履歴書と職務経歴書の一体型は、基本的には避けるべきです。企業から指定がある場合を除き、書類は別々に作成して提出するのが選考通過の基本ルールとなります。とはいえ、応募の手間を減らしたい、Web応募でファイルを1つしか添付できないといった事情で一体化を検討する方も多いはずです。この記事では一体型が許されるケースと、やむを得ず1つにまとめる際の正しい対処法を解説します。
履歴書と職務経歴書は一体型でもいい?結論から解説
結論:基本は別々に作成・提出するのが正解
履歴書と職務経歴書は、それぞれ役割が異なる書類です。応募先から一体型の指定がない限り、2つの書類として別々に作成し提出するのが転職・就職活動における一般的なマナーとされています。実際、主要な転職エージェント各社の公式ガイドでも、この点は共通して案内されています。
一体型のフォーマットが一般的でない理由は、単なる慣習ではありません。採用担当者が書類を読む際の視点そのものが、履歴書と職務経歴書で異なるためです。次の見出しで詳しく解説しますが、まずは「基本は分ける」という原則を押さえておきましょう。
一体型が許されるのはこの3パターン
とはいえ、一体型のフォーマットが完全にNGというわけではありません。以下のようなケースでは、一体化した書類を使っても問題にならないことがあります。
- 企業側が一体型フォーマットを指定している場合:応募要項や採用サイトで専用の様式が配布されているケース
- Web応募フォームでファイル添付が1つしかできない場合:システムの制約上、やむを得ず1ファイルにまとめる必要があるケース
- フリーランス・副業案件など簡易的な応募が前提の場合:クラウドソーシング等で簡易的なプロフィールシートの提出が求められるケース
これらに当てはまらない一般的な正社員・契約社員の応募では、指定がない限り分けて提出する方が無難です。
NG例
指定がないにもかかわらず、ネット上で見つけた汎用の一体型テンプレートをそのまま使って提出した。フォーマットには本人希望記入欄や押印欄が含まれておらず、必要な項目が抜け落ちたまま応募してしまった。
採用担当者はここを見ている
- 指定フォーマットがある場合は、その指示通りに作成できているか
- 独自の一体型を使う場合、本人希望記入欄や日付など必須項目が漏れていないか
- フォーマットの選び方から、指示を正確に読み取れる人物かどうかを見ている
なぜ履歴書と職務経歴書は分けるのが基本なのか
履歴書は「人物像・基本情報」を見る書類
履歴書は、氏名・住所・学歴・職歴といった基本情報に加え、志望動機や自己PR、通勤時間や扶養家族の有無など、応募者の人物像や基本条件を確認するための書類です。厚生労働省が示す様式例をはじめ、フォーマットがある程度統一されているのも特徴です。
職務経歴書は「実績・スキル」を見る書類
一方の職務経歴書は、これまでの職務内容・実績・活かせるスキルを詳しく伝えるための書類です。決まった様式はなく、応募者自身が経歴を整理して自由に構成します。採用担当者は職務経歴書を通じて、即戦力として活躍できるかどうかを判断しています。
| 項目 | 履歴書 | 職務経歴書 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 人物像・基本情報の確認 | 実績・スキルの確認 |
| フォーマット | ある程度統一されている | 自由形式が多い |
| 記載内容 | 学歴・職歴・志望動機・自己PR等 | 職務要約・職務内容・実績・活かせるスキル |
| 文字量の目安 | 比較的簡潔 | 履歴書より詳しく書く |
関連記事:

一体型にすると採用担当者はどう感じるか
履歴書と職務経歴書を1つにまとめると、一見コンパクトで手間が省けるように感じます。しかし採用担当者の立場からすると、読みにくさ・比較しにくさにつながるケースが少なくありません。
- 人物像を確認したいのに、実績の記述の中に基本情報が紛れ込んでいて探しにくい
- 他の応募者と並べて比較する際、フォーマットが独自すぎると評価がしづらい
- 社内の選考フローで履歴書と職務経歴書を別担当者が確認する企業では、共有や回覧がしにくくなる
これらは応募者本人には見えにくい、採用側の実務上の事情です。指定がないのにあえて一体型を選ぶことは、こうした小さなマイナス印象につながりかねません。
採用担当者はここを見ている
採用担当者は「読みやすさ」そのものを評価しているわけではありませんが、短時間で必要な情報にたどり着けるかは選考のスピードに直結します。書類の形式に迷いが見えると、それだけで準備不足という印象を与えてしまう場合があります。
関連記事:

どうしても1つのファイルにまとめたい場合の正しい対処法
Web応募フォームの都合などで、どうしても1ファイルにまとめる必要がある場合もあります。その際は「一体型フォーマットを新しく作る」のではなく、履歴書と職務経歴書をそれぞれ別に作成したうえでPDFを結合する方法がおすすめです。
PDFで結合する場合の順番とファイル名の付け方
結合する場合は、履歴書を1ページ目、職務経歴書を2ページ目以降に配置するのが基本です。ファイル名には氏名と書類名を入れ、採用担当者がひと目で内容を判別できるようにしておきましょう。
良い例文
ファイル名を「氏名_履歴書_職務経歴書.pdf」とし、1ページ目に履歴書、2ページ目以降に職務経歴書を配置してひとつのPDFにまとめた。それぞれの書類自体は独立したフォーマットのままにしている。
NG例
ファイル名を「document.pdf」のような無意味な名称のまま提出した。また、職務経歴書を先に、履歴書を後に配置してしまい、採用担当者が基本情報を確認しづらい構成になっていた。
PDFの結合手順や具体的な操作方法は、以下の記事でも詳しく紹介しています。

郵送の場合の重ね方
郵送で提出する場合も、一体化はせず「送付状・履歴書・職務経歴書」の順に重ねてクリアファイルに入れ、封筒に入れるのが基本です。厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使う場合も、職務経歴書とはあくまで別紙として用意し、重ねる順番だけを揃えるようにしましょう。
状況別|一体化を検討する前に確認したいチェックリスト
応募する立場によって、一体化を検討すべきかどうかの判断基準は変わってきます。自分の状況に近いものを確認しておきましょう。
- 新卒で就職活動中の人:履歴書と職務経歴書を分ける必要は薄いものの、職務経歴書の代わりに新卒用の履歴書テンプレートを使い、履歴書のみを丁寧に仕上げるのが基本
- 中途で転職活動中の人:一体化は避け、転職用の履歴書テンプレートと職務経歴書をそれぞれ独立して作成する
- ハローワーク経由で応募する人:指定様式がある場合は必ず従い、ない場合はハローワーク用の職務経歴書テンプレートを単独で使う
- フリーランス・副業案件に応募する人:簡易的なプロフィールシート1枚での応募が一般的で、この場合に限り一体型的な書類でも支障は少ない
迷ったときは、正式な応募ほど「分ける」を基本にし、JIS規格に沿った履歴書テンプレートのような標準的な様式を使うことで、余計な懸念を減らせます。
まとめ
- 履歴書と職務経歴書は、企業からの指定がない限り分けて作成・提出するのが基本
- 一体型が許されるのは、企業指定・Web応募のファイル制限・簡易的な応募が前提の場合など限られたケースのみ
- どうしても1ファイルにまとめる場合は、それぞれ独立した書類を作成したうえでPDFを結合する
迷ったときほど基本に立ち返り、履歴書と職務経歴書はそれぞれの役割を意識して仕上げていきましょう。
履歴書と職務経歴書の一体型に関するよくある質問
- 履歴書と職務経歴書は同じ内容を書いてもいいですか?
-
職歴の事実部分が重複するのは問題ありませんが、志望動機や自己PRなど掘り下げる内容はそれぞれの書類の役割に合わせて書き分けるのがおすすめです。履歴書では簡潔に、職務経歴書では具体的な実績を交えて詳しく記載します。
- 応募フォームがWordファイルしか受け付けない場合、一体型にしてもいいですか?
-
フォーマットの都合でやむを得ない場合は問題ありません。ただし可能であれば、履歴書用と職務経歴書用の見出しを明確に分け、ページを分けて構成すると採用担当者が読みやすくなります。
- 一体型のテンプレートをすでに使って応募してしまいました。問題になりますか?
-
それだけで即不採用になることは考えにくいですが、次回以降の応募では別々に作成することをおすすめします。次の選考ステップで書類の再提出を求められた際は、履歴書と職務経歴書を分けて用意し直しましょう。
- 履歴書と職務経歴書を1つのメールで送る場合、添付ファイルも1つにまとめるべきですか?
-
添付ファイルは別々のままで問題ありません。メール本文に両方の書類を添付している旨を記載すれば、ファイルを分けて送っても失礼にはあたりません。

