履歴書の経歴欄は、学歴を古い順、職歴を入社順に、正式名称と年号統一で書くのが基本です。学歴・職歴の順番や書き出し方に迷う人は多く、特に転職回数が多い場合やブランク期間がある場合は、書き方一つで採用担当者の印象が変わります。この記事では、在職中・離職中・転職多数・空白期間ありなど状況別の記入例と、採用担当者が5秒でチェックしているポイントをあわせて解説します。
履歴書の経歴(学歴・職歴)欄の書き方【結論】
結論:学歴→職歴の順に時系列・正式名称で書く
経歴欄は「学歴」ブロックを先に、「職歴」ブロックを後に、それぞれ時系列(古い順)で記入します。学校名・会社名は略さず正式名称で書き、年号は西暦・和暦のどちらかに書類全体で統一するのが基本ルールです。この2点さえ守れば、書式面で大きく減点されることはありません。
経歴欄の記載例(学歴・職歴の見本)
まずは経歴欄全体の見本です。学歴・職歴それぞれの書き出し方と、退職理由・現職の記入位置を確認してください。
良い例文(経歴欄の見本)
学歴
2010年3月 ○○高等学校 普通科 卒業
2010年4月 ○○大学 経済学部 経済学科 入学
2014年3月 同上 卒業
職歴
2015年4月 株式会社○○ 入社(営業部 配属)
2019年4月 主任に昇進
2021年3月 一身上の都合により退職
現在に至る
以上
新卒でこれから履歴書全体を作成する場合は、以下のテンプレートを使うと学歴欄・職歴欄の位置で迷わずに済みます。
転職者向けには転職用の履歴書テンプレート、新卒でこれから初めて作成する場合は新卒用の履歴書テンプレートを使うと、学歴欄・職歴欄の枠の広さで迷わずに書き進められます。
学歴・職歴の基本ルールひと目チェック
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 学校名・会社名 | 正式名称で書く(「○○高校」ではなく「○○高等学校」、「(株)」ではなく「株式会社○○」) |
| 年号 | 西暦・和暦のどちらかに書類全体で統一する(混在は不可) |
| 書き出し | 学歴・職歴それぞれ行の中央に見出し行を作ってから記入する |
| 入学・卒業/入社・退社 | 「入学」「卒業」「入社」「退社」の区別を明確に書く |
| 退職理由 | 「一身上の都合により退職」(自己都合)または「会社都合により退職」と明記する |
| 締め | すべての職歴を書き終えたら右端に「以上」と記載する |
採用担当者は経歴欄のどこを見ているのか
履歴書を受け取った採用担当者は、最初に職歴欄を確認します。学歴よりも職歴欄にかける確認時間が長く、ここで印象が悪ければ面接に進むことなく不採用になるケースも少なくありません。職歴欄は「採用担当者が自社で活躍できるかを判断する最短ルート」として機能しています。
採用担当者はここを見ている
- 在籍期間と転職回数:「この会社に長く定着してくれるか」を最初に判断する
- 会社名・業界・職種の一貫性:キャリアの方向性が自社の求める人物像と合っているかを確認する
- 職務内容の具体性:「何をやっていたか」ではなく「どんな成果・規模感で動いていたか」を読み取ろうとする
- ブランク期間の有無と説明:空白があっても理由が書いてあるかどうかで印象が大きく変わる
5秒で判断される3つのチェックポイント
採用担当者が職歴欄を流し見する時間はおよそ5〜10秒です。この短時間で行われている判断を知っておくと、何を優先して書くべきかが明確になります。
| チェック順 | 見ているポイント | 担当者の思考 |
|---|---|---|
| ① | 在籍期間・転職回数 | 「短期離職が多くないか。入社後すぐ辞めないか」 |
| ② | 会社名・業界・職種 | 「自社の事業や求めるスキルと近いか」 |
| ③ | 職務内容の記述量と具体性 | 「詳しく聞く価値があるか。面接に呼ぶべきか」 |
5秒の視線移動で「話を聞いてみたい」か「見送り」かが仮決まりします。職歴欄は書類全体の第一印象を決める場所と考えてください。
「定着性」と「即戦力性」をどう読み取るか
採用担当者が職歴欄から読み取ろうとしているのは、大きく分けて2つです。定着性とは「入社後に早期離職せず長く働いてくれるか」という観点で、在籍期間が短い会社が複数あるほど「またすぐ辞めるかもしれない」という懸念につながります。
即戦力性とは「育成コストをかけずに業務をこなせるか」という観点です。職種・業界の一貫性と職務内容の具体性から判断されます。「何をやってきたか」だけでなく、「どのくらいの規模・難易度で業務をこなせるか」が伝わると、採用担当者の評価は上がります。
状況別・職歴欄の書き方と記入例
職歴欄の書き方で最も悩むのが「自分の状況をどう書けばいいか」という点です。以下では、状況ごとの書き方と記入例を確認してください。
在職中の場合
現在も勤務中で転職活動をしている場合、現職の欄には「現在に至る」と書きます。退職日が決まっていない段階ではこの表現が正式です。退職予定日が決まっている場合は括弧書きで補足しても構いません。
良い例文(在職中)
2018年4月 株式会社○○ 入社(法人営業部 配属)
法人向け業務システムの新規営業および導入サポート担当
担当顧客数:約50社、年間売上目標達成率:平均112%
現在に至る(2026年7月末退職予定)
「現在に至る」の書き方は在職中・退職後・退職予定でそれぞれ表現が変わります。詳しいパターン別の記入例は以下でも解説しています。

離職中・退職済みの場合
すでに退職済みの場合は、退職した年月と退職理由を明記します。「一身上の都合」は自己都合退職の定型表現として採用担当者に広く認識されています。会社都合(リストラ・倒産・事業縮小など)の場合は「会社都合により退職」と書くほうが正直で、採用担当者の印象も良くなります。
良い例文(離職中)
2024年3月 一身上の都合により退職
現在に至る
転職回数が多い場合
転職回数が多い場合でも、職歴はすべて記載します。省略や改ざんは経歴詐称となり、内定取り消しや入社後の解雇理由になります。採用担当者は転職回数そのものより「なぜ転職したのか」という文脈を重視するため、退職理由を端的に書くことでネガティブな印象を和らげられます。
採用担当者はここを見ている(転職回数が多い場合)
- 職種や業界が一貫しているか(バラバラだと「軸のない転職」と判断されやすい)
- 在籍期間が1年未満の会社が複数あるか(「定着しない人」という印象につながる)
- 退職理由が客観的な表現で書かれているか(「人間関係」などの曖昧な理由はマイナス)
転職回数が多い場合は、各社の退職理由を「契約期間満了につき退職」「事業縮小による会社都合」のように客観的な表現で補足すると、採用担当者の不安を軽減できます。反対に、社会人経験がまだ浅く職歴自体が存在しない場合は書き方の考え方が異なります。

職歴に空白(ブランク)期間がある場合
離職から次の就職まで半年以上の空白がある場合、採用担当者は「この期間は何をしていたのか」と必ず確認します。空白を何も書かずに放置するのが最もマイナスです。ブランク中に行ったことがあれば、職歴欄に1〜2行で補足します。
資格勉強・介護・育児・療養など、どのような理由であっても、理由を書いていないよりは書いてあるほうが印象は必ず良くなります。「説明できない何かがある」という疑念を持たれないためにも、短い一文で構いません。
良い例文(ブランク期間あり)
2022年4月 一身上の都合により退職
2022年5月〜2023年2月 母の介護のため休職期間
この期間中、○○資格の取得に向け独学で学習(2023年1月合格)
2023年3月 現在に至る(就職活動中)
フリーターとして働いていた期間がブランクにあたる場合は、書き方がやや異なります。詳しくは以下で解説しています。

派遣社員・アルバイト経験がある場合
派遣社員の経歴は職歴として記載します。派遣元(派遣会社)と派遣先(実際に働いた会社)の両方を明記し、「契約期間満了につき退職」と書くのが正式な退職理由です。アルバイト経験は、応募職種と関連性があり就業期間が半年以上の場合に記載を検討します。短期・単発のアルバイトは記載不要です。
良い例文(派遣社員経験)
2019年6月 株式会社○○(派遣会社) 登録
△△株式会社(派遣先)に派遣社員として就業
経理事務担当(請求書作成・仕訳入力・月次集計:月200件処理)
2021年5月 契約期間満了につき退職
派遣社員としての職務経歴を職務経歴書にまとめる場合は派遣の職務経歴書テンプレート、パート勤務の経歴が中心の場合はパート用の履歴書テンプレートを使うと欄の広さで迷いません。
部署異動・社名変更があった場合
在籍中に部署異動があった場合は、異動の年月とともに新しい部署名を記載します。社名変更(M&A・グループ再編など)があった場合は「(現:○○株式会社)」と旧社名に補足を加えます。
良い例文(社名変更・部署異動)
2015年4月 △△株式会社(現:○○株式会社)入社(営業部 配属)
2018年9月 人事部へ異動(採用・研修担当)
2021年3月 一身上の都合により退職
採用担当者が通過させたくなる経歴欄の書き方のコツ
基本ルールを守るだけでは、他の応募者と横一線になります。書類選考を通過するには「正しく書く」だけでなく、採用担当者が判断しやすい書き方への工夫が必要です。
実績を数字で示す書き方
採用担当者が説得力を感じるのは、数字で示された実績です。「営業として活躍しました」という記述より、「担当顧客50社・年間売上達成率平均112%」という記述のほうが、具体的なスキルの規模が伝わります。「自分の職務に数字は関係ない」と感じている方でも、探してみると意外と数値化できる実績が見つかります。
| 職種 | 数字化できる実績の例 |
|---|---|
| 営業 | 担当顧客数・年間売上額・目標達成率・新規開拓件数 |
| 事務・経理 | 月次処理件数・対応顧客数・改善による時間短縮時間 |
| エンジニア | チーム人数・担当フェーズ・リリース件数・バグ修正数 |
| 管理職 | 部下の人数・部門売上・育成した後輩数 |
| 接客・販売 | 1日の来客数・月間売上額・アンケート評価スコア |
NG例(作業の羅列)
「営業業務を担当しました。顧客対応や提案書の作成を行い、チームに貢献しました。」
何件・何%・どのくらいの規模で行ったか、具体性がまったく伝わらない。
良い例文(数字を加えた営業職の職歴)
「法人向け営業担当として中小企業50社を担当。提案資料の作成から契約締結・アフターフォローまで一貫して担当し、年間売上目標を12ヶ月連続達成(達成率平均115%)。」
ブランク期間を「経歴の空白」にしない書き方
採用担当者がブランク期間を見て最も不安に感じるのは「この人は働く意欲があるのか」という点です。ブランクそのものが問題なのではなく、説明がないことが問題です。転職活動中・資格取得中・育児・介護・療養など、どのような理由であっても記載しておくほうが印象は良くなります。理由を書くことは「弱みをさらす」のではなく、「空白に文脈を与える」行為です。
採用担当者はここを見ている(ブランク期間)
- ブランク中に何らかのアクション(資格取得・学習・ボランティアなど)があるか
- ブランクの理由が書いてあるか(書いていないと「説明できない何かがある」と判断される)
- ブランクが1年以上の場合、今後の働き方への意欲が読み取れるか
経歴欄でよくあるNG例と避けるべきパターン
書き方のルールを知っている方でも、無意識にやってしまいがちなNG例があります。以下の5つは採用担当者が特に確認するポイントです。職歴欄を書き上げた後のセルフチェックに活用してください。
- 西暦と和暦を混在させている:書類全体を通じて統一する。混在は「細部に注意が払えない人」という印象を与えやすい
- 会社名を略記している:「(株)」「(有)」などの略記は不可。「株式会社○○」か「○○株式会社」か、法人格の位置も正確に書く
- 作業の羅列のみで成果がない:「顧客対応を行いました」だけでは実力が伝わらない。成果・規模・数字を添える
- ブランク期間を無言で放置している:説明のない空白は疑念を高める。短い一文でも理由を書く
- 短期離職を省略している:短期在籍の会社を意図的に省略するのは経歴詐称。入社後に発覚した場合のリスクは大きい
NG例(成果のない事務職の職歴)
「事務業務全般を担当。電話対応・データ入力・資料作成・郵便物管理などを行った。」
どのくらいの量・頻度で行っていたか、改善点はなかったかが一切ない。採用担当者には「指示待ちで動いていた人」に見える。
良い例文(成果を加えた事務職の職歴)
「経理・総務担当として請求書処理(月約200件)・仕訳入力・月次集計を担当。前任者比でミス件数を月平均3件から0件に改善。社内の請求書フォーマットを統一し、処理時間を月4時間短縮。」
まとめ
- 経歴欄は学歴→職歴の順、時系列・正式名称・年号統一が基本ルール
- 採用担当者は職歴欄を最初に確認し、5〜10秒で「定着性」と「即戦力性」を判断する
- 在職中・離職中・転職多数・ブランク・派遣など、状況別の書き方を把握しておく
- 実績は数字で示す。「担当した」だけでなく「何件・何%・どのくらいの規模」まで書く
- ブランク期間は放置しない。理由を一文添えるだけで採用担当者の印象は変わる
職歴欄は「過去の経歴を並べる欄」ではなく、「採用担当者に自分の価値を伝える欄」です。基本ルールを守りながら、成果と文脈を加えた職歴欄に仕上げることで、書類選考の結果は変わります。
履歴書の経歴に関するよくある質問
- 履歴書の職歴欄には、アルバイト経験も書くべきですか?
-
応募職種と関連性があり、就業期間が半年以上の場合は記載を検討してください。単発・短期のアルバイトは原則不要です。正社員経験が少ない20代や第二新卒の場合は、アルバイトでも実務経験として積極的に記載すると有利に働きます。
- 転職回数が5回以上あります。職歴欄に全部書かないといけませんか?
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原則としてすべての職歴を記載する必要があります。意図的な省略は経歴詐称となる可能性があり、入社後に発覚した場合の影響は大きいです。転職回数が多い場合は、各社の退職理由を端的に補足し、職種・業界の一貫性をアピールすることで印象を改善できます。
- ブランク期間中に特に何もしていなかった場合、どう書けばいいですか?
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「転職活動に専念していた期間」として記載するのが一般的です。「2022年5月〜2023年2月 転職活動中」のように書けば、空白のまま放置するよりも採用担当者に理解してもらいやすくなります。面接では「その期間に自己分析や業界研究を行っていた」と補足すると印象が改善します。
- 履歴書の学歴欄はどこから書き始めればいいですか?
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転職の場合は高校入学から書き始めるのが一般的です。新卒の場合も同様ですが、小学校・中学校の記載は通常不要です。義務教育終了(中学校卒業)か高校入学から書き始めるのが標準的なルールとして採用担当者にも広く認識されています。

