職務経歴書を英語で書くときは、日本語の書類をそのまま訳すのではなく「レジュメ」形式にまとめ直すのが正解です。この記事では、項目別の例文とATS(応募者管理システム)を通過するための書き方のコツを、採用担当者の視点から紹介します。日本語からの直訳で不自然になりやすいポイントや、レジュメ・CVとの違いも合わせて解説します。
職務経歴書の英語での書き方と例文
結論:英語の職務経歴書は「レジュメ」として1枚にまとめる
英語の職務経歴書は、日本のように履歴書と職務経歴書を別々の書類として用意する必要はありません。氏名・職歴・スキルなどを「レジュメ」1枚(多くても2枚)にまとめるのが基本ルールです。職歴は古い順ではなく、直近の経験から新しい順に書きます。
採用担当者は英語の職務経歴書から2つの情報を読み取ります。1つは経歴やスキルが募集職種に合っているか、もう1つはビジネス英語を実務で使えるレベルにあるかという点です。フォーマットの崩れや不自然な訳文は、内容以前に「英語力が足りない」という印象につながります。
良い例文|職歴(Work Experience)の書き方
職歴欄は、会社名・在籍期間・役職に続けて、業務内容と成果を箇条書きでまとめます。文頭は動詞(Action Verb)から始め、可能な限り数字を入れて成果を具体化します。
良い例文
ABC Corporation, Tokyo(2022年4月〜現在)
Sales Representative
- Increased regional sales revenue by 18% year-over-year by expanding the client portfolio in the manufacturing sector.
- Managed a team of 5 sales staff and achieved 120% of the annual quota for two consecutive years.
- Negotiated contract terms with 3 major overseas suppliers, reducing procurement costs by 9%.
NG例
ABC Corporation(2022年4月〜現在)
営業を担当しておりました。お客様のご要望に応じて、丁寧に対応させていただき、社内でも評価をいただいておりました。
日本語の敬語表現をそのまま英訳しようとして、主語や実績があいまいな文章になっているのがNGの理由です。「頑張った」「評価された」という抽象的な自己評価ではなく、誰が見ても伝わる数字と行動で示す必要があります。
良い例文|経歴の要約(Summary)の書き方
Summary(またはProfile)は、レジュメの冒頭で「自分がどんな人材か」を3〜4行で伝えるパートです。応募先の求人票に書かれているキーワードを意識して盛り込むと、書類選考の通過率が上がります。
良い例文
Sales professional with 5 years of experience in B2B manufacturing accounts. Proven track record of exceeding sales targets and managing cross-functional teams. Seeking to bring client relationship expertise to a global sales role.
採用担当者はここを見ている
- 経験年数と専門分野が最初の1文で分かるか
- 実績が「Proven」「Achieved」など具体的な成果を示す語で表現されているか
- 応募先の求人票と接点のあるキーワードが含まれているか
職務経歴書とレジュメ・CV・履歴書の違い
「レジュメ」「CV」「職務経歴書」は似た言葉ですが、指す範囲と使われる場面が異なります。混同したまま提出すると、応募先の期待とズレた書類になってしまいます。
| 書類 | 主な用途 | ボリューム |
|---|---|---|
| 履歴書+職務経歴書(日本式) | 日系企業への応募 | 2〜3枚(別書類) |
| Resume(レジュメ) | 一般企業・実務職への応募 | 1〜2枚 |
| CV(Curriculum Vitae) | 学術職・研究職・イギリス圏企業 | 2枚以上、経歴を網羅的に記載 |
日本と海外では、この2つの言葉の使い分けにも違いがあります。
Resume と CV の見分け方
- アメリカ:ResumeとCVを別物として使い分ける(CVは学術・研究職向け)
- イギリス・欧州の一部:CVのみを履歴書として使用
- 日本の外資系求人:ResumeとCVをほぼ同義で使うケースが多い
応募先から「CV」を求められても、実際にはResume形式でよいケースがほとんどです。判断に迷う場合は、求人票の指示や採用担当者への確認を優先してください。なお、日本語の職務経歴書と英語のレジュメの両方を準備する場合、転職用の履歴書テンプレートを使うと日本語側の書類を効率よく整えられます。

【項目別】英語の職務経歴書に書く8つの構成要素
英語の職務経歴書には、日本語版にはない項目や、逆に書かない方がよい項目があります。まずは全体の構成を把握しておくと、抜け漏れなく仕上げられます。
| 項目 | 記載内容 |
|---|---|
| Personal Information | 氏名・電話番号・メールアドレス(生年月日・性別・写真は原則不要) |
| Objective / Summary | 希望職種と経験・スキルの要約(3〜4行) |
| Work Experience | 直近の職歴から新しい順に、成果を数字で記載 |
| Education | 最終学歴を中心に、学校名・専攻・卒業年 |
| Certifications | 取得資格・語学スコア(TOEIC・実務レベルの目安) |
| Skills | 語学力、業務で使えるツール・専門スキル |
| Additional Information | ボランティア経験、業界団体の活動など補足事項 |
採用担当者はここを見ている
- 生年月日・性別・顔写真など、海外では記載しない情報が入っていないか
- Skillsの項目が抽象的でなく、ツール名やレベルまで具体的か
- Certificationsに語学資格を書く際、スコアだけでなく取得年も添えているか
職種によって強調すべき項目は変わります。たとえばエンジニア職であれば使用言語やプロジェクト規模、営業職であれば売上実績と担当エリアが評価の中心になります。日本語側の職種別構成を確認したい場合は、エンジニアの職務経歴書テンプレートも参考にしてください。

採用担当者に伝わる書き方の3つのコツ
英語の職務経歴書は、日本語版以上に「読みやすさ」が評価に直結します。以下の3点を押さえるだけで、通過率は大きく変わります。
- 数字で成果を示す:「Increased sales by 18%」のように、割合・金額・人数を必ず入れる
- Action Verbで文を始める:「Responsible for〜」ではなく、行動を表す動詞から書き出す
- ATS(応募者管理システム)を意識する:求人票のキーワードを本文中に自然に盛り込む
| カテゴリ | Action Verbの例 |
|---|---|
| 成果・達成 | Achieved / Increased / Delivered |
| 管理・統率 | Led / Managed / Supervised |
| 改善・分析 | Improved / Streamlined / Analyzed |
| 交渉・提案 | Negotiated / Proposed / Coordinated |
ATS対策で見落としがちなポイント
ATSは画像や図形の中の文字を読み取れません。職歴や資格の情報を図表・アイコンだけで表現すると、システムに認識されず選考から漏れることがあります。装飾は最小限にし、テキストベースでシンプルにまとめてください。ファイル形式もWordまたはPDFを指定に従って使い分けます。
営業職・事務職など、職種別に成果表現の型を確認したい場合は営業の職務経歴書テンプレートも併せて確認すると、日本語版との書き分けがイメージしやすくなります。
状況別|書き方に迷いやすいケースとNG例
海外経験がない場合
海外勤務や留学経験がなくても、応募は十分可能です。国内での実務経験を「英語で通用する表現」に変換できているかがポイントになります。
良い例文
Coordinated with international suppliers via email and video calls, handling contract documents in English on a weekly basis.
NG例
I have no overseas experience, but I am willing to try hard and study English.
「経験がない」ことを先に書いてしまうと、実績よりも不安要素が先に伝わってしまいます。国内業務の中で英語を使った場面を具体的に洗い出し、実績として言い換えることが重要です。
日本語からの直訳になってしまう場合
日本語の職務経歴書を先に完成させてから翻訳しようとすると、主語があいまいな文や、敬語のニュアンスをそのまま訳した不自然な英語になりやすくなります。
良い例文
Reduced customer response time by 30% by introducing a shared ticketing system across the support team.
NG例
I was in charge of customer support and always tried to respond as quickly and politely as possible for everyone.
「なるべく早く、丁寧に対応した」という主観的な表現は、英語圏の採用担当者には根拠のないアピールに映ります。先に日本語で完成させず、最初から英語で成果を数字化する意識で書き始めると、直訳特有の不自然さを避けられます。
ゼロから作成するより、既存のフォーマットに沿って書き進めたい場合はJIS規格に沿った履歴書テンプレートで日本語版を先に整理し、英語版は項目ごとに書き換えていく進め方がおすすめです。

まとめ
- 英語の職務経歴書は履歴書と分けず「レジュメ」1枚にまとめる
- 職歴・Summaryは数字とAction Verbで具体的に書く
- 生年月日・性別・写真は原則記載しない
- ATSを意識し、求人票のキーワードをテキストで盛り込む
項目ごとの型を押さえて数字で実績を示せば、直訳では伝わらない強みを採用担当者に届けられます。
- 職務経歴書と履歴書を英語で別々に用意する必要はありますか?
-
基本的には不要です。英語圏では職歴・学歴・スキルをまとめた「レジュメ」1枚(多くても2枚)で対応します。日本のように書類を分ける習慣がないため、無理に2つ作る必要はありません。
- 英語の職務経歴書はA4とレターサイズのどちらで作成すべきですか?
-
日本国内の外資系企業への応募であればA4サイズで問題ありません。海外の企業に直接応募する場合は、US Letterサイズ(8.5×11インチ)を指定されることがあるため、求人票の指示を確認してください。
- 英語力に自信がない場合、翻訳ツールを使ってもよいですか?
-
下書きの補助として使うのは問題ありませんが、そのまま提出するのは避けてください。翻訳ツールの訳文は主語や時制が不自然になりやすく、Action Verbを使った定型表現にも対応しきれない場合があります。仕上げは必ず自分の目で確認し、可能であればネイティブや英文添削サービスにチェックを依頼してください。
- 写真は貼らなくてもよいのでしょうか?
-
原則不要です。欧米では年齢・性別・容姿による差別を避けるため、写真や生年月日を記載しない書類が一般的です。応募先から写真添付の指定がある場合を除き、含めない方が無難です。

