履歴書の送付状を手書きで書くなら、白無地の便箋に縦書きで、1枚に収めるのが基本です。この記事では、そのまま写せる縦書き・横書きの例文と、月別の時候の挨拶、採用担当者が実際に確認している同封書類欄の書き方、減点につながるNG例をまとめました。
履歴書の送付状 手書きの例文|縦書き・横書きの見本
結論:手書きなら縦書き・白無地の便箋1枚が基本
手書きの送付状は、履歴書と同じサイズ(A4またはB5)の白無地の便箋に、縦書きで作成します。使うのは黒のボールペンか万年筆。分量は便箋1枚に収め、裏面や2枚目にまたがらせません。
横書きが絶対にNGというルールはありません。ただし手書きで横書きにすると罫線と文字のバランスが崩れやすく、縦書きのほうが仕上がりが安定します。迷ったら縦書きを選んでください。
【縦書き】そのまま写せる手書き送付状の例文
縦書きでは、日付・宛名・差出人を本文のあとに置きます。便箋の右端から日付を書き始め、頭語、時候の挨拶、本文、同封書類、結語、そして最後に宛名という並びです。
良い例文(縦書き・中途採用)
令和八年七月十六日
拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社ホームページの求人情報を拝見し、営業職に応募いたしたく、応募書類をお送りいたします。
前職では法人向けの新規開拓営業を五年間担当し、既存顧客のフォロー体制づくりにも携わってまいりました。これまでに培った経験を、貴社の事業に活かしたいと考えております。
つきましては、下記の書類を同封いたしました。ご多用のところ恐縮ですが、ご高覧のうえ、面接の機会を賜りますようお願い申し上げます。
記
一、履歴書 一通
一、職務経歴書 一通
以上
敬具
〒一〇〇-〇〇〇〇
東京都千代田区〇〇一丁目二番三号
電話 〇九〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
山田 太郎
株式会社〇〇〇〇
人事部 採用ご担当 〇〇様
縦書きでは数字を漢数字にします。日付の「令和八年七月十六日」、電話番号や郵便番号も同様です。ハイフンは「-」を縦線として使います。
【横書き】手書き送付状の例文
横書きの場合は順序が変わります。日付を右上、宛名を左上、差出人を右上の日付の下に置き、そのあとに本文が続きます。パソコンで作成する送付状と同じレイアウトです。
良い例文(横書き・中途採用)
2026年7月16日
株式会社〇〇〇〇
人事部 採用ご担当 〇〇様
〒100-0000
東京都千代田区〇〇1-2-3
電話:090-0000-0000
山田 太郎
応募書類送付の件
拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社ホームページの求人情報を拝見し、営業職に応募いたしたく、応募書類をお送りいたします。
前職では法人向けの新規開拓営業を5年間担当し、既存顧客のフォロー体制づくりにも携わってまいりました。これまでに培った経験を、貴社の事業に活かしたいと考えております。
つきましては、下記の書類を同封いたしました。ご多用のところ恐縮ですが、ご高覧のうえ、面接の機会を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
記
1. 履歴書 1通
2. 職務経歴書 1通
以上
例文を写すときに必ず差し替える3箇所
例文をそのまま書き写して失敗するのは、この3箇所を放置したときです。
- 時候の挨拶:投函する月に合わせる(7月なら「盛夏の候」)
- 応募の経緯:どこで求人を見たかを具体的に(ハローワーク紹介、求人サイト名、貴社ホームページ)
- 同封書類の内訳:実際に入れる書類と枚数を一致させる
NG例
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。このたび、貴社の求人を拝見し応募いたします。私は前職で培ったコミュニケーション能力を活かし、御社の発展に貢献したいと考えております。何卒よろしくお願いいたします。
問題は3つあります。時候の挨拶がないため頭語だけが浮いていること、「貴社」と「御社」が混在していること(書き言葉は「貴社」に統一)、そして同封書類の記載が抜けていることです。
採用担当者はここを見ている
- 封を開けた瞬間に「何が何枚入っているか」を照合する。同封書類欄と中身が合わないと、書類の紛失を疑って余計な確認作業が発生する
- 会社名の前株・後株が正確か。「株式会社〇〇」を「〇〇株式会社」と書くミスは、確認不足のサインとして記憶に残る
- 文章の巧拙より、便箋1枚に収まっているかどうか。長い送付状は最後まで読まれない
送付状は手書きとパソコンのどちらが正解か
どちらでも構いません。手書きだから加点される、パソコンだから減点されるという評価基準を持っている企業はほとんどありません。判断の軸は「応募先がどちらを自然と受け取るか」です。
| 状況 | 向いている作成方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 履歴書を手書きで作成した | 手書き | 書類全体の見た目が揃う |
| IT・Web・事務など PCスキルが前提の職種 | パソコン | 手書きだと業務適性の疑問を持たれる余地がある |
| ハローワーク経由・地域の中小企業 | 手書きでも自然 | 手書き文化が残る職場が一定数ある |
| 複数社に同時応募している | パソコン | 宛名の書き間違いリスクを減らせる |
| 字を書くことに苦手意識がある | パソコン | 読みにくい文字は内容以前にマイナス |
手書きとパソコンの判断基準は送付状を手書きにするかどうかの判断ポイントでさらに詳しくまとめています。

採用担当者はここを見ている
- 手書きそのものは評価対象ではない。ただし履歴書がパソコン・送付状だけ手書きという組み合わせは、書類全体がちぐはぐに見える
- 読みにくい字で丁寧に書かれた送付状より、整ったパソコン作成のほうが印象は安定する
手書き送付状の書き方|7つの記載項目を順番に
ハローワークが配布している応募書類の手引でも、送付状は「頭語・前文」で始め、「応募の経緯」「提出する応募書類」を挟み、「結語」で終える構成が示されています。項目はこの7つです。
| 項目 | 縦書きでの位置 | 書き方 |
|---|---|---|
| 日付 | 冒頭(右端) | 投函日を書く。作成日ではない |
| 頭語・時候の挨拶 | 日付の次 | 「拝啓 〇〇の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」 |
| 本文(応募の経緯) | 挨拶の次 | 求人をどこで見て何の職種に応募するかを1〜2行 |
| 本文(自己紹介) | 経緯の次 | 経歴の要点を2〜3行に圧縮 |
| 同封書類 | 「記」以下 | 書類名と枚数を箇条書き。最後に「以上」 |
| 結語 | 本文の末尾 | 頭語が「拝啓」なら「敬具」 |
| 差出人・宛名 | 結語の後 | 差出人(住所・電話・氏名)→宛名の順 |
日付に何を書くかで迷う人は多いのですが、送付状の日付は履歴書の日付と同じく投函日に揃えるのが基本です。履歴書だけ古い日付が残っていると、使い回しを疑われます。

応募の経緯と自己紹介は何行書くか
自己紹介は2〜3行が上限です。送付状は志望動機を語る場所ではありません。志望動機は履歴書と職務経歴書で読むものと決まっているため、送付状に長い自己PRを書くと「同じ話を二度読まされる」状態になります。
書くとすれば、履歴書の内容を要約した1文だけ。「前職では〇〇を△年担当しました」という事実に、「この経験を貴社で活かしたい」と一言添える程度で十分です。
同封書類欄が採用担当者に最も読まれる理由
送付状のなかで、採用担当者が必ず目を通すのが同封書類欄です。挨拶文や自己紹介は流し読みされても、ここだけは開封時に中身と突き合わせられます。応募書類が揃っているかを確認するための実務書類として使われているからです。
同封書類欄の書き方
- 書類名は正式名称で書く(「履歴書」「職務経歴書」「ハローワーク紹介状」)
- 枚数を必ず添える(「一通」「一部」)
- 「記」で始めて「以上」で締める
- 封をする前に、書いた内容と実際の中身を1つずつ指差しで照合する
職務経歴書を同封する場合の書き方は職務経歴書の送付状テンプレートに、記載項目ごとの例をまとめています。

手書き送付状の時候の挨拶|月別の一覧表
パソコンで作る送付状はテンプレートに挨拶文が入っていますが、手書きは自分で選ぶ必要があります。投函する月に合うものを1つ選んで、「拝啓」のあとに続けてください。
| 月 | 時候の挨拶 |
|---|---|
| 1月 | 初春の候/新春の候 |
| 2月 | 立春の候/余寒の候 |
| 3月 | 早春の候/浅春の候 |
| 4月 | 陽春の候/春暖の候 |
| 5月 | 新緑の候/薫風の候 |
| 6月 | 初夏の候/梅雨の候 |
| 7月 | 盛夏の候/猛暑の候 |
| 8月 | 残暑の候/晩夏の候 |
| 9月 | 初秋の候/新涼の候 |
| 10月 | 仲秋の候/秋涼の候 |
| 11月 | 晩秋の候/向寒の候 |
| 12月 | 師走の候/初冬の候 |
投函が月をまたぎそうなときは、書いた月ではなく実際にポストへ入れる月の挨拶を選びます。7月末に書いて8月に投函するなら「残暑の候」です。
状況別 手書き送付状の例文
差し替えが必要なのは、応募の経緯と自己紹介の部分だけです。頭語・時候・同封書類・結語は共通で使えます。
新卒・第二新卒の場合
良い例文
このたび、貴社の新卒採用情報を拝見し、総合職に応募いたしたく、応募書類をお送りいたします。
〇〇大学〇〇学部にて〇〇を専攻し、〇〇に関する研究に取り組んでまいりました。学生時代に培った課題解決の姿勢を、貴社の業務で活かしたいと考えております。
パート・アルバイトの場合
良い例文
このたび、〇〇にて貴社の求人を拝見し、〇〇スタッフのパートに応募いたしたく、履歴書をお送りいたします。
これまで〇年間、接客業に従事してまいりました。現場で身につけた対応力を活かし、長く勤めさせていただきたいと考えております。
パートやアルバイトの応募でも、送付状の構成は正社員と同じです。勤務可能な曜日や時間帯を書きたくなりますが、それは履歴書の本人希望欄に書く内容で、送付状には含めません。
ブランク(離職期間)がある場合
良い例文
このたび、ハローワークにて貴社の求人を拝見し、〇〇職に応募いたしたく、応募書類をお送りいたします。
前職では〇〇を〇年担当いたしました。離職後は〇〇の資格取得に取り組み、現在は就業可能な状態です。これまでの経験を貴社で活かしたいと考えております。
NG例(ブランクの説明が長い)
前職を退職した後、家庭の事情により長らく就業できずにおりました。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、ブランクを取り戻すべく努力する所存です。何卒ご容赦いただければ幸いです。
送付状で弁明を始めると、読む前からマイナス評価が固定されます。離職期間の事情は履歴書と面接で説明する内容です。送付状では「就業可能である」という事実だけを1行で伝えてください。
ハローワーク経由で応募する場合は紹介状の扱いが加わります。詳しい手順はハローワーク応募の送付状の書き方にまとめました。

病院やクリニックへ応募するときは「貴社」ではなく「貴院」、「入社」ではなく「入職」に変わります。病院宛ての送付状の書き方で敬称の使い分けを確認してください。

手書き送付状の便箋・ペン・封筒の選び方
文面が決まっても、道具を間違えると台無しになります。手書きだからこそ選択肢が多く、迷いやすい部分です。
| 道具 | 選ぶもの | 避けるもの |
|---|---|---|
| 便箋 | 白無地・縦罫線。履歴書と同じA4またはB5 | 色つき・柄入り・キャラクター入り・香りつき |
| ペン | 黒のボールペン(0.5〜0.7mm)または万年筆 | 鉛筆・消えるボールペン・青や黒以外の色・極太のサインペン |
| 封筒 | 白の角形2号(A4を折らずに入る) | 茶封筒・小さすぎて三つ折りが必要なサイズ |
| ファイル | 透明のクリアファイル(新品) | 使い古し・色つき・柄入り |
履歴書がB版なら送付状もB版で揃えます。書類のサイズがバラバラだと、重ねたときに端がはみ出して扱いにくくなるためです。
封筒への入れ方と切手代
書類はクリアファイルに挟み、送付状が一番上に来るように重ねます。順番は上から送付状・履歴書・職務経歴書。封筒から出したときに、採用担当者が最初に送付状を目にする向きで入れてください。
切手代の目安(2026年7月時点)
- 角形2号は定形外郵便の規格内にあたる
- 50gまで140円/100gまで180円
- 履歴書・職務経歴書・送付状にクリアファイルを加えた一式は、おおむね180円に収まる
- 不安なら郵便局の窓口で計量して出す。料金不足で返送されると応募期限に間に合わない
封筒に使うペンは便箋とは別に考える必要があります。宛名は油性の黒ペンで太めに書くのが基本です。

封筒の表面には赤字で「履歴書在中」を添えます。記入位置と囲み方のルール、そして郵送全体の流れもあわせて確認しておくと、投函前の抜け漏れを防げます。


採用担当者が減点する手書き送付状のNG例
手書きには、パソコン作成では起こりえない失敗があります。とくに多いのが、書き損じたあとの処理です。
NG例
- 修正液・修正テープで直す:応募書類における唯一の正解は新しい便箋に書き直すこと。二重線+訂正印も送付状では使わない
- 前略・草々を使う:前略は「挨拶を省略します」の意味。初めて送る応募書類には不適切で、拝啓・敬具が基本
- 2枚にまたがる:便箋1枚に収まらない時点で書きすぎ。自己紹介を削る
- 希望条件を書く:給与・勤務地・シフトの希望は送付状に書かない。条件交渉の場と誤解される
- 「〇〇株式会社」と「株式会社〇〇」の取り違え:求人票をそのまま書き写して確認する
- 宛名の「行」を消し忘れる:返信用封筒が同封されていた場合、「行」は二重線で消して「御中」に直す
採用担当者はここを見ている
- 修正液の跡は「書類を清書し直す手間を惜しんだ人」と読まれる。文字の上手さより、この一点のほうが印象に残る
- 送付状の完成度だけで合否が決まることはない。ただし応募期限を守れているかは必ず記録される。書き直しに時間をかけて締切を落とすほうが致命的
- 便箋を数枚多めに用意しておけば、書き損じても即座に書き直せる
クリアファイルの使い方で迷ったら履歴書とクリアファイルの正しい入れ方を、文面のひな型が欲しい場合は添え状のテンプレートも参考になります。


まとめ
- 手書きの送付状は、白無地の便箋に縦書き・1枚が基本。サイズは履歴書に揃える
- 例文を写すときは、時候の挨拶・応募の経緯・同封書類の3箇所を自分用に差し替える
- 採用担当者が必ず読むのは同封書類欄。書類名と枚数を書き、封をする前に中身と照合する
- 自己紹介は2〜3行まで。志望動機や希望条件は送付状に書かない
- 書き損じたら修正液を使わず、新しい便箋に書き直す
- 手書きかパソコンかは評価に直結しない。履歴書の作成方法と揃えるのが自然
送付状は選考の主役ではありません。中身を正確に伝え、書類が揃っていることを示せれば役割は果たせます。便箋を数枚用意して、投函日の朝に書き上げてください。
履歴書の送付状の手書きに関するよくある質問
- 手書きの送付状は横書きでも問題ありませんか?
-
問題ありません。ただし手書きで横書きにすると行間や文字の大きさが揃いにくく、仕上がりが不安定になりがちです。縦罫線の便箋に縦書きで書くほうが失敗が少なく、履歴書を手書きで作成した場合は見た目も揃います。
- 送付状を書き間違えたとき、修正液を使ってもいいですか?
-
使えません。応募書類では修正液・修正テープ・二重線での訂正はいずれも避け、新しい便箋に書き直します。書き損じを見越して便箋を数枚多めに用意しておくと、投函当日に慌てずに済みます。
- 送付状に志望動機を書いたほうが有利になりますか?
-
有利にはなりません。志望動機は履歴書と職務経歴書で読むものと決まっているため、送付状に長く書くと同じ内容を二度読ませることになります。送付状に書くのは、応募の経緯と経歴の要点を2〜3行にまとめたものだけで十分です。
- パートやアルバイトの応募でも送付状は必要ですか?
-
郵送するなら添えます。書類が何枚入っているかを伝える役割は雇用形態に関係なく同じです。構成も正社員応募と変わりません。勤務可能な曜日や時間帯は送付状ではなく、履歴書の本人希望欄に記載してください。
- 送付状の日付は書いた日と投函日のどちらを書きますか?
-
投函日を書きます。履歴書の日付とも揃えてください。前日までに書き上げて翌日に投函する場合は、投函する日付で作成します。時候の挨拶も投函する月に合わせるため、月をまたぐときは書き直しが必要です。

