履歴書の特記事項には、連絡方法・入社可能日・勤務条件の制約など「選考前に企業へ伝えておくべき事情」を1〜3行で書きます。書くことがなければ「貴社規定に従います」の一文で足ります。この記事では、在職中・パート・新卒・看護師など状況別の例文15選と、採用担当者が「書きすぎ」と受け取るNG例を、そのまま使える形で紹介します。
履歴書の特記事項の書き方と例【結論】
結論:選考前に伝えるべき事情だけを1〜3行で書く
特記事項は、点を稼ぐための欄ではありません。採用後に「聞いていなかった」という食い違いを防ぐための欄です。入社時期や勤務時間など、伝えずに進むと後で困る事情だけを、短く事実ベースで書きます。
| 書いてよい内容 | 書かないほうがよい内容 |
|---|---|
| 連絡のつく時間帯・希望の連絡手段 | 給与額や休日数などの待遇の要望 |
| 入社可能日・退職予定日 | 志望動機・自己PRの繰り返し |
| 勤務時間・勤務地の譲れない条件 | 前職の不満や退職理由の詳しい経緯 |
| 転居予定・通院などの事情 | 「できれば」程度のゆるい希望の羅列 |
| 取得予定の資格 | 3行を超える長文 |
基本の記入例(書くことがない場合)
伝えるべき事情が特にない場合は、空欄にせず定型の一文を書きます。空欄は「書き忘れ」と区別がつかないためです。
良い例文(書くことがない場合)
貴社の規定に従います。
(病院・医院なら「貴院」、学校法人なら「貴校」に置き換えます)
NG例
特になし
「特になし」だけでは、書く気がないように見えることがあります。空欄と同じく、記入漏れと受け取られる場合もあります。
特記事項・本人希望欄・その他自由記述欄・通信欄の違い
履歴書の様式によって欄の名前は変わりますが、書く内容の考え方はほぼ同じです。厚生労働省が2021年4月に公表した履歴書様式例では「本人希望記入欄」とされ、「特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入」と注記されています。
| 欄の名前 | 主な様式 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 本人希望記入欄 | 厚生労働省の様式例 | 勤務条件の希望・事情 |
| その他特記事項 | 新卒用・大学指定の様式 | 伝えておきたい事情・補足 |
| その他自由記述欄 | 市販・Webの様式 | 事情の補足、他欄に書ききれない強み |
| 通信欄 | 市販のアルバイト用など | 連絡方法・勤務できる曜日や時間 |
欄が広めの「その他自由記述欄」は、事情の補足に加えて、職歴欄や資格欄に入りきらなかった内容を書く使い方もできます。
良い例文(その他自由記述欄・通信欄)
平日は18時以降、土日は終日お電話に出られます。
勤務は週4日・1日6時間程度を希望いたしますが、繁忙期は調整いたします。
どの欄を使うか迷う場合は、項目の構成が標準的な厚生労働省の様式に沿った履歴書テンプレートを使うと、本人希望記入欄にそのまま書けます。

【状況別】履歴書の特記事項の例文
ここからは状況別の例文です。自分に当てはまる見出しの例文を、日付や時間だけ書き換えて使えます。
在職中の場合(連絡方法・入社可能日)
在職中の転職活動では、電話に出られる時間と入社できる時期の2点を書いておくと、企業側が面接日程や入社日を組みやすくなります。
良い例文(在職中・連絡方法)
現在在職中のため、平日9時〜18時はお電話に出られないことがございます。ご連絡はメールでいただけますと幸いです。お電話の場合は12時〜13時、または18時以降に対応いたします。
良い例文(在職中・入社可能日)
現在在職中です。〇月〇日に退職予定のため、〇月〇日以降の入社が可能です。
NG例
現在退職準備中です。入社日はご相談させてください。
「準備中」「ご相談」では、いつから働けるのかが読み取れません。退職日が未定なら「内定後1〜2か月で入社可能です」のように目安を書きます。
職歴欄の最終行は「現在に至る」とし、退職日が決まっていれば「現在に至る(〇月〇日退職予定)」と書くと、特記事項と内容がそろいます。在職中の書類作成には、職歴欄の行数に余裕がある転職用の履歴書テンプレートが使いやすいです。
転職回数が多い・在籍期間が短い場合
短期離職が続いている場合、採用担当者は「うちでもすぐ辞めるのでは」と考えます。理由を1行だけ添え、今回の応募では長く働く意思があることを示します。
良い例文(転職回数・短期離職)
株式会社〇〇は、配属予定だった事業所の閉鎖により8か月で退職いたしました。今後は一つの職場で営業経験を積み上げたいと考えております。
NG例
前職は上司のパワハラと残業の多さに耐えられず、3か月で退職しました。
前職への不満を書くと、事実でも「他責の人」に見えるおそれがあります。詳しい経緯は面接で聞かれたときに話せば十分です。
転居予定がある場合
引っ越しを控えている場合は、転居の時期と転居先のエリアを書きます。今の住所が遠方でも、通勤できる見込みがあると伝われば選考から外されにくくなります。
良い例文(転居予定)
家族の転勤に伴い、〇月に〇〇市へ転居予定です。転居後は貴社〇〇営業所まで電車で約30分で通勤できます。入社は〇月〇日以降を希望いたします。
パートに応募する場合(扶養内・子育て)
パートの特記事項でもっとも多いのが、勤務時間と曜日の条件です。ここで「できない時間」より「働ける時間」を先に書くと、シフトに組み込みやすい人という印象になります。
良い例文(パート・扶養内)
扶養の範囲内での勤務を希望いたします。平日9時〜15時、週3〜4日の勤務が可能です。
良い例文(パート・子育て中)
子どもの保育園の送迎があるため、勤務は9時30分〜16時を希望いたします。急な発熱時は家族が対応できる体制を整えております。
NG例
土日祝は不可。夕方以降も不可。長期休みは休みたいです。
「不可」が並ぶと、働く意欲より条件が先に目に入ります。譲れない条件は1〜2個に絞り、働ける時間を先に書きます。
本人希望欄が広く取られたパート用の履歴書テンプレートなら、勤務時間と曜日を分けて書けます。

新卒の場合(部活は書く?)
新卒向けの履歴書では「その他特記事項」という欄が設けられていることがあります。新卒は勤務条件の制約が少ないため、伝えておきたい事情か、他の欄で書ききれなかった経験の補足を書きます。
部活動は、名前だけを書いても評価につながりにくい項目です。課外活動欄や自己PR欄があればそちらに書き、特記事項には大会日程などの選考日程に関わる事情を書くと使い分けがはっきりします。
良い例文(新卒・部活の大会と選考日程)
所属する陸上競技部の大会出場のため、〇月〇日〜〇日は面接に伺えません。それ以外の日程は授業後の15時以降であれば調整可能です。
NG例
サッカー部に所属していました。
事実だけでは、何を伝えたいのかが読み取れません。部活の経験を書くなら、役割や成果まで書ける自己PR欄を使います。
学生向けの欄構成がそろった新卒用の履歴書テンプレートを使うと、特記事項と自己PRを分けて書けます。
資格取得予定がある場合
勉強中の資格は資格欄に書けないため、特記事項で補足できます。試験日と結果が出る時期まで書くと、学習が具体的に進んでいることが伝わります。
良い例文(資格取得予定)
日商簿記検定2級の取得に向けて学習中です。〇月〇日の試験を受験予定で、合格後は経理実務に生かしたいと考えております。
看護師の場合(夜勤・入職時期)
看護師の応募では、夜勤の可否が配属やシフトに直結します。夜勤ができない・回数を減らしたい場合は、譲れない条件として特記事項に書いておくと、入職後のミスマッチを防げます。
良い例文(看護師・夜勤)
子育て中のため、夜勤は月4回までを希望いたします。日勤は土日を含めて対応可能です。その他の条件は貴院の規定に従います。
病棟経験や担当診療科を詳しく伝えたい場合は、特記事項に詰め込まず、看護師の職務経歴書テンプレートに分けて書くと、採用担当者が経験を読み取りやすくなります。
通院・持病がある場合
持病そのものを書く義務はありません。ただし定期的な通院で休みが必要なら、頻度と業務への影響がないことをセットで書きます。
良い例文(通院)
月に1回、平日午前に通院のためお休みをいただく必要がございます。症状は安定しており、業務に支障はありません。
履歴書の特記事項を自己PRに使うときの書き方と例文
特記事項に自己PRを書いてもよいかは、様式によって判断が分かれます。自己PR欄が別にある履歴書で同じ内容を繰り返すと、欄の使い方を理解していないと見られかねません。
- 自己PR欄がある様式:特記事項には書かず、事情の補足だけにする
- 自己PR欄がない・狭い様式:他の欄で書ききれなかった強みを1〜2行で補足してよい
- どちらの場合も:伝えるべき事情があれば、そちらを先に書く
良い例文(自己PR欄がない様式での補足)
前職では受注管理システムの入力ルールを見直し、月20時間かかっていた集計作業を8時間に短縮しました。貴社の事務業務でも改善に取り組みたいと考えております。
NG例
明るく前向きな性格で、誰とでも仲良くなれます。貴社で頑張りたいです。
数字や具体的な場面がなく、特記事項に書く意味がありません。性格のアピールは自己PR欄で、根拠となるエピソードと一緒に書きます。
職務経歴書の特記事項の例文(在職中・自己PR)
職務経歴書の特記事項は、履歴書よりもキャリアの補足に寄せて使います。在職中であることや、職務経歴の欄では伝えきれない実績を書く欄と考えると整理しやすくなります。
| 書類 | 特記事項に書く中心の内容 |
|---|---|
| 履歴書 | 勤務条件・連絡方法・入社可能日などの事情 |
| 職務経歴書 | 在職状況・キャリアの補足・職務経歴欄に入らない実績 |
良い例文(職務経歴書・在職中)
現在、株式会社〇〇に在職中です。内定をいただいた場合、引き継ぎを含め1か月半ほどで入社可能です。
良い例文(職務経歴書・自己PRの補足)
社内の新人研修で講師を2年間担当し、計30名の育成に携わりました。チームの立ち上げや後輩指導の場面でも力を発揮できます。
採用担当者が特記事項で見ているポイントとNG例
採用担当者はここを見ている
採用担当者が特記事項を読むときに確かめているのは、「この条件で採用して、入社後に揉めないか」です。書かれた事情そのものより、伝え方からも人柄を読み取っています。
採用担当者はここを見ている
- 条件の数:希望が3つ以上並ぶと「条件で会社を選ぶ人」と受け取られやすい
- 書き方の向き:「できません」だけでなく、代わりにできることが書いてあるか
- 具体性:入社日や時間帯が数字で書かれ、日程調整にそのまま使えるか
- 他の欄との整合:職歴欄の「退職予定」と特記事項の入社可能日が食い違っていないか
逆に、伝えるべき事情を書かずに選考が進み、内定後に条件が合わないと分かるケースは、応募者・企業の双方にとって負担が大きくなります。譲れない条件は最初の書類で伝えておくほうが、結果的に選考はスムーズに進みます。
よくあるNG例3つ
| NG例 | なぜNGか | 直し方 |
|---|---|---|
| 給与・休日・残業などの希望を列挙 | 待遇しか見ていない印象になる | 譲れない条件1〜2個に絞る |
| 退職理由の詳しい経緯 | 不満や他責に読まれやすい | 理由は1行、詳細は面接で話す |
| 志望動機の繰り返し・長文 | 欄の目的とずれ、読む手間が増える | 3行以内で事情だけを書く |
空欄・「特になし」で出すとどう見られるか
空欄は記入漏れと見分けがつかず、「特になし」だけでは素っ気ない印象を持たれることがあります。どちらも即不採用になるわけではありませんが、「貴社の規定に従います」と一文書くだけで避けられる減点です。

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例文を決めたら、あとは書類に落とし込むだけです。手書きで書き損じるたびに1枚目からやり直すより、スマホで入力して修正できるツールを使えば、特記事項の文言も提出直前まで直せます。
まとめ
- 書く内容:連絡方法・入社可能日・勤務条件の制約など、選考前に伝えるべき事情だけ
- 長さ:1〜3行。譲れない条件は1〜2個に絞る
- 書き方:「できないこと」より「できること」を先に、日付や時間は数字で書く
- 書くことがない場合:空欄や「特になし」ではなく「貴社の規定に従います」
- 職務経歴書:在職状況やキャリアの補足に使う
自分の状況に近い例文を1つ選び、日付と時間を書き換えれば特記事項は完成です。
履歴書の特記事項に関するよくある質問
- 履歴書の特記事項には何を書けばいいですか?
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連絡のつく時間帯、入社可能日、勤務時間や勤務地の譲れない条件、転居予定や通院など、選考前に企業へ伝えておくべき事情を1〜3行で書きます。伝えることがなければ「貴社の規定に従います」と書きます。
- 「その他自由記述欄」や「通信欄」も特記事項と同じ書き方でいいですか?
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基本の考え方は同じです。通信欄は連絡方法や勤務できる曜日・時間を書く使い方が中心です。その他自由記述欄は広めに取られていることが多く、事情の補足に加えて、他の欄に書ききれなかった実績を1〜2行添えることもできます。
- 新卒で「その他特記事項」に書くことがありません。どうすればいいですか?
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選考日程に関わる事情(部活の大会や教育実習の期間など)がなければ、「貴社の規定に従います」で問題ありません。自己PR欄が狭い様式であれば、取得予定の資格や学業の成果を1〜2行で補足する方法もあります。
- 在職中であることは特記事項に書くべきですか?
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書いておくのがおすすめです。電話に出られない時間帯と、入社できる時期の目安を添えると、企業側が面接日程や入社日を組みやすくなります。職歴欄の最終行の「現在に至る」と内容をそろえてください。

