百貨店の事業内容は、職務経歴書の会社名のすぐ下に「百貨店業(衣料品・食品・化粧品等の小売)」のように1〜2行で書けば十分です。ただし、ブランドの社員や派遣スタッフとして売場に立っていた場合は、百貨店ではなく雇用元の会社の事業内容を書きます。所属別の記載例と、採用担当者に「読みにくい」と思われるNG例をまとめました。
百貨店の事業内容の書き方と記載例【結論】
結論:会社名の直下に「百貨店業」と取扱商品・規模を書く
職務経歴書の事業内容は、在籍していた会社が「何をしている会社か」を採用担当者に一目で伝えるための欄です。百貨店の場合は、業種名の「百貨店業」に、主な取扱商品を括弧で添える書き方が最も伝わります。
- 書く場所:会社名(正式名称)の次の行
- 分量:1〜2行。事業をすべて並べず、自分が関わった事業を中心にする
- 添える情報:資本金・売上高・従業員数・店舗数など、会社の規模がわかる数字
国の統計で使われる日本標準産業分類でも、百貨店は「衣・食・住にわたる各種商品を小売する事業所」として整理されています。「小売業」とだけ書くとスーパーや専門店と区別がつかないため、「百貨店業」と明記したうえで取扱商品を補うのが基本です。
百貨店社員の事業内容の記載例
百貨店を運営する会社に直接雇用されていた場合の書き方です。数字は退職時点、または直近の決算期のものを使います。
良い書き方(百貨店の社員だった場合)
20XX年4月〜現在 株式会社〇〇百貨店
事業内容:百貨店業(婦人服・紳士服・化粧品・食料品等の小売、外商)
資本金:〇〇億円 売上高:〇〇〇億円(20XX年2月期) 従業員数:〇〇〇〇名 店舗数:〇店(首都圏・関西) 東証プライム上場
NG例
20XX年4月〜現在 〇〇百貨店
事業内容:小売
社名が略称のまま、事業内容も「小売」だけで規模がわからないため、書類を読み進めるうえでの前提が伝わりません。
グループ会社が多い百貨店では、自分が所属していた会社が持株会社なのか、百貨店を運営する事業会社なのかを確認してください。雇用契約を結んでいた会社の名前と事業内容を書くのが正解です。
事業内容とあわせて書く会社概要の項目
事業内容の下には、会社の規模を示す数字を1行で並べます。百貨店ならではの項目として、店舗数や出店エリアを入れると規模感が伝わりやすくなります。
| 項目 | 書き方のポイント | 記載例 |
|---|---|---|
| 資本金 | 退職時点の金額 | 資本金:〇〇億円 |
| 売上高 | 直近の決算期を明記 | 売上高:〇〇〇億円(20XX年2月期) |
| 従業員数 | 連結か単体かをそろえる | 従業員数:〇〇〇〇名(単体) |
| 店舗数 | 百貨店で特に伝わりやすい指標 | 店舗数:〇店(首都圏3店・地方2店) |
| 上場区分 | 上場企業なら記載 | 東証プライム上場 |
【所属別】百貨店勤務の事業内容の書き方と例文
百貨店の売場に立つスタッフは、百貨店の社員だけではありません。化粧品やアパレルのブランドを展開するメーカーの社員、派遣会社から来たスタッフ、レストランなどテナント企業の社員も同じフロアで働いています。
ここで手が止まる方が多いのですが、判断基準は1つだけです。事業内容に書くのは「給与を払っていた会社(雇用元)」の事業で、百貨店名は勤務場所として書きます。雇用元を百貨店と書いてしまうと、面接や入社手続きで経歴の食い違いを指摘されるおそれがあります。
ブランド・メーカーの社員として売場に立っていた場合
化粧品・婦人服・宝飾品などのブランドに雇用され、百貨店内のカウンターやショップで販売していたケースです。事業内容はブランド会社のものを書き、百貨店名は「勤務先」として職務内容の欄に入れます。
良い書き方(ブランド社員の場合)
20XX年4月〜20XX年3月 株式会社〇〇化粧品
事業内容:化粧品の企画・製造・販売(全国の百貨店に〇〇店舗のカウンターを展開)
資本金:〇億円 従業員数:〇〇〇名
勤務先:〇〇百貨店 〇〇店 1階化粧品売場(ビューティーアドバイザー)
NG例
20XX年4月〜20XX年3月 〇〇百貨店 〇〇店
事業内容:百貨店業
雇用元がブランド会社なのに百貨店を勤務先の会社として書いているため、履歴書の職歴欄や雇用保険の記録と一致しません。
派遣スタッフとして百貨店で働いていた場合
派遣の場合は、雇用元である派遣会社と、実際に働いていた派遣先を分けて書きます。派遣先が百貨店なのか、百貨店に出店しているブランド会社なのかも確認してください。派遣会社との契約によっては派遣先名を出せないこともあるため、その場合は「大手百貨店」のように業態と規模で表します。書式の全体像は派遣向けの職務経歴書テンプレートで確認できます。
良い書き方(派遣スタッフの場合)
20XX年10月〜20XX年9月 株式会社〇〇スタッフに登録
事業内容:労働者派遣事業(販売・接客職)
派遣先:株式会社〇〇百貨店(事業内容:百貨店業)〇〇店 食料品売場
雇用形態:派遣社員
テナント(レストラン・専門店)の社員だった場合
レストラン街や専門店ゾーンに出店している企業の社員だった場合も、事業内容はその企業のものを書きます。「百貨店内に出店」と添えておくと、客層や接客水準のイメージが伝わります。パート・アルバイトとして働いていた方はパート用の職務経歴書テンプレートを使うと、雇用形態の書き方まで迷わずに済みます。
良い書き方(テナント社員の場合)
20XX年4月〜20XX年3月 株式会社〇〇フーズ
事業内容:洋菓子の製造・販売(百貨店を中心に全国〇〇店舗を展開)
資本金:〇〇〇〇万円 従業員数:〇〇〇名
| 所属 | 事業内容に書く会社 | 百貨店名の扱い |
|---|---|---|
| 百貨店の社員 | 百貨店を運営する会社 | 会社名として記載 |
| ブランド・メーカーの社員 | ブランド会社 | 勤務先として記載 |
| 派遣スタッフ | 派遣会社(派遣先も併記) | 派遣先として記載(契約で不可なら業態のみ) |
| テナント企業の社員 | テナント企業 | 「百貨店内に出店」と補足 |
採用担当者が百貨店の事業内容欄で見ているポイント
事業内容の欄そのものが合否を分けることはまれです。それでも、ここが曖昧だと職務内容や実績の数字を正しく読み取ってもらえません。採用担当者は、この1〜2行を「その後の経歴を読むための前提」として使っています。
採用担当者はここを見ている
- 扱っていた商材と価格帯:高価格帯の商品を扱っていたか、どの売場の経験か
- 会社の規模:売上高や店舗数から、組織の中でどの程度の役割を担っていたかを推し量る
- 雇用関係の正確さ:履歴書の職歴欄と会社名が一致しているか
- 応募先との共通点:接客水準・顧客層・取扱商品が自社の仕事と重なるか
事業内容・業務内容・職務内容を書き分ける
よくある失敗が、事業内容の欄に自分の仕事を書いてしまうことです。3つの言葉は対象が違います。
| 項目 | 対象 | 百貨店での例 |
|---|---|---|
| 事業内容 | 会社全体 | 百貨店業(衣料品・食料品等の小売、外商) |
| 業務内容 | 部署・売場 | 婦人服売場の販売・在庫管理・売場づくり |
| 職務内容 | 自分個人 | ミセス向けブランドの接客、顧客台帳の管理、新人3名の指導 |
事業内容は会社の説明にとどめ、自分の仕事ぶりや実績は職務内容の欄で数字とともに書くと、読み手が情報を探しやすくなります。
異業種へ転職するときは百貨店用語を言い換える
百貨店の中では当たり前の言葉も、業界の外では通じないことがあります。営業職や事務職など異業種に応募する場合は、事業内容・職務内容ともに一般的な言葉に置き換えてください。営業職を目指すなら営業職の職務経歴書テンプレートの項目に沿って書き直すと、接客経験を営業の言葉で伝えやすくなります。
| 百貨店内の言葉 | 職務経歴書での言い換え例 |
|---|---|
| 外商 | 法人・富裕層顧客向けの訪問販売、顧客管理 |
| 催事・物産展 | 期間限定イベントの企画・運営 |
| 平場 | 百貨店が直接運営する売場 |
| お得意様・顧客様 | 継続購入顧客(〇〇名を担当) |
| 中元・歳暮 | 季節ギフトの法人・個人向け受注 |
百貨店の事業内容が分からないときの調べ方
「自分の会社の正式な事業内容を知らない」という方は珍しくありません。記憶に頼って書くと社名や数字を間違えやすいので、次の順番で確認してください。
- 公式サイトの「会社概要」:事業内容・資本金・従業員数がまとまっていることが多い
- IR情報・有価証券報告書:上場している百貨店なら、売上高や店舗数、事業の区分を確認できる
- 国税庁の法人番号公表サイト:正式な社名と所在地、社名変更の履歴を確認できる
- 入社時の雇用契約書・給与明細:雇用元がどの会社だったかを確かめる決め手になる
退職後に経営統合や社名変更があった場合は、在籍当時の社名を書き、括弧で現在の社名を添えます。例:「株式会社〇〇百貨店(現:株式会社△△)」。
数字が見つからないときの書き方
非上場のブランド会社などで売上高が公開されていない場合は、無理に推測した数字を書かず、確認できる項目(従業員数・店舗数など)だけを記載します。事実と違う数字は、面接で質問されたときに説明がつかなくなります。
事業内容とあわせて書く百貨店の職務経歴の例文
事業内容を書いたら、その下に職務内容と実績を続けます。事業内容の1〜2行で「どんな会社か」を伝え、職務内容で「その中で何をしてきたか」を示す流れです。
売場販売からキャリアを積んだ場合
良い例文(婦人服売場から係長へ)
20XX年4月〜現在 株式会社〇〇百貨店
事業内容:百貨店業(婦人服・紳士服・化粧品・食料品等の小売、外商)
資本金:〇〇億円 従業員数:〇〇〇〇名 店舗数:〇店
20XX年4月〜20XX年3月 〇〇店 婦人服売場
・ミセス向け婦人服ブランドの接客販売、顧客台帳の管理(担当顧客約〇〇名)
・個人売上目標に対し、3年連続で達成率110%以上
20XX年4月〜現在 〇〇店 婦人服売場 係長
・売場スタッフ〇名(取引先販売員を含む)のシフト管理と新人指導
・季節催事の企画を担当し、催事期間の売場売上を前年比〇〇%に伸長
NG例
株式会社〇〇百貨店
事業内容:百貨店業。婦人服売場で接客販売を担当し、売上に貢献しました。
事業内容と職務内容が混ざり、実績にも数字がないため、どの程度の成果を出したのかが読み取れません。
外商・バイヤー・本社部門の場合
売場以外の部署でも、事業内容の書き方は同じです。外商なら「外商」、バイヤーなら担当カテゴリを事業内容の括弧内に含めておくと、職務内容とのつながりが自然になります。
良い例文(外商の場合)
事業内容:百貨店業(衣料品・宝飾品・美術品等の小売、法人・個人向け外商)
20XX年4月〜現在 外商部
・個人顧客〇〇世帯、法人顧客〇〇社を担当し、宝飾品・美術品の提案営業を実施
・担当顧客の年間購入額を前年比〇〇%に拡大
採用担当者はここを見ている
- 担当顧客数・購入額など、顧客との関係の深さがわかる数字があるか
- バイヤーなら担当カテゴリ、取引先数、売場の売上規模が書かれているか
- 守秘義務のある顧客名・取引条件を書いていないか
百貨店の事業内容欄でよくあるNG例
提出前のチェックリストとして使ってください。どれも書類の中身ではなく「書き方」で損をしてしまう例です。
| NG例 | 正しい書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 〇〇百貨店(略称) | 株式会社〇〇百貨店 | 社名は正式名称で書く |
| 事業内容:小売 | 百貨店業(衣料品・食料品等の小売) | スーパーや専門店と区別がつかない |
| ブランド社員なのに百貨店を会社名に記載 | ブランド会社を会社名、百貨店を勤務先に記載 | 雇用元と一致しない |
| 事業内容に自分の担当業務を書く | 担当業務は職務内容の欄へ | 会社の説明と個人の実績が混ざる |
| 事業を5つ以上並べる | 関わった事業を中心に1〜2行 | 長いと要点が伝わらない |
| 売上高を推測で記載 | 確認できる数字だけを記載 | 面接で説明できなくなる |
履歴書もあわせて用意する場合は、転職用の履歴書テンプレートで職歴欄の会社名を職務経歴書とそろえておくと、書類同士の食い違いを防げます。
あわせて読みたい



まとめ
- 基本の書き方:会社名の直下に「百貨店業(主な取扱商品)」を1〜2行で書く
- 規模を数字で:資本金・売上高・従業員数に加え、店舗数を添えると伝わりやすい
- 所属で書き分ける:ブランド社員・派遣・テナントは雇用元の事業内容を書き、百貨店は勤務先として記載
- 職務内容と分ける:自分の仕事と実績は職務内容の欄に数字で書く
- 確認してから書く:会社概要・IR情報・雇用契約書で社名と数字を確かめる
事業内容の1〜2行が整うと、その下に続く接客や売場づくりの実績も正しく読まれるようになります。
百貨店の事業内容と職務経歴書に関するよくある質問
- 百貨店の事業内容は「小売業」と書いてもいいですか?
-
間違いではありませんが、スーパーや専門店と区別がつきません。「百貨店業(衣料品・化粧品・食料品等の小売)」のように業態と主な取扱商品まで書くと、扱っていた商品や客層が採用担当者に伝わります。
- ブランドの社員として百貨店で働いていました。百貨店名は書かないほうがいいですか?
-
書いて問題ありません。会社名と事業内容はブランド会社のものを書き、百貨店名は「勤務先:〇〇百貨店 〇〇店 化粧品売場」のように職務内容の欄に記載します。百貨店名があると、接客水準や客層のイメージが伝わりやすくなります。
- 在籍していた百貨店が統合・社名変更しています。どう書けばいいですか?
-
在籍当時の社名を書き、括弧で現在の社名を添えます(例:株式会社〇〇百貨店(現:株式会社△△))。事業内容や売上高は、在籍当時の会社の情報を基準にしてください。
- アルバイトで百貨店の売場にいた場合も事業内容は必要ですか?
-
職務経歴書に職歴として記載するなら、正社員と同じく雇用元の事業内容を書くのが基本です。期間が短い場合でも、会社名・事業内容・雇用形態をそろえて書くと、経歴全体が読みやすくなります。

