職務経歴書が1社のみでも、部署異動や業務の変化を具体的に書けば十分に評価されます。同じ会社に長く在籍したことは、継続力と専門性の深さの証明になるためです。この記事では、内容が薄く見えない書き方の工夫と、状況別にそのまま使える例文を紹介します。
職務経歴書は1社のみでも大丈夫|結論と基本の書き方
結論:1社のみでも「深さ」で採用担当者は評価する
転職回数の多さは評価の基準ではありません。採用担当者が職務経歴書で見ているのは、社数ではなく「その会社で何を任され、どう成果を出し、何が身についたか」です。1社のみの経歴は、業務内容が変化していないように見えがちですが、部署異動や昇進、担当業務の広がりを整理して書けば、他の応募者にはない一貫性と専門性の深さを伝えられます。
社歴の長さそのものより、その中でどう成長してきたかという変化のプロセスを見せることが、1社のみの職務経歴書を通過させるための土台になります。まずは基本の構成から確認していきましょう。
基本構成(職務要約→職務経歴→活かせるスキル→自己PR)
1社のみの場合も、複数社の経歴と同じ4つの項目で構成します。職務要約で全体像を示し、職務経歴で部署ごとの業務内容を分けて書くことで、経歴が薄く見える事態を防げます。
1社のみの職務経歴書 見本
【職務要約】
株式会社〇〇に新卒入社後、7年間一般事務として勤務。入社3年目に総務部へ異動し、備品管理・契約書管理・社会保険手続きを担当。5年目からは新人教育も兼任し、業務マニュアルの整備を主導しました。
【職務経歴】
株式会社〇〇(20XX年4月〜現在)
営業事務として受発注管理・請求書発行を3年間担当した後、総務部へ異動。社会保険手続き・契約書管理・備品発注を担当し、5年目からは新入社員2〜3名の教育係も兼任。
【自己PR】
異動後も前任者から引き継いだ業務の手順を見直し、備品発注の申請フォームを簡素化したことで、申請にかかる時間を月平均3時間短縮しました。1つの職場で複数の業務を任されてきた経験を、貴社でも新しい環境への適応力として活かしたいと考えています。
フォーマットに迷う場合は、まず項目の抜け漏れがない形式を用意しておくと安心です。ハローワーク用の職務経歴書テンプレートも参考にしてください。
良い例文とNG例(事務職・勤続7年の場合)
良い例文
営業事務として受発注管理を3年間担当した後、総務部へ異動。契約書管理と社会保険手続きを引き継ぎ、備品発注のフローを見直して申請時間を月3時間短縮しました。5年目からは新人教育も兼任し、業務マニュアルの整備を主導しています。
NG例
一般事務として7年間、営業事務や総務の業務を幅広く担当してきました。「幅広く担当」だけでは業務内容も成果も伝わらず、経験の薄さを疑われる原因になります。
採用担当者はここを見ている
- 部署ごとに担当業務が分けて書かれているか
- 「幅広く」「様々な業務」のような抽象語で済ませていないか
なぜ1社のみでも評価されるのか|採用担当者が見ているポイント
転職回数が多い応募者に対しては「定着できるか」という懸念が先に立ちます。反対に1社のみの経歴は、組織文化への適応力と、同じ職場で信頼を積み重ねてきた実績の証明として受け止められます。
採用担当者はここを見ている
- 同じ職場で任される業務が増えていった経緯(成長のプロセス)
- 異動や昇進がなくても、業務改善や後輩指導などの役割拡大があったか
- 長期勤務の理由(環境への納得感・信頼関係の構築力)が伝わるか
職務経歴書全体の書き方から見直したい場合は、次の記事もあわせて確認してください。

内容を「厚く」見せる3つの書き方のコツ
1社のみの職歴でも、書き方を工夫すれば内容の厚みは大きく変わります。ここでは実際に効果のある3つの視点を紹介します。
部署異動・昇進・プロジェクトで区切って書く
同じ会社であっても、配属部署が変われば業務内容は変わります。異動や昇進、担当プロジェクトの区切りごとに見出しを立てて記載すると、1つの会社の中での複数の経験として伝わります。
実績は「数値」「行動」「工夫」のセットで書く
抽象的な業務説明を、具体的な行動と数字に置き換えるだけで説得力は変わります。
| 具体化の軸 | 抽象的な表現 | 通る表現に変えると |
|---|---|---|
| 担当範囲 | 幅広い業務を担当していた | 受発注管理・契約書管理・新人教育の3業務を並行して担当 |
| 実績 | 業務改善に取り組んだ | 申請フォームを簡素化し、処理時間を月3時間短縮 |
| 役割の変化 | 長く勤務してきた | 入社3年目に異動、5年目から後輩2〜3名の教育を兼任 |
企業情報(事業内容・規模)を添えて環境を伝える
社名だけでなく、事業内容や従業員数、部署の人数を添えると、どのような環境で経験を積んできたのかが伝わりやすくなります。環境の説明は1〜2行の補足で十分です。長く書きすぎると業務内容が埋もれてしまいます。
経理・数字管理が中心の職種の場合は、記載項目の粒度が変わります。経理の職務経歴書テンプレートも参考にしてください。
状況別|1社のみの職務経歴書の書き方と例文
1社のみといっても、雇用形態や入社経緯によって書き方のポイントは変わります。自分の状況に近い例文を参考にしてください。
新卒からずっと1社の場合
良い例文
新卒で株式会社〇〇に入社し、6年間製造ラインの品質管理に従事。入社2年目からは検査基準書の見直しを任され、不良品の流出率を前年比40%削減しました。1つの現場で基礎から応用まで積み上げてきた経験を、貴社でも即戦力として活かしたいと考えています。
NG例
新卒で入社してから6年間、品質管理の仕事をしてきました。「してきました」で終わる文が続くと、成果や変化が読み取れず、経験の浅さを疑われます。
契約・派遣社員で1社のみの場合
良い例文
契約社員として株式会社〇〇にて4年間、データ入力業務からスタートし、2年目からは月次レポートの作成も担当しました。同一企業内で任される業務の幅が広がった経緯を、実務対応力として伝えられます。
採用担当者はここを見ている
契約・派遣という雇用形態そのものはマイナス評価の対象になりません。同じ職場で契約を更新し続けられた理由、任される業務が広がった経緯を具体的に書けているかを見ています。
事務系の職種で職歴を整理する場合は、次のテンプレートも活用できます。
転職活動自体が初めてで書類全体の準備から進めたい場合は、転職用の履歴書テンプレートもあわせて用意しておくと安心です。事務職の記載例をさらに確認したい場合は事務の職務経歴書テンプレートを参考にしてください。
実績や資格に自信がない場合の書き方は、次の記事も参考になります。

転職理由・志望動機が「不満」に見えないための書き方
1社に長く勤めていた分、転職理由を書くときに「今の会社への不満」と受け取られないか不安になる人は少なくありません。長期勤務者ほど、退職理由よりも今後の展望に重心を置いて書くことが大切です。
採用担当者はここを見ている
- 不満や愚痴ではなく、今後実現したい業務や役割が書かれているか
- 1社で積んだ経験と、応募先で挑戦したいことがつながっているか
「長く勤めた会社を辞める理由がうまくまとまらない」という場合は、経歴自体をどう見せるかという視点から見直すと書きやすくなります。

まとめ
- 職務経歴書が1社のみでも、部署異動や業務の変化を整理すれば十分に評価される
- 実績は「数値」「行動」「工夫」のセットで具体化する
- 新卒・契約社員など状況によって強調すべき経験は変わる
- 転職理由は不満ではなく、今後実現したいことを軸に書く
これまで担当してきた業務を部署や時期ごとに棚卸しし、変化と成果を数字で書き直してみてください。1社のみの経歴も、確かな専門性として伝わる形に変わります。
職務経歴書 1社のみに関するよくある質問
- 職務経歴書が1社のみだと本当に評価は下がりますか?
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社数の少なさだけで評価が下がることはありません。同じ会社での業務の広がりや実績を具体的に書けているかどうかで評価が決まります。むしろ長期勤務は継続力の証明として好意的に受け止められます。
- 異動や役職変更が一度もない場合はどう書けばいいですか?
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異動がなくても、担当業務の追加や後輩指導、業務改善の取り組みがあれば区切って記載できます。年ごとに任された業務を棚卸しし、変化があった時期を見出しにすると整理しやすくなります。
- 職歴が1社のみでも自己PRは何を書けばいいですか?
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1つの職場で培った専門性や、業務改善に取り組んだ経験を具体的な数字とともに書いてください。「継続力」や「柔軟性」といった抽象語だけで終わらせず、その根拠となる行動を添えることが重要です。
- 転職理由が「今の会社への不満」に見えないか心配です
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不満そのものを書くのではなく、1社で積んだ経験を踏まえて今後何に挑戦したいかを中心に書いてください。過去の不満より、未来の展望に重心を置くことで前向きな印象になります。

