職務経歴書の語学力は、「資格名・スコア・業務での使用場面」の3点をセットで書くのが基本です。TOEICの点数だけを並べても、採用担当者には「仕事でどこまで使えるのか」が伝わりません。この記事では、TOEIC・英検・日本語能力試験の正式名称と記載例、資格なしや日常会話レベルの書き方、点数に自信がないときの判断基準まで、例文付きで紹介します。
職務経歴書の語学力の書き方【結論と記載例】
結論:「資格名・スコア・使用場面」の3点で書く
職務経歴書は、履歴書よりも「実務で何ができるか」を伝えるための書類です。語学力も同じで、スコアは能力の証明、使用場面は実務で通用することの証明という役割を持ちます。
- 資格名:略称ではなく正式名称で書く(例:TOEIC® Listening & Reading Test)
- スコア・級と取得年月:いつ時点の実力かがわかるようにする
- 使用場面・頻度:メール、電話会議、商談、資料作成など、業務で何をどのくらいしていたか
3つ目の使用場面まで書いている応募者は多くありません。スコアが同じでも、使用場面が書いてあるほうが「入社後すぐに任せられる人」として読まれます。
語学力を書く場所は2か所
職務経歴書には、語学力を書く場所が2つあります。片方だけに書くと、資格の羅列か、根拠のない自己申告のどちらかに見えてしまいます。
| 書く場所 | 書く内容 |
|---|---|
| 「活かせる経験・知識・技術」欄(資格・スキル欄) | 資格の正式名称、スコア・級、取得年月、レベルの補足 |
| 職務経歴(業務内容・実績) | 語学を使った業務の内容、頻度、相手、成果 |
基本の記載例(英語の場合)
良い書き方(活かせる経験・知識・技術欄)
■語学力
・英語:ビジネスレベル
TOEIC® Listening & Reading Test 780点(2025年6月取得)
海外取引先(米国・シンガポール)とのメール対応を毎日、月2回の英語での電話会議に参加
NG例
■語学力
・TOEIC 780点
略称のみで取得年月がなく、実務で使えるかの判断材料もありません。Listening & Readingなのか、Speaking & Writingなのかも伝わりません。
採用担当者はここを見ている
- スコアは「読む・聞く」の目安で、「話す・書く」は職務経歴の記述から判断している
- 求人の応募条件(例:TOEIC 700点以上)を満たしているかを最初に確認している
- 「ビジネスレベル」などの自己申告は、使用場面の記述と矛盾していないかを見ている
【資格別】職務経歴書に書く語学資格の正式名称と書き方
主な語学資格の正式名称一覧
語学資格は略称で呼ばれることが多いため、職務経歴書でも略称のまま書いてしまいがちです。書類では正式名称で書くのがルールなので、下の表で確認してください。
| 通称 | 職務経歴書での書き方(例) |
|---|---|
| TOEIC(L&R) | TOEIC® Listening & Reading Test 〇〇〇点 |
| TOEIC(S&W) | TOEIC® Speaking & Writing Tests 〇〇〇点 |
| TOEIC IPテスト | TOEIC® Listening & Reading IPテスト(オンライン) 〇〇〇点 |
| 英検 | 実用英語技能検定 〇級 合格 |
| TOEFL | TOEFL iBT®テスト 〇〇点 |
| 日本語能力試験(JLPT) | 日本語能力試験 N〇 合格 |
※「TOEICテスト」は2016年8月に「TOEIC Listening & Reading Test」へ名称が変更されています
取得年月とスコアの書き方
取得年月は、公式認定証に記載された受験日(Test date)の年月を書きます。複数回受験している場合は、最も高いスコアか最新のスコアのどちらか1つに絞ってください。和暦か西暦かは、職務経歴書全体の表記に合わせます。
良い書き方(複数の資格がある場合)
2023年11月 実用英語技能検定 準1級 合格
2025年6月 TOEIC® Listening & Reading Test 780点 取得
2025年9月 TOEIC® Speaking & Writing Tests スピーキング140点・ライティング150点 取得
話す・書く力を求める求人なら、Speaking & Writingのスコアがあると評価の根拠が増えます。古い順・新しい順のどちらでも構いませんが、資格欄の中で並び順を統一してください。
【レベル別】資格なし・日常会話・ビジネスレベルの語学力の書き方
語学力のレベル表現と目安
「日常会話レベル」「ビジネスレベル」には公的な定義がありません。だからこそ、レベル表現の後ろに「何ができるか」を1行添えると、読み手との認識のズレを防げます。
| レベル表現 | 書き添える内容の例 | スコアの参考 |
|---|---|---|
| 読み書き程度 | 英文メールを辞書や翻訳ツールを使って読み書きできる | TOEIC L&R 470点前後〜 |
| 日常会話レベル | 旅行や接客で簡単なやり取りができる | TOEIC L&R 470点前後〜 |
| ビジネスレベル | 英語での会議参加、交渉、資料作成ができる | TOEIC L&R 730点前後〜、英検準1級など |
| ネイティブレベル | 母語と同等に、専門的な議論や契約交渉ができる | 海外での長期の就業・就学経験など |
※スコアは「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルの相関」として紹介されている区分(A:860点以上/B:730点〜/C:470点〜)を参考にした目安です
資格なし・日常会話レベルの場合
語学資格がなくても、仕事で使った経験があれば語学力として書けます。スコアの代わりに、使った場面と頻度を具体的に書いてください。
良い書き方(資格なし・日常会話レベル)
・英語:日常会話レベル
ホテルのフロント業務で、外国人宿泊客(1日10組程度)のチェックイン・問い合わせ対応を英語で担当
2026年3月 TOEIC® Listening & Reading Test 受験予定
NG例
・英語:少しできます
「少し」がどの程度かわからず、自信のなさだけが伝わります。謙遜するより、できることを事実として書いてください。
ビジネスレベル・ネイティブレベルの場合
ビジネスレベル以上と書く場合、採用担当者は面接で英語での質問や自己紹介を求めることがあります。書類のレベル表現と面接での受け答えが食い違うと、語学力以外の記載まで疑われます。
良い書き方(ビジネスレベル)
・英語:ビジネスレベル
TOEIC® Listening & Reading Test 885点(2025年2月取得)
欧州代理店5社との価格交渉・契約条件の調整を英語で担当(年間契約更新12件)
英文の製品資料・提案書を月3本程度作成
採用担当者はここを見ている
- 「交渉」「契約」「プレゼン」など、相手と利害を調整する場面で使っていたか
- メールだけなのか、会話もしていたのか(同じビジネスレベルでも求人によって必要な力が違う)
- 留学経験だけで「ネイティブレベル」と書いていないか
TOEICは何点から職務経歴書に書く?採用担当者の判断基準
判断軸は点数の下限ではなく「応募先が求める水準」との差
「700点以下なら書かないほうがいい」という意見もありますが、TOEICのスコアは何点からでも書いて構いません。迷うべきなのは点数そのものより、応募先が英語をどのくらい使う職場なのかです。同じ600点でも、英語をほとんど使わない職場ではプラス材料になり、英語を毎日使う職場では力不足の証明になりかねません。
| 応募先の状況 | 判断 |
|---|---|
| 求人票にスコア条件がある(例:700点以上) | 条件を満たしていれば必ず書く。満たしていなければ、使用経験と学習状況を添えて書く |
| 英語を日常的に使う職種(外資系・海外営業・貿易事務など) | スコアより使用経験を厚く書く。目安を大きく下回る点数は、受験予定や学習中の内容とセットにする |
| 英語をほとんど使わない職種 | 点数に関係なく書いてよい。学習を続ける姿勢の証明になる |
英語を使う求人で「書くか、書かないか」と悩むなら、書いたうえで現在の学習状況を添えるほうが得策です。空欄だと「英語経験なし」と同じ扱いになり、検索や絞り込みの段階で候補から外れることもあります。
古いスコア・勉強中の場合の書き方
TOEICのスコア自体に有効期限はありませんが、公式認定証の再発行は試験日から2年以内に限られており、企業側も直近2年程度のスコアを目安にすることがあります。数年前のスコアしかない場合は、取得年月を正直に書き、現在も使っている場面を添えてください。
良い書き方(古いスコア+勉強中)
2019年5月 TOEIC® Listening & Reading Test 690点 取得
現在、2026年1月の受験に向けて週3回オンライン英会話を受講中

職務経歴の中で語学力を伝える書き方【職種別例文】
資格欄に書いたスコアの裏付けになるのが、職務経歴の記述です。「誰と」「何を」「どのくらい」の3つを入れると、語学力が業務の成果と結びついて伝わります。
営業職の場合
良い書き方(営業職)
【業務内容】東南アジア向け産業機械の法人営業
・現地代理店3社との商談・価格交渉を英語で実施(月8回程度)
・英語での提案書作成から受注までを一貫して担当し、2025年度の海外売上を前年比120%に拡大
営業職では、語学力そのものより「語学を使って売上をどう伸ばしたか」が評価されます。全体の構成は営業の職務経歴書テンプレートを使うと、実績の書き方と合わせて整えられます。
事務・貿易事務の場合
良い書き方(貿易事務)
【業務内容】輸出入業務全般
・インボイス、パッキングリストなど英文書類の作成(月40件程度)
・海外仕入先との納期調整を英文メールで行い、出荷遅延を前年の月平均5件から1件に削減
NG例
・英語を使った事務業務
どんな書類を、どのくらい扱ったのかがわかりません。英文書類の種類と件数を書くだけで、即戦力かどうかの判断材料になります。
事務職の書類全体を作るなら、事務の職務経歴書テンプレートに語学の記述を足していくと作業が早く進みます。
エンジニアの場合
良い書き方(エンジニア)
【業務内容】Webアプリケーションのバックエンド開発
・インドの開発チーム(6名)と英語で週次の進捗会議を実施
・英語の技術ドキュメントを読み、海外製ライブラリの導入とトラブル対応を担当
・設計書・仕様書を英語で作成
エンジニアは、会話よりも「英語のドキュメントを読める」「海外チームと仕様を詰められる」ことが評価につながります。技術スキルとあわせて書くならエンジニアの職務経歴書テンプレートが使えます。
外国籍の方の職務経歴書|日本語・母国語の語学力の書き方
日本語は日本語能力試験の級と業務での使用実績で書く
外国籍の方が日本企業に応募する場合、採用担当者が最初に確認するのは日本語力です。日本語能力試験はN1〜N5の5段階で、N1は「幅広い場面で使われる日本語を理解することができる」、N2は「日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる」レベルとされています。
良い書き方(外国籍の方の日本語)
■語学力
・日本語:ビジネスレベル
2024年12月 日本語能力試験 N1 合格
日本人顧客への電話・メール対応、社内会議での報告を日本語で担当(敬語での顧客対応経験3年)
・ベトナム語:ネイティブ
・英語:日常会話レベル
NG例
・JLPT N2
略称のみで、合格年月も使用経験もありません。N2でも、日本語での接客や事務の経験を書けば実務での日本語力が伝わります。
母国語・第三言語の書き方
- 母国語:「〇〇語:ネイティブ」と明記する。資格は不要
- 第三言語:日本語と同じく、レベル表現+資格+使用場面で書く
- 並び順:応募先の業務で使う言語を上に書く(日本企業なら日本語を最初に)
母国語は、日本企業にとって海外拠点や外国人顧客への対応力として評価されることがあります。「当たり前のこと」と省略せず、必ず書いてください。
日本人は職務経歴書に「日本語」を書く必要がある?
日本人が日本語の職務経歴書を出す場合、「日本語:ネイティブ」と書く必要はありません。ただし、外資系企業への応募や英文の職務経歴書(レジュメ)では、使える言語を一覧で示すのが一般的なため「Japanese: Native」と書いておくと親切です。

職務経歴書の語学力欄でよくあるNG例と提出前チェックリスト
語学力の記載は、小さな書き方の違いで「盛っている」「雑」という印象につながります。提出前に、次の表で自分の書き方を確認してください。
| NG例 | 正しい書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| TOEIC 750点 | TOEIC® Listening & Reading Test 750点 | 略称では試験の種類が伝わらない |
| 英検2級 | 実用英語技能検定 2級 合格 | 正式名称で書くのが書類のルール |
| 英語:ペラペラ | 英語:ビジネスレベル(商談・会議で使用) | 口語表現は書類にふさわしくない |
| 取得年月なし | 2025年6月取得 | いつ時点の実力か判断できない |
| 留学1年=ネイティブレベル | 日常会話レベル(語学留学1年) | 面接で実力との差が出ると信頼を失う |
| 資格欄だけに記載 | 職務経歴にも使用場面を記載 | 実務で使えるかの裏付けがない |
採用担当者はここを見ている
- 職務経歴書と履歴書で、資格名・スコア・取得年月が一致しているか
- レベル表現が、職務経歴に書かれた業務内容と釣り合っているか
- 応募書類のどこかに誇張がないか(1か所の誇張で書類全体の信頼性が下がる)

まとめ
- 3点セットで書く:資格名(正式名称)・スコアと取得年月・業務での使用場面
- 書く場所は2か所:活かせる経験・知識・技術欄と、職務経歴の業務内容
- 資格なしでも書ける:レベル表現に「何ができるか」を1行添える
- TOEICは何点からでも書ける:迷ったら応募先が求める水準と比べ、学習状況を添える
- 外国籍の方は日本語を最初に:日本語能力試験の級と、日本語での業務経験をセットで書く
語学力を書いた職務経歴書には、履歴書の資格欄も同じ内容で揃える必要があります。転職用の履歴書テンプレートを使えば、職務経歴書と表記を合わせたまま短時間で仕上げられます。
職務経歴書の語学力に関するよくある質問
- TOEICの点数が低くても職務経歴書に書いていいですか?
-
何点からでも書いて構いません。英語をあまり使わない職種なら、学習を続けている証明になります。英語を日常的に使う職種で目安を下回っている場合は、業務での使用経験や次回の受験予定を添えて、現在の実力と伸びしろの両方が伝わるように書いてください。
- 語学の資格がない場合、語学力欄は空欄でいいですか?
-
仕事や留学で語学を使った経験があれば、資格がなくても書けます。「英語:日常会話レベル(外国人客の接客を担当)」のように、レベル表現と使用場面をセットにしてください。使った経験もない場合は、無理に書かず空欄で問題ありません。
- 「ビジネスレベル」と書く基準はありますか?
-
公的な基準はありません。目安としては、英語での会議参加・交渉・資料作成を業務で行っていた場合に使う表現です。スコアの参考にはTOEIC Listening & Reading Testの730点前後以上がよく挙げられますが、面接で英語の受け答えを求められても対応できるかを基準に判断してください。
- 外国籍で日本語能力試験を受けていない場合、日本語力はどう書けばいいですか?
-
日本語で行った業務を具体的に書いてください。「日本人顧客への電話対応を日本語で担当」「日本語で議事録を作成」のように書けば、資格がなくても実務で使える日本語力が伝わります。受験予定があれば、受験年月もあわせて書いておくと評価の材料が増えます。

