が一般的です。産経新聞の報道でも、除籍は学校が学籍を抹消する処理であり、履歴書上は中途退学と書くことが一般的だと説明されています。
- 欄内の正式な語は中途退学。「中退」「退学」だけでは卒業と読み違える余地が残る
- 入学の行と、学籍が消えた行の2行を残す。入学だけ書いて退学行を消さない
- 除籍と書くのは、入社時に証明書提出が見込まれるとき、または懲戒除籍のとき
- 「除籍(学費未納)」のように理由を生々しく括弧書きしない
転職で学歴と職歴を同じ用紙に載せるなら、転職用の履歴書テンプレートでも、入学と中途退学の2行は削りません。行数が足りないときは用紙を変え、学校名を略さないようにします。
中途退学の記載例
退学願を出した人も、除籍でも中途退学と書く判断をした人も、見本は同じ型です。年月は通知や証明書の日付に合わせます。
良い例文(大学)
平成31年 3月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 卒業
令和元年 4月 〇〇大学 法学部 法律学科 入学
令和4年 3月 〇〇大学 法学部 法律学科 中途退学
良い例文(高校)
平成29年 4月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 入学
平成31年 3月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 中途退学
令和2年 3月 高等学校卒業程度認定試験 合格
NG例
令和元年 4月 〇〇大学 法学部 法律学科 入学
令和4年 3月 〇〇大学 法学部 法律学科 卒業
除籍や中退を卒業に置き換える書き方は学歴詐称です。入学行だけ残して退学行を消すのも、在学中に見えます。
除籍と書く場合の記載例
発行されるのが除籍証明書だけで、入社手続きで提出する見込みがあるときは、履歴書も除籍にそろえます。懲戒除籍も事実を隠さず除籍とします。理由の中身は欄に書きません。
良い例文(証明書に合わせる)
令和元年 4月 〇〇大学 経済学部 経済学科 入学
令和5年 3月 〇〇大学 経済学部 経済学科 除籍
NG例
令和5年 3月 〇〇大学 経済学部 経済学科 除籍(学費未納)
理由を括弧で残すと、書類の第一印象が事情説明になります。理由は面接で聞かれたときに答えます。
採用担当者はここを見ている
- 卒業と書いていないか。入学だけ残して在学中に見せていないか
- 履歴書が中途退学なのに、提出書類が除籍証明書だけになっていないか
- 懲戒の事実を別の言葉に置き換えていないか
中退と除籍の定義の違い
中退は、本人が退学願を出して学籍を離れる処理です。除籍は、学校が学籍を抹消する処理です。学費未納、修業年限の超過、長期間の音信不通など、きっかけは学則で決まります。同じ「除籍」でも、大学ごとに要件が違います。
| 用語 | だれが決めるか | 履歴書の基本 |
|---|---|---|
| 中途退学(中退) | 本人の退学願 | 中途退学 |
| 除籍 | 学校が学籍を抹消 | 原則は中途退学。証明書提出や懲戒は除籍 |
| 退学 | 学校によって退学処分と自主退学が混在 | 欄内は中途退学にそろえる |
新卒採用の履歴書でも考え方は同じです。新卒用の履歴書テンプレートで学歴欄が広い場合でも、理由の長文は足しません。高校を中退したあとに高認へ進んだ人は、中途退学の次行に合格を置きます。
休学のあとに除籍になった場合
休学中に学費の扱いを誤り、復学せず除籍になることがあります。履歴書に休学行を必ず置く必要はありません。学籍が消えた事実は、中途退学または除籍の1行で足ります。休学の事情を長く書くと、欄が事情説明になります。
良い例文
令和元年 4月 〇〇大学 理学部 数学科 入学
令和5年 3月 〇〇大学 理学部 数学科 中途退学
NG例
令和3年 4月 休学
令和4年 3月 復学せず除籍(授業料未納)
休学と未納を並べると、書類の印象が事情の羅列になります。年月は除籍日または退学日にそろえます。
専門学校・短大・大学院でも型は同じ
専門学校や短大の除籍も、欄内の基本は中途退学です。大学院は修了が正規の終わり方なので、途中で学籍が消えたときは「中途退学」とし、修了とは書きません。学科名や専攻名は証明書と同じにします。
良い例文(専門学校)
平成31年 4月 〇〇専門学校 歯科衛生学科 入学
令和2年 9月 〇〇専門学校 歯科衛生学科 中途退学
良い例文(大学院)
令和2年 3月 〇〇大学 工学部 機械工学科 卒業
令和2年 4月 〇〇大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 入学
令和4年 3月 〇〇大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 中途退学
採用担当者はここを見ている
- 用語の違いを隠すために卒業へ寄せていないか
- 除籍の定義を本人が説明できるか。学則の細部まで暗記する必要はないが、退学願を出したのか、学校側の処理なのかは分けられる
証明書照会で齟齬が出るケース
履歴書を中途退学にしたあと、会社が学校へ照会したり、本人に証明書を求めたりすると、発行される文書が除籍証明書だけ、ということがあります。このとき履歴書と証明書の見出しが違うと、採用側は「書き換えた」と読むことがあります。
- 提出が見えない選考段階では、中途退学でそろえてよい
- 内定後や入社手続きで証明書が必須なら、発行名に合わせて除籍へ直す
- 退学証明書と除籍証明書の両方を選べる学校なら、提出する側に履歴書を合わせる
良い判断の流れ
学校の証明書窓口で、発行できる書類名を確認する。除籍証明書しか出ない、かつ提出先が決まっているなら履歴書も除籍。まだ提出先がなく、一般的な表記にそろえたいなら中途退学。
NG例
履歴書:中途退学 / 提出書類:除籍証明書 / 面接:「自分から辞めました」
三者が食い違うと、用語の選択ではなく事実の説明が疑われます。
大学の書き方全体を確認するときは、学部・学科の正式名称も同時にそろえます。照会では学校名の略称より、学部学科の欠落の方が目立ちます。

最終学歴と理由の扱い
最終学歴は、卒業または修了した課程のうち最も高いものです。大学を中途退学しても除籍でも、最終学歴は直前の卒業校です。高校卒業後なら高卒、専門学校や短大を出てから大学へ進んだ人はその卒業です。
良い書き方(専門学校卒業後に大学を除籍)
平成30年 3月 〇〇専門学校 機械工学科 卒業
平成30年 4月 〇〇大学 工学部 機械工学科 入学
令和3年 3月 〇〇大学 工学部 機械工学科 中途退学
NG例
最終学歴:〇〇大学 除籍
応募フォームの最終学歴に除籍や中退を選ぶ欄はありません。高卒や専門卒を選び、学歴欄に大学の2行を残します。
理由を書くかどうか
欄内に理由は必須ではありません。経済的な事情や病気など、短く添える余地があるときは一行に収めます。学費未納、単位不足、無断欠席は履歴書に書きません。
良い例文(理由を添える場合)
令和4年 3月 〇〇大学 文学部 人文学科 中途退学(家庭の事情により)
厚生労働省の様式でも、学歴の締めは職歴の前です。厚生労働省の履歴書テンプレートで行が少ないときは、中学を省略して高校から書き、中途退学の行は残します。
賞罰欄との切り分け
学歴欄の除籍は、賞罰欄の懲戒とは別です。学費未納や年限超過の除籍を賞罰に写す必要はありません。学校の懲戒除籍で、履歴書に賞罰欄がある用紙を使うときだけ、事実を賞罰側へ置くか、応募先の指示に従います。学歴欄では除籍の1語に止め、処分の条文は書きません。
良い切り分け
- 学歴欄:入学と除籍(または中途退学)
- 賞罰欄:応募先が賞罰の記入を求める用紙で、懲戒に当たる事実があるときだけ
- 学費未納の除籍は賞罰に移さない
新卒票と中途採用で見え方は違う
新卒の学歴は在学の終わり方が目立ちます。卒業見込のまま提出し、実際は除籍だった、というずれは避けます。中途採用では職歴の比重が大きい一方、学歴の2行が消えていると空白の説明を求められます。どちらも入学と終わりの行は残します。
NG例(新卒票)
令和8年 3月 〇〇大学 経済学部 経済学科 卒業見込み
すでに除籍が決まっている、または退学願を出しているのに見込のまま出す書き方です。提出時点の学籍に合わせ、中途退学または除籍へ直します。
面接での伝え方
聞かれるのは、なぜ学籍が消えたか、今は同じ状況が起きないか、の2点です。中途退学と書いた人が「除籍でした」と急に言い換えると、履歴書の信頼が落ちます。先に用語をそろえ、事情は短く事実だけにします。
良い答え方(学費が続かず除籍になった)
学費の見通しが立たなくなり、退学願を出す前に除籍になりました。履歴書は中途退学で統一しています。いまは収入と支出を分けて管理しており、勤務を続ける前提で応募しています。
NGな答え方
除籍は中退と同じなので、細かいことは覚えていません。
用語を同じに扱う判断と、経緯を忘れることは別です。年月と学校名は答えられるようにします。
採用担当者はここを見ている
- 懲戒を病気や家庭の事情にすり替えていないか
- 同じ理由が、応募後の勤怠や定着と矛盾しないか
- 高校中退のあと進学や高認がある人は、その後の行動まで話せるか
病気や家庭の事情で退学願を出したとき
本人の退学願なら、履歴書は中途退学で足ります。除籍という言葉を先に使う必要はありません。面接では診断名や家族の固有名詞を並べず、当時は学業を続けられなかった、いまは勤務できる、の2点にします。
良い答え方
体調が学業の継続に向かず、退学願を出して中途退学しました。いまは通院を続けながらフルタイムで働ける状態です。学籍の終わりは中途退学で統一しています。
複数校で学籍が消えている場合
高校と大学の両方で中途退学や除籍がある人は、学校ごとに2行ずつ残します。あとの学校だけ書いて、先の中退を消すと空白が残ります。用語は学校ごとに判断します。高校は中途退学、大学は除籍証明書しか出ない、という組み合わせもあり得ます。
良い例文
平成28年 4月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 入学
平成30年 3月 〇〇県立〇〇高等学校 普通科 中途退学
平成31年 3月 高等学校卒業程度認定試験 合格
令和元年 4月 〇〇大学 社会学部 社会学科 入学
令和4年 3月 〇〇大学 社会学部 社会学科 中途退学
派遣や契約の職歴と学籍の空白
除籍のあとすぐ働いている人は、学歴の終わりと職歴の始まりが近いほど説明は短くて済みます。空白が長いときは、職歴側で期間を埋めるか、面接で何をしていたかを答えられるようにします。学歴行に「就職準備」とは書きません。
良い書き方
令和3年 3月 〇〇大学 経営学部 経営学科 中途退学
(学歴ここまで)
令和3年 5月 株式会社〇〇 契約社員 入社
NG例
令和3年 3月 〇〇大学 経営学部 経営学科 中途退学(就職活動のため)
理由を就職活動とすると、学業より先に辞めた印象が残ります。理由は欄に置かず、職歴の開始月で期間を示します。
西暦と和暦、証明書の日付
除籍通知が西暦、履歴書が和暦、というずれはよくあります。履歴書全体を和暦か西暦かで統一し、月は通知の数字を写します。平成と令和の境目は、証明書の年を変換表で合わせます。入学を平成、除籍を西暦、のように混在させません。
| 証明書の日付 | 履歴書(和暦で統一する場合) |
|---|---|
| 2019年4月入学 | 平成31年 4月 入学 |
| 2019年5月入学 | 令和元年 5月 入学 |
| 2023年3月除籍 | 令和5年 3月 中途退学または除籍 |
留学生や外国の学校の除籍
海外の学校で学籍が消えた場合も、履歴書の日本語は中途退学が基本です。現地の書類がDismissalやExclusionでも、欄内に英語を残す必要はありません。日本語訳と原文が両方必要な応募では、履歴書は日本語、添付は原文です。懲戒に当たる処分だけ、除籍または学校の公式訳にそろえます。
良い例文
令和2年 9月 〇〇 University 〇〇学部 入学
令和4年 6月 〇〇 University 〇〇学部 中途退学
学校名は証明書の綴りに合わせます。学部名が日本語で定訳されているなら日本語、定訳がなければ英語のままです。月は現地の学期末になりがちなので、3月に直してそろえません。

まとめ
- 履歴書の基本表記は中途退学。中退や退学だけでは不足する
- 除籍と書くのは、証明書提出が見込まれるときと懲戒除籍のとき
- 学費未納などの理由は欄に書かない
- 最終学歴は前の卒業校。除籍や中退を最終学歴の肩書きにしない
- 履歴書・証明書・面接の用語をそろえる
用語を先に決め、証明書の見出しと面接の説明が食い違わない状態で提出します。
中退と除籍の履歴書に関するよくある質問
- 除籍を中途退学と書くと学歴詐称になりますか
-
卒業と書くのは詐称です。除籍を中途退学と書く実務は一般的で、在籍が途中で終わった事実は伝わります。ただし除籍証明書しか出せず提出が決まっているときは、履歴書も除籍にそろえます。
- 大学の入学自体を書かない選択はありますか
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入学から除籍までの期間が空白に見えるため、書かない選択は不利です。短期間でも入学と中途退学(または除籍)の2行を残します。
- 高校の除籍も同じ書き方ですか
-
基本は同じで、入学と中途退学の2行です。その後に高認へ進んだ人は合格を次行に置きます。懲戒や証明書提出が見えるときだけ除籍とします。
- 除籍日が分からないときはどうしますか
-
除籍通知や証明書の日付を使います。届く前に履歴書を出す場合は、学校へ発行見込みを確認し、推測の月を書かないようにします。
- 退学証明書と除籍証明書の両方があるときはどちらを出しますか
-
履歴書の文言に合う方を出します。履歴書を中途退学にしたなら退学証明書、除籍にしたなら除籍証明書です。両方出せる学校なら、提出先が指定する書類名を先に確認します。

