履歴書の学歴欄にある「自」には入学年月、「至」には卒業年月を書き、学校名の後ろに「卒業」「卒業見込み」などの結果を添えます。市販の履歴書と同じように入学と卒業を2行に分けると、自・至のある様式では欄がずれて書き直しになりがちです。1行型・分割型の記入例、在学中・中退・浪人など状況別の書き方、採用担当者が期間欄で確認しているポイントをまとめました。
履歴書の学歴「自・至」の書き方【結論と記入例】
結論:「自」は入学年月、「至」は卒業年月を書く
「自」は期間の始まり、「至」は期間の終わりを表します。学歴欄なら1つの学校につき1行で、「自」に入学した年月、「至」に卒業した年月を書くのが基本です。
| 欄 | 意味 | 学歴欄に書くこと | 職歴欄に書くこと |
|---|---|---|---|
| 自 | 〜から(開始) | 入学した年月 | 入社した年月 |
| 至 | 〜まで(終了) | 卒業・修了・退学した年月 | 退職した年月 |
| 学校名の欄 | その期間の内容 | 正式な学校名+卒業/卒業見込み/中途退学など | 正式な会社名+退職理由など |
学校名の後ろには「入学」とは書かず、その学校をどう終えたか(卒業・修了・中途退学など)だけを書きます。入学したことは「自」の年月で伝わるためです。
1行型(自・至・学校名が横並び)の記入例
もっとも多いのが、1行の中に「自」「至」の年月欄と学校名の欄が並んでいる様式です。高校・大学を卒業した転職者の場合は次のように書きます。
良い書き方(1行型)
| 自 | 至 | 学歴 |
|---|---|---|
| 平成27年4月 | 平成30年3月 | 〇〇県立△△高等学校 普通科 卒業 |
| 平成30年4月 | 令和4年3月 | △△大学 経済学部 経済学科 卒業 |
1校1行・学校名は正式名称・結果は「卒業」だけ。和暦か西暦かは全体で統一します。
NG例(入学と卒業を2行に分けている)
| 自 | 至 | 学歴 |
|---|---|---|
| 平成27年4月 | 〇〇県立△△高等学校 入学 | |
| 平成30年3月 | 〇〇県立△△高等学校 卒業 |
市販の履歴書の書き方をそのまま当てはめた例です。「至」が空欄のままで、卒業年月が「自」に入ってしまっているため、在籍期間が正しく読み取れません。
分割型(自・至の欄が上下・別枠)の記入例
「自」と「至」が上下2段に分かれ、その横に学校名の欄が1つある様式もあります。この場合も上段に入学年月、下段に卒業年月を入れ、学校名は1回だけ書きます。
良い書き方(分割型)
| 期間 | 学歴 |
|---|---|
| 自 平成30年4月 | △△大学 経済学部 経済学科 卒業 |
| 至 令和4年3月 |
学校名を上下2段に重ねて書く必要はありません。学校名は「自」の段にそろえて1回書けば十分です。
「年」「月」「日」の欄まで印刷されている様式なら、日付も記入します。日の欄がなければ年月まででかまいません。どちらの型でも、応募先が記入例を配布している場合はそちらを優先してください。
「自」「至」の読み方と意味
- 自(じ):「〜より」「〜から」。期間の始まり
- 至(し):「〜に至る」「〜まで」。期間の終わり
契約書の契約期間や工事の工期、交通費精算の区間でも使われる書き言葉です。履歴書では「自=スタート、至=ゴール」と覚えておけば、学歴欄でも職歴欄でも迷いません。
市販の履歴書と同じ書き方をすると失敗する理由
自・至の欄は、大学や病院、学校法人、自治体、一部の企業が独自に用意する指定様式でよく見かけます。普段の履歴書に慣れている人ほど、同じ感覚で書いてしまいがちです。
入学・卒業を2行に分ける履歴書との違い
厚生労働省が示した様式例に沿った一般的な履歴書テンプレートは、学歴・職歴欄の年月が1つだけです。そのため入学と卒業を別の行に書きます。自・至の様式とは、次の点が異なります。
| 項目 | 市販の履歴書(年・月欄が1つ) | 自・至のある様式 |
|---|---|---|
| 1校あたりの行数 | 2行(入学・卒業) | 1行 |
| 年月の欄 | 出来事の年月を1つ | 開始と終了の2つ |
| 学校名の後ろ | 「入学」「卒業」をそれぞれ書く | 結果だけ(卒業・卒業見込み・中途退学など) |
| 書き始め | 中学校卒業からが一般的 | 応募先の指定に従う(指定がなければ高等学校から) |
| 採用担当者の見方 | 出来事の順番 | 期間のつながり(空白の有無) |
学歴はどこから書く?指定がなければ高等学校から
自・至の様式では、1校ごとに入学年月と卒業年月の両方が必要です。記入範囲の指定がなければ、高等学校から書き始めると行数が収まりやすく、読み手にも見やすくなります。
大学教員の公募や自治体職員の採用でも、「高等学校卒業以上の学歴をすべて」「高校入学以降を年月まで」のように、高校以降を書くよう求める記入要領が見られます。募集要項や様式の注意書きに「中学校卒業から」とあれば、その指示に合わせてください。最終学歴が中学校の場合は、中学校の入学・卒業年月を1行で書きます。
採用担当者は「至」と次の「自」のつながりを見ている
自・至の様式は、在籍期間が縦に並ぶため、経歴の流れがひと目でわかります。採用担当者が最初に目を向けるのは、ある行の「至」と次の行の「自」の間です。
採用担当者はここを見ている
- 期間の空白:「至 3月」の次が「自 翌年4月」なら1年の空き。浪人や療養など、面接で聞かれる前提で理由を準備しておく
- 期間の重なり:卒業より前に次の学校へ入学しているなど、年月が重なっていると転記ミスを疑われる
- 様式どおりに書けているか:指定様式の欄を正しく使えているかで、書類の指示を読み取る力が伝わる
特に公募や公的機関の採用では、提出された履歴書がそのまま記録として保管されることもあります。年月のずれは「確認不足」と受け取られやすいため、書き終えたら上下の行の年月がつながっているかを必ず見直してください。
【状況別】学歴「自・至」の書き方と記入例
卒業していない、途中でやめた、大学院まで進んだなど、学歴の状況によって「至」の書き方と学校名の後ろに添える言葉が変わります。
卒業見込み(新卒の就職活動)
在学中に就職活動をする場合は、「至」に卒業予定の年月を書き、学校名の後ろに「卒業見込み」と添えます。新卒向けの履歴書テンプレートを使う場合と考え方は同じです。
良い書き方(卒業見込み)
| 自 | 至 | 学歴 |
|---|---|---|
| 2020年4月 | 2023年3月 | 〇〇県立△△高等学校 普通科 卒業 |
| 2023年4月 | 2027年3月 | △△大学 文学部 英文学科 卒業見込み |
NG例(卒業見込み)
自 2023年4月 至 2027年3月 △△大学 文学部 英文学科 卒業
まだ卒業していないのに「卒業」と書くと、事実と異なる記載になります。未来の年月が入る行は「卒業見込み」とセットで書きます。
在学中(アルバイト・インターン応募)
高校生や大学生がアルバイトに応募するときも、自・至の様式なら考え方は同じです。卒業予定がはっきりしているなら「卒業見込み」、様式に注意書きがあれば「至」に「在学中」や「現在」と書く方法もあります。アルバイト用の履歴書を自分で用意する場合は、年月欄が1つの様式で入学・在学中を2行で書けば問題ありません。
良い書き方(在学中)
| 自 | 至 | 学歴 |
|---|---|---|
| 2025年4月 | 2028年3月 | 〇〇県立△△高等学校 普通科 卒業見込み |
| 2025年4月 | 在学中 | 〇〇県立△△高等学校 普通科 |
※上下はどちらか一方の書き方を選びます。迷ったら上段(卒業予定年月+卒業見込み)のほうが在籍期間が伝わります。
避けたいのは「至」を空欄のまま出すことです。在学中だと伝えたつもりでも、読み手からは書き忘れに見えます。
中退した場合
中退した学校は、「至」に退学した年月を書き、学校名の後ろに「中途退学」と書きます。中退を書かずに省くと、その期間がそのまま空白になり、かえって説明を求められます。
良い書き方(中退)
| 自 | 至 | 学歴 |
|---|---|---|
| 平成30年4月 | 令和元年9月 | △△大学 工学部 機械工学科 中途退学(家庭の事情により) |
理由は欄に余裕があれば短く添える程度で十分です。「中退」と略さず「中途退学」と書きます。
NG例(中退)
自 平成30年4月 至 (空欄) △△大学 工学部 機械工学科
「至」と結果が空欄だと、在学中なのか中退なのか判断できません。中退の事実を隠すつもりがなくても、印象を下げる原因になります。

浪人・空白期間がある場合
浪人期間や予備校は、学歴欄には一般的に書きません。前の学校の「至」から次の学校の「自」まで、期間が空いた状態のまま書けば問題ありません。
良い書き方(1年浪人した場合)
| 自 | 至 | 学歴 |
|---|---|---|
| 平成27年4月 | 平成30年3月 | 〇〇県立△△高等学校 普通科 卒業 |
| 平成31年4月 | 令和5年3月 | △△大学 法学部 法律学科 卒業 |
平成30年3月から平成31年4月までの1年間が空いて見えます。空白は隠さず、面接で「志望校に向けて1年間受験勉強をしていた」と一言で説明できれば十分です。
大学院(修了・単位取得後退学)
大学院は「卒業」ではなく「修了」と書きます。研究科・専攻・課程まで正式名称で書き、学位の記載を求められていれば学位記どおりに併記します。
良い書き方(大学院)
| 自 | 至 | 学歴 |
|---|---|---|
| 2019年4月 | 2021年3月 | 〇〇大学大学院 理学研究科 化学専攻 修士課程 修了 修士(理学) |
| 2021年4月 | 2024年3月 | 〇〇大学大学院 理学研究科 化学専攻 博士後期課程 単位取得後退学 |
博士の学位を取らずに退学した場合の書き方は、応募先によって「単位取得後退学」「単位取得満期退学」など指定が分かれます。公募要領に表記の指定があれば、その言葉をそのまま使います。
学歴「自・至」欄でよくある間違いと提出前チェック
よくあるNG一覧
書き終えたら、次の表と照らし合わせて見直してください。指定様式は書き直しの手間が大きいため、清書の前に下書きで確認しておくと安全です。
| よくある間違い | 正しい書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 入学と卒業を2行に分ける | 1校1行で自・至に年月を入れる | 欄がずれ、在籍期間が読み取れない |
| 「自」に卒業、「至」に入学 | 自=入学(古い年月)、至=卒業(新しい年月) | 期間が逆転して見える |
| 「平成30年度」と年度で書く | 「平成30年3月」と年月で書く | 年度では時期が特定できない。年度表記を不可とする大学もある |
| 和暦と西暦が混在 | どちらかに統一 | 大学の記入要領などでも統一が求められている |
| 「至 令和4年3月まで」 | 「至 令和4年3月」 | 「至」に「まで」の意味が含まれる |
| 卒業前なのに「卒業」 | 「卒業見込み」 | 事実と異なる記載になる |
| 「至」を空欄のまま提出 | 卒業予定年月+卒業見込み、または「在学中」 | 記入漏れに見える |
| 「△△高校」と略す | 「△△高等学校」 | 学歴欄は正式名称で書く |
入学・卒業の年月がわからないときの確認方法
入学は4月、卒業は3月が一般的です。浪人や留年がなければ、生まれた年から次のように計算できます。
| 学歴 | 4月2日〜12月31日生まれ | 1月1日〜4月1日生まれ(早生まれ) |
|---|---|---|
| 高等学校 入学 | 生まれた年+16年の4月 | 生まれた年+15年の4月 |
| 高等学校 卒業 | 生まれた年+19年の3月 | 生まれた年+18年の3月 |
| 4年制大学 卒業 | 生まれた年+23年の3月 | 生まれた年+22年の3月 |
計算はあくまで目安です。提出前に卒業証書や卒業証明書で年月を確かめてください。大学の教職員採用の記入要領でも、証書などで確認したうえで相違や脱漏のないよう記入することが求められています。手元に証書がなければ、卒業した学校に問い合わせれば確認できます。

職歴欄に「自・至」がある場合の書き方
自・至の様式では、職歴欄も同じ形式になっていることがほとんどです。「自」に入社年月、「至」に退職年月を書き、会社名の欄には正式な社名と所属、退職理由を書きます。
退職済みの会社
良い書き方(退職済み)
| 自 | 至 | 職歴 |
|---|---|---|
| 令和4年4月 | 令和7年6月 | 株式会社〇〇 営業部 一身上の都合により退職 |
「(株)」と略さず「株式会社」と書きます。部署名は応募職種に関係するなら添えると経験が伝わりやすくなります。
在職中は「至 現在」または「現在に至る」
今も勤めている会社は退職年月がないため、「至」の欄に「現在」と書きます。「至」の欄がない様式や、注意書きで指定されている場合は「現在に至る」と書きます。大学教員の公募でも、現職は「現在に至る」と記入するよう指示している記入要領があります。
良い書き方(在職中)
| 自 | 至 | 職歴 |
|---|---|---|
| 令和4年4月 | 令和7年6月 | 株式会社〇〇 営業部 一身上の都合により退職 |
| 令和7年8月 | 現在 | 株式会社△△ 総務部 在職中 |
| 以上 |
最後の行の右寄せに「以上」と書いて締めます。「至」を空欄にすると在職中か書き忘れかが伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- 離職期間:上の例なら令和7年6月退職→8月入社で約1か月。数か月以上空く場合は面接で聞かれる前提で準備する
- 在籍期間の長さ:自・至の様式は在籍年数がすぐ計算できるため、短期離職が続いていないかも見られている
転職活動で自分で様式を選べるなら、年月欄が1つの転職用の履歴書テンプレートで入社・退職を2行に分けて書く方法でもかまいません。

まとめ
- 「自」は入学年月、「至」は卒業年月:1校1行で書き、学校名の後ろには結果(卒業・卒業見込み・中途退学・修了)だけを書く
- 市販の履歴書と同じ2行書きはNG:欄がずれて在籍期間が読み取れなくなる
- 書き始めは指定に従う:指定がなければ高等学校から
- 「至」は空欄にしない:在学中は卒業予定年月+卒業見込み、在職中は「現在」
- 上下の行の年月を見直す:採用担当者は「至」と次の「自」の間の空白・重なりを見ている
清書の前に下書きで年月を並べ、卒業証書と照らし合わせてから記入すれば書き直しは防げます。
履歴書の学歴「自・至」に関するよくある質問
- 履歴書の「自」「至」は何と読みますか?
-
「自」は「じ」、「至」は「し」と読むのが一般的です。意味はそれぞれ「〜から」「〜まで」で、学歴欄では「自」に入学年月、「至」に卒業年月を書きます。
- 在学中や在職中なら「至」の欄は空欄でいいですか?
-
空欄は書き忘れに見えるため避けてください。在学中なら卒業予定の年月を書いて学校名の後ろに「卒業見込み」と添えるか、「至」に「在学中」と書きます。在職中なら「至」に「現在」と書きます。
- 「自」「至」の欄に日付まで書く必要はありますか?
-
様式に「日」の欄があれば日付まで書きます。「年」「月」の欄しかなければ年月まででかまいません。日付がわからない場合は、卒業証書や卒業証明書で確認してから記入してください。
- 自・至の様式でも中学校から書くべきですか?
-
応募先の指定があればそれに従います。指定がなければ高等学校から書けば問題ありません。最終学歴が中学校の場合は、中学校の入学年月と卒業年月を1行で書きます。
- 「自」と「至」を書き間違えたら修正テープで直してもいいですか?
-
手書きの場合は、修正テープや二重線ではなく新しい用紙に書き直すのが基本です。指定様式がWordやPDFで配布されているなら、パソコンで入力してよいか募集要項を確認し、入力できる場合は下書きを作ってから清書すると書き損じを防げます。

