就活で使用する履歴書には、特に希望がなければ「貴社の規定に従います。」と書くのが基本です。空欄や「特になし」は、確認漏れや意欲不足と受け取られることがあります。勤務地や希望職種を書きたい場合の例文、総合職採用での書き方、新卒がやりがちなNG例まで、採用担当者の見方とあわせて紹介します。
就活の履歴書 本人希望欄の書き方【結論と基本の例文】
結論:希望がなければ「貴社の規定に従います」
本人希望欄は、自由に要望を書く欄ではありません。厚生労働省の履歴書様式例でも、この欄には「特に給料・職種・勤務時間・勤務地・その他についての希望などがあれば記入」と注記されています。つまり働くうえで事前に伝えておく必要がある条件だけを書く場所です。
新卒の就活では、配属や勤務条件を会社の規定に合わせる前提で応募する人がほとんどです。伝えるべき事情がなければ、迷わず「貴社の規定に従います。」と書いてください。
基本の例文とNG例
良い例文(特に希望がない場合)
貴社の規定に従います。
勤務条件につきましては、貴社の規定に従います。
NG例
- 空欄:書き忘れなのか、希望がないのか判断できない
- 「特になし」:ぶっきらぼうな印象になり、関心が薄いと受け取られやすい
- 「御社の規定に従います」:「御社」は話し言葉。書類では「貴社」を使う
応募先が病院なら「貴院」、学校法人なら「貴校」、保育園なら「貴園」と書き分けます。相手の組織形態に合わせた敬称になっているかは、提出前に必ず見直してください。
新卒が本人希望欄に書いてよいこと・書かないこと
| 区分 | 内容 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 書いてよい | 希望職種(複数職種の募集時) | どの職種への応募か伝わらないと選考が進まない |
| 書いてよい | 勤務地の希望(理由があるもの) | 家族の介護など、入社後も変わらない事情がある |
| 書いてよい | 連絡がつきやすい時間帯 | 授業・実習で日中の電話に出られない |
| 書いてよい | 通院など働き方への配慮 | 業務に関わる事情で、事前に伝えたほうがよい |
| 書かない | 給与・賞与・福利厚生の要望 | 新卒は初任給が決まっている。面接や内定後に確認する |
| 書かない | 残業なし・土日休み必須など | 条件で会社を選んでいる印象になる |
| 書かない | 志望動機や自己PRの長文 | 専用の欄に書く内容。欄の使い分けができていないと見られる |
【状況別】新卒の本人希望欄の例文
希望や事情がある場合は、「何を希望するか」と「その理由」を1〜2文で書きます。理由がないまま条件だけを書くと、読み手には要求に見えてしまうためです。
複数職種の募集で希望職種を伝える
良い例文(希望職種)
営業職を希望いたします。
その他の勤務条件につきましては、貴社の規定に従います。
NG例(希望職種)
営業以外は考えていません。
否定形で書くと、配属の相談ができない人という印象になります。希望は肯定形で伝えてください。
勤務地に希望がある
新卒の総合職は全国転勤が前提の会社も多く、勤務地を限定する書き方は慎重に判断します。家族の事情など、入社後も変わらない理由がある場合に限って書くのが無難です。
良い例文(勤務地)
家族の介護のため、〇〇県内の事業所での勤務を希望いたします。
職種や配属部署につきましては、貴社の規定に従います。
NG例(勤務地)
実家から通える範囲でお願いします。転勤はできません。
理由が書かれておらず、本人の都合だけに見えます。「できません」と言い切る表現も避けます。
授業・実習で連絡がつきにくい時間がある
就活中の学生は、授業や研究室、教育実習で日中の電話に出られないことがあります。選考の連絡を取りこぼさないために、つながりやすい時間帯や連絡手段を書いておくと親切です。
良い例文(連絡時間)
平日は授業のため、9時〜16時は電話に出られないことがございます。
16時以降、またはメールでご連絡いただけますと幸いです。折り返しは当日中にいたします。
通院など配慮してほしい事情がある
持病の通院などは、書くかどうか自体を本人が選べます。書く場合は、病名ではなく頻度と業務への影響を中心にまとめると、採用担当者が配属を検討しやすくなります。
良い例文(通院)
月に1回、平日に通院のため半日お休みをいただく可能性がございます。
業務への支障はございません。その他の勤務条件につきましては、貴社の規定に従います。
秋卒業・既卒で入社時期を伝える
9月卒業の留学経験者や既卒者は、4月入社以外の可能性も含めて入社可能時期を書いておくと、採用担当者が手続きを進めやすくなります。
良い例文(入社時期)
令和〇年9月に卒業見込みのため、同年10月以降の入社が可能です。
入社時期につきましては、貴社のご都合に合わせます。

履歴書の希望職種の書き方|新卒が迷う3つのケース
新卒の履歴書で希望職種を書くかどうかは、応募先の採用区分で決まります。募集要項の「募集職種」欄を開いてから、下の3つのどれに当てはまるかを確認してください。
| 採用区分 | 本人希望欄の書き方 |
|---|---|
| 職種別採用(営業職・技術職など複数募集) | 募集要項の職種名をそのまま書く |
| 総合職採用(配属は入社後に決定) | 「総合職を希望いたします」または「貴社の規定に従います」 |
| 職種が1つだけの募集 | 職種名は不要。「貴社の規定に従います」でよい |
職種別採用:募集要項の職種名をそのまま書く
「事務」「エンジニア」のように自分の言葉に言い換えると、どの区分への応募か採用担当者が照合できなくなります。「一般事務職」「システムエンジニア職」など、募集要項に載っている表記をそのまま使ってください。複数の職種に応募できる会社では、第1希望・第2希望と順位を付ける書き方もあります。
良い例文(職種別採用・複数希望)
第1希望:システムエンジニア職
第2希望:セールスエンジニア職
その他の勤務条件につきましては、貴社の規定に従います。
総合職採用:「総合職」と書き、興味分野は別欄へ
配属を入社後に決める総合職採用で「マーケティング部を希望」と書くと、配属先が希望と違ったら辞めるのでは、と心配されることがあります。興味のある分野は志望動機欄や面接で「〇〇の仕事に関心がある」と伝えるほうが、意欲として受け取ってもらえます。
良い例文(総合職採用)
総合職を希望いたします。
勤務地・配属部署につきましては、貴社の規定に従います。
希望職種がまだ決まっていない
職種別採用なのに希望が決まっていない場合は、職種名を書かずに出すと応募区分が不明になります。募集職種の仕事内容を見比べて、近いほうを1つ選んで書いてください。どうしても決められないときは、応募前に採用窓口へ「職種ごとに応募が必要か」を問い合わせるのが確実です。
これから用紙を用意する人は、学歴や自己PR欄が新卒向けに配置された新卒用の履歴書テンプレートを使うと、本人希望欄も書くべき分量に収まります。

採用担当者が新卒の本人希望欄で見ているポイント
本人希望欄は数行しかない小さな欄ですが、採用担当者はここから「入社後に条件のすれ違いが起きないか」を読み取ろうとしています。
採用担当者はここを見ている
- 空欄になっていないか:全欄を埋めているかで、書類を丁寧に仕上げる人かを見ている
- 条件の数:希望が3つ、4つと並ぶと、仕事内容より待遇で選んでいる印象になる
- 自社の募集内容と合っているか:転勤ありの総合職に「転勤不可」と書けば、その時点で選考が難しくなる
- 欄の使い分け:志望動機を書き込んでいると、書類のルールを理解していないと判断される
書いた条件は「入社の条件」と受け取られる
就活生は軽い気持ちで「できれば」と書いたつもりでも、書類に書かれた希望は「満たされなければ入社しない条件」として読まれます。面接で聞かれたときに「絶対ではありません」と答えると、なぜ書いたのかと逆に疑問を持たれます。迷う程度の希望なら書かない、というのが判断の基準です。
差がつくのは「理由」と「柔軟さ」の一言
同じ勤務地の希望でも、書き方で印象は大きく変わります。理由を添え、ほかの条件は会社に合わせる姿勢を一文加えるだけで、「事情はあるが働く意欲は高い人」と伝わります。
| 書き方 | 採用担当者の受け止め方 |
|---|---|
| 関東勤務希望 | 理由がわからない。地方配属があれば辞退されそう |
| 家族の介護のため、関東圏での勤務を希望いたします。 | 事情は理解できる。配属を検討しよう |
| 上記に加えて「職種・部署につきましては貴社の規定に従います。」 | 譲れない点が明確で、ほかは柔軟。安心して選考を進められる |
新卒が本人希望欄でやりがちなNG例
初めての履歴書では、ほかの欄に書ききれなかった内容を本人希望欄に詰め込んでしまうケースがよくあります。提出前に、次の書き方になっていないかを確認してください。
| NG例 | 問題点 | 直し方 |
|---|---|---|
| 初任給〇万円以上を希望します | 新卒の初任給は一律で決まっていることが多い | 書かない。気になる点は内定後の面談で確認 |
| 残業がない部署を希望します | 働く姿勢を疑われる | 書かない。働き方は説明会やOB・OG訪問で確認 |
| 貴社の〇〇に魅力を感じ…(志望動機) | 欄の使い分けができていない | 志望動機欄に移す |
| なんでも頑張ります! | 口語的で、何を伝えたい欄か理解していない印象 | 「貴社の規定に従います。」に置き換える |
| 未定 | 希望があるのかないのか伝わらない | 希望がなければ「貴社の規定に従います。」 |
NG例(条件の並べすぎ)
勤務地は東京希望。土日祝休み、転勤なし、残業は月10時間以内を希望します。
4つの条件が並び、仕事内容より待遇を優先している印象になります。新卒の場合、どれも理由がなければ書かないのが正解です。
なお、ハローワークの履歴書記入例では「希望がなければ自己PR欄として活用してもよい」と紹介されています。ただし新卒の履歴書には自己PR欄が別にあることがほとんどです。同じ内容を繰り返すより、「貴社の規定に従います。」と簡潔に書くほうが読みやすい書類になります。
本人希望欄がない履歴書・ESとの書き分け
本人希望欄がない用紙を使う場合
大学指定の履歴書や企業独自の応募書類には、本人希望欄がないものもあります。その場合は欄を手書きで書き足す必要はありません。どうしても事前に伝えたい事情があるときは、送付状や面接の場で伝えてください。
市販やWebの履歴書を選ぶなら、本人希望欄がある厚生労働省の様式に沿った履歴書が使いやすいです。
2020年まで一般的だったJIS規格の履歴書にも本人希望記入欄があり、書き方は同じです。
エントリーシートと内容をそろえる
エントリーシートで希望職種や勤務地を回答している場合、履歴書の本人希望欄と内容が食い違うと、どちらが本心か確認される原因になります。提出前に両方を並べて、次の3点を照らし合わせてください。
- 希望職種の名称と順位が同じか
- 勤務地の希望(全国可・エリア限定)が一致しているか
- ESで「全国どこでも可」と答えたのに、履歴書で勤務地を限定していないか

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本人希望欄の一文が決まっても、ほかの欄で手が止まっているなら、スマホで項目を埋めていくだけの作成ツールを使うと提出までの時間を短くできます。
まとめ
- 希望がなければ:「貴社の規定に従います。」と書く。空欄・「特になし」は避ける
- 希望がある場合:譲れない条件だけを、理由とセットで1〜2文にまとめる
- 希望職種:職種別採用なら募集要項の職種名どおりに、総合職なら「総合職」と書く
- 書かない内容:給与・休日・残業の要望、志望動機や自己PR
- 提出前:エントリーシートの回答と内容が食い違っていないか照らし合わせる
本人希望欄は短い一文で済む欄だからこそ、ここで迷っている時間を志望動機や自己PRに回してください。
履歴書の本人希望欄(就活)に関するよくある質問
- 新卒の履歴書で本人希望欄を空欄にしても大丈夫ですか?
-
空欄は避けてください。書き忘れなのか希望がないのか採用担当者が判断できず、確認不足の印象を与えることがあります。特に希望がなければ「貴社の規定に従います。」と書けば十分です。
- 「貴社の規定に従います」はありきたりで、マイナス評価になりませんか?
-
マイナスにはなりません。本人希望欄は意欲をアピールする欄ではなく、事前に伝えるべき条件を書く欄です。新卒の場合は多くの応募者がこの書き方をしており、採用担当者も標準的な回答として受け止めます。
- 総合職の応募で、希望する部署を書いてもいいですか?
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本人希望欄に部署名を書くのはおすすめしません。配属は入社後に決まるため、希望と違った場合の早期離職を心配されることがあります。関心のある分野は志望動機欄や面接で伝えてください。
- 本人希望欄に給与の希望を書いてもいいですか?
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新卒の就活では書かないのが基本です。初任給は募集要項で決まっていることが多く、金額を書くと条件で会社を選んでいる印象になります。給与や手当で確認したいことは、内定後の面談などで質問してください。
- 既卒・第二新卒の場合も書き方は同じですか?
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基本は同じで、希望がなければ「貴社の規定に従います。」と書きます。既卒の場合は入社可能時期を書き添えると手続きが進みやすくなります。職歴がある第二新卒は、職歴欄を書きやすい転職用の履歴書テンプレートを使う方法もあります。

