職務経歴書の資格欄は、正式名称で「取得年月・資格名・合格/取得」の順に書くのが基本です。略称や記載順を誤ると、採用担当者に雑な印象を与えかねません。資格がない場合や勉強中の資格の書き方まで、状況別の例文で解説します。
職務経歴書の資格欄の書き方【結論】
資格欄で守るべきルールはシンプルです。「取得年月」「資格の正式名称」「合格・取得の別」の3点をセットで記載するだけで、採用担当者からの印象は大きく変わります。合格・取得・検定によって末尾の表記が異なる点にも注意してください。
- 免許系(取得):2020年6月 普通自動車第一種運転免許 取得
- 検定系(合格):2021年11月 日商簿記検定2級 合格
- スコア系:2022年3月 TOEIC公開テスト 760点
取得年月は和暦・西暦のどちらかに統一する
和暦・西暦のどちらを使うかは自由ですが、職務経歴書内で統一することが必須です。さらに、履歴書と職務経歴書の間でも表記を合わせてください。混在している書類は校正が甘いという印象を与え、書類全体の信頼性を下げます。
職務経歴書全体のフォーマットに迷う場合は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートを土台に資格欄を埋めていくと、項目の抜け漏れを防げます。
記載順は「取得順」か「関連度順」か
基本は取得年月の古い順(時系列)で並べます。ただし、応募職種に直結する資格がある場合は、例外的に先頭に配置するほうが読まれやすくなります。採用担当者が資格欄を流し読みするとき、最初に目が行くのは先頭の資格です。複数の資格を持っている場合は、まず「応募先に最も関係する資格」を先頭に配置することを検討してください。
履歴書と職務経歴書、同じ資格を書いていい
「履歴書に書いた資格をまた書くのは重複では」と気にする方がいますが、履歴書と職務経歴書で同じ資格を記載するのは問題ありません。採用担当者は両書類をセットで確認するため、資格の記載が一方だけにあると不審に思われる場合があります。職務経歴書では資格名を並べるだけでなく「業務でどう活かしたか」を一言添えると、同じ情報でも印象が大きく変わります。
履歴書と職務経歴書で書く内容の役割分担に迷う場合は、下記の記事で全体の書き分けを確認しておくと、資格欄以外の項目も整理しやすくなります。

採用担当者が資格欄で実際に見ている3つのポイント
「資格欄なんてどれも同じでしょう」と思っている方が多いのですが、採用担当者は資格の内容だけでなく書き方からも応募者の誠実さや細かさを判断しています。書類選考は1件あたり数十秒で目を通されると言われ、職歴や志望動機を読む前に資格欄の粗さで印象が決まってしまうケースも珍しくありません。以下の3点は、書類選考で差がつきやすい箇所です。
①正式名称で書かれているか
職務経歴書でよくあるミスが、資格の略称や通称での記載です。「簿記2級」「英検2級」「危険物」のように書かれた職務経歴書は、採用担当者に「雑な人」という印象を与えるリスクがあります。正式名称は手間に見えますが、書類全体の丁寧さを示す指標として見られています。
| NG表記(略称・通称) | 正式名称 |
|---|---|
| 簿記2級 | 日商簿記検定2級 |
| 英検2級 | 実用英語技能検定2級 |
| 危険物乙4 | 危険物取扱者乙種第4類 |
| 宅建 | 宅地建物取引士 |
| FP2級 | ファイナンシャル・プランニング技能検定2級 |
| MOS Excel | MOS(Microsoft Office Specialist)Excel 365 |
②取得年月と実務経験に矛盾がないか
採用担当者は資格欄と職歴欄を照らし合わせて確認します。たとえば「2018年取得」と書いた資格が、職歴には一度も登場しない場合、「取ったけど使っていないのか」と判断されます。逆に「○○業務で日常的に活用」など職歴欄と連動した説明が資格欄にあると、説得力が増します。資格欄は単なる取得実績のリストではなく、職歴欄の補足材料として機能させることが理想です。
③補足情報(活用場面)が添えられているか
同じ「TOEIC 750点」でも、業務での活用場面を一言添えるだけで印象は大きく変わります。資格欄の補足情報は「この資格を持っているだけ」ではなく「この資格を実務で使っている人」として伝えるための最短ルートです。
採用担当者はここを見ている
- 資格名が正式名称で書かれているか(略称は雑な印象につながる)
- 応募職種に必要な資格が漏れなく記載されているか
- スコアや業務での活用場面などの補足情報があるかどうか
- 取得年月が和暦・西暦で混在していないか
ケース別の書き方と例文
状況によって資格欄の書き方は変わります。「資格がない」「勉強中」「資格が多い」それぞれのケースで正しい対処法を確認してください。
資格が少ない・ない場合
記載できる資格がない場合、資格欄を空欄にするのは厳禁です。採用担当者は「書き忘れ?それとも本当にないの?」と判断できず、不信感につながります。
良い例文
【保有資格・免許】
特になし
(現在、日商簿記検定3級の取得に向けて準備を進めています)
「特になし」で終わらせずに、学習中のことや今後取得を目指していることを添えると、現状をオープンに伝えながら成長姿勢も示せます。
勉強中・取得予定の資格がある場合
現在勉強中の資格は記載して問題ありません。ただし「勉強中」と書くだけでは不十分で、試験予定日と取得動機を添えることで信頼性が増します。「いつ受けるつもりか」が不明な資格は、やる気だけで実行力が見えないと受け取られます。
良い例文
2026年10月 基本情報技術者試験 受験予定(現在、過去問演習中)
NG例
基本情報技術者試験 勉強中
試験予定日がなく、本当に受験するのか判断できません。「いつ・どのレベルまで」が見えない記載は採用担当者の信頼を得にくい書き方です。
資格が多い場合の絞り方
資格が多いほど良いというわけではありません。関係性の薄い資格が大量に並ぶと、採用担当者が「何を優先して見ればいいか」わからなくなります。以下の優先順位で絞ってください。
- ① 応募先の求人票で指定されている資格(必須・優遇)
- ② 応募職種の実務に直結する資格
- ③ 上位資格がある場合は下位資格を省く(例:簿記1級があれば2級・3級は省略可)
- ④ それ以外の資格はスペースに余裕があれば記載
職種・カテゴリ別の記載例
職種ごとに「評価されやすい資格」と「記載例」を整理しました。自分の状況に近いものを参考にしてください。
事務・経理系(簿記・MOS等)
事務・経理系では、簿記の取得級と実務での使用実績がセットで伝わると強みになります。MOSはバージョン(365か2019か)まで明記してください。経理の職務経歴書テンプレートも参考に、資格欄と業務内容欄をセットで整えましょう。
良い例文
2019年6月 日商簿記検定2級 合格
2021年9月 MOS(Microsoft Office Specialist)Excel 365 取得
※前職では月次決算・経費精算業務で上記2資格を日常的に活用
IT・エンジニア系
IT系は資格名に加えて「スキルレベルや活用実績」を示すことが特に重要です。資格名だけでは経験の深さが伝わりにくいため、補足情報を必ず添えてください。クラウド資格はベンダー名・レベルまで正確に記載します。エンジニアの職務経歴書テンプレートには技術スタック欄もあるため、資格と実務経験の紐づけがしやすくなります。
良い例文
2020年10月 基本情報技術者試験 合格
2023年4月 AWS認定ソリューションアーキテクト(アソシエイト) 取得
※直近のプロジェクトではAWSを用いたインフラ設計・構築を担当
語学系(TOEIC・英検)
TOEICは一般的に600点以上から記載する価値があります。英検は2級以上が目安です。それ以下でも、応募職種で語学力が求められる場合は記載して構いません。スコアを記載する際は受験年月も一緒に明記してください。
良い例文
2024年1月 TOEIC公開テスト 760点
※海外仕入れ先との英文メール対応・電話会議に対応可能なレベル
建設・技術系
建設・技術系は国家資格の有無が採否に直結することが多く、資格の有無・取得年月は最優先で正確に記載してください。有効期限のある免許・資格は更新状況も確認しておきましょう。上位資格と下位資格の両方を持っている場合は、上位資格のみ記載するのが一般的です。建設業界の職務経歴書テンプレートを使うと、工事経歴と資格欄を対応させやすくなります。
良い例文
2017年3月 2級建築施工管理技士 取得
2022年7月 1級建築施工管理技士 取得
※前職では大規模改修工事の現場管理を一括して担当(延べ床面積5,000㎡以上の案件複数)
やってしまいがちなNG例と正しい書き方
採用担当者が書類選考で目にしやすいNG例を3つ紹介します。自分の職務経歴書と照らし合わせて確認してください。
NG①:略称での記載(「簿記2級」など)
NG例
2020年4月 簿記2級 取得
「簿記2級」は通称です。日商・全経・全商と複数の団体が発行しているため、略称では何の資格か特定できません。採用担当者が確認できない情報は、書類の信頼性を下げます。
良い例文
2020年4月 日商簿記検定2級 合格
検定名の正式名称は資格ごとに細かなルールがあります。通称と正式名称が異なる資格は、下記のような個別記事で事前に確認しておくと安心です。

NG②:失効した資格の記載
有効期限が設けられている資格を、失効後もそのまま記載し続けるのは虚偽申告につながりかねません。提出前に有効期限を必ず確認してください。失効している場合は資格欄への記載を省くか、「※現在更新手続き中」のように正直に状況を補足します。
NG③:空欄のまま提出
「書ける資格がない」と思って資格欄を空白にしたまま提出するのは、書き忘れと区別がつきません。必ず「特になし」と記載して提出してください。たとえ記載できる資格がゼロでも、欄を埋めることで「確認した上でない」という意思表示になります。

まとめ
- 資格欄には応募職種に関連する資格を優先して記載し、必ず正式名称で書く
- 取得年月の和暦・西暦は職務経歴書内・履歴書との間で統一する
- 採用担当者は「正式名称」「補足情報の有無」「職歴との整合性」を確認している
- 資格がない場合は「特になし」と明記する(空欄は厳禁)
- 勉強中の資格は試験予定日と合わせて記載すると信頼性が増す
資格欄は短い欄でも、書き方一つで採用担当者の印象が変わります。書ける資格が少なくても、正確に・丁寧に書くことが書類選考を突破する第一歩です。
職務経歴書の資格欄に関するよくある質問
- 資格が全くない場合、職務経歴書の資格欄はどう書けばいいですか?
-
「特になし」と明記してください。空欄で提出すると採用担当者が書き忘れと判断する場合があります。余裕があれば「現在〇〇の取得に向けて準備中」のように付け加えると、向上心があることを示せます。
- 勉強中の資格は職務経歴書に書いてもいいですか?
-
書いて問題ありません。「○年○月 日商簿記検定2級 受験予定(現在対策中)」のように試験予定日と合わせて記載すると信頼性が増します。「勉強中」だけでは受験の目処が不明なので、具体的な時期を示すことがポイントです。
- 履歴書に書いた資格を職務経歴書にも書いてよいですか?
-
はい、同じ資格を両書類に記載して構いません。むしろ履歴書だけに記載して職務経歴書に書かないと、採用担当者が混乱することがあります。職務経歴書では資格名に加えて業務での活用場面を一言添えるとさらに効果的です。
- TOEICや英検は何点(何級)から書くべきですか?
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一般的にTOEICは600点以上、英検は2級以上から記載する価値があります。ただし応募職種で語学力が重視される場合は、それ以下でも記載して構いません。スコアを記載する際は「2024年〇月 TOEIC公開テスト 〇〇点」のように取得月も明記してください。
- 資格取得年月を和暦で書くか西暦で書くかどちらが正しいですか?
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どちらでも問題ありません。ただし職務経歴書内での表記を統一することと、履歴書との表記を合わせることが必要です。和暦・西暦が混在した書類は校正の甘い印象を与え、書類全体の信頼性を下げます。

