旅行コーディネーター・添乗の職務経歴書は、「担当したツアーの規模」と「イレギュラー対応の具体的な解決経験」を数字とエピソードで書くのが正解です。ホスピタリティの高さは応募者全員が主張するため、それだけでは差がつきません。この記事では、全体見本から派遣添乗員特有の書き方、資格・自己PRの例文までまとめて解説します。
旅行コーディネーター・添乗の職務経歴書サンプル【全体見本】
結論
採用担当者が旅行コーディネーター・添乗の職務経歴書で最初に見るのは、「何人規模の、どんなツアーを担当したか」が具体的に書かれているかです。「お客様対応を担当しました」という表現だけでは、添乗未経験のアルバイトスタッフとの違いが伝わりません。まずは全体像を見本で確認し、そのあとで項目ごとの書き方を見ていきます。
全体見本(記載例)
旅行コーディネーター・添乗 職務経歴書 記載例
【職務要約】
○○トラベルサービス株式会社に添乗員として登録し、4年間で国内・海外ツアー約180本、延べ3,200名の添乗業務に従事しました。団体旅行の行程管理から、悪天候・体調不良者発生時のイレギュラー対応まで一貫して担当し、クレーム発生率は業界平均を下回る水準を維持しています。
【活かせる経験・スキル】
- 国内・海外ツアー添乗(延べ180本・3,200名対応)
- 悪天候・急病人発生時の行程変更・代替手配
- 総合旅程管理主任者・実用英語技能検定準1級
- 新人添乗員2名のOJT同行指導
【職務経歴】
| 期間 | 登録会社・派遣先 | 雇用形態 |
|---|---|---|
| 20XX年4月〜現在(4年) | ○○トラベルサービス株式会社(添乗員登録、主な派遣先:△△旅行) | 登録型契約社員 |
【業務内容・実績】
- 国内バスツアー(1回あたり25〜45名)、海外パッケージツアー(1回あたり15〜30名)の添乗を担当
- 行程表に基づく現地手配の確認、宿泊・食事・交通の調整
- 悪天候による航空便欠航時、代替便手配と現地宿泊先の確保を3時間以内に完了させた実績あり
- ツアー後アンケートの平均満足度4.6/5.0を3年連続で維持
【自己PR】
予定外の事態が起きたときこそ、お客様が最も不安を感じる場面だと考えています。悪天候による欠航が発生した際は、状況説明と選択肢の提示を先に行い、その後3時間以内に代替手配を完了させました。限られた情報の中で優先順位を決めて動く経験を重ねてきたことが、私の強みです。
見本のポイント解説(項目別)
見本の中で採用担当者の評価が特に分かれるのは、次の3項目です。書式に迷う場合は、転職用の履歴書テンプレートもあわせて確認しておくと、履歴書との表記のずれを防げます。
| 項目 | 目安 | 書くこと |
|---|---|---|
| 職務要約 | 3〜5行 | 添乗歴の年数・担当本数・対応人数を先に書く |
| 職務経歴 | 登録会社ごとに区切る | 登録会社名、雇用形態、主な派遣先の傾向 |
| 業務内容・実績 | 箇条書き4〜6項目 | ツアー規模、イレギュラー対応、満足度などの数値 |
| 資格・スキル | 正式名称で | 旅程管理主任者、語学資格、実務での使用場面 |
| 自己PR | 150〜250字 | 次の職場でも再現できる対応力 |
採用担当者はここを見ている
- 担当ツアーの人数・本数など、業務のボリュームが数字で示されているか
- 派遣添乗員の場合、登録会社と派遣先の関係が整理されて書かれているか
- イレギュラー対応が「何が起き、どう判断し、どう解決したか」まで書かれているか
添乗員・旅行コーディネーターの職務経歴書が通過しない理由
添乗員・旅行コーディネーターの職務経歴書が書類選考で止まりやすい最大の理由は、「ホスピタリティがあります」という主張だけで終わっていることです。接客業を経験した応募者全員が同じ言葉を使うため、採用担当者の記憶には残りません。
添乗業務は現場ごとに状況が異なり、成果を数字にしづらいと感じる方も少なくありません。しかし、担当した便数・人数・満足度スコアなど、記録として残っている数字は意外と多くあります。まずは何を数値化できるかを洗い出すことから始めてください。
採用担当者はここを見ている
- 「接客対応・旅客案内を担当」のような抽象的な一文で終わっていないか
- 国内ツアーか海外ツアーか、団体か個人手配かなど、業務の種別が明確か
- 市場動向やトレンドを踏まえた企画提案・販促の実績があれば触れられているか
NG例
「添乗業務全般を担当し、お客様に満足していただけるよう努めました。」
担当したツアーの種類・規模・具体的な対応内容が一切なく、誰でも書ける文章になっている。
良い例文
「国内バスツアー(1回25〜45名規模)を月6〜8本、海外パッケージツアー(1回15〜30名規模)を月2〜3本担当。行程管理・現地手配確認に加え、ツアー後アンケートで平均満足度4.6/5.0を3年連続で維持しました。」
職務要約・職務経歴の書き方と例文
旅行コーディネーター・添乗の職務経歴は、雇用形態によって書き方が変わります。正社員としてツアー企画から携わってきた方と、派遣添乗員として複数の登録会社に所属してきた方では、整理の仕方が異なります。
派遣添乗員・登録会社の書き方
添乗員は添乗員派遣会社に登録し、実際の添乗は派遣先の旅行会社で行う働き方が一般的です。この場合、「登録会社名」と「主な派遣先の傾向」をセットで書くことで、採用担当者に業務の全体像が伝わりやすくなります。派遣先を1社ずつ列挙する必要はなく、傾向をまとめて記載すれば十分です。
良い例文(派遣添乗員の場合)
「20XX年4月〜現在(4年) ○○トラベルサービス株式会社 添乗員登録
主な派遣先:大手旅行代理店3社(国内バスツアー・海外パッケージツアーが中心)
登録型契約社員として、年間平均45本のツアーに添乗。」
NG例
「添乗員として働いていました。」
登録会社名も期間も派遣先の傾向もなく、経歴として機能していない。
国内・海外ツアーの業務内容の書き方
国内ツアーと海外ツアーでは求められるスキルが異なります。応募先が海外ツアー中心の企業であれば海外実績を、国内中心であれば国内実績を先に書くと、採用担当者に自分の強みが伝わりやすくなります。
良い例文(海外ツアー中心)
「東南アジア方面の海外パッケージツアー(1回15〜30名規模)を年間約25本担当。現地ランドオペレーターとの手配確認、パスポート・ビザ関連の事前案内、英語での旅客対応を一貫して実施。」
良い例文(国内ツアー中心)
「国内温泉・紅葉シーズンのバスツアー(1回25〜45名規模)を月6〜8本担当。行程管理、休憩地点での誘導、高齢のお客様への個別配慮を含めた添乗を実施。」
イレギュラー対応の書き方(差がつくポイント)
採用担当者が旅行コーディネーター・添乗の職務経歴書で最も注目するのが、イレギュラー対応の記述です。悪天候・体調不良者・スケジュール変更への対応は、添乗員にしか語れない「本番の対応力」であり、他の応募者との最大の差別化ポイントになります。
「何が起きたか・何人に影響が及んだか・どう解決したか」の3点を必ず記載してください。この3点が揃った記述は、採用担当者の記憶に残ります。
NG例
「トラブル発生時も落ち着いて対応しました。」
何が起きて、どう対処し、結果どうなったかが一切見えない。
良い例文
「海外ツアー中、悪天候により帰国便が欠航。参加者28名に対し、状況説明と選択肢の提示を先に行った上で、現地スタッフと連携して代替便・宿泊先を3時間以内に確保。参加者アンケートでも当日の対応への評価が高く、次回リピート予約につながった。」
資格の有無で書類の印象がどう変わるか気になる方は、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートもあわせて確認しておくと、フォーマット選びに迷いません。

資格・スキルの書き方【旅程管理主任者・旅行業務取扱管理者・語学力】
旅行コーディネーター・添乗の職務経歴書では、資格をただ並べるのではなく、実務でどう使ったかをセットで書くと評価が変わります。添乗業務に関わる主な資格を整理します。
| 資格 | できること | 取得方法の目安 |
|---|---|---|
| 国内旅程管理主任者 | 国内ツアーの添乗 | 登録機関の研修(2日程度)+実務経験 |
| 総合旅程管理主任者 | 国内・海外ツアーの添乗 | 登録機関の研修(3日程度)+実務経験 |
| 国内旅行業務取扱管理者 | 国内旅行商品の企画・販売の管理 | 国家試験(3科目60%以上) |
| 総合旅行業務取扱管理者 | 海外・国内旅行商品の企画・販売の管理 | 国家試験(4科目60%以上) |
採用担当者はここを見ている
- 資格名が正式名称で書かれているか(「旅程管理」だけでなく「国内」「総合」の区別があるか)
- 語学資格はスコアだけでなく、実務での使用場面が添えられているか
- 応募先の業務(国内中心か海外中心か)と資格が合っているか
良い例文
「総合旅程管理主任者(20XX年X月取得)/海外ツアーの添乗業務で継続的に活用
実用英語技能検定準1級(20XX年X月取得)/現地スタッフとの調整・旅客への英語案内で使用」
NG例
「旅程管理主任者、英検準1級、普通自動車免許」
国内・総合の区別がなく、どの場面で活かしたかも書かれていない。
資格をまだ持っていない場合や、複数資格の並べ方に迷う場合は、下記の記事も参考にしてください。

自己PRの書き方と例文【経験者・未経験転職別】
自己PRは「スキルを持っている」ことではなく、「そのスキルを次の職場でどう再現できるか」まで書くことで、採用担当者の目に止まります。応募先によって書き分け方が変わります。
同業界(旅行・ホテル)転職向け
同業界への転職では即戦力性が重視されます。担当ツアーの規模・満足度・イレギュラー対応の実績を数字とエピソードで示すと、採用担当者に「経験を任せられる人材」として伝わります。
良い例文
「4年間で国内・海外ツアー約180本、延べ3,200名の添乗を経験しました。悪天候による欠航時は、状況説明と選択肢の提示を先に行い、3時間以内に代替手配を完了させています。ツアー後アンケートの平均満足度は4.6/5.0を3年連続で維持しており、この対応力を貴社のツアー品質向上に活かしたいと考えています。」
異業種転職向け
異業種の採用担当者には、「添乗」「イレギュラー対応」という言葉だけでは業務の難しさが伝わりません。「予測不能な状況での即断力」「複数の関係者を同時に動かす調整力」など、汎用スキルに翻訳して書くことがポイントです。
良い例文
「添乗員として、悪天候や体調不良者の発生など予測不能な状況への対応を数多く経験しました。限られた情報の中で優先順位を決め、現地スタッフ・宿泊先・交通機関の担当者と同時並行で調整する力を培っています。この判断力と調整力は、業種を問わず再現できると考えています。」
NG例
「添乗業務で培ったコミュニケーション力を活かして貢献します。」
最も競争力のない表現。「何ができるか」が具体化されておらず、他の応募者と差がつかない。
志望動機と自己PRのバランスに迷う場合は、志望動機なしの履歴書テンプレートを職務経歴書と一緒に確認し、書類全体の整合性を取っておくと安心です。
添乗員・旅行コーディネーターの職務経歴書でよくあるNG例
採用担当者が「旅行業界の書類は似たり寄ったり」と感じる原因は、ほぼ共通した3つのNG例に収束します。自分の職務経歴書と照らし合わせて確認してください。
NG例①:業務の羅列だけで実績・数字がない
NG
「ツアー添乗、お客様対応、行程管理を担当しました。」
この記述は添乗経験者であれば誰でも書ける内容です。担当した本数・人数・イレギュラー対応の具体的なエピソードを加えることで、初めて「読む価値のある書類」になります。
NG例②:派遣元と派遣先の関係が整理されていない
NG
「複数の旅行会社で添乗業務に従事」
登録会社名がなく、雇用形態も不明なため、採用担当者は業務の継続性や責任の範囲を判断できません。登録会社名・雇用形態・派遣先の傾向をセットで記載してください。
NG例③:自己PRが汎用的すぎる
NG
「ホスピタリティ精神を大切にし、お客様に寄り添った対応を心がけています。」
「ホスピタリティ」は旅行業界の応募者全員が書く言葉です。「悪天候時に3時間以内で代替手配を完了させた」のような具体的な実績に置き換えることで、初めて採用担当者の記憶に残る自己PRになります。

まとめ
- 採用担当者が見るのは、担当ツアーの規模・人数などの業務ボリュームと、イレギュラー対応の具体的なエピソード
- 派遣添乗員は登録会社名・雇用形態・派遣先の傾向をセットで記載する
- イレギュラー対応は「何が起き・どう判断し・どう解決したか」の3点を必ず書く
- 資格は正式名称と実務での使用場面をセットで書く
- 自己PRは「ホスピタリティがあります」で終わらせず、具体的な実績に置き換える
書き方の手順よりも、採用担当者が短時間で読んで「この人に会いたい」と思えるかを基準に見直すことが、書類通過への近道です。
旅行コーディネーター・添乗の職務経歴書に関するよくある質問
- 添乗員の経験しかない場合、職務経歴書に書けることは少ないですか?
-
そんなことはありません。添乗業務は担当ツアーの本数・人数、イレギュラー対応の経験、旅程管理主任者などの資格と、書ける要素が多くあります。「接客対応をしていました」で終わらせず、具体的な数字とエピソードに分解して整理すれば、十分に読み応えのある職務経歴書になります。
- 派遣添乗員として複数の登録会社に所属していた場合、どう書けばいいですか?
-
登録会社ごとに在籍期間・雇用形態・主な派遣先の傾向をまとめて記載してください。派遣先を1社ずつすべて列挙する必要はなく、「大手旅行代理店3社、国内バスツアーが中心」のように傾向でまとめれば、読みやすさと正確さの両方を確保できます。
- 添乗員から異業種へ転職する場合、職務経歴書はどう書けばよいですか?
-
添乗業務特有の言葉を、汎用的なビジネススキルに翻訳することがポイントです。「イレギュラー対応」は「予測不能な状況での即断力」、「行程管理」は「複数の関係者を同時に調整する業務」のように書き換えると、異業種の採用担当者にも経験の価値が伝わります。
- 旅程管理主任者と旅行業務取扱管理者、どちらを職務経歴書に書くべきですか?
-
どちらも保有していれば両方記載して問題ありません。旅程管理主任者は添乗そのものに必要な資格、旅行業務取扱管理者は旅行商品の企画・販売管理に関わる資格です。応募先が添乗中心の企業か、企画・販売中心の企業かによって、どちらを先に書くかを調整すると効果的です。

