職務経歴書の箇条書きは、業務名を並べるだけでなく「業務・数字・工夫」の3層で1ブロックを組むと、手抜きに見えず実績が伝わります。職務内容欄を書いていて文章が長くなった、逆に箇条書きにしたら業務一覧のようになってしまった、という段階で手が止まりやすい欄です。欄ごとの書き分け方、職種別の例文、採用担当者が手抜きと感じるNG例をまとめました。
職務経歴書の箇条書きの書き方【結論と例文】
結論:箇条書きは「業務・数字・工夫」の3層で書く
職務経歴書で箇条書きを使うのは、業務内容・実績・活かせる経験のように「複数の情報を並べる欄」です。職務要約や自己PRのように経緯や考えを伝える欄は文章で書き、箇条書きと組み合わせます。
箇条書きの中身は、次の3層で組み立てます。
| 層 | 書く内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 業務 | 何を担当したか | 法人向けルート営業(既存顧客40社) |
| 数字 | 規模・頻度・成果 | 売上目標1億2,000万円に対し達成率108% |
| 工夫 | 成果のために何をしたか | 発注履歴を一覧化し、補充時期の前に追加提案 |
業務だけを並べると「担当していたこと」しか伝わりません。数字と工夫を足すことで、応募先でも同じ成果を出せそうかを採用担当者が判断できるようになります。
業務内容を箇条書きにした例文(書き直し前と後)
法人営業として5年働いた方を想定した例です。同じ経験でも、書き方によって読み取れる情報量が大きく変わります。
NG例(文章だけで書いた場合)
既存顧客を中心にルート営業を担当し、新規開拓も行いました。売上目標は毎期達成しており、後輩の指導にも携わりました。顧客との関係構築を心がけ、提案の幅を広げるよう努めました。
何社を担当し、どれくらい達成したのかが読み取れません。強みが文章の中に埋もれています。
NG例(業務名だけ並べた場合)
・ルート営業
・新規開拓
・後輩指導
業務一覧になっていて、規模も成果も伝わりません。見た目は整っていても、採用担当者が判断に使える情報がほとんどない状態です。
良い書き方(3層で組み立てた場合)
【担当業務】
・法人向けルート営業(既存顧客40社、製造業中心)
・新規開拓(月20件のテレアポ・訪問)
・後輩2名のOJT担当
【実績】
・2024年度 売上目標1億2,000万円に対し達成率108%(営業課12名中2位)
・新規取引先を年間6社獲得
【工夫した点】
過去3年分の発注履歴を顧客ごとに一覧化し、補充時期の前に追加提案する仕組みを作りました。その結果、既存顧客からの追加受注が前年比115%に伸びました。
採用担当者はここを見ている
- 担当社数・件数:仕事の規模を測る材料として真っ先に見ている
- 達成率:目標額とセットで書かれていると、他の応募者と比べやすい
- 工夫した点:文章で経緯が書かれていると、偶然ではなく再現できる成果かどうかを判断できる
箇条書きにする欄・文章で書く欄の振り分け
全ての欄を箇条書きにすると、考えを文章でまとめる力が見えず、手抜きの印象につながります。欄ごとの使い分けは次のとおりです。
| 欄 | 書き方 | 理由 |
|---|---|---|
| 職務要約 | 文章(3〜5行) | 経歴の流れと強みをひとまとまりで伝えるため |
| 業務内容(職務内容) | 箇条書き | 担当範囲を一覧で見せるため |
| 実績 | 箇条書き+数字 | 成果を比較しやすくするため |
| 工夫した点 | 文章(2〜3文) | 背景と行動のつながりを伝えるため |
| 活かせる経験・知識・技術 | 箇条書き | 応募先の要件と照らし合わせやすくするため |
| 自己PR | 文章(見出し+段落) | 人柄や仕事への考え方を伝えるため |
職務経歴書全体の項目と並びを見本で確認したい場合は、こちらの記事が参考になります。

職務経歴書の箇条書きで守る5つのルール
箇条書きは、書式がそろっているだけで読みやすさが変わります。採用担当者は限られた時間で多くの書類に目を通すため、ひと目で要点を拾える形にしておくと読み飛ばされにくくなります。
ルール1:主要な業務から順に並べる
業務内容は、担当時間が長い業務・応募先で求められる業務を上に置き、頻度の低い業務は下にまとめます。年1回の棚卸しが2行目にあり、毎日の受発注入力が最後にある、という並びでは、どの業務が主だったのかが伝わりません。
複数の企業に応募する場合は、求人票の「必須条件」に近い業務から順に並べ替えます。同じ経験でも、応募先ごとに上から2行の内容を変えるだけで、要件に合う人だと伝わりやすくなります。
ルール2:1ブロック3〜5行・1行40字を目安にする
- 1ブロックの行数:3〜5行。6行以上になったら【担当業務】【実績】のように小見出しで分ける
- 1行の長さ:40字前後(Wordの初期設定で1行に収まる長さ)
- 補足が必要なとき:前半に業務、後半の括弧内に数字を入れる
並べすぎると、どれが強みなのかが埋もれます。特にアピールしたい実績は3つ前後に絞ると、1つずつに目が留まりやすくなります。
ルール3:文末を体言止めにそろえる
箇条書きの文末は「〜を担当」「〜の作成」のような体言止めにそろえます。「〜しました」と「〜担当」が混ざると、1行ごとに読むリズムが崩れます。
NG例(文末がバラバラ)
・見積書の作成を担当しました
・請求書発行
・電話対応をしています
「です・ます」と体言止めが混在し、件数もありません。
良い書き方(体言止めで統一)
・見積書・請求書の作成(月平均80件)
・受発注データの入力・管理(基幹システム使用)
・代表電話の一次対応(1日30件程度)
ルール4:項目の粒度をそろえる
「営業力」の下に含まれる「交渉力」「提案力」を同じ並びに置くと、何を伝えたいのかがぼやけます。同じ並びに置く項目は、同じ大きさの話題にそろえてください。
| 粒度がバラバラな例 | 粒度をそろえた例 |
|---|---|
| ・営業力 ・交渉力 ・提案力 | ・新規開拓(年間6社獲得) ・価格交渉(値引き率を平均3%以内に抑制) ・課題ヒアリングにもとづく改善提案 |
ルール5:記号は「・」と【 】に統一する
- 項目の先頭:「・」(中黒)または「●」のどちらかに統一
- 小見出し:【担当業務】【実績】のように【 】で囲む
- 避けたい記号:星形やハート形などの装飾記号、「→」「※」の多用
Wordの自動箇条書き機能を使うと、改行のたびに記号やインデントが自動で入り、PDFに変換したときに行頭がずれることがあります。「・」を手入力して統一しておくと、どの環境で開いても崩れにくくなります。
【欄別】業務内容・活かせる経験の箇条書き例文
職務要約は箇条書きにせず文章で書く
職務要約は、職務経歴書の冒頭で経歴の全体像を伝える欄です。ここを箇条書きにすると経歴の流れが途切れるため、3〜5行の文章でまとめます。
良い書き方(職務要約)
大学卒業後、株式会社〇〇に入社し、法人向けルート営業として5年間、製造業の既存顧客40社を担当してまいりました。2024年度は売上目標に対し達成率108%を記録し、営業課12名中2位の成績を収めました。現在は後輩2名のOJTも担当しています。
業務内容(職務内容)欄の箇条書き
業務内容は、在籍期間・会社概要・所属部署を先に書き、その下に担当業務を箇条書きで並べます。会社概要に従業員数を添えると、どの程度の規模の組織で働いていたかが伝わります。
良い書き方(総務の業務内容)
2021年4月〜現在 株式会社〇〇(従業員数300名)
管理部 総務課(5名)
【担当業務】
・備品・消耗品の発注管理(月50件、年間予算800万円)
・入退社手続き、社会保険の資格取得・喪失手続き(年間40名分)
・社内規程の改定案作成(2024年度に3規程を改定)
・株主総会の会場手配・資料準備
実績欄の箇条書き
実績は「期間・指標・数字・比較対象」の4点をそろえると、読み手が評価しやすくなります。
良い書き方(実績)
・2024年度 売上目標1億2,000万円に対し達成率108%(課内12名中2位)
・2023年度 新規取引先6社を開拓(前年比+4社)
・請求処理の手順書を作成し、月末の締め作業を3日から2日に短縮
売上のような数字が出ない職種でも、件数・人数・期間・頻度に置き換えれば書けます。「問い合わせ対応」なら「1日30件」、「後輩指導」なら「2名を半年で独り立ちさせた」のように表せます。

活かせる経験・知識・技術欄の箇条書き
この欄は、応募先の求人票と照らし合わせながら読まれます。求人票の必須条件・歓迎条件に出てくる言葉と同じ表現で書くと、要件に合う経験だとすぐに伝わります。
良い書き方(活かせる経験・知識・技術)
・法人営業経験5年(製造業向け、既存顧客40社を担当)
・後輩2名のOJT経験
・Excel(VLOOKUP関数・ピボットテーブルでの売上集計)
・Salesforceでの顧客管理・商談管理
NG例(活かせる経験・知識・技術)
・コミュニケーション能力
・パソコンスキル
・責任感
抽象的な言葉だけでは、どの程度できるのかが判断できません。「パソコンスキル」なら使えるソフト名と操作内容まで書きます。
採用担当者はここを見ている
- 求人票の条件と1行ずつ照らし合わせて、当てはまる経験があるかを確認している
- 「経験年数」「担当規模」「使用ツール名」が書かれていると判断が早い
- 「責任感」のような人柄に関する言葉は、この欄よりもエピソード付きの自己PRで書かれている方が伝わる
【職種別】職務経歴書の箇条書き例文
採用担当者が重視する数字は職種によって違います。自分の職種に近い例文を見て、どの数字を入れるかの参考にしてください。
営業職の箇条書き例文
営業職は、担当顧客数・売上・達成率が評価の中心です。項目があらかじめ並んだひな形を使いたい場合は、営業の職務経歴書テンプレートから作成できます。
良い書き方(住宅リフォーム営業)
【担当業務】
・個人向け住宅リフォームの提案営業(反響営業中心、月15件の商談)
・現地調査への同行、見積書の作成
【実績】
・2024年度 契約件数58件、売上6,200万円(店舗8名中1位)
・成約率を前年の28%から35%に改善
事務職の箇条書き例文
事務職は「処理件数」「使用ツール」「改善の取り組み」を書くと、正確さと効率の両方を伝えられます。書式をそろえて作るなら事務の職務経歴書テンプレートが使えます。
良い書き方(営業事務)
【担当業務】
・営業事務(営業担当6名のサポート)
・受発注入力、見積書・請求書の作成(月平均120件)
・電話・メールでの納期問い合わせ対応(1日20件程度)
【工夫した点】
見積書の作成にExcelのひな形とマクロを導入し、1件あたりの作成時間を15分から5分に短縮しました。
介護職の箇条書き例文
介護職は「施設形態・定員・担当業務」に加えて、委員会活動や新人指導を書くと役割の広さが伝わります。介護の現場向けの項目で作るなら介護業界の職務経歴書テンプレートを使うと、記入欄に迷いません。
良い書き方(特別養護老人ホーム)
【担当業務】
・特別養護老人ホームでの介護業務(入所定員80名、ユニット10名を担当)
・食事・入浴・排せつ介助、夜勤(月4〜5回)
・介護記録の作成(タブレット端末の記録システムを使用)
【その他の役割】
・事故防止委員会でヒヤリハット報告の集計・共有を担当
・新人職員2名の指導担当
ITエンジニアの箇条書き例文
エンジニアは、プロジェクト単位で「期間・規模・担当工程・開発環境」を書く形が一般的です。プロジェクトごとの記入欄があるひな形はエンジニアの職務経歴書テンプレートで用意しています。
良い書き方(Webアプリ開発)
【プロジェクト】ECサイトのリニューアル(2023年4月〜2024年3月)
・規模:メンバー8名(サブリーダーとして3名を管理)
・担当工程:基本設計、詳細設計、実装、テスト
・開発環境:Java、Spring Boot、MySQL、AWS
・成果:ページの表示速度を平均3.2秒から1.4秒に改善
採用担当者はここを見ている
| 職種 | 重視される数字・情報 |
|---|---|
| 営業職 | 担当顧客数、売上、達成率、順位 |
| 事務職 | 処理件数、使用ツール、作業時間の短縮 |
| 介護職 | 施設形態、定員・担当人数、夜勤回数、委員会などの役割 |
| ITエンジニア | プロジェクト規模、担当工程、開発環境、成果 |
採用担当者が「手抜き」と感じる箇条書きのNG例
箇条書きは読みやすくするための手段ですが、使い方を誤ると「準備に手間をかけていない人」という印象を与えます。書類選考で落ちやすいのは、次の3つのパターンです。
全項目が箇条書きで文章がない
職務要約から自己PRまで全てが箇条書きだと、情報は整理されていても、考えを文章でまとめる力が見えません。職務経歴書は文書の作成力も見られる書類のため、職務要約・工夫した点・自己PRは文章で書くのが基本です。
NG例(自己PRを単語だけで箇条書き)
【自己PR】
・責任感がある
・粘り強い
・チームワークを大切にする
根拠となるエピソードがなく、誰にでも書ける内容に見えます。
自己PRをどうしても箇条書きで見せたい場合は、強みを3つに絞り、それぞれに一言の根拠を添える書き方があります。

業務名だけで数字がない
「月次決算」「経費精算」「年末調整」と並べただけでは、担当範囲も規模もわかりません。同じ業務名に数字を1つ足すだけで、経験の厚みが伝わります。
| 業務名だけ(NG) | 数字を足した書き方 |
|---|---|
| 月次決算 | 月次決算の取りまとめ(子会社3社分、5営業日で締め) |
| 経費精算 | 経費精算のチェック(月300件、社員150名分) |
| 年末調整 | 年末調整の書類回収・計算(約200名分) |
応募先と関係ない業務まで並べる
経験した業務を全部書こうとして10行以上並べると、応募先に関係する経験が埋もれます。応募先で使わない業務は「その他、庶務業務全般」のように1行にまとめ、関係の深い業務に行数を割いてください。
採用担当者はここを見ている
- 「入社後に何を任せられる人か」がひと目でわかるか
- 数字が1つもない箇条書きは、成果がないのか書けていないのかの判断がつかない
- 行数が多いほど、どれが強みなのかを読み手が探す手間が増える
職務経歴書の箇条書きを作る3ステップ
採用担当者は、求人票の条件と職務経歴書を突き合わせながら読みます。そのため、箇条書きは求人票を見ながら並べ替えるところまでが1セットです。
- 経験した業務をすべて書き出す:この段階では順番も表現も気にせず、思いつく業務を並べる
- 求人票の条件に印をつけて並べ替える:必須条件・歓迎条件に関係する業務を上に移し、関係の薄い業務は1行にまとめる
- 上位の行に数字を足して整える:規模・頻度・成果のいずれかを括弧で添え、文末を体言止めにそろえる
書き出しの段階で「書くことがない」と感じたら、1日・1週間・1か月の単位で何をしていたかを振り返ると、日常業務の中から件数や頻度を拾えます。
提出前のチェックリスト
- 上から2行に、求人票の必須条件に合う経験が入っている
- 数字(件数・人数・金額・期間)が入っている行が半分以上ある
- 文末が体言止めでそろっている
- 1行が40字前後に収まっている
- 記号が「・」と【 】に統一されている
- 職務要約と自己PRは文章で書いている
箇条書きの下書きができたところで手が止まっているなら、職務経歴書のフォーマットに流し込んで全体の分量を見てください。A4で1〜2枚に収まるかを確かめると、削る行と数字を足す行がはっきりします。
まとめ
- 3層で組み立てる:業務・数字・工夫をそろえると、業務一覧で終わらない
- 欄ごとに使い分ける:業務内容・実績・活かせる経験は箇条書き、職務要約・自己PRは文章
- 書式をそろえる:1ブロック3〜5行、1行40字前後、文末は体言止め、記号は「・」と【 】
- 粒度をそろえる:同じ並びには同じ大きさの話題を置く
- 求人票から並び順を決める:必須条件に合う業務を上に置き、関係の薄い業務は1行にまとめる
書き終えたら求人票と並べて上から読み、必須条件に合う経験が最初の2行に入っているかを確かめてから提出してください。
職務経歴書の箇条書きに関するよくある質問
- 職務経歴書は全部箇条書きで書いてもいいですか?
-
全部を箇条書きにするのは避けてください。業務内容・実績・活かせる経験は箇条書きが向いていますが、職務要約・工夫した点・自己PRは文章で書くと、経歴の流れや考え方が伝わります。全欄が箇条書きだと、手抜きの印象を持たれることがあります。
- 箇条書きの記号は何を使えばいいですか?
-
項目の先頭は「・」(中黒)か「●」、小見出しは【担当業務】のような【 】がよく使われます。どれを使うかよりも、書類全体で統一することを優先してください。星形やハート形などの装飾記号はビジネス文書に向きません。
- 業務内容の箇条書きは何行まで書いていいですか?
-
1つのブロックにつき3〜5行が目安です。6行以上になる場合は【担当業務】【実績】のように小見出しで分けるか、応募先と関係の薄い業務を1行にまとめます。職務経歴書全体はA4で1〜2枚程度に収めるのが一般的です。
- 数字で書ける実績がない場合はどうすればいいですか?
-
売上や達成率がなくても、件数・人数・期間・頻度で表せます。「電話対応(1日30件程度)」「新人2名の指導担当」「マニュアルを作成し、引き継ぎ期間を2週間から1週間に短縮」のように、日常業務の量や変化を数字に置き換えてください。
- 活かせる経験の箇条書きと自己PRの内容が重なってもいいですか?
-
重なっても問題ありませんが、役割を分けて書きます。活かせる経験の欄は「経験年数・規模・ツール名」などの事実を一覧で示し、自己PRではその中の1つを選んで、取り組みの経緯と成果を文章で伝えます。

