履歴書の希望給与額は空欄にせず、「給与は貴社の規定に従います」と書くのが基本です。空欄は記入漏れと見分けがつかず、金額を書くと交渉の幅が狭まることがあります。この記事では、転職で希望年収を書いたほうがよいケース、額面での金額の決め方、前職年収の書き方を例文付きで紹介します。採用担当者が警戒するNG例も確認できます。
履歴書の希望給与額は空欄にしない|正しい書き方と記載例
結論:空欄ではなく「貴社の規定に従います」と書く
厚生労働省の履歴書様式例では、本人希望記入欄に「特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入」と注記されています。給与の希望はこの欄に書くのが一般的です。
ハローワークの応募書類の手引きでも、書くことがなくても空欄や「特になし」にはせず、「勤務条件は貴社の規定に従います。」などと記載するのが一般的とされています。細かい条件の希望は履歴書に書かず、面接で相談するのが基本の流れです。
厚生労働省の様式に沿った用紙で作りたい場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートが使えます。
状況別の希望給与額の記載例
希望給与額の書き方は、金額に強いこだわりがあるかどうかで3パターンに分かれます。自分に近いものを選んでください。
良い書き方(特に希望がない場合)
給与・勤務条件は貴社の規定に従います。
※最も無難な書き方です。迷ったらこの一文で問題ありません。
良い書き方(希望はあるが柔軟に相談したい場合)
給与は貴社の規定に従います。なお、現職と同水準(年収450万円程度)を希望しておりますが、面接の際にご相談させていただけますと幸いです。
良い書き方(生活上、最低ラインがある場合)
希望年収:420万円以上(現年収420万円)
家族の扶養があるため、現年収を下回らない水準を希望いたします。その他の条件は貴社の規定に従います。
NG例
(空欄のまま提出)/特になし
空欄は記入漏れと区別がつかず、「特になし」は入社意欲が低い印象を与える場合があります。希望がないときこそ「貴社の規定に従います」と書いてください。
| あなたの状況 | 書き方 |
|---|---|
| 特に希望がない・求人の給与で問題ない | 「給与・勤務条件は貴社の規定に従います。」 |
| 希望はあるが交渉の余地を残したい | 規定に従う一文+「面接でご相談させてください」 |
| 生活上ゆずれない最低額がある | 「〇〇万円以上(現年収〇〇万円)」+理由を一言 |
| 応募先から希望額の記入を求められている | 求人の給与幅の中で「〇〇万〜〇〇万円」と幅を持たせる |
本人希望欄全体の書き方の基本は、こちらの記事でも整理しています。

希望給与額を空欄にしないほうがいい理由|採用担当者の受け止め方
空欄は「記入漏れ」と区別がつかない
採用担当者から見ると、空欄が「希望がない」のか「書き忘れた」のかは判断できません。書類選考では1枚あたりにかけられる時間が限られているため、確認の手間がかかる履歴書は「注意力が足りない」と受け取られるおそれがあります。
「貴社の規定に従います」の一文は、あくまで「欄を確認したうえで、条件は会社に合わせる」という意思表示です。この一文があるだけで、記入漏れの疑いはなくなります。
書いた金額が交渉のスタートラインになる
空欄を避けたい一心で、とりあえず金額を書いてしまう人もいます。ただし履歴書に書いた希望額は、企業が提示額を考えるときの基準になりやすい数字です。
- 低めに書いた場合:本来もっと高い評価を受けられたとしても、書いた金額に近い提示になる傾向があります
- 高めに書いた場合:求人の給与幅を超えると、スキルが合っていても選考対象から外れることがあります
つまり、根拠のない金額を書くと、高くても低くても損をしやすくなります。金額にこだわりがないなら、数字は書かずに面接で相談するほうが条件交渉の余地を残せます。
採用担当者はここを見ている
- 求人の給与幅との整合性:希望額が募集要項の範囲に収まっているか。大きく外れていると「求人を読んでいない」と判断されることがある
- 経歴と金額のバランス:職務経歴から見て妥当な水準か
- 条件へのこだわりの強さ:金額を断定的に書いていると「条件だけで会社を選んでいる」と受け取られやすい
転職の履歴書で希望年収を書いたほうがいい3つのケース
「貴社の規定に従います」が基本とはいえ、転職では金額を書いておいたほうがお互いの時間を無駄にしないケースもあります。次の3つに当てはまる場合は、希望年収の記載を検討してください。
- 現年収を下回ると生活が成り立たない:住宅ローンや家族の扶養などで、下回れない金額がはっきりしている
- 求人の給与幅が広い、または「経験・能力を考慮」とだけ書かれている:提示額の見当がつかず、内定後に条件が合わないリスクがある
- 応募先から希望額の記入を求められている:応募フォームや指定様式に「希望給与」の入力欄がある
1つ目と2つ目のケースで最低ラインを書いておくと、条件が合わない企業と面接を重ねる手間を省けます。「書かずに内定後に条件が合わなかった」が、転職活動では一番時間を失うパターンです。
転職者向けの項目がそろった用紙を使うなら、転職用の履歴書テンプレートから作成できます。
転職の履歴書での希望年収の書き方と金額の決め方
額面(総支給額)の年収で書く
企業に伝える年収は、税金や社会保険料が引かれる前の総支給額(額面)です。手取り額で書くと、企業側の想定より低い金額を伝えてしまいます。
現年収を正しく把握するには、源泉徴収票の「支払金額」を確認してください。基本給・各種手当・残業代・賞与の内訳もあわせて整理しておくと、面接で「残業代込みの金額か」と聞かれたときに答えられます。
求人の給与幅の中で、幅を持たせて書く
金額を書くときは、まず募集要項の想定年収を確認し、その範囲内に収めます。1つの数字で断定するより、「最低ライン」と「希望額」の2つを決めておくと伝えやすくなります。
| 決めておく金額 | 決め方 | 例 |
|---|---|---|
| 最低希望年収 | これを下回ると生活や転職の意味がなくなる額 | 現年収と同じ420万円 |
| 希望年収 | 経験・実績から見て妥当な理想額 | 460万円 |
| 履歴書への書き方 | 求人の給与幅に収まる範囲で幅を持たせる | 420万〜460万円 |
年収アップの目安について、転職支援会社の中には「現年収の1割増し前後が基本」とする見解もあります。ただし企業ごとの給与テーブルで上限が決まっていることが多く、相場は業界や職種で大きく変わります。
金額には根拠を一言添える
金額だけが書いてあると、採用担当者は「なぜこの額なのか」を判断できません。現年収、経験年数、扶養家族など、金額の理由を一言添えるだけで「わがまま」ではなく「事情がある」と伝わります。
良い書き方(同職種への転職)
給与は貴社の規定に従います。法人営業として5年間の経験があるため、現年収(480万円)と同水準を希望しております。詳細は面接の際にご相談させてください。
NG例
希望年収:600万円
金額だけで理由がなく、求人の給与幅(400万〜500万円)も超えています。選考の土俵に乗る前に見送られる可能性があります。
前職の年収をあわせて書く場合
現年収(前職の年収)を書くときは、源泉徴収票と一致する正確な金額を書いてください。選考の途中や入社手続きで源泉徴収票の提出を求められることがあるため、多めに書くと後で食い違いが明らかになります。
- 「現年収:420万円(賞与含む)」のように、賞与の有無を添える
- 残業代の比率が高い場合は「残業代含む」と明記する
- 直近で昇給が決まっている場合は、面接で口頭で補足する
希望給与額の書き方でよくあるNG例
希望給与額の欄は1行程度でも、書き方ひとつで印象が大きく変わります。提出前に、次のNG例に当てはまっていないか確認してください。
| NG例 | 正しい書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 空欄のまま | 給与・勤務条件は貴社の規定に従います。 | 記入漏れと区別がつかない |
| 特になし | 同上 | 入社意欲が低い印象を与えやすい |
| 手取り25万円以上 | 年収420万円以上(額面) | 企業は額面で給与を考える |
| 月給30万円以上必須 | 〇〇万円程度を希望しておりますが、ご相談させてください | 断定表現は条件優先の印象になる |
| 求人の上限を超える金額 | 給与幅の範囲内で記載 | 募集要項を読んでいないと判断される |
| 前職年収を多めに書く | 源泉徴収票どおりの金額 | 提出書類で食い違いがわかる |
採用担当者はここを見ている
- 本人希望欄に書かれた内容は「入社の絶対条件」として受け取られやすい。ゆずれる希望まで書くと選択肢を自分で狭めることになる
- 給与の希望と志望動機が食い違っていないか(「やりがい重視」と書きながら高い金額を断定している、など)
「貴社の規定に従います」という一文の意味や使い分けは、こちらの記事で確認できます。

希望給与欄・応募フォームの状況別の対処法
履歴書に「希望給与」専用欄がある場合
市販の用紙や企業の指定様式には、本人希望記入欄とは別に「希望給与」の欄が設けられていることがあります。専用欄でも考え方は同じで、空欄にせず「貴社規定に従います」と書くのが基本です。欄が狭い場合は「貴社規定による」と短くしても問題ありません。
専用欄のない一般的な様式を使いたい場合は、JIS規格に沿った履歴書テンプレートも選べます。
Web応募フォームで金額入力が必須の場合
応募フォームによっては、希望年収が数字のみの必須項目になっていて「規定に従う」と書けないことがあります。その場合は次の手順で入力してください。
- 募集要項の給与幅を確認する
- 自分の最低希望年収が給与幅の中にあれば、その金額を入力する
- 自由記述欄があれば「記載額は目安です。貴社の規定に従います」と補足する
ダミーの「0」や極端な金額の入力は避けてください。入力内容は書類選考の判断材料としてそのまま共有されます。
アルバイト・パートで時給を書く場合
アルバイト・パートの場合も、時給の希望は「貴社の規定に従います」で足ります。求人に時給が明記されていることが多いため、求人と違う時給を書くと「募集内容を見ていない」と受け取られます。給与よりも、勤務できる曜日や時間帯を具体的に書くほうが採用につながりやすい欄です。
アルバイト応募の場合は、アルバイト用の履歴書テンプレートを使うと必要な項目がそろっています。
未経験職種・第二新卒で転職する場合
未経験の職種に挑戦する場合、前職の年収がそのまま評価されるとは限りません。現年収を維持したい気持ちが強くても、まずは「貴社の規定に従います」と書き、面接で相談するほうが選考を進めやすくなります。
良い書き方(未経験職種への転職)
給与・勤務条件は貴社の規定に従います。入社可能日は〇月〇日以降を希望いたします。
※給与の希望を書かない代わりに、在職中の人は入社可能日を書いておくと日程調整がスムーズです。
在職中の転職で入社可能日をどう書くか迷う場合は、こちらも参考になります。

スマホで最短3分!履歴書作成ツール【サクレキ】で今すぐ履歴書を作成
希望給与の書き方が決まったら、あとは履歴書を仕上げるだけです。ここまで読んで手が止まっているなら、サクレキで本人希望欄まで含めた履歴書をスマホから作成できます。
まとめ
- 希望給与額は空欄にしない:「給与・勤務条件は貴社の規定に従います。」と書くのが基本
- 金額は書かないほうが交渉の余地が残る:書いた額が提示額の基準になりやすい
- 書くべきケースは3つ:最低ラインがある/給与幅が不明確/記入を求められている
- 書くなら額面の年収で、給与幅の中に:最低額と希望額を決め、理由を一言添える
- 前職年収は源泉徴収票どおりに:提出を求められたときに食い違わないようにする
希望給与の欄は、空欄にしないことと金額を急いで決めないことの2点を守れば大きく失敗しません。
履歴書の希望給与額に関するよくある質問
- 履歴書の希望給与額を空欄で出すと不採用になりますか?
-
空欄だけで不採用が決まるとは限りませんが、記入漏れと区別がつかないため印象は下がりやすくなります。ハローワークの手引きでも、空欄や「特になし」ではなく「勤務条件は貴社の規定に従います。」などと書くのが一般的とされています。
- 希望年収は手取りと額面のどちらで書きますか?
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額面(総支給額)で書きます。企業は税金や社会保険料を引く前の金額で給与を考えるため、手取りで書くと実際より低い希望を伝えることになります。現年収は源泉徴収票の「支払金額」で確認できます。
- 履歴書に「貴社の規定に従います」と書いたら、面接で希望年収を伝えてはいけませんか?
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伝えて問題ありません。「基本的には貴社の規定に従いますが、〇〇万円程度を希望しております」のように、経験や現年収を根拠として添えて伝えます。面接で聞かれない場合は、終盤の逆質問の時間に確認する方法もあります。
- 希望給与額に求人の上限より高い金額を書いてもいいですか?
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おすすめしません。募集要項の給与幅を超える金額は「求人を読んでいない」「予算に合わない」と判断され、選考対象から外れることがあります。上限を超える希望がある場合は、履歴書には書かず、面接で実績とあわせて相談してください。

