面接が決まっている場合の送付状は、「選考のお願い」を書かず、確定した面接日時を明記するのが正解です。市販のテンプレートは選考前の応募を前提にしているため、そのまま使うと決まった面接と文面が噛み合いません。この記事では郵送・当日持参それぞれの例文と、採用担当者が送付状のどこを見ているかを整理します。
面接が決まっている場合の履歴書送付状の例文と書き方
結論:「選考のお願い」を削り、面接日時を書く
一般的な送付状の本文は「採用についてご検討くださいますようお願いいたします」「面接の機会をいただけましたら幸いです」で締められています。これは書類選考を控えた応募者のための文章です。すでに面接日が確定している人が同じ文面を送ると、決まっている面接をもう一度お願いしていることになります。
書き換えるのは本文の3〜5行だけで足ります。「先日ご連絡をいただき、○月○日○時に面接のお時間を頂戴しております」と事実を置き、そのうえで書類を先に送る旨を伝えます。ハローワークが公開している送付状の手引きでも、事前に電話などで連絡済みの場合は「先日ご連絡を差し上げました」のように表現が変わると明記されています。
郵送する場合の送付状の例文
面接前に履歴書を郵送するよう指示されたケースです。日付は投函する日を書きます。
良い例文
令和8年7月17日
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当 山田 様
〒000-0000
東京都〇〇区〇〇1-2-3
佐藤 太郎
電話 090-0000-0000
メール sato@example.com
応募書類の送付について
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは面接の機会をいただき、誠にありがとうございます。7月24日14時より、貴社にて面接のお時間を頂戴しております。当日に先立ち、履歴書および職務経歴書を送付いたしますので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
当日は何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
1.履歴書 1通
2.職務経歴書 1通
以上
NG例
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、貴社の営業職の求人を拝見し、応募させていただきました。私は前職で5年間にわたり法人営業を担当し、新規開拓において社内表彰を受けた経験があります。貴社の事業展開に強く共感しており、これまでの経験を活かして貢献したいと考えております。つきましては履歴書を同封いたしましたので、ご検討のうえ、面接の機会をいただけましたら幸いです。
敬具
面接が確定しているのに面接を依頼しており、日程の話が一切出てきません。自己PRも長すぎます。テンプレートの文面を変えずに使うと、この形になります。
採用担当者はここを見ている
- 面接日時が書かれているか:面接が決まっている応募者の書類は、封筒から出したあと面接官へ回す必要があります。日時があれば誰のどの面接分か即座に照合できます
- 本文が短いか:送付状の役目は挨拶と書類の目録です。本文は3〜5行、150字程度が目安になります
- 同封書類の点数が合っているか:「記」以下の枚数と中身が一致しないと、書類の不足を疑って確認の手間が発生します
面接当日に持参する場合の送付状の例文
面接官に手渡しするだけなら、送付状は不要です。その場で挨拶ができるため、送付状が果たす「誰が何を何のために送ったか」を伝える役割がなくなります。
判断に迷うのは、受付や人事の窓口で封筒ごと預けるよう言われた場合です。書類が本人の手を離れて社内を移動するため、このときは送付状を添えておくと確実です。当日渡しになるので、時候の挨拶や志望動機は削り、事実だけを書きます。
良い例文(当日持参・受付に預ける場合)
令和8年7月24日
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当 山田 様
〒000-0000
東京都〇〇区〇〇1-2-3
佐藤 太郎
電話 090-0000-0000
応募書類の提出について
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
本日14時より面接のお時間を頂戴しております、佐藤太郎と申します。指定いただきました応募書類を持参いたしましたので、ご確認くださいますようお願い申し上げます。
敬具
記
1.履歴書 1通
2.職務経歴書 1通
以上
面接官に直接渡すときの所作や封筒の扱いは、次の記事で細かく整理しています。

面接が決まっている送付状が、通常の送付状と違う3つの点
違いは本文の中身に集中しています。日付や宛名の書き方は通常と同じです。
| 項目 | 通常の送付状(選考前) | 面接が決まっている場合 |
|---|---|---|
| 応募の経緯 | 「求人票を拝見し応募いたしました」 | 「先日ご連絡をいただき」など、連絡済みである事実に変える |
| 面接の扱い | 「面接の機会をいただけましたら幸いです」と依頼する | 依頼せず、確定した日時を明記する |
| 自己PR・志望動機 | 書類選考を意識して短く添えることがある | 不要。面接で話すため送付状には書かない |
とくに3つ目を誤解している応募者が多く見られます。面接が決まっている時点で、送付状に自己PRを重ねる意味はほとんどありません。採用担当者は面接前に履歴書と職務経歴書を読みます。送付状に長文を足しても読む順番が変わるだけで、評価材料は増えません。
面接日時を書くことに抵抗を感じる人もいますが、これは自己主張ではなく事務連絡です。人事部が受け取った書類を面接官へ渡すまでの間に、日時が書かれているかどうかで手間が変わります。
送付状に書く7つの構成要素と記入ルール
面接が決まっていても、送付状の骨格は変わりません。上から順に配置します。
| 要素 | 位置 | 書き方 |
|---|---|---|
| 日付 | 右上 | 提出する年月日。郵送なら投函日、持参なら面接当日 |
| 宛名 | 左上 | 「(株)」と略さず正式名称。担当者名が分かれば「〇〇部 〇〇課 △△様」、不明なら「採用ご担当者様」 |
| 氏名・連絡先 | 右 | 郵便番号・住所・氏名・電話番号・メールアドレス |
| 表題 | 中央 | 「応募書類の送付について」など、一目で用件が分かるもの |
| 頭語・前文 | 本文冒頭 | 「拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」 |
| 本文 | 中央 | 面接日時+書類を送る旨。3〜5行、150字程度 |
| 記・以上 | 下部 | 同封書類を「1.履歴書 1通」の形で箇条書きし、「以上」で締める |
手書きとパソコン、どちらが正解か
ハローワークの手引きでは「手書きかパソコンどちらで作成しても構わない」とされています。手書きにする場合は白地の便箋かレポート用紙を使います。用紙サイズは職務経歴書と揃えると、受け取った側が書類を整理しやすくなります。「パソコンでないと失礼」というルールは存在しません。
手書きを選んだ場合の書き方や、迷ったときの判断基準は次の記事にまとめました。

【状況別】面接が決まっている場合の送付状の例文
面接がどう決まったかによって、書き出しの一文が変わります。差し替えるのはこの部分だけです。
電話で面接日が決まった場合
良い例文
先日はお電話にてご対応いただき、ありがとうございました。7月24日14時より面接のお時間を頂戴しております。お電話にてご指示いただきました応募書類を送付いたしますので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
電話に出た担当者と、書類を受け取る担当者が同じとは限りません。「お電話にてご指示いただきました」と入れておくと、指示の存在が第三者にも伝わります。
メールで面接日が決まった場合
良い例文
先日は面接のご案内をいただき、誠にありがとうございました。ご案内のとおり7月24日14時に貴社へ伺います。面接に先立ち、履歴書および職務経歴書を送付いたしますので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
郵送ではなくメール添付で提出する場合、送付状のファイルを別途つける必要はありません。メール本文が送付状のかわりになります。件名は「応募書類送付の件/佐藤太郎」のように用件と氏名を並べ、添付ファイルは「履歴書(佐藤太郎)」のようにレイアウトが崩れにくいPDF形式で送ります。
転職エージェント経由で面接が決まった場合
エージェントが企業へ書類を提出済みで、面接だけが設定されているケースがあります。この場合、企業へ直接郵送する必要があるかを担当のキャリアアドバイザーに確認してください。二重に届くと、どちらが最新版か分からなくなります。
良い例文(企業へ直接送るよう指示された場合)
〇〇エージェント〇〇様よりご紹介をいただきました、佐藤太郎と申します。7月24日14時より面接のお時間を頂戴しております。面接に先立ち、応募書類を送付いたしますので、ご査収くださいますようお願い申し上げます。
紹介元の社名を最初に置くのは、企業側が応募経路ごとに書類を管理しているためです。転職者向けの様式は転職用の履歴書テンプレートをそのまま使えます。新卒の選考であれば新卒用の履歴書テンプレートが対応しています。
パート・アルバイトの面接が決まった場合
パートやアルバイトの面接は、履歴書を当日持参する形がほとんどです。郵送を指示されたときだけ送付状を用意すれば足ります。頭語や時候の挨拶を省いても問題は起きません。
良い例文(郵送を指示された場合)
先日はお電話にてご対応いただき、ありがとうございました。7月24日10時より面接のお時間を頂戴しております。ご指示いただきました履歴書を送付いたしますので、ご確認くださいますようお願い申し上げます。当日は何卒よろしくお願い申し上げます。
様式はパート用の履歴書テンプレートを使うと、勤務希望日や扶養の欄が最初から揃っています。
面接が決まっているのに落ちる、送付状のNG例
面接が決まっている=書類で落ちることはない、とは限りません。面接前に書類を読んだ段階で印象が下がる要素はあります。
- 使い回しによる社名・職種の残置:他社名や前に応募した職種が残っていると、封を開けた瞬間に気づかれます。日時を入れる編集のついでに起きやすいミスです
- 面接日時の誤記:送付状の日時と実際の予定がずれていると、日程を勘違いしている応募者と見なされ、確認の連絡が発生します
- 自己PRの長文化:500字規模の自己PRを送付状に載せると、送付状の目的を理解していないと判断されます
- 宛名の敬称ミス:「〇〇株式会社 御中 山田様」のような二重敬称、部署宛てに「様」を使うといった誤りが典型です
- メモ用紙や付箋での代用:ハローワークの手引きでも、走り書きは失礼にあたると明記されています
投函したあとに誤りへ気づいた場合、送り直すかどうかは中身次第です。面接日時の誤記のように相手の予定に関わる内容であれば、当日を待たずにメールか電話で正しい日時を伝えてください。誤字程度であれば、送り直しはかえって手間を増やします。
郵送・持参それぞれの手順とマナー
送付状を書き終えたら、封入の段階でつまずかないよう手順を確認します。ハローワークの手引きでは、書類の並び順まで指定されています。
| 項目 | 郵送する場合 | 面接当日に持参する場合 |
|---|---|---|
| 送付状 | 必要 | 手渡しなら不要/受付に預けるなら添える |
| 書類の順番 | 送付状 → 紹介状 → 履歴書 → 職務経歴書 | 同じ |
| 封筒 | 角形2号。表左側に「応募書類在中」を朱書き、裏面に自分の住所氏名 | 宛名は不要 |
| 封 | のりづけして「〆」を書く | のりづけしない |
| クリアファイル | 透明か半透明の無地に入れる | 同じ。封筒から出してファイルごと渡す |
郵送では料金不足が起きがちです。角形2号に一式を入れると定形外郵便になり、重さによって料金が変わります。郵便局の窓口に持ち込めば不足を避けられます。
厚生労働省が示す様式に沿った用紙を使いたい場合は、厚生労働省の規格に沿った履歴書テンプレートから印刷できます。
投函後に「本日郵送いたしました」と連絡すべきかを迷う人もいます。指示がなければ必須ではありませんが、面接日が近く到着が読めないときは一報を入れておくと安心です。

まとめ
- 面接が決まっている場合は「ご検討ください」「面接の機会を」を削り、確定した面接日時を明記する
- 書き換えるのは本文の3〜5行だけ。日付・宛名・記書きの形式は通常の送付状と同じ
- 送付状は手書きでもパソコンでも構わない。用紙は職務経歴書とサイズを揃える
- 面接官へ直接手渡すなら送付状は不要。受付に預けるなら添える
- 自己PRは送付状に書かず、面接で話す
送付状に時間をかけるより、面接で聞かれる内容の準備に時間を回したほうが結果につながります。日時を1行入れて、書類の点数を数えたら投函してください。
履歴書の送付状(面接が決まっている場合)に関するよくある質問
- 面接が決まっているなら送付状は省略してもいいですか?
-
郵送する場合は添えてください。送付状は企業が提出を求める正規の書類ではありませんが、封を開けていきなり応募書類が出てくる場合と、送付状が入っている場合とでは印象が変わります。面接官に直接手渡すときだけは、口頭で挨拶できるため不要です。
- 送付状に面接日時を書くのは出しゃばりに見えませんか?
-
事務連絡なので問題ありません。人事が受け取った書類を面接官へ回す際、日時が書かれていれば誰のどの面接分かをすぐ照合できます。ハローワークの手引きでも、事前に電話などで連絡済みの場合は書き出しの表現が変わると案内されています。
- 送付状に志望動機や自己PRは書くべきですか?
-
面接が決まっているなら不要です。送付状の役割は挨拶と同封書類の目録で、本文は3〜5行、150字程度が目安になります。志望動機は履歴書に、経験のアピールは職務経歴書に書き、詳しい内容は面接で話してください。
- 送付状はパソコンで作らないと失礼になりますか?
-
そのようなルールはありません。ハローワークの手引きでは、手書きとパソコンのどちらで作成しても構わないとされています。手書きにする場合は白地の便箋かレポート用紙を使い、メモ用紙や付箋への走り書きは避けてください。
- 面接日が変更になった場合、送付状は送り直しますか?
-
書類が届いたあとの日程変更であれば、送り直す必要はありません。変更の連絡はメールか電話で行い、書類はそのまま使ってもらいます。投函前に変更が決まった場合は、日時の行だけ直してから送ってください。

