職務経歴書のプロジェクト経験は、担当した「役割」と生み出した「成果」を軸に整理するのが正解です。ITエンジニア・マーケティング職の例文、メンバーとして参加した場合の書き方、プロジェクトが多いときの絞り込み基準まで、採用担当者の視点で解説します。
職務経歴書のプロジェクトの書き方と例文【結論】
結論:「役割」と「成果」を軸に書けば評価される
採用担当者が1通の職務経歴書に目を通す時間は、2〜3分以内が大半です。応募が集中する求人では1分を切ることもあります。プロジェクト経験が豊富な方ほど書類のページ数が増えがちですが、情報量の多さと評価の高さは比例しません。
採用担当者が最初に確認するのは、プロジェクトの中で「何を任され」「何を変えたか」の2点です。技術や業務内容をどれだけ詳しく書いても、この2点が曖昧なままでは評価につながりません。まずは以下の基本フォーマットに沿って、担当した役割と成果を整理してください。
基本フォーマット(7項目)
プロジェクト経験を記載する際は、以下の7項目を意識してください。この項目を網羅するだけで、採用担当者が必要な情報を探す手間がなくなり、書類の読みやすさが大きく向上します。
| 項目 | 記載例・ポイント |
|---|---|
| プロジェクト名・概要 | 「○○業界向けECサイトのリニューアル」など、第三者が理解できる表現で1〜2行 |
| 期間 | 「2023年4月〜2024年3月(12ヶ月)」のように始期・終期・期間を明記 |
| 規模 | チーム人数・ユーザー規模・予算感など。「チーム5名」「MAU10万人規模」など |
| 自分の役割・ポジション | PM/PL/サブリーダー/メンバー など。役職が同じでも担当範囲は明記する |
| 担当フェーズ | 要件定義/設計/開発/テスト/リリース後運用 など関与した工程を明記 |
| 使用技術・ツール | 言語・フレームワーク・クラウド・ツール類(IT系は特に重要) |
| 実績・成果 | 定量(数値)または定性(変化・改善)で「何が変わったか」を明記 |
良い例文(ITエンジニア・開発プロジェクト)
良い例文
【プロジェクト名】ECサイトリニューアル(バックエンド開発)
【期間】2023年6月〜2024年2月(9ヶ月)
【概要】小売業C社向け自社ECサイトの全面リニューアル。老朽化したシステムの刷新と購買体験の改善が目的。
【規模】開発チーム6名(うちバックエンド3名)
【役割】バックエンドエンジニア/サブリーダー
【担当フェーズ】基本設計・詳細設計・開発・単体テスト・結合テスト
【使用技術】PHP(Laravel)・MySQL・AWS(EC2・RDS)・GitHub
【成果】リリース後3ヶ月でカート離脱率を18%改善。ページ読み込み時間を平均2.3秒から0.8秒に短縮。
職種に特化したフォーマットで整理したい場合は、エンジニアの職務経歴書テンプレートを使うと、必要項目を漏れなく埋められます。
良い例文(マーケティング職の施策プロジェクト)
IT系以外のプロジェクト経験でも、基本フォーマットの考え方はそのまま使えます。「技術スタック」の代わりに「使用したツール・施策手法」を記載し、成果を事業数値と連動させるのがポイントです。
良い例文
【プロジェクト名】新規ユーザー獲得施策(リスティング広告運用改善)
【期間】2023年10月〜2024年3月(6ヶ月)
【概要】自社SaaSのリスティング広告のCPA改善とCV数増加を目的としたプロジェクト。
【規模】マーケティング部3名(自分が主担当)
【役割】広告運用担当
【担当業務】キーワード選定・ランディングページ改善提案・A/Bテスト設計・週次レポーティング
【使用ツール】Google広告・Google Analytics 4・Looker Studio
【成果】CPA28%改善(¥12,000→¥8,640)。月間コンバージョン数を64件から91件に増加(6ヶ月間)。
マーケティング・営業系の経歴を整理する場合は、営業の職務経歴書テンプレートのフォーマットも参考になります。
採用担当者が職務経歴書のプロジェクト欄で見ている3つのポイント
「自分のプロジェクト経験をすべて伝えたい」という気持ちは自然ですが、採用担当者が知りたいのは実績の記録ではなく、「この人が自社でどう活躍できるか」の根拠です。この視点を持てているかどうかが、書類の印象を大きく左右します。
採用担当者はここを見ている
- 役割が明確か:PM/メンバーのどちらでも、担当範囲と裁量が伝わるか
- 成果に再現性があるか:同じことを自社でも発揮できそうか
- プロジェクトを客観的に語れているか:チーム成果と個人貢献が混同されていないか
多くの応募者がここでつまずくのは、プロジェクトの「説明」に終始し、主語が「チーム」のまま最後まで進んでしまうことです。プロジェクトの背景や規模を語るほど客観的な書類に見えますが、「自分が」何をしたのかが一文も出てこない書類は、経験があっても評価につながりません。
【状況別】プロジェクト経験の書き方と例文
メンバーとして参加した場合の書き方
「自分はリーダーではなくメンバーだったから、大した成果は書けない」と感じる方が多いですが、これは誤解です。採用担当者はポジションの高さより、チームの中でどんな貢献をしたかを見ています。
メンバーとして参加したプロジェクトの場合は、「チーム全体の成果」と「自分が担当した範囲の成果」を切り分けて記載するのがポイントです。チームの実績をそのまま自分の実績として書くのでもなく、「メンバーだから成果がない」と過小評価するのでもなく、担当範囲内での貢献を具体的に示してください。
良い例文
【役割】開発メンバー(バックエンド担当)
【担当業務】API設計・実装(全体の担当分約30%)、技術仕様のドキュメント整備
【チーム全体の成果】リリース後3ヶ月でアクティブユーザー数が25%増加
【自分の貢献】担当APIの応答速度を改善し、ボトルネックとなっていた処理時間を40%短縮。ドキュメント整備により引き継ぎ工数を半減した。
採用担当者はここを見ている
- チーム全体の実績を「私が達成した」と書いていないか(最も多いNG)
- 担当範囲が全体の何割程度か、規模感が伝わるか
- 自分から動いた部分はどこか(受け身ではなく能動的な関与があるか)
プロジェクト式と編年体式、どちらを選ぶか
職務経歴書の書き方には大きく3つのスタイルがあります。複数のプロジェクトに携わってきた方は、自分の経歴にどのスタイルが合っているかを確認してください。
| スタイル | 特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 編年体式 | 入社から現在まで時系列順に記載 | 職歴がシンプル・転職回数が少ない |
| 逆編年体式 | 直近の職歴から逆順に記載 | 最新の経験が最もアピールになる |
| プロジェクト式 | プロジェクト単位で経験を整理して記載 | 複数PJに跨って実績を積んできたIT系・開発系・コンサル系 |
複数のプロジェクトを経験してきた方には、プロジェクト式が「スキルと実績を最も整理して伝えやすい形式」です。所属企業の時系列よりも「どのプロジェクトで」「どんな役割を担い」「何を成し遂げたか」を中心に整理できるため、採用担当者がスキルを即座に把握しやすくなります。

成果を数値化できない場合のプロジェクトの書き方
「数値で成果を示せ」とよく言われますが、すべてのプロジェクト経験が数値化できるわけではありません。社内制度の整備・チームの環境改善・ナレッジ共有の仕組みづくりなど、数値に表れにくい貢献をしてきた方も多いです。
採用担当者は「数値がなければNG」と一律に判断するわけではありません。変化前と変化後を具体的に伝えられれば、数値でなくても評価されます。問題は「成果を数値で示せないこと」ではなく、「変化が何も伝わらない書き方」になっていることです。人事・総務系の社内プロジェクトを整理する場合は、人事の職務経歴書テンプレートの項目立てが参考になります。
数値がなくても評価される4つの記述パターン
- 変化の前後を対比する:「〜だった状態が、〜に変わった」の構造で記述する
- 関与した規模感を示す:「20名が参加する組織の〜」「月30件処理するフローの〜」
- 他者の評価・反応を添える:「マネージャーから好例として他チームへ横展開された」「翌年度に全社標準プロセスとして採用された」
- 定性的な変化を可視化する:「属人化していた業務を3名が対応可能な状態にした」「担当者不在でも業務が止まらない仕組みを構築した」
チームの成果を個人の貢献として書くコツ
チームの成果をそのまま「自分の実績」として書くと、誇張と受け取られる場合があります。一方で「チームの成果だから書けない」と過小評価するのも、正しく評価されない原因になります。
良い例文
チーム全体でシステムのリリース期間を6ヶ月から4ヶ月に短縮。自分はテスト工程の自動化を提案・実装し、テスト工数を従来比40%削減した。この仕組みは翌プロジェクトでも継続採用されている。
NG例
リリース期間を6ヶ月から4ヶ月に短縮しました。
チーム全体の成果を自分ひとりの実績として書いている。担当範囲を明記しないと、採用担当者に「本当に?」と疑念を持たれます。
プロジェクトが多い場合の絞り込みと一覧表の作り方
キャリアが長くなるほど「書ける内容が多すぎて整理できない」という状況になります。職務経歴書の枚数はA4で2枚が標準です。プロジェクトが多い場合は取捨選択が必要ですが、「どれを削るか」の基準がわからず困っている方が多いです。
絞り込みの3つの基準
プロジェクトを絞り込む際は、以下の3つの基準で優先順位をつけてください。すべての基準を満たすプロジェクトから詳細を記載し、A4 2枚に収まるよう調整します。
絞り込みの3つの基準
- 応募先との関連性:応募するポジションで求められるスキル・経験と重なるか
- 成果の具体性:数値または明確な変化として成果を示せるか
- 自分の関与度:チームの中で主体的に動いた割合が高いか
この3点の優先順位が高いプロジェクトを詳細記載の対象にします。直近5年以内のプロジェクトを優先し、古いものは一覧表にまとめるのが一般的な整理方法です。応募企業・ポジションによって詳細記載するプロジェクトを入れ替えることも有効です。
残りのプロジェクトは一覧表(別紙)にまとめる
詳細記載から外れたプロジェクトは「プロジェクト一覧(別紙)」としてまとめることで、採用担当者が経験の幅を一覧で把握できます。書類が整理されているという印象も与えられます。
| 期間 | プロジェクト概要 | 規模 | 役割 | 使用技術 |
|---|---|---|---|---|
| 2021.04〜2022.03 | ○○業務管理システム開発 | 8名 | メンバー | Java/Spring Boot |
| 2020.01〜2020.12 | △△ECサイト改修 | 3名 | サブリーダー | PHP/Vue.js |
| 2019.06〜2019.12 | □□社内ポータル構築 | 4名 | メンバー | Python/Django |
一覧表は「期間・概要・規模・役割・使用技術」の5列が最低限必要な情報です
経理・数値管理系のプロジェクトを整理する場合も同様の考え方が使えます。経理の職務経歴書テンプレートを使うと、期間・規模・成果の欄が整理しやすくなります。

職務経歴書のプロジェクト記載でよくあるNG例と改善パターン
職務経歴書のプロジェクト記載で実際に多く見られるNG例と、その改善方法を紹介します。自分の書類と照らし合わせながら確認してください。
技術スタックの羅列だけになっている
IT系・エンジニア職で最も多く見られるNG例です。技術スタックを羅列するだけでは、「その技術でどんな成果を出したか」が一切伝わりません。採用担当者は技術が使えることより、技術を使って何を実現したかを評価します。
NG例
使用技術:Java/Spring Boot/MySQL/AWS(EC2, RDS, S3)/Docker/GitHub/Jenkins
担当業務:バックエンド開発、テスト、デプロイ
技術スタックと業務の羅列のみで、「どんな課題を解決したか」「何が改善されたか」が一切わかりません。
良い例文
Java/Spring Boot/AWS(EC2, RDS)を使用したバックエンド開発を担当。特に外部API連携部分の設計・実装を主導し、連携エラー率を月100件超から月5件以下に削減した。
「担当しました」で終わる記述
「〇〇の開発を担当しました」で終わる記述は、採用担当者にとって最も情報量が少ない書き方です。「担当した」は誰でも言える表現であり、差別化につながりません。「担当した結果どうなったか」「担当する中でどんな工夫をしたか」を必ず添えてください。
NG例
ECサイトの商品検索機能の改修を担当しました。
「担当した」という事実だけで、成果・工夫・貢献が一切伝わりません。
良い例文
ECサイトの商品検索機能の改修を担当。ユーザーの検索ログ分析から「検索結果が意図と合わない」という課題を特定し、形態素解析の精度改善を提案・実装した。リリース後、検索経由のカート追加率が12%向上した。

まとめ
- 採用担当者が最初に見るのは「役割」と「成果」の2点
- プロジェクト式は複数PJ経験者に最も適した記載スタイル
- メンバー参加の場合は「チーム成果」と「自分の貢献」を切り分ける
- 数値化できない成果は「変化前後の対比」と「関与の能動性」で表現する
- プロジェクトが多い場合は3〜5件に絞り、残りは一覧表にまとめる
採用担当者の目線で整理できた職務経歴書は、同じプロジェクト経験でも書類の印象が大きく変わります。まずは「役割」と「成果」の2点から書き直しを始めてください。
職務経歴書のプロジェクト書き方に関するよくある質問
- プロジェクト名が社外秘の場合、どう書けばよいですか?
-
「○○業界向け業務システム開発」「金融機関向けWebアプリケーション刷新」のように、業界と目的がわかる表現に言い換えて記載してください。クライアント名や正式プロジェクト名は伏せて問題ありません。採用担当者も守秘義務があることは理解しているため、「社外秘のため仮称」と断りを入れれば問題になることはほぼありません。
- プロジェクト式と編年体式、どちらで書けばよいですか?
-
複数のプロジェクトに跨って実績を積んできた方はプロジェクト式が適しています。所属企業ごとの時系列よりも、どのプロジェクトでどんな役割を担ったかが伝わりやすいためです。転職回数が少なく職歴がシンプルな方は、編年体式や逆編年体式の方が読みやすい場合もあります。
- プロジェクト経験の期間が短い(1〜2ヶ月)場合は省いた方がよいですか?
-
期間の長さよりも「何をしたか・何が変わったか」の中身が重要です。1〜2ヶ月のプロジェクトでも、明確な成果や役割があれば記載してください。ただし記載項目が少なくなりがちな場合は、プロジェクト一覧表にまとめる形が読みやすいこともあります。
- 職務経歴書のプロジェクト記載はA4何枚が適切ですか?
-
全体でA42枚が標準です。プロジェクトの詳細記載は1件あたり8〜12行程度を目安にし、2枚に収まらない場合は詳細記載するプロジェクトを絞り込んでください。採用担当者が読みきれる分量に収めることを優先してください。

