最終学歴が高卒になる場合、高校の編入・転入を書かないと入学年と卒業年のつじつまが合わなくなるため、前の高校と編入先の高校を両方書くのが正解です。中退や通信制への転校を知られたくない気持ちがあっても、事実どおりに書いたほうが書類選考も面接も進めやすくなります。この記事では、編入学と転入学の書き分け、通信制高校に在学中の書き方、例外的に書かずに済むケースを記入例つきで紹介します。
履歴書で高校の編入・転入を書かないのはNG?結論と記入例
結論:高卒なら前の高校と編入先の両方を書く
高校の学歴を「入学」と「卒業」の2行で書く場合、編入や転入を省くと卒業した高校に実際より前から在籍していたように見えてしまいます。卒業した通信制高校の名前で「入学」と書けば、入学年月が事実と異なる記載になります。
書くべき内容は次の3点です。行数は増えますが、採用担当者は「何があったか」より「正確に書けているか」を見ています。
- 最初に入学した高校名と入学年月
- 移った先の高校名と、移った年月(「転入学」または「編入学」)
- 卒業した年月(在学中なら「在学中」や「卒業見込み」)
「編入学」と「転入学」の見分け方
どちらも「途中から別の高校に入る」ことですが、前の高校に籍があるまま移ったかどうかで呼び方が変わります。和歌山県教育委員会の案内では、次のように区別されています。
| 区分 | どんな場合か | 履歴書の書き方 |
|---|---|---|
| 転入学 | 高校に在籍したまま、別の高校の相当学年に移った | 〇〇高等学校 転入学 |
| 編入学 | 高校を中途退学した後や、海外から帰国した後などに、第1学年の途中または第2学年以上に入った | (前の高校)中途退学 〇〇高等学校 編入学 |
参考:和歌山県教育委員会「高等学校の転入学・編入学」
自分がどちらに当たるか分からない場合は、通信制高校の入学時の書類(合格通知や入学許可書)の表記を確認するのが確実です。全日制から通信制へ空白なく移った人の多くは「転入学」、一度辞めてから入り直した人は「編入学」になります。
転入学の記入例(全日制から通信制へ移った場合)
前の高校を辞めずに移っているため、「中途退学」は書きません。入学した高校の次の行に、移った先の高校名と「転入学」を書きます。
良い書き方(転入学の場合)
令和5年 4月 〇〇県立△△高等学校 普通科 入学
令和6年 9月 □□高等学校 普通科(通信制課程) 転入学
令和8年 3月 □□高等学校 普通科(通信制課程) 卒業
NG例
令和5年 4月 □□高等学校 普通科 入学
令和8年 3月 □□高等学校 普通科 卒業
□□高等学校に入ったのは令和6年9月なので、入学年月が事実と異なります。前の高校を消して卒業校だけにまとめる書き方は、学歴を偽った記載と受け取られるおそれがあります。
「△△高等学校 転学」の1行を入学と転入学の間に入れる書き方もあります。どちらでも間違いではないので、行数に余裕があるかで選んでかまいません。
編入学の記入例(中退後に通信制高校へ入った場合)
一度退学しているので、前の高校は「中途退学」と書き、次の行に編入先と「編入学」を書きます。中退から編入までに期間が空いていても、その間を学歴欄で説明する必要はありません。
良い書き方(編入学の場合)
令和4年 4月 〇〇県立△△高等学校 普通科 入学
令和5年 3月 〇〇県立△△高等学校 普通科 中途退学
令和6年 4月 □□高等学校 普通科(通信制課程)2年次 編入学
令和8年 3月 □□高等学校 普通科(通信制課程) 卒業
採用担当者はここを見ている
- 年月の流れ:入学から卒業までの行が時系列で並び、途中で年月が飛んでいないか
- 中退後に何をしたか:中退で終わらず、編入して卒業までやり切った経歴は「立て直せる人」という評価につながりやすい
- 表記の正確さ:「高校」と略さず「高等学校」、課程名・学科名まで書いてあるか

高校の編入を書かないと何が起きる?採用担当者が気づく3つの理由
「書かなければ分からないのでは」と考える人は少なくありません。ただ、編入や転入を省いた履歴書は、採用担当者から見ると不自然な点が残りやすいのが実情です。
理由1:入学から卒業までの年数で矛盾が出る
高校は3年で卒業するのが一般的なので、採用担当者は生年月日と卒業年から「何年に入学したはずか」を自然に計算します。中退後に期間を空けて編入した人が前の高校を書かずにいると、中学卒業から高校入学までに説明のない空白ができ、かえって質問を招きます。
理由2:証明書や面接の会話で分かることがある
省いた経歴が表に出るきっかけは、思っているより身近にあります。
- 提出書類:新卒採用で使う調査書には、在学期間の欄に入学・編入学・転入学の別を書く決まりがある(厚生労働省の様式記入要領)
- 面接:高校時代の部活動や行事を聞かれた際、話す内容と学歴欄の学校が食い違う
- 入社後:同郷の同僚との雑談など、選考と関係のない場面で前の高校の話が出る
中退を隠したことが入社後に分かると、経歴を偽ったとして信頼を失うだけでなく、内定取り消しなどの処分につながる可能性もあります。中退を書かなかった場合のリスクは、次の記事で判例をもとにまとめています。

理由3:書いたほうが評価される場面が多い
見落とされがちですが、編入や転入は「隠すべき失敗」とは限りません。環境を変えて卒業まで続けた事実は、自分で状況を判断して立て直した経験として話せます。隠したまま面接に臨むと、学校の話題になるたびに言葉を選ぶことになり、受け答え全体がぎこちなくなります。書いてしまえば、聞かれたときに準備した答えを返すだけで済みます。
例外:編入の経緯を書かずに済むケース
学歴欄をどこから書くかには決まった規則がありません。そのため、書き方によっては編入・転入の行が出てこない場合もあります。
| 状況 | 編入・転入の記載 | 理由 |
|---|---|---|
| 最終学歴が高卒 | 書く | 高校が最終学歴なので入学〜卒業を書くのが基本 |
| 大学・専門学校まで進み、高校は「卒業」の1行だけ書く | 書かなくても矛盾しない | 高校の入学年を書かないため、事実と異なる記載にならない |
| 高校を「入学」から書く場合 | 書く | 卒業校の名前で入学と書くと事実と異なる |
| 応募先が学歴の書き方を指定している | 指定に従う | 応募書類の指示が最優先 |
つまり、書かずに済むのは高校を卒業の1行だけで書く場合に限られます。入学年月を書くなら、編入・転入も一緒に書く必要があります。
通信制高校に在学中の履歴書の書き方
通信制高校に通いながらアルバイトや就職先を探す場合は、最後の行を「在学中」または「卒業見込み」にします。どちらを使うかは、応募の目的で決まります。
アルバイトに応募する場合
アルバイトの応募では、今も通っていることが伝われば十分です。最後の行に「在学中」と書き、学年が分かる場合は添えておくとシフトの相談がしやすくなります。手書きで迷う人は、アルバイト向けの履歴書テンプレートを使うと欄の大きさで悩まずに済みます。
良い書き方(通信制高校に在学中・アルバイト応募)
令和5年 4月 〇〇県立△△高等学校 普通科 入学
令和6年 9月 □□高等学校 普通科(通信制課程) 転入学
現在 □□高等学校 普通科(通信制課程)2年次 在学中
NG例
令和6年 9月 □□高校 通信 在学中
略称で、前の高校も抜けています。アルバイトでも学歴欄の書き方は正社員の応募と同じで、正式名称と時系列で書きます。
通信制はスクーリング(登校日)が決まっている学校が多いため、本人希望欄に「毎月第2・第4土曜日はスクーリングのため勤務できません」のように書いておくと、店長側もシフトを組みやすくなります。
就職活動で「卒業見込み」を書く場合
卒業後の正社員就職を目指す場合は、卒業予定の年月で「卒業見込み」と書きます。卒業に必要な単位を取れる見通しが立っていることが前提です。新卒向けの書式を探している人は新卒用の履歴書テンプレートが使えます。
良い書き方(編入後に在学中・就職活動)
令和4年 4月 〇〇県立△△高等学校 普通科 入学
令和5年 3月 〇〇県立△△高等学校 普通科 中途退学
令和6年 4月 □□高等学校 普通科(通信制課程)2年次 編入学
令和8年 3月 □□高等学校 普通科(通信制課程) 卒業見込み
「自」「至」の欄がある履歴書で在学中の書き方に迷う場合は、次の記事の記入例が参考になります。

「通信制課程」は書くべき?
通信制高校の卒業も、全日制と同じ高等学校卒業です。卒業の条件は学校教育法にもとづいて定められており、通信制だけが軽く扱われるものではありません。
| 高校卒業の主な条件 | 内容 |
|---|---|
| 単位 | 74単位以上を修得 |
| 在籍期間 | 3年以上(転入・編入前の高校の在籍期間を通算できる場合が多い) |
| 特別活動 | 30単位時間以上に参加 |
そのうえで、課程名は「普通科(通信制課程)」のように書いておくのがおすすめです。卒業証書に「通信制」と入らない学校もありますが、面接で高校生活を聞かれたときに説明しやすく、後から食い違いを指摘される心配もなくなります。
サポート校やキャンパス名を書いてしまうミス
通信制高校ならではの間違いが、学校名の取り違えです。
- サポート校:通信制高校の学習を手助けする民間の教育施設で、多くは高校そのものではない。学歴欄には在籍している通信制高校の名前を書く
- キャンパス・学習センター:広域通信制の場合、通っている場所の名前ではなく、学校法人の正式な高校名を書く
- コース名:「〇〇コース」はカリキュラムの区分であることが多いため、学科名を優先する。迷ったら在籍証明書や学生証の表記に合わせる
編入・転入の理由を面接で聞かれたときの答え方
学歴欄に編入・転入を書くと、面接で理由を聞かれることがあります。採用担当者が知りたいのは理由の中身より、そこから何を学び、今どう働けるかです。理由は短く、話の重心は「その後」に置きます。
良い例文(体調を崩して通信制へ移った場合)
「1年生の途中で体調を崩し、毎日の通学が難しくなったため通信制高校に転入しました。自分でレポートの提出計画を立て、期限内に単位を取り切ることで卒業できました。今は体調も安定しており、この経験で身についた段取りの力を仕事でも活かしたいと考えています。」
NG例
「人間関係がうまくいかず、学校が嫌になったので辞めました。」
理由だけで終わり、その後の行動が伝わりません。前の学校や周囲への不満が中心になると、職場でも同じことが起きるのではと受け取られます。
採用担当者はここを見ている
- 理由が今も続いていないか(体調・事情が働くうえで支障にならないか)
- 他人や環境のせいにせず、自分の判断として説明できているか
- 通信制で身についた力(自己管理・計画性・仕事との両立など)を具体的に話せるか
状況別:通信制高校へ編入・転入した場合の履歴書の記入例
高校卒業後に進学した人や、転校を2回以上経験した人の書き方です。社会人になってからの転職では、転職用の履歴書テンプレートのように職歴欄が広い書式を選ぶと、学歴の行が増えても収まりやすくなります。
通信制高校を卒業後、大学に進学した場合
良い書き方(高校を卒業の1行で書く場合)
平成31年 3月 □□高等学校 普通科(通信制課程) 卒業
平成31年 4月 ◇◇大学 経済学部 経済学科 入学
令和5年 3月 ◇◇大学 経済学部 経済学科 卒業
※高校を入学から書く場合は、前の高校の入学と転入学(編入学)の行も入れる
転校を2回経験した場合
移った回数だけ「転入学」の行を増やします。途中の学校を飛ばすと、1回目の転校と同じように年月が合わなくなります。
良い書き方(転入学を2回した場合)
令和4年 4月 〇〇県立△△高等学校 普通科 入学
令和5年 4月 ◎◎県立☆☆高等学校 普通科 転入学
令和5年 10月 □□高等学校 普通科(通信制課程) 転入学
令和7年 3月 □□高等学校 普通科(通信制課程) 卒業
ハローワーク経由の応募などで厚生労働省の様式を指定された場合も、学歴欄の書き方は同じです。書式は厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートから入手できます。
まとめ
- 高卒なら編入・転入は書く:省くと入学年月が事実と異なり、経歴の空白も生まれる
- 籍があるまま移ったら「転入学」:中退後に入り直したら前の高校を「中途退学」、移った先を「編入学」
- 書かずに済むのは高校を卒業の1行で書く場合だけ:大学・専門学校卒の人が該当しやすい
- 在学中はアルバイトなら「在学中」、就職活動なら「卒業見込み」:課程名は「普通科(通信制課程)」と書いておく
- 面接では理由を短く、その後の行動を中心に話す
学歴欄を正直に書けば、面接で身構える必要がなくなります。記入例を手元に置いて、1行ずつ年月を確認しながら書き進めてください。
履歴書の高校編入に関するよくある質問
- 高校の編入を履歴書に書かないと学歴詐称になりますか?
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卒業した高校の名前で入学年月を書くなど、事実と異なる記載をすると経歴を偽ったと判断されるおそれがあります。高校を入学から書く場合は、前の高校と編入・転入の行も書いてください。高校を卒業の1行だけで書く形式なら、編入の経緯が出なくても事実と異なる記載にはなりません。
- 転入学なのに「編入学」と書いてしまいました。書き直すべきですか?
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提出前なら書き直してください。転入学は在籍したまま移った場合、編入学は退学後などに入り直した場合を指し、編入学と書くと中退したように読めるためです。提出後に気づいた場合は、面接で学歴に触れられたときに「正しくは転入学です」と経緯を添えて伝えてください。
- 通信制高校に在学中ですが、アルバイトの履歴書に前の高校も書く必要はありますか?
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書いたほうが安心です。入学した高校、転入学(編入学)した通信制高校、「在学中」の順に書けば、学年と年齢のつじつまが合い、店長から経歴を質問されることも減ります。
- 前の高校に在籍したのが数か月だけでも書くべきですか?
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高校を入学から書く場合は、在籍期間の長さに関係なく書きます。短期間であっても省くと、卒業した高校の入学年月が事実と異なってしまうためです。

