ケアマネジャーの職務経歴書は、担当件数と対応してきたケースを数字で示すことが書類通過の鍵です。この記事では、居宅・施設それぞれの状況別に使える職務要約と職務内容の例文に加え、担当件数が少ない場合の書き方、資格欄の正しい記載方法、自己PRのポイントまで、採用担当者の視点で整理して解説します。
ケアマネジャーの職務経歴書の書き方と経験別の例文
結論|3つの要素を押さえれば書類は通る
ケアマネジャーの職務経歴書で採用担当者が評価するのは、経験の長さそのものではありません。「担当件数などの数値」「誰と何をどう動いたかの具体的な行動」「資格の正確な記載」の3つが揃っているかどうかです。この3点を押さえた職務要約と職務内容を書くことが、書類選考を通過する最短ルートになります。
以下の例文は、居宅ケアマネと施設ケアマネそれぞれの標準的なキャリアを想定した記載例です。自分の経験と照らし合わせながら、数字と行動の部分を実際の経歴に置き換えて活用してください。
例文|居宅ケアマネ(経験7年)
良い例文
【職務要約】
居宅介護支援事業所にて介護支援専門員として7年勤務。常時35〜40件(要介護4・5が約40%)を担当し、独居高齢者・認知症・医療依存度の高いケースを中心に支援してきました。多職種との調整を通じ、在宅継続が困難とされたケースの在宅移行実績が複数あります。
【職務内容】
・アセスメント・ケアプラン作成・モニタリング(担当件数:常時35〜40件)
・新規ケース受け入れ・担当者会議の主催(月平均8〜10件)
・訪問診療医・病院MSW・地域包括支援センターとの退院調整(月20件以上)
・認知症ケース(レビー小体型・前頭側頭型含む)への安全確保支援
例文|施設ケアマネ(経験5年)
施設ケアマネは居宅ケアマネと業務の性質が異なります。担当件数の法定上限は100件と多く、施設内での生活全般を支援する視点が求められます。施設の種別・入退所支援の経験・看取りケアの経験を職務内容に盛り込むと、具体性が一段と高まります。
良い例文
【職務要約】
特別養護老人ホーム(定員90名)にて施設ケアマネとして5年勤務。担当100件のケアプラン作成・モニタリング・担当者会議を主担当で行ってきました。看取りケアの経験あり(年間10〜15件)、家族説明・ターミナルケアプランの策定を担当しています。
【職務内容】
・入居者全員分のケアプラン作成・更新・モニタリング(担当100件)
・担当者会議の主催・議事録作成(月平均15〜20件)
・入退所に関する家族対応・医療機関との退院調整
・看取りケアにおける家族説明・ケアプランの策定(年間10〜15件)
介護・福祉分野の職務経歴書をゼロから作成する場合は、介護業界の職務経歴書テンプレートも参考にしてください。
採用担当者がケアマネの職務経歴書で最初に見る3つのポイント
介護事業所の採用担当者が書類選考で受け取る職務経歴書は、求人ひとつあたり数十件に及ぶこともあります。全体を丁寧に読む前に、まず確認される3つのポイントがあります。
採用担当者はここを見ている
- 冒頭の職務要約(150〜200字):誰が・何年・どんな経験をしたか。ここが弱いと本文を読まずに判断されることがある
- 担当件数と業務の具体性:「担当件数35件」「困難ケース対応」などの数値が入っているか
- 資格欄の記載の正確性:介護支援専門員証の取得年・更新状況が確認できるか
採用担当者が「即落とし」する3つの書き方
経験が豊富なケアマネでも、書き方が原因で選考から外れるケースは少なくありません。次の3パターンは、採用担当者が特に問題視する書き方です。
- 担当件数の記載なし:「ケアプランの作成・モニタリングを担当」だけでは実力の判断ができない
- 抽象的な表現:何をどう対応したのか、結果どうなったのかが見えない書き方
- 資格欄が「介護支援専門員」のみ:取得年月・更新の有無が不明だと確認の手間が発生する
NG例
「居宅介護支援事業所にて、利用者のケアプラン作成・モニタリング・担当者会議を担当しておりました。利用者・ご家族・関係機関との連携を大切に、丁寧な支援を心がけてまいりました。」
→ 担当件数・実績・具体的な行動がすべて不在です。どの事業所にも使い回せる文章は、採用担当者に「特徴のない応募者」という印象を与えます。
福祉業界特有の様式に沿って作成したい場合は、福祉業界の職務経歴書テンプレートを活用すると項目の抜け漏れを防げます。
担当件数が少なくても評価される書き方
ケアマネになったばかりで担当件数が少ない、または前職からの転向で経験年数が浅いという方も少なくありません。担当件数の少なさは、書き方次第でマイナス評価にもプラス評価にもなります。
「担当件数の少なさ」を成長ストーリーに変える
正確な件数を隠したり水増ししたりする必要はありません。むしろ、担当件数がどう増えていったかという推移を示す方が、採用担当者には成長性として伝わります。
- 件数の推移を書く:「入職1年目は担当12件からスタートし、2年目には25件まで拡大」のように変化を数字で示す
- 前職の経験との接続を書く:介護福祉士・看護師などからケアマネに転向した場合、前職の現場経験がアセスメントにどう活きているかを添える
- 同行・OJTで学んだ内容を書く:先輩ケアマネへの同行やケースカンファレンスでの学びを、具体的な業務理解として記載する
良い例文(経験1年半・担当件数少なめ)
居宅介護支援事業所にて介護支援専門員として1年半勤務。入職時は担当10件からスタートし、現在は22件まで拡大しています。前職の介護福祉士としての現場経験を活かし、身体状況の変化を早期に察知したアセスメントを心がけています。先輩ケアマネへの同行を通じて多職種連携の進め方を学び、現在は単独での担当者会議運営も行っています。
未経験からケアマネになった場合の書き方
介護福祉士や看護師からケアマネに転向した場合は、前職での現場経験を「利用者理解の深さ」として言い換えることがポイントです。現場を知っているケアマネは、利用者・家族からの信頼を得やすいという点は、採用担当者にとっても評価材料になります。
職務経歴書全体の様式に迷う場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを使うと基本項目が整理しやすくなります。

「調整力」「アセスメント力」を実績として言語化する3つのコツ
「調整力があります」「アセスメント力が強みです」という書き方は、採用担当者には何も伝わりません。抽象的な強みを具体的なエピソードに落とし込む3つのコツを紹介します。
- ①「誰と・何について・どう動いたか」の形式で書く:関係者と課題、行動を構造化して記載する
- ②通常より困難だったケースを選ぶ:複雑な家族関係・多問題家族への支援経験は積極的に記載する
- ③工夫と結果をセットで書く:「〜を工夫した」で終わらせず、「その結果〜が改善した」まで書く
NG例
「関係機関との連携を密にし、利用者のニーズに応えるよう日々努力してきました。」
→ 何を・誰と・どのように連携したのかが見えません。全員が書ける内容では差別化できないのが実情です。
良い例文
退院後の在宅移行において、訪問診療医・病院MSW・訪問看護師・家族の4者が方針で対立したケースを担当。月2回のカンファレンスを設定し、各関係者の懸念点を整理した調整案を提示することで、3か月後に在宅復帰を実現しました。
資格・スキル欄の正しい記載方法
介護支援専門員の資格欄は、正式名称の記載と有効性が確認できる情報が必要です。採用担当者が資格欄で確認するのは「今も有効な資格か」「更新研修を受けているか」の2点です。
- 正式名称:「介護支援専門員(ケアマネジャー)」と記載する(都道府県認定の公的資格)
- 登録日と更新年:「取得:○○年○月 / 最終更新:○○年」の形式で記載する
- 保有する更新研修:主任介護支援専門員研修・専門研修I・IIなどを修了している場合は別途記載する
- 関連資格:介護福祉士・社会福祉士・看護師など保有資格はすべて記載する
| 業務 | 数値化の例 |
|---|---|
| 担当件数 | 「常時35〜40件(うち要介護4・5が約40%)」 |
| ケアプラン作成 | 「新規受け入れ月平均4件、変更含む月平均8件」 |
| 多職種連携 | 「訪問診療医・病院MSWなど月20件以上の調整対応」 |
| 担当者会議 | 「月平均8〜10件の担当者会議を主催」 |
正確な数字が思い出せない場合は「約35件」「月平均4件程度」のように「約・程度」をつければ問題ありません。転職用の履歴書テンプレートと合わせて準備しておくと、応募直前に慌てずに済みます。
ケアマネジャーの自己PR|採用担当者に刺さる書き方と例文
自己PRは「私はこんな人間です」という紹介文ではなく、「この人を採用したらこういう貢献が見込める」という予告です。採用担当者にとっては「担当件数を維持してくれるか」「新しい事業所にすぐ馴染めるか」が最大の関心事です。
採用担当者はここを見ている
- ①即戦力性:担当件数・対応できるケースの幅・単独で業務を回せる経験があるか
- ②チームへの貢献:後輩への指導経験・事業所の課題解決に動いた実績
- ③今後の意欲:なぜこの事業所を選んだか・経験を活かして何に取り組みたいか
例文1:医療連携・困難ケース対応タイプ
在宅での生活継続が困難とされた医療依存度の高い独居高齢者を複数担当してきた経験が私の強みです。訪問診療医・MSW・地域包括支援センターとの3者間調整で方針が対立するケースも多く経験しており、各関係者の懸念点を言語化し、合意形成に向けたプロセスを設計することを得意としています。
例文2:後輩育成・チームマネジメントタイプ
現職では後輩ケアマネ2名のOJTを担当し、アセスメントシートの書き方・担当者会議のファシリテーション方法について実務指導を行ってきました。スタッフの書類確認を週1回定例化することで、ケアプランの質のばらつきを抑えた経験があります。

転職回数が多い・兼務経験がある場合の書き方
転職回数が多い場合:転職ごとに「その事業所で得た経験・担当ケースの種類」を記載します。複数の事業所を経験してきたことは「多様な環境でのケースマネジメント経験」という強みに言い換えられます。採用担当者が心配するのは「またすぐ辞めないか」という点なので、各転職に前向きな理由をセットで書くことが重要です。
相談員との兼務経験がある場合:「相談員 兼 ケアマネジャー」として実績を分けて記載します。相談員としての入退所相談・ショートステイ調整の経験は、施設系への転職で大きな強みになります。兼務経験を書かずに転職するのは、評価される強みを自分から手放しているのと同じです。
職務経歴書と合わせて提出する履歴書の証明写真についても、事前に準備しておくと安心です。

まとめ
- 採用担当者が最初に見るのは「職務要約・担当件数・資格欄」の3か所
- 担当件数・対応ケースの種類・多職種連携の件数は必ず数値で記載する
- 担当件数が少ない場合は、件数の推移や前職経験との接続で成長性を示す
- 「調整力」「アセスメント力」は「誰と・何を・どう動いたか」の形式で具体化する
- 自己PRは「この人が来たらどんないいことがあるか」を採用担当者に予告する文章として書く
職務経歴書は過去の説明書ではなく、採用担当者への提案書です。数値と具体的なエピソードを組み合わせることで、他の応募者との差をつけることができます。
ケアマネジャーの職務経歴書に関するよくある質問
- ケアマネジャーの職務経歴書にはどんな内容を書けばいいですか?
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「職務要約・職務経歴・スキル・自己PR」の4項目が基本です。職務経歴には担当件数・在籍期間・業務内容を具体的に記載します。担当件数(居宅は法定上限44件・施設は100件)や対応してきたケースの種類を数値とともに書くことが書類通過のポイントです。
- 担当件数が少ない場合はどう書けばいいですか?
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件数を隠す必要はありません。「入職1年目は10件、現在は22件まで拡大」のように推移を示すと、成長性として評価されやすくなります。前職の経験がアセスメントにどう活きているかを添えるのも有効です。
- 転職回数が多くてもケアマネの職務経歴書で書類選考を通過できますか?
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通過できます。転職ごとに「その事業所で得た経験・担当ケースの種類・転職に至った前向きな理由」をセットで記載することが重要です。複数の事業所を経験してきたことを「多様な環境でのケースマネジメント経験」として言い換えると、転職回数の多さを強みとして伝えることができます。

