エントリーシートはAIを「たたき台作成」に使うのが正解です。ゼロから文章を考える負担は減らせますが、AIの出力をそのまま提出すると表現が抽象的になり、面接で深掘りされたときに答えに詰まる原因になります。この記事では、採用担当者が実際に見抜いているポイントと、バレずに質を上げるプロンプト・手順を状況別に紹介します。
エントリーシートはAIで書いていい|結論とすぐ使えるプロンプト
結論:AIは「たたき台作成」に使うのが正解
結論として、エントリーシート作成でAIを使うこと自体は問題ありません。多くの企業がAI利用そのものを不採用の理由にはしていないと公表しています。問題になるのは、AIが出した文章を編集せずそのまま提出する「丸投げ」の使い方です。
AIに任せてよいのは、構成案を考える段階や、自分の経験を整理する壁打ち相手としての役割までです。最終的な文章に自分の固有名詞・数字・感情を入れる作業は必ず自分で行う必要があります。
すぐ使えるプロンプト例(自己PR・志望動機・ガクチカ)
以下のプロンプトは、AIに丸ごと文章を作らせるのではなく、あなたの経験を引き出す「壁打ち役」として使うことを想定しています。
良い例文(プロンプトの使い方)
「就活生の自己PR作成を手伝ってください。私の経験は[アルバイトでの後輩指導]、成果は[新人の離職率を半年で〇%改善]です。この経験から強みを3つ挙げ、それぞれ深掘りする質問を私にしてください」
このように自分の事実を先に渡し、AIには「深掘りの質問役」をさせると、最終的に自分の言葉で語れる文章に仕上がります。
NG例(プロンプトの使い方)
「〇〇業界を志望する就活生の自己PRを400字で書いてください」とだけ入力し、出てきた文章をコピーして提出する。自分の経験を渡していないため、誰にでも当てはまる汎用的な文章になるのがNGな理由です。
採用担当者はここを見ている
- 固有名詞や数字が入っているか(AIは具体的な実績を知らないため書けない)
- 「私」の一人称の重みがあるか(AI文章は誰の話でも成立してしまう)
なぜ「AIで書いたES」は見抜かれるのか
AI検出ツールを導入する企業が増えていますが、実際に採用担当者が違和感を覚えるのはツールの判定結果よりも先に、文章そのものの「らしさ」です。
表現が抽象的で「その他大勢」に見える
AIは学習データにある一般的な言い回しを組み合わせて文章を作ります。そのため「積極的に取り組みました」「粘り強く努力しました」のような、誰にでも当てはまる表現になりやすい傾向があります。何百人分ものESを読む採用担当者は、こうした表現を毎年大量に目にしているため、一読で見分けがつきます。
面接で深掘りされたときに言語化できない
ES選考を通過しても、面接で「そのエピソードについてもう少し詳しく」と聞かれる場面は必ずあります。AIが作った文章の内容を自分の言葉で説明できないと、そこで初めて「自分で書いていない」ことが明らかになります。ESの完成度よりも、面接での一貫性の方が評価に直結すると考えておく必要があります。
話し言葉と文章のトーンが乖離している
AIが生成する文章は、論理構成が整いすぎていたり、普段使わない語彙が混ざっていたりします。面接での話し方とESの文章のトーンに差があると、採用担当者は違和感を覚えます。
採用担当者はここを見ている
- ES選考の合否だけでなく、面接での説明内容とESの整合性まで確認している
- 「AIを使ったかどうか」より「自分の経験として語れるか」を重視している
【状況別】AIを使ったエントリーシートの書き方と例文
ここでは自己PR・志望動機・ガクチカの3項目について、AIの下書きをどう自分の経験に落とし込むか、状況別に例文で紹介します。
自己PRの場合
良い例文
私の強みは、課題の原因を分解して優先順位をつける力です。飲食店のアルバイトでは、閉店作業に平均40分かかっていた原因を洗い出し、動線を見直すことで25分まで短縮しました。AIに壁打ちしてもらい候補を出した上で、実際の数字と自分の判断理由を加えて仕上げています。
NG例
私の強みは課題解決力です。アルバイトでは様々な課題に対して積極的に取り組み、周囲と協力しながら解決してきました。具体的な数字や状況が一切なく、AI出力をそのまま貼り付けた印象を与える点がNGです。
志望動機の場合
良い例文
貴社を志望する理由は、大学で取り組んだ地域商店街の活性化プロジェクトで、貴社の〇〇というサービスを実際に利用し、現場の小さな店舗ほど恩恵を感じているのを目にしたためです。AIには「志望動機の型」を提案してもらい、実体験の部分は自分で書き加えています。
NG例
貴社の企業理念に共感し、成長できる環境で貢献したいと考えたためです。どの企業にも使い回せる内容で、貴社である理由が説明されていないのがNGな理由です。
ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)の場合
良い例文
サークルの新入生勧誘で、前年比の入会者数が伸び悩んでいた原因をアンケートで調べ、説明会の開催時間を昼から夕方に変更したことで入会者数が1.4倍になりました。AIにはSTAR法(状況・課題・行動・結果)の骨組みだけ相談し、実際の数字は自分で入力しています。
NG例
サークル活動に力を入れ、メンバーと協力しながら目標達成に向けて努力しました。「何をどれだけ変えて、結果がどう変わったか」が書かれておらず、印象に残らない文章になっています。
AIをそのまま使わない|自分の経験を組み込む3ステップ
AIの下書きを提出用のESに仕上げるまでには、3つの工程があります。この工程を飛ばすと、どれだけプロンプトを工夫しても「AIらしさ」が残ります。
STEP1 AIに壁打ち相手として使う
最初から文章を作らせるのではなく、「この経験から強みを3つ挙げて」「なぜその行動をしたのか5回質問して」のように、自己分析の壁打ち相手として使います。ここで出てきた候補はあくまで材料であり、完成文ではありません。
STEP2 自分の経験・数字を加える
AIが提示した構成に、実際の固有名詞・期間・数字を書き加えます。「売上が上がった」ではなく「3ヶ月で客単価が800円上がった」のように、自分にしか書けない情報を入れることで、汎用的な文章から具体的な文章に変わります。
STEP3 音読して話し言葉に近づける
最後に声に出して読み、面接で話すときと同じ言葉遣いになっているか確認します。読み上げてつっかえる箇所や、普段使わない単語がある場合は、自分が普段使う表現に置き換えます。この工程を経ると、ESと面接のトーンが一致し、違和感のない文章に仕上がります。
採用担当者はここを見ている
- 3ステップを踏んだESは、面接での回答内容とトーンが自然に一致する
- 逆に工程を飛ばしたESは、面接の受け答えとの温度差で違和感が生まれやすい
エントリーシートAI活用のメリットと注意点
AIをどこまで使うかの判断基準として、メリットと注意点を整理しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | 構成を考える時間を短縮でき、企業研究や自己分析に時間を回せる |
| メリット | 自分では気づけなかった強みの切り口を客観的に提示してもらえる |
| 注意点 | 丸ごと提出すると抽象的な文章になり、面接で説明できなくなる |
| 注意点 | 企業や職種ごとの最新情報はAIが正確に把握していない場合がある |
就活で使う書類はESだけではありません。応募先によっては履歴書の提出も求められるため、新卒用の履歴書テンプレートを用意しておくと二度手間になりません。
応募先が指定するフォーマットが不明な場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートやJIS規格に沿った履歴書テンプレートを使うと安心です。
また、志望動機欄がない書類形式で迷ったときは、志望動機なしの履歴書テンプレートも参考になります。



まとめ
- エントリーシートのAI利用自体は問題なく、多くの企業も許容している
- AI出力をそのまま提出すると抽象的な文章になり、面接で見抜かれやすい
- AIは壁打ち相手として使い、自分の経験・数字を加えてから音読で仕上げる
AIを「たたき台」として使い、自分の言葉で語れる状態まで仕上げることが、ESと面接の両方で評価される文章につながります。
エントリーシートAIに関するよくある質問
- エントリーシートをAIで書くと落とされますか?
-
AIを使ったこと自体が理由で落とされるケースは多くありません。ただし、AI出力をそのまま提出して内容が抽象的になっていたり、面接で説明できなかったりすると評価が下がります。自分の経験・数字を加えて仕上げることが重要です。
- おすすめのAIツールはありますか?
-
ChatGPTなどの汎用AIチャットツールで十分対応できます。重要なのはツールの種類より使い方で、構成案作成や自己分析の壁打ちに使い、最終的な文章は自分の経験を反映させて書くことです。
- AI検出ツールで本当に見抜かれますか?
-
大手企業を中心にAI検出ツールの導入は進んでいますが、検出精度は完全ではありません。ツールよりも、面接での深掘り質問に自分の言葉で答えられるかどうかが、評価を左右する本質的なポイントです。
- ガクチカや自己PR以外にもAIは使えますか?
-
企業研究のたたき台作成や、質問への回答案の整理にも活用できます。ただし志望動機のように企業への熱意を示す項目は、実際に説明会や職場を見て感じたことなど、自分にしか書けない情報を必ず加えてください。

