簿記のネット試験(CBT方式)で合格した場合も、履歴書には統一試験と同じく「日本商工会議所簿記検定試験〇級 合格」と書けば問題ありません。紙の合格証書が届かないため、取得年月がわからない、「ネット試験」と書き添えるべきか迷う、という声もあります。この記事では、記載例とNG例、取得年月の確認方法、状況別の書き方を採用担当者の視点でまとめました。
簿記ネット試験(CBT)の履歴書の書き方【結論と記載例】
結論:統一試験と同じ書き方でよい
日本商工会議所の公式案内では、ネット試験の合格と統一試験(ペーパー試験)の合格は同じ扱いとされています。資格としての価値に違いはないため、履歴書の免許・資格欄で受験方式を書き分ける必要はありません。
書き方の基本は次の3点です。
- 資格名は正式名称:「日本商工会議所簿記検定試験」または略称の「日商簿記検定試験」
- 級を明記する:「2級」「3級」を資格名の後ろに書く
- 末尾は「合格」:公式案内の表記は「取得」。どちらでも誤りではないため、ほかの資格と表記をそろえる
ネット試験合格者の記載例とNG例
良い書き方(ネット試験で2級に合格した場合)
2025年 10月 日本商工会議所簿記検定試験2級 合格
※略称を使う場合は「日商簿記検定試験2級 合格」。1枚の履歴書の中ではどちらかに統一します。
NG例
2025年 10月 簿記2級(CBT) 合格
「簿記2級」だけでは日商・全商・全経のどれか判別できません。「(CBT)」の補足も不要です。
試験区分別の正式名称早見表
ネット試験で受けられるのは2級・3級・簿記初級・原価計算初級の4区分です。1級はネット試験がなく、統一試験のみで実施されています。
| 試験区分 | ネット試験 | 履歴書の記載例 |
|---|---|---|
| 1級 | なし(統一試験のみ) | 日本商工会議所簿記検定試験1級 合格 |
| 2級 | あり(90分) | 日本商工会議所簿記検定試験2級 合格 |
| 3級 | あり(60分) | 日本商工会議所簿記検定試験3級 合格 |
| 簿記初級 | あり(40分) | 日本商工会議所簿記初級 合格 |
| 原価計算初級 | あり(40分) | 日本商工会議所原価計算初級 合格 |
出典:日本商工会議所「日商簿記検定試験 ネット試験について」
資格欄全体の並べ方や、普通自動車免許との順番は転職用の履歴書テンプレートの記入例を見ながら確認すると迷わずに済みます。

取得年月はいつ?簿記ネット試験の日付の確認方法
デジタル合格証に記載された年月を書く
統一試験は合格証書が後日郵送されますが、ネット試験は試験終了後その場で合否が判定され、紙の合格証書は発行されません。合格を証明するのは、スマートフォンなどで取得する「デジタル合格証」です。
取得年月は、デジタル合格証に記載された日付の年月を書きます。ネット試験は受験当日に合否が出るため、多くの場合は受験した年月と同じです。記憶だけで書くと1か月ずれることもあるため、書く前に一度デジタル合格証を開いて確認してください。
デジタル合格証の取り出し方
- 試験会場で受け取った紙のスコアレポートを用意する
- スコアレポートに印刷された二次元コードをスマートフォンで読み取る
- 表示されたデジタル合格証の「印刷」ボタンを押してPDFで保存する
- 応募先から合格証のコピーを求められたら、保存したPDFを印刷して提出する
デジタル合格証を取得できるのは合格者のみです。スコアレポートは合格証の入口になるため、合格後も捨てずに保管しておきます。
スコアレポートをなくした・日付がわからないとき
スコアレポートが見つからない場合は、受験申込に使ったテストセンター運営会社のマイページや申込完了メールで受験日を確認できるケースがあります。それでもわからなければ、受験した地域の商工会議所に合格証明書の発行を問い合わせてください。手数料や必要書類は商工会議所ごとに異なります。
採用担当者はここを見ている
- 経理や会計事務所の求人では、内定前後に合格証のコピー提出を求められることがある。履歴書の年月と合格証の日付がずれていると、確認の手間と不信感につながる
- 「取得年月不明」の資格は、本当に持っているのか判断できず評価しにくい
資格欄に日付を書く枠がない履歴書を使っている場合の対処は、こちらで詳しく扱っています。

履歴書に「ネット試験」「CBT」と書き添えるべき?
受験方式は書かなくてよい
資格欄に「(ネット試験)」「(CBT方式)」と添える必要はありません。主催者が同じ扱いと明言している以上、受験方式は資格の中身ではなく「受け方」の違いにすぎないためです。わざわざ書き添えると、かえって「何か違いがあるのか」と余計な疑問を持たせる原因になります。
「ネット試験は簡単」と思われないか不安な人へ
ネット試験の書き方を調べる人の多くが気にしているのが、「合格率が高いから軽く見られるのでは」という点です。実際、2級の合格率には差があります。
| 日商簿記2級 | 合格率 |
|---|---|
| ネット試験(2025年度) | 32.9% |
| 統一試験 第170回(2025年6月) | 22.2% |
| 統一試験 第171回(2025年11月) | 23.6% |
| 統一試験 第172回(2026年2月) | 15.1% |
出典:日本商工会議所の受験者データをもとにした資格の学校TACの公表値
ただし、合格基準は両方式とも100点満点中70点以上で共通です。ネット試験は自分の準備が整った日に受けられるため、合格率の差は「受験のタイミングを選べるか」の影響と見るのが自然です。
採用担当者はここを見ている
- 履歴書の記載だけではネット試験か統一試験かは区別できず、評価の基準も「何級か」「いつ取ったか」「仕事にどう使えるか」の3点
- 面接で「仕訳を切った経験は?」「試算表は読めますか?」と聞かれたときに答えられるかで、資格の価値が決まる
【状況別】簿記ネット試験の履歴書の書き方と例文
3級と2級を両方持っている場合
上位級を持っているなら、原則として2級だけを書きます。3級は2級の範囲に含まれるため、並べて書いても評価は上がらず、資格欄の行を使うだけです。
良い書き方(2級・3級を取得済み)
2026年 3月 日本商工会議所簿記検定試験2級 合格
3級だけを持っている場合も、事務職や経理補助の応募なら書く価値があります。書き方の判断に迷う場合は次の記事も参考になります。

勉強中・受験予定の場合
ネット試験は統一試験と違い、テストセンターごとの日程から受験日を自分で予約できます。この特徴を活かし、受験日を予約したうえで具体的な年月を書くと、「いつか取りたい」ではなく計画的に動いていることが伝わります。
良い書き方(受験予定)
現在、日本商工会議所簿記検定試験2級の取得に向けて勉強中(2026年12月 ネット試験受験予定)
※勉強中の資格は取得済みの資格と区別し、資格欄の最後の行に書きます。この場合に限り、日程の根拠として「ネット試験」と添えて構いません。
NG例
日商簿記2級 勉強中
時期が書かれていないと、本当に受ける予定があるのか判断できません。面接で受験予定日を聞かれる前提で書いてください。
簿記初級・原価計算初級に合格した場合
簿記初級と原価計算初級はネット試験のみで実施される入門レベルの試験です。資格欄に書いて問題はありませんが、3級以上を持っているなら省略します。初級しかない場合は、学習を続けている姿勢とセットで伝えると評価につながりやすくなります。
良い書き方(簿記初級+3級勉強中)
2026年 5月 日本商工会議所簿記初級 合格
現在、日本商工会議所簿記検定試験3級の取得に向けて勉強中
全商簿記・全経簿記も持っている場合
簿記検定には日商のほか、全国商業高等学校協会の「全商簿記」、全国経理教育協会の「全経簿記」があります。主催団体が違えば別の資格のため、どの団体の試験かがわかるように書き分けます。
| 検定 | 履歴書の記載例 |
|---|---|
| 日商簿記 | 日本商工会議所簿記検定試験2級 合格 |
| 全商簿記 | 全国商業高等学校協会主催 簿記実務検定試験1級 合格 |
| 全経簿記 | 公益社団法人全国経理教育協会主催 簿記能力検定試験2級 合格 |
日商2級と全商1級のように内容が重なる場合は、企業での知名度が高い日商簿記を優先して書くと伝わりやすくなります。
簿記の資格を自己PRで評価につなげる書き方
資格欄に書くだけでは「簿記を勉強した人」で止まります。差がつくのは、学んだ知識を応募先の仕事でどう使うかまで自己PR欄で書けているかどうかです。
良い例文(未経験から経理事務を目指す場合)
販売職として働きながら、日商簿記2級に合格しました。店舗の売上日報を作成する中で数字の流れに興味を持ち、仕事後に毎日1時間の学習を続けました。仕訳から決算整理までの流れを理解しているため、入社後は伝票処理や月次決算の補助から早期に戦力になれるよう努めます。
NG例
日商簿記2級をネット試験で一発合格しました。数字に強いので経理に向いていると思います。
受験方式や一発合格は評価の対象になりにくく、仕事でどう活かすかが書かれていません。
経理職への転職では、職務経歴書で数字を扱った実務を具体的に示すことも欠かせません。経理向けの職務経歴書テンプレートを使うと、担当業務や使用ソフトの書き方の型がつかめます。
一般事務や営業事務に応募する場合は、事務職の職務経歴書テンプレートに沿って、請求書発行や経費精算など簿記の知識が関わる業務を書き出してください。
学生のうちにネット試験で合格した人は、新卒用の履歴書テンプレートで資格欄と自己PR欄のバランスを確認できます。
採用担当者はここを見ている
- 取得時期が最近なら「今まさに学んでいる人」として、学習意欲の裏付けになる
- 経理経験がない応募者ほど、簿記の知識と応募職種の業務をつなげて書けているかを確認している
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まとめ
- 書き方は統一試験と同じ:「日本商工会議所簿記検定試験〇級 合格」と書く
- 「ネット試験」「CBT」は書かない:主催者が同じ扱いと明言している
- 取得年月はデジタル合格証で確認:スコアレポートの二次元コードから取得し、PDFで保存しておく
- 受験予定は年月まで書く:受験日を予約できるネット試験の強みを使う
- 評価を左右するのは自己PR:簿記の知識を応募先の業務にどう使うかまで書く
受験方式を気にするより、資格名・級・年月を正確に書き、自己PRで仕事との接点を示すほうが選考では効きます。
簿記のネット試験の履歴書に関するよくある質問
- 簿記のネット試験(CBT)は履歴書に書いても評価されますか?
-
評価されます。日本商工会議所はネット試験と統一試験の合格を同じ扱いとしており、履歴書の記載から受験方式を区別することもできません。級と取得時期を正確に書けば、統一試験の合格者と同じように評価の対象になります。
- ネット試験には紙の合格証書がありません。応募先に証明を求められたらどうすればいいですか?
-
スコアレポートの二次元コードから取得したデジタル合格証をPDFで保存し、印刷したものを提出します。デジタル合格証は紙の合格証書と同様に、商工会議所が合格を証明する書類です。
- 履歴書には「合格」と「取得」のどちらを書けばいいですか?
-
どちらでも誤りではありません。日本商工会議所の案内では「取得」と表記されていますが、検定試験は「合格」と書くのが一般的です。ほかの資格の表記とそろえ、1枚の履歴書の中で混在させないようにしてください。
- 簿記1級もネット試験で受けられますか?
-
受けられません。ネット試験の対象は2級・3級・簿記初級・原価計算初級で、1級は統一試験のみで実施されています。日程は日本商工会議所や各地の商工会議所の案内で確認してください。

