履歴書の送り状は、日付・宛先・差出人・本文・同封書類などの9項目をA4一枚にまとめ、志望動機は1〜2行に絞るのが正解です。長々とした自己PRはかえって印象を下げます。この記事では、そのまま使える例文と状況別のテンプレート、採用担当者が実際に見ているポイントを紹介します。
履歴書の送り状はこう書く|結論とそのまま使える例文
結論:A4一枚に9項目をまとめ、志望動機は1〜2行に絞る
送り状(添え状・送付状)は、パソコンでA4一枚に横書きするのが基本です。日付・宛先・差出人情報・件名・頭語・時候の挨拶・本文・結語・同封書類の9項目を漏れなく記載します。本文の志望動機や応募経緯は1〜2行で簡潔にまとめ、詳しい自己PRは履歴書・職務経歴書に委ねます。
迷ったときは、以下の例文をベースに企業名・職種名・志望動機の部分だけを書き換えれば完成します。
そのまま使える例文(標準パターン)
良い例文
令和〇年〇月〇日
株式会社〇〇 人事部 採用ご担当者様
〒000-0000 東京都〇〇区〇〇1-2-3 山田 太郎
TEL:090-0000-0000 Email:taro@example.com
応募書類のご送付(〇〇職応募)
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。このたびは貴社〇〇職の求人に応募させていただきたく、前職での〇〇業務の経験を貴社の事業にお役立てしたいと考え、書類をお送りいたします。ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。敬具
記
- 履歴書 1通
- 職務経歴書 1通
以上
この例文をベースにする場合、書類には転職用の履歴書テンプレートを使うと、送り状との体裁が揃い、書類一式としてまとまりのある印象になります。
送り状(添え状)とは?採用担当者が見ている理由
送り状(送付状・添え状)とは、履歴書や職務経歴書を郵送する際に同封するビジネス文書です。採用担当者が封筒を開けたときに最初に目にする文書であり、ビジネスマナーが身についているかを示す最初の接点になります。
送り状の3つの役割
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| あいさつ状 | 採用担当者へ、ビジネス文書としての礼儀を示す |
| 表書き | 封筒の中に何が入っているかを一目で知らせる |
| 補足の場 | 履歴書・職務経歴書では伝えきれない意欲や特記事項を添える |
「任意」でも同封すべき理由
送り状は法律で義務付けられた書類ではありません。ただし、郵送で応募する場合は同封するのがビジネスマナーの基本です。「ないと不合格」ではなく「ないと減点」と見る採用担当者が一定数います。
採用担当者はここを見ている
- 応募が集中する企業では、送り状の有無が基本的なビジネスマナーの判断材料になる
- 「送り状なし」は即不合格ではなく「気が回らない人」という印象につながりやすい
- 定型文であっても同封があるだけで、丁寧さと誠実さが伝わる
なお、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使う場合も、送り状の同封ルールは変わりません。例文をもっと確認したい場合は、あわせて添え状の例文もチェックしておくと安心です。

送り状に書く9項目の書き方とルール
送り状はA4サイズ1枚、パソコンで横書きが基本です。以下の9項目を漏れなく記載します。1枚に収まらない場合は本文を簡潔にまとめ直します。
①〜④ 日付・宛先・差出人情報・件名
| 項目 | 書き方のポイント |
|---|---|
| ①日付 | 書類を投函する日付。履歴書と表記を統一する |
| ②宛先 | 「株式会社〇〇 人事部 〇〇様」。担当者名が不明なら「採用ご担当者様」 |
| ③差出人情報 | 住所・氏名・電話番号・メールアドレスを右上にまとめる |
| ④件名 | 「応募書類のご送付(〇〇職応募)」のように職種を明記する |
宛先に「御中」と「様」を同時に使うのはNGです。「採用ご担当者様」のように、担当者への敬称「様」で統一します。「株式会社〇〇御中 採用担当者様」という書き方は誤りです。
⑤〜⑦ 頭語・時候の挨拶・本文
頭語は「拝啓」、結語は「敬具」をセットで使うのが一般的です。略式の「前略」「草々」はビジネス文書には不向きなため避けます。時候の挨拶は投函する季節に合わせて選びます。
| 時期 | 時候の挨拶の例 |
|---|---|
| 1〜2月 | 厳冬の候/寒冷の候 |
| 3〜4月 | 早春の候/春暖の候 |
| 5〜6月 | 初夏の候/梅雨の候 |
| 7〜8月 | 盛夏の候/猛暑の候 |
| 9〜10月 | 秋涼の候/紅葉の候 |
| 11〜12月 | 晩秋の候/師走の候 |
本文には「応募の経緯(どの媒体で求人を知ったか)」と「志望動機・意欲」を1〜2行で記載します。詳細な自己PRは職務経歴書に委ね、送り状では要点だけを添えます。
⑧〜⑨ 結語・同封書類一覧
本文を締めたら「敬具」で結語を記載します(右寄せが一般的)。その後「記」と書いて下に同封書類を箇条書きで列記し、末尾に「以上」と書いて締めます。同封書類には、ハローワーク用の職務経歴書テンプレートのように、応募先に合わせた書式を選ぶと統一感が出ます。

手書きとパソコン、どちらで作るのが正解か
送り状の作成はパソコンでも手書きでも問題ありませんが、転職活動全般ではパソコン作成が主流です。
転職活動でパソコンが主流の理由
- 整ったレイアウト:ビジネス文書として読みやすい仕上がりになる
- 修正が容易:企業名・職種名・日付を書き換えるだけで次の応募に使える
- 担当者が処理しやすい:多数の書類を読む採用担当者にとって、均一なフォントは読みやすい
手書きが向いているケース
企業が「手書きの履歴書」を明示的に求めている場合は、統一感を持たせるため送り状も手書きにします。老舗企業や伝統的な業界で誠意を文字で伝えたい場合も手書きが選ばれます。手書きの際は黒または青のボールペンを使用し、修正液の使用は避けます。
採用担当者はここを見ている
- 「手書きかパソコンか」より「誤字・脱字がないか」「書類が揃っているか」を重視する
- どちらで作成しても、清潔感のある仕上がりが最低条件になる
採用担当者が見ている送り状のNG例
採用担当者が送り状を読む時間は1〜2分程度です。それでも、送り状の質が履歴書を手に取る気持ちに影響することがあります。よくある失敗を確認しておきましょう。
NG例① 定型文のみで志望動機を添えない
NG例
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。さて、このたびは貴社求人を拝見し、応募書類を送付いたします。よろしくお願い申し上げます。敬具
【NGの理由】定型文だけで、なぜその会社に応募したのかが一切伝わらない
1〜2行でも志望動機を添えると、「この会社に向けて書いた文書」という誠意が伝わります。
NG例② 志望動機・自己PRが長くなりすぎる
送り状は書類の挨拶状であり、自己PRシートではありません。本文を長くしすぎると「要点を絞れない人」という印象を与えます。詳細な実績・スキルは職務経歴書に委ねます。
- 本文の目安:5〜8行程度
- 志望動機・経緯:2〜3行で完結させる
- 具体的な実績数値・スキル詳細は職務経歴書に委ねる
NG例③ 宛名・敬称のミス
| NG例 | 正しい表現 | 理由 |
|---|---|---|
| 株式会社〇〇御中 採用担当者様 | 株式会社〇〇 採用ご担当者様 | 「御中」と「様」の併用は不可 |
| 採用担当様 | 採用ご担当者様 | 「様」は人名の後に付ける敬称 |
| 〇〇株式会社人事部採用御中 | 〇〇株式会社 人事部 採用ご担当者様 | 個人宛には「様」を使う |
NG例④ 毎回同じ文面を使い回す
パソコンで作成した送り状を複数社に使い回すこと自体は問題ありません。ただし、企業名・職種名・日付を書き換えないまま送るミスが実際に起きています。
採用担当者はここを見ている
- 他社の名前が入ったままの送り状は、選考の土俵に上がれないレベルのミスになる
- 送付前に必ず確認する4点:企業名・部署名・職種名・日付
状況別のテンプレート例文
送り状の例文は状況によって書き方が変わります。自分の状況に合ったテンプレートをベースに、企業名・職種名・志望動機を書き換えて使ってください。
転職(中途採用)の場合
テンプレート例文(中途採用)
このたび、貴社の〇〇職の求人を拝見し、応募書類を送付いたします。前職では〇〇業務に5年間従事し、〇〇の経験を積んでまいりました。この経験を貴社の〇〇事業にお役立てしたいと考えております。書類をご確認のうえ、面接の機会をいただけますと幸いです。
キャリアチェンジを目指す場合
異業種・異職種への転職では、現職との接点や活かせるスキルを1〜2行で添えることで、「なぜ今の職種から転換するのか」という疑問を先回りして解消できます。
テンプレート例文(キャリアチェンジ)
このたびは貴社〇〇職の求人に応募させていただきたく、書類を送付いたします。前職では営業職として顧客折衝と提案書作成に従事しておりましたが、〇〇への関心からマーケティング職への転向を目指しております。顧客ニーズの分析・言語化の経験を貴社の〇〇業務に活かせると考えております。
ブランク・転職回数が多い場合
ブランク期間や転職回数が多い場合、採用担当者は「なぜ今の状況になっているのか」を気にします。送り状で言い訳をする必要はありませんが、前向きな姿勢を1文添えるだけで印象が変わります。
テンプレート例文(ブランク・転職回数が多い場合)
このたびは貴社〇〇職の求人に応募させていただきたく、書類を送付いたします。直近は〇〇の事情により一時的にキャリアを中断しておりましたが、現在は〇〇の学習を進めており、即戦力として貢献できる準備が整っております。詳細は同封の職務経歴書に記載しております。
志望動機を書くこと自体に不安がある場合は、志望動機なしの履歴書テンプレートを活用し、送り状側で応募経緯を簡潔に補う方法もあります。
封筒への入れ方と郵送マナー
書類が完成したら、封筒への入れ方と郵送マナーも確認します。細部まで整えることで、採用担当者が書類を受け取ったときの印象が変わります。
書類を封筒に入れる順番
封筒を開けたときに自然な順番で書類が並ぶよう、以下の順に重ねて入れます。折り目をつけずに入れられる角形2号(A4サイズ)の封筒を使います。
- 一番上(最初に見える):送り状(表向き)
- 真ん中:職務経歴書
- 一番下:履歴書
クリアファイルに入れてから封筒に入れると、書類が折れたり汚れたりするリスクを防げます。切手は重さに応じた金額を貼付し、不安な場合は郵便局の窓口で確認します。

封筒の表書き「履歴書在中」と裏面の記載
封筒の左下に「履歴書在中」と赤字で記載します。これにより、採用担当者が多数の郵便物の中から書類を見落とさずに処理できます。市販の「履歴書在中」スタンプを使っても問題ありません。封筒の裏面には差出人の住所・氏名・投函日を記載し、「〆」または「×」マークで封をしたことを示します。
まとめ
- 送り状(添え状)は郵送応募の際に必ず同封するのがビジネスマナーの基本
- A4横書き・パソコン作成が一般的。手書きでも問題ない
- 9項目(日付・宛先・差出人・件名・頭語・時候の挨拶・本文・結語・同封書類)を漏れなく記載する
- 本文には1〜2行で志望動機・応募経緯を添える。定型文だけで終わらせない
- 企業ごとに企業名・職種名・日付の3点を必ず確認してから送る
送り状の書き方に迷ったときは、状況別テンプレートをベースに企業名と志望動機を書き換えるだけで完成します。書類一式が揃ったら、封筒への入れ方と宛名を最後にもう一度確認してから投函します。
履歴書の送り状に関するよくある質問
- 送り状がなくても書類選考を通過できますか?
-
送り状がないことで直接不合格になるわけではありませんが、「基本的なビジネスマナーを知らない」という印象を与えるリスクがあります。郵送で応募する場合は必ず同封します。
- 面接に履歴書を持参する場合も送り状は必要ですか?
-
手渡しの場合は不要です。送り状は郵送時に「誰から何が届いたか」を伝えるための書類のため、対面で書類を直接渡す面接や説明会では省略して問題ありません。
- 送り状はWordで作成すればよいですか?
-
はい、Wordが一般的です。フォントは明朝体かゴシック体を10〜11ptで使用し、余白と行間を整えてA4サイズ1枚に収めます。
- 封筒には何を書けばよいですか?
-
封筒表面に宛先(会社名・部署名・採用ご担当者様)、封筒裏面に差出人の住所・氏名・投函日、封筒左下に「履歴書在中」(赤字)を記載します。
- 送り状は毎回書き換える必要がありますか?
-
はい。企業名・部署名・職種名・日付は毎回書き換えます。企業名の書き換え忘れは大きなミスになるため、送付前に必ず確認します。
- 送り状の志望動機はどこまで詳しく書くべきですか?
-
1〜2行の要点にとどめます。詳しい志望動機や実績は職務経歴書・履歴書に記載する内容のため、送り状で書きすぎると要点を絞れない印象を与えます。

