送付状を縦書きで書くときは、結語のあとに「日付→差出人→宛名→記書き」の順で締めるのが正解です。横書きのテンプレートとは項目の並び順が変わるため、そのまま縦にしただけでは形式が崩れます。並び順・漢数字のルール・そのまま使える例文を、採用担当者が実際に見ているポイントとあわせてまとめました。
縦書きの送付状の書き方と例文【並び順が結論】
縦書きは「日付→差出人→宛名→記書き」の順で締める
縦書きの送付状でつまずく原因は、ほぼ一点に集約されます。横書きでは冒頭に置く日付・宛名・差出人が、縦書きでは後半に移動するという点です。
手紙の作法では、日付・署名・宛名の3点をまとめて「後付(あとづけ)」と呼びます。後付は本文を書き終えて結語で締めたあとに置くのが決まりです。同封書類を並べる「記書き」は、その後付よりさらに後、便箋の最後に配置します。
縦書き送付状の記載順序
便箋の右側から左側へ向かって、次の順で書き進めます。
| 順番 | 項目 | 書く内容 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 1 | 頭語・時候の挨拶 | 拝啓+季節の挨拶+安否の挨拶 | 1行目から |
| 2 | 主文 | 「さて、」で始め、応募の経緯と用件 | 1字下げ |
| 3 | 末文 | ご検討・面接のお願い | 1字下げ |
| 4 | 結語 | 敬具 | 行の下部 |
| 5 | 日付 | 和暦+漢数字(令和八年七月十七日) | 結語の次の行・上部 |
| 6 | 差出人 | 住所・氏名・電話番号・メールアドレス | 下寄せ |
| 7 | 宛名 | 会社名・部署名・役職・氏名 | 行の上半分 |
| 8 | 記書き | 記/同封書類と部数/以上 | 最後 |
宛名は行の上半分に収め、下半分にずれ込ませません。逆に差出人の氏名は行の一番上(行頭)から始めず、少し下げた位置から書きます。相手を上、自分を下に置くという縦書きならではの配置です。
そのまま使える縦書き送付状の例文
実際の便箋では縦に流れますが、記載順がわかるよう上から順に並べています。書き写す際は、この順序のまま右の行から左の行へ移してください。
良い例文
拝啓 盛夏の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度は貴社営業職の求人を拝見し、応募させていただきました。前職では法人向けの新規開拓を五年間担当し、既存顧客の掘り起こしにも携わってまいりました。貴社が注力されている地域密着型の提案営業に、この経験を活かしたいと考えております。
つきましては、履歴書と職務経歴書を同封いたしました。ご多用のところ恐縮ではございますが、ご高覧のうえ、面接の機会を頂戴できますと幸いです。
敬具
令和八年七月十七日
東京都新宿区西新宿一丁目二番三号
山田 太郎
電話 090-1234-5678
メール taro.yamada@example.com
株式会社ジョブリー
人事部 採用ご担当 佐藤 様
記
一、履歴書 一通
一、職務経歴書 一通
以上
NG例
2026年7月17日
株式会社ジョブリー 人事部 御中
山田太郎
拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。(中略)敬具
記
・履歴書 1通
・職務経歴書 1通
以上
横書きの並び順をそのまま縦にしたのが最大の問題です。日付・宛名・差出人を冒頭に置き、記書きを敬具の直後に続けています。縦書きではこの4項目はすべて結語より後ろに来ます。加えて西暦と算用数字を使っている点、「人事部 御中」と「様」を併用しかねない宛名、中黒の箇条書きも縦書きには馴染みません。
採用担当者はここを見ている
- 同封書類と部数が正確か:封を開けた担当者は、まず中身が揃っているかを確認します。記書きの部数が実物と合っていれば、その場で照合が終わります
- 用件が3行以内で読み取れるか:どの求人に応募したのかが主文の冒頭でわかると、担当者は該当の募集要項をすぐ引き当てられます
- 自己PRが控えめか:送付状は挨拶状です。ここで長々と語ると、履歴書を読む前に「要点をまとめられない人」という印象がつきます
同封する履歴書がまだ手元にない場合は、転職用の履歴書テンプレートを使うと、送付状に書く同封書類の名称と枚数がそのまま確定します。
縦書きと横書きで変わる4つのルール
縦書きにすると変わるのは並び順だけではありません。数字の表記・用紙・筆記具まで含めて、横書きとは別のルールが適用されます。
| 項目 | 縦書き(手書き) | 横書き(PC作成) |
|---|---|---|
| 日付・宛名・差出人の位置 | 本文と結語のあと | 本文の前(冒頭) |
| 記書きの位置 | 宛名のあと(最後) | 結語のあと |
| 年の表記 | 和暦(令和八年) | 西暦・和暦どちらでも可 |
| 数字 | 漢数字(一、二、三) | 算用数字(1、2、3) |
| 用紙 | 白無地または罫線入りの便箋 | A4のコピー用紙 |
数字は漢数字にする、ただし例外がある
縦書きでは数字を漢数字にそろえます。日付は「令和八年七月十七日」、同封書類の部数は「一通」「二部」と書きます。前職の在籍年数を書く場合も「五年間」です。
漢数字にしなくてよいもの
- 電話番号・郵便番号:連絡先として実用性が優先されます。算用数字のまま書いて構いません
- メールアドレス:英数字をそのまま書きます。読み間違いを防ぐため、丁寧に一文字ずつ書くことのほうが重要です
- 固有名詞に含まれる数字:資格名や商品名の一部であれば、正式名称を優先します
住所の番地は漢数字が原則です。「一丁目二番三号」のように書き、ハイフンでの省略は避けます。封筒の宛先も同じ考え方で書くことになるため、番地の変換に迷ったときは封筒側のルールとあわせて確認しておくと二度手間になりません。

便箋は白無地か薄い罫線を選ぶ
送付状はビジネス文書です。柄物・色付き・キャラクター入りの便箋は使いません。白またはごく薄いクリーム色の無地か、縦罫線が入ったものを選びます。罫線入りは行がまっすぐ揃うため、手書きに慣れていない人ほど仕上がりが安定します。
分量は便箋1枚に収めるのが鉄則です。2枚目に日付や宛名だけがはみ出す形は、手紙の作法として避けるべきものとされています。書ききれないと感じたら、文章を削って1枚に収めてください。
ペンは黒のボールペン、書き損じたら書き直す
黒の油性ボールペンを使います。摩擦で消えるボールペンは、輸送中の熱や保管中に文字が消える可能性があるため使いません。
書き間違えたときは、修正液・修正テープ・二重線のいずれも使わず、新しい便箋に書き直します。応募書類全般に共通するルールで、履歴書本体も同じ扱いです。
縦書きの送付状の項目別の書き方
前文:頭語と時候の挨拶
「拝啓」から始め、1字分空けて時候の挨拶を続けます。結語の「敬具」と必ずセットで使います。時候の挨拶は月に合わせて選びます。
| 時期 | 時候の挨拶 |
|---|---|
| 1〜2月 | 厳寒の候/向春の候 |
| 3〜4月 | 早春の候/陽春の候 |
| 5〜6月 | 新緑の候/初夏の候 |
| 7〜8月 | 盛夏の候/残暑の候 |
| 9〜10月 | 初秋の候/秋冷の候 |
| 11〜12月 | 晩秋の候/師走の候 |
季節を問わず使える「時下」も選択肢です。「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」とすれば、投函が月をまたいでも表現がずれません。
主文:応募の経緯を先に書く
「さて、」で書き起こし、どの求人に応募したのかを最初に書きます。求人媒体名や職種名を具体的に入れると、担当者が募集要項を特定しやすくなります。
そのあとに経歴の要約を2〜3行添えます。ここは志望動機の場ではありません。詳細は履歴書と職務経歴書に書くという前提で、興味を持ってもらうための入口だけを用意します。新卒での応募であれば、新卒用の履歴書テンプレートの記載内容とトーンをそろえておくと、書類全体の印象が一貫します。
末文と結語
「ご高覧のうえ、面接の機会を頂戴できますと幸いです」のように、書類に目を通してほしいことと面接の希望を伝えます。結語の「敬具」は行の下部に書きます。
後付:日付・差出人・宛名
結語の次の行から後付が始まります。順番は日付、差出人、宛名です。
- 日付:投函日を和暦と漢数字で書きます。書いた日ではなく出す日です
- 差出人:住所・氏名・電話番号・メールアドレス。氏名は行頭から始めず、少し下げた位置から書きます
- 宛名:会社名から書き、部署名・役職・氏名と続けます。行の上半分に収めます
宛名で最も多いミスが敬称です。担当者名がわかっているなら「様」、部署宛なら「御中」で、両方を重ねて使うことはできません。「人事部御中 佐藤様」は誤りで、「人事部 佐藤様」とします。会社名は「(株)」と略さず「株式会社」と正式名称で書きます。
記書き:記・同封書類・以上
宛名のあと、便箋の最後に配置します。「記」を書いて改行し、同封する書類名と部数を並べ、最後に「以上」で締めます。縦書きでは中黒(・)ではなく「一、」で項目を起こします。
記書きの書き方
記
一、履歴書 一通
一、職務経歴書 一通
以上
職務経歴書を同封する場合は、書類名を送付状に書く前に中身を固めておきます。ハローワーク経由の応募であればハローワーク用の職務経歴書テンプレートが実務の形式に合っています。
送付状は縦書きと横書きどちらにすべきか
手書きなら縦書き、PC作成なら横書き
判断の軸は「どちらが丁寧か」ではなく「作成方法に合っているか」です。手書きで便箋に書くなら縦書き、パソコンでA4用紙に作るなら横書きが自然な組み合わせになります。
転職市場全体では、PC作成の横書きが主流です。縦書きだから評価が上がる、横書きだから減点されるという関係はありません。形式そのものより、応募先が求める提出方法に沿っているかのほうが見られています。
縦書きを選ぶ価値があるケース
採用担当者はここを見ている
- 応募書類が手書き指定のとき:履歴書が手書きなのに送付状だけ印刷だと、書類の温度感がちぐはぐに映ります
- 伝統や礼節を重んじる業種:士業、老舗の製造業、冠婚葬祭関連など、日常業務で縦書き文書を扱う職場では違和感なく受け取られます
- 字に自信があるとき:縦書きは字の崩れが目立ちます。読みづらい字で縦書きにするくらいなら、横書きのPC作成のほうが確実です
迷ったら横書きのPC作成で問題ありません。手書きにすべきかどうかの判断軸は、こちらで詳しくまとめています。

用紙の規格から整えたい場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを土台にすると、送付状とサイズがそろって封筒にも収まりやすくなります。
縦書きの送付状でやりがちなNG例
形式の間違いは、内容の良し悪し以前の段階で目に入ります。投函前に次の5点を確認してください。
NG例
- 横書きの順序を流用する:日付と宛名を冒頭に置き、記書きを敬具の直後に続けるパターン。縦書きでは4項目とも結語より後ろです
- 算用数字が混ざる:「令和8年7月17日」のように和暦と算用数字を混在させる形。日付と部数は漢数字にそろえます
- 頭語と結語が対応していない:「拝啓」で始めて「草々」で締める形。拝啓には敬具です
- 自己PRを書き込みすぎる:便箋が文字で埋まるほど書くと、挨拶状の役割を超えます。経歴の要約は2〜3行にとどめます
- 記書きの部数が実物と合っていない:「二通」と書いて1通しか入っていないと、担当者は不足を疑って確認の手間を負います
封入は、送付状を一番上にして履歴書・職務経歴書の順に重ね、クリアファイルに入れて封筒へ収めます。開封した担当者が最初に送付状を目にする向きです。封筒の書き方や切手代を含めた郵送の流れは、こちらで確認できます。

まとめ
- 縦書きは「前文→主文→末文→結語→日付→差出人→宛名→記書き」の順。横書きと違い、日付・宛名・差出人・記書きはすべて結語より後ろに置く
- 日付は和暦+漢数字、同封書類の部数も漢数字。電話番号・郵便番号・メールアドレスは算用数字と英数字のまま
- 宛名は行の上半分、差出人の氏名は行頭から下げた位置。「御中」と「様」は併用しない
- 白無地か薄い罫線の便箋1枚に収め、黒の油性ボールペンで書く。書き損じたら書き直す
- 手書きなら縦書き、PC作成なら横書き。縦書きだから有利になるわけではない
送付状で差がつくのは文章の巧みさではなく、担当者が中身を確認する手間をどれだけ減らせるかです。記書きの部数まで実物と合わせておけば、それだけで十分に伝わります。
縦書きの送付状に関するよくある質問
- 縦書きの送付状で日付は西暦でもいいですか?
-
縦書きでは和暦+漢数字が基本です。「令和八年七月十七日」と書きます。西暦と算用数字は横書きで使うものと考えてください。なお履歴書側を西暦で統一している場合でも、送付状の縦書き部分だけは和暦にして問題ありません。書類ごとの体裁が優先されます。
- 縦書きの送付状に電話番号を書くとき、漢数字にすべきですか?
-
算用数字のままで構いません。電話番号やメールアドレスは連絡手段としての正確さが優先されるため、漢数字にすると逆に読み取りづらくなります。漢数字にそろえるのは日付・住所の番地・同封書類の部数だと考えてください。
- 記書きは「敬具」の直後に書いてはいけませんか?
-
横書きでは結語のあとに記書きを置きますが、縦書きでは日付・差出人・宛名(後付)を先に書き、記書きは便箋の最後に配置します。横書きのテンプレートをそのまま縦にすると、この順序が入れ替わってしまうため注意してください。
- 縦書きの送付状が便箋1枚に収まりません。2枚にしてもいいですか?
-
1枚に収まるよう文章を削ってください。手紙の作法では、2枚目に日付や宛名だけが残る形は避けるべきものとされています。分量が増える原因はほぼ主文の自己PRです。経歴の要約は2〜3行にとどめ、詳細は職務経歴書に譲れば1枚に収まります。
- 送付状を縦書きにすると採用で有利になりますか?
-
有利にはなりません。縦書きか横書きかで評価が変わることはなく、応募書類の中身で判断されます。縦書きを選ぶ意味があるのは、履歴書を手書きで作成していて書類全体の体裁をそろえたい場合や、応募先が縦書き文書を日常的に扱う業種の場合です。

