履歴書の二重線での訂正は、書き直す時間がどうしてもないときに限り認められる最終手段です。二重線と訂正印を正しく使えば、訂正しても選考に大きな影響はありません。ただし修正テープや消せるボールペンでの訂正は、書類の信頼性を損なうため使用できません。この記事では、正しい訂正の手順と、訂正で済ませてよい箇所・必ず書き直すべき箇所の基準を、採用担当者の視点から解説します。
履歴書の二重線訂正はOK?結論と正しい訂正手順
結論:二重線+訂正印なら訂正してもよい
結論として、二重線と訂正印を使った訂正は、履歴書のマナー違反ではありません。ただし、これはあくまで「書き直す時間が本当にないとき」の最終手段です。手書きの履歴書は1文字でも間違えたら最初から書き直すのが基本で、二重線訂正は「できるけれど、できれば避けたい」ものだと考えてください。
採用担当者はここを見ている
- 訂正跡があると「提出前に見直していない」と受け取られやすい
- 訂正が複数あると「この会社への志望度が低いのでは」と疑われる
- 事務・経理・医療事務など正確性が問われる職種では特に減点対象になりやすい
採用担当者は履歴書の内容だけでなく、書類全体の丁寧さから応募者の仕事ぶりを推測します。書き間違いそのものよりも、それをどう処理したかのほうが印象を左右すると覚えておいてください。
二重線+訂正印の正しい手順
- 間違えた文字の上に、定規を使ってまっすぐな二重線を引く(フリーハンドの斜め線は避ける)
- 二重線に少しかかるように、右上または上部に訂正印を押す
- 二重線のすぐ上か下の空いたスペースに、正しい内容を書く
- 訂正は1か所にとどめる。複数箇所になるなら書き直す
良い例
生年月日の数字を1文字間違えた箇所に、定規で二重線を引き、右上に朱肉の認印を1つ押す。線のすぐ上に正しい数字を書き添える。訂正はこの1か所のみにとどめる。
NG例
間違えた箇所をぐしゃぐしゃと塗りつぶし、訂正印なしで横に書き直す。さらに別の欄も同じように直して訂正が3か所に増える。塗りつぶしと訂正印なしは、書き換えを疑われる原因になる。
訂正印は何を使う?シャチハタ・ゴム印はNG
訂正印には、朱肉を使って押す印鑑を使用します。狭いスペースに押すため、直径6mm程度の小さな印鑑が扱いやすく見た目もきれいです。認印でも問題ありませんが、次のものは避けてください。
| 使える印鑑 | 使えない印鑑 |
|---|---|
| 朱肉で押す認印(6mm前後) | シャチハタ(インク浸透印) |
| 訂正印専用の小さな印鑑 | ゴム印 |
| 本人が普段使う実印以外の印鑑 | 日付や数字が消えやすいスタンプ類 |
シャチハタは経年でインクが薄れやすく、公的な書類の訂正印としては認められないのが一般的です。手元に印鑑がなければ、無理に訂正せず書き直しに切り替えたほうが安全です。
手書き指定がない求人であれば、そもそも印鑑や二重線で悩む必要がありません。厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートを使えば、パソコンで作成した書類をそのまま印刷して提出できます。
やってはいけない履歴書の訂正方法
二重線と訂正印以外の方法で間違いを消そうとすると、印象を悪くするだけでなく、書類の信頼性そのものを損ないます。手軽に見える方法ほど落とし穴があります。
修正テープ・修正液が絶対NGな理由
履歴書は、選考に使われる正式な応募書類です。修正テープや修正液で上書きすると、元々何が書かれていたのか、本人が直したのかが判別できなくなります。改ざんと区別がつかず、書類の信頼性が失われるため使用は認められていません。
「たった1文字だから」と修正テープで直したくなる場面もありますが、採用担当者は1文字の処理から仕事の丁寧さを見ています。手間でも二重線+訂正印か、書き直しを選んでください。
消せるボールペン・砂消し・カッターもNG
- 消せるボールペン:摩擦熱で文字が消えるため、真夏の郵送中や保管中に内容が消える恐れがある。改ざんも容易で公的書類には不向き
- 砂消しゴム・カッターで削る:紙の表面が傷んで削り跡が残り、かえって目立つ。破れる原因にもなる
- 上から濃く塗り重ねる:元の文字が透けたり汚れて見えたりして、印象が悪い
履歴書を書くときは、最初から油性またはゲルインクの黒ボールペンを使うのが基本です。手書き自体に不安がある場合は、ペン選びの基準を確認しておくと安心です。

二重線で直すか書き直すか|状況別の判断
「二重線で済ませていいのか、書き直すべきか」は、残された時間と間違いの数で判断できます。迷ったときは次の表を目安にしてください。
| あなたの状況 | おすすめの対応 |
|---|---|
| 提出まで時間に余裕がある | 書き直す(最も印象が良い) |
| 提出直前で書き直す時間がない・間違いは1か所 | 二重線+訂正印で丁寧に訂正 |
| 間違いが2か所以上ある | 書き直す(訂正だらけは避ける) |
| 氏名・生年月日・志望動機の欄 | 時間がなくても必ず書き直す |
氏名・生年月日・志望動機のように選考の土台となる欄は、訂正跡があるだけで書類全体の信頼性を疑われやすくなります。重要な欄の誤りだけは、時間がなくても書き直すのが安全です。訂正印を押したからといって必ず不利になるわけではありませんが、合否を分けるポイントは事前に知っておくと安心です。

履歴書を提出した後に間違いに気づいたら
すでに郵送・提出した後で間違いに気づいた場合は、放置せず応募先の採用担当者に連絡します。黙って再提出したり、面接で指摘されるまで待ったりするのは避けてください。自分から申し出るほうが誠実な印象につながります。
- 間違いに気づいたら、できるだけ早くメールまたは電話で連絡する
- どの欄をどう間違えたかを簡潔に伝え、差し替えの可否を確認する
- 担当者の指示に従い、必要なら訂正した履歴書を送り直す
連絡メールの例文
お世話になっております。〇月〇日に履歴書を郵送いたしました、〇〇(氏名)と申します。提出後に、志望動機欄の一部に誤りがあることに気づきご連絡いたしました。差し支えなければ、訂正した履歴書を再提出させていただきたく存じます。ご確認のほどよろしくお願いいたします。
連絡する際は、言い訳を並べず事実と対応の希望を端的に伝えるのがコツです。緊急でなければ、相手の時間を奪わないメール連絡が無難です。日付欄など特定の項目だけを間違えた場合の対処法は、以下も参考にしてください。

書き間違いを防ぐ3つの対策
そもそも書き間違いを起こさないことが、最も確実な対策です。手書き履歴書を完璧な状態で仕上げるために、以下の3つの方法を実践してみてください。
- 鉛筆で下書きしてからボールペンでなぞる:文字の配置と改行位置が決まり、はみ出しを防げる(ペン入れ後は下書きを消す)
- 見本となる下書きをA4用紙で作っておく:本番の記入時に迷いなく書き写せるため、書き間違いが格段に減る
- 予備の用紙を2〜3枚多めに用意する:書き損じても慌てず書き直しに切り替えられる
採用企業が手書き指定をしていない場合は、パソコンで作成した履歴書を印刷して提出する方法が最も確実です。誤字があっても簡単に修正でき、きれいな仕上がりで提出できます。応募先の状況に合わせて、テンプレートを使い分けると効率的です。
- 転職活動中の方は転職用の履歴書テンプレートが職歴欄の書きやすさに配慮された構成です
- 新卒で就活中の方は新卒用の履歴書テンプレートで学歴・ゼミ・サークル欄を整理しやすくなります
- アルバイトに応募する方はアルバイト用の履歴書テンプレートを使うと必要項目に絞って短時間で作成できます
まとめ
- 履歴書の二重線+訂正印による訂正は、書き直す時間がないときの最終手段として認められる
- 訂正印は朱肉を使う認印を選び、シャチハタ・ゴム印は避ける
- 修正テープ・修正液・消せるボールペンの使用は絶対NG
- 訂正は1か所まで。氏名・生年月日・志望動機の誤りは必ず書き直す
- 提出後に気づいたら、迷わず電話かメールで連絡するのが誠実な対応
書類選考は採用担当者があなたを初めて知る場です。訂正跡のない履歴書が、あなたの誠実さを伝える第一歩になります。
履歴書の二重線に関するよくある質問
- 二重線での訂正は採用に不利になりますか?
-
1か所のみの訂正で、二重線+訂正印の正しい手順を踏んでいれば、それだけで不採用になることは基本的にありません。ただし訂正跡は良い印象にはならないため、時間があれば書き直しをおすすめします。特に志望動機欄や氏名欄の誤りは必ず書き直してください。
- 訂正印はシャチハタでも大丈夫ですか?
-
シャチハタ(スタンプ式のインク印)は避けるのが無難です。インクがにじみやすく印影が変わりやすいため、正式な訂正として認められない場合があります。朱肉を使う認印(三文判でも可)を使用してください。
- 書き間違いが2か所ある場合はどうすればよいですか?
-
2か所以上の書き間違いがある場合は、書き直しを選んでください。複数の訂正印がある履歴書は書類全体の完成度が低く見え、採用担当者に「準備に余裕がない人」という印象を与えやすくなります。
- 修正テープを使った履歴書はそのまま提出できますか?
-
修正テープを使った履歴書はそのまま提出しないでください。修正テープ・修正液の使用は、第三者による書き換えの可能性を残すため、書類の信頼性が損なわれます。手元にあるなら新しい用紙に書き直してください。

