パソコンで作った履歴書は、押印欄がなく企業の指定もなければ電子印鑑を押す必要はありません。対応が必要なのは「押印欄が残ったテンプレートを使うとき」と「企業から押印を求められたとき」の2つだけです。この記事では、PDF・Webフォーム・印刷といった提出方法別の判断基準、Wordやアクロバットリーダーで電子印鑑を作る手順、印刷した履歴書への押し方を、採用担当者の目線とあわせて紹介します。
履歴書に電子印鑑は必要?提出方法別の結論
結論:押印欄がなければ電子印鑑はいらない
履歴書の押印は法律で決められたものではなく、使う様式と応募先の指示で決まります。厚生労働省が公表している「厚生労働省履歴書様式例」にも押印欄はありません。押印欄がない様式で作り、企業から指示もなければ、印鑑なしで提出して問題ありません。
逆に、押印欄のあるテンプレートをダウンロードして使った場合は、欄を空けたままにすると記入漏れに見えます。このときは「電子印鑑を押す」か「押印欄のない様式に作り直す」のどちらかを選んでください。
提出方法別の早見表
| 提出方法 | 押印欄なし | 押印欄あり |
|---|---|---|
| PDFでメール送付・アップロード | 印鑑不要 | 電子印鑑を押す/欄のない様式に変える |
| Web応募フォーム・作成ツール | 印鑑不要 | フォームに押印項目がなければ不要 |
| パソコンで作って印刷し、郵送・持参 | 印鑑不要 | 印刷後に朱肉で認印を押す |
| 企業から押印の指示がある | 指示どおりに押す | 指示どおりに押す(電子か紙かも指示に合わせる) |
迷ったときに確認する順番
- 求人票・応募要項:「押印のうえ提出」「捺印済みの履歴書」などの記載がないか
- 使っているテンプレート:氏名欄の横に「印」の枠が残っていないか
- 提出方法:データで出すのか、印刷して出すのか
1でも2でも該当しなければ、印鑑のことは考えなくて大丈夫です。
採用担当者はここを見ている
- 押印の有無そのものより、応募要項の指示どおりに書類を整えているかを見ている
- 押印欄があるのに空欄だと、ほかの欄も確認不足ではないかと疑われやすい
- 欄のない様式を使い、印鑑なしで提出した書類をマイナスに評価することはほとんどない
パソコン・デジタルで作った履歴書に電子印鑑を押す方法
電子印鑑とは、印影を画像やスタンプとしてデータ上に配置するものです。履歴書で使うなら、無料でできる次の3つの方法で十分です。
| 方法 | 向いている人 | 手間 |
|---|---|---|
| Wordの図形で作る | Wordで履歴書を作っている人 | 10分程度 |
| Acrobat Readerのスタンプ | 完成したPDFに押したい人 | 数分 |
| 紙の認印を画像にする | 実物の印影を使いたい人 | スキャン環境があれば数分 |
方法1:Wordの図形で印影を作る
- 「挿入」タブ→「図形」→「楕円」を選び、Shiftキーを押しながらドラッグして正円を描く
- 図形の塗りつぶしを「塗りつぶしなし」、枠線の色を赤にし、線を少し太めにする
- 縦書きのテキストボックスで名字を入れ、文字色を赤、枠線と塗りつぶしをなしにして円の中央に重ねる
- 円とテキストボックスをグループ化し、押印欄に移動する
書体は明朝体など読みやすいものを選びます。履歴書の氏名と同じ名字の漢字になっているかは、作ったあとに必ず見直してください。
方法2:PDFにAcrobat Readerのスタンプを押す
無料のAdobe Acrobat Readerには「スタンプ」機能があり、その中の「電子印鑑」から丸い印影を選んでPDFに押せます。印影に表示される名前は、環境設定の「ユーザー情報」に登録した文字が使われます。
- ユーザー情報の氏名欄には名字だけを登録しておく
- 日付入りのデザインは避け、名字だけの印影を選ぶ
- 押したあとは別名で保存し、元のPDFも残しておく
日付入りの印影は社内の承認書類で使う形式です。履歴書に押すと不自然に見えるため、名字だけのものを使ってください。
方法3:紙に押した認印を画像にする
白い紙に認印を押し、スキャナーやスマホで撮影して画像にする方法です。背景を透過したPNG形式にすると、押印欄の枠線に重なっても自然に見えます。
NG例
実印や銀行印をスキャンして、そのまま履歴書のPDFに貼り付ける。
画像の印影はコピーが簡単で、本人確認や改ざん防止の機能もありません。履歴書は複数の担当者の手に渡ることもあるため、実印・銀行印の印影はデータにしないでください。
画像にするなら、日常的に使う認印か、方法1・2で作った印影にとどめてください。
電子印鑑を置く位置とサイズ
押印欄の「印」の文字に重なる位置に、欄からはみ出さない大きさで置きます。紙の認印と同じく直径1.5cm程度を目安にすると、画面でも印刷しても違和感が出ません。
良い書き方(電子印鑑の配置)
- 押印欄の中央、「印」の文字に重ねて配置
- 直径1.5cm前後で、欄の枠線からはみ出さない
- 傾きがなく、名字が正面から読める向き
NG例(電子印鑑の配置)
印影が氏名の文字に重なっている、欄の倍以上の大きさになっている、PDF化したら位置がずれている。
PDFに書き出したあとの見え方を確認せずに送るのが一番多い失敗です。送る前に一度PDFを開いて確かめてください。
印刷した履歴書に印鑑を押すときの手順
押印欄のあるテンプレートは印刷後に朱肉で押す
パソコンで作った履歴書を印刷して郵送・持参する場合は、電子印鑑ではなく印刷した紙に実物の認印を押すのが基本です。データ上の印影を印刷すると色味が平坦になり、押したものではないと気づかれやすくなります。
- インクが乾いてから押す(印刷直後は朱肉がにじみやすい)
- 捺印マットや厚めの雑誌を下に敷く
- 朱肉は軽く叩くようにつけ、印面の上下を確かめる
- 真上から均等に力をかけ、まっすぐ持ち上げる
- 完全に乾くまで触らず、折ったり封筒に入れたりしない
使うのは朱肉で押す認印です。インク浸透式のシャチハタは、時間がたつと色が薄れたりにじんだりするため、履歴書には向きません。
失敗しても印刷し直せばいい
手書きの履歴書と違い、パソコンで作った履歴書は押印に失敗しても印刷し直すだけで済みます。かすれや傾きが気になったら、修正テープや二重線で直さず、新しく印刷した用紙に押し直してください。
良い書き方(印刷して提出する場合)
白黒またはカラーで印刷 → インクが乾いてから押印欄に認印を朱肉で押す → 乾燥後にクリアファイルへ入れて封筒に入れる
※予備として2〜3枚多めに印刷しておくと、押印に失敗しても慌てずに済みます
NG例(印刷して提出する場合)
電子印鑑を押したデータをそのまま印刷し、紙の書類として提出する。
紙で出すなら紙に押すのが自然です。朱肉の印影と比べると、印刷された印影はひと目で区別がつきます。
採用担当者が電子印鑑より見ているポイント
電子印鑑の作り方を調べている人ほど、「印鑑ひとつで落とされるのでは」と心配しがちです。実際のところ、印鑑の有無だけで合否が決まることはまずありません。担当者が見ているのは、印鑑を通して伝わる「書類を仕上げる姿勢」です。
押印欄の空欄は「確認不足」に見える
採用担当者はここを見ている
- 空欄の押印欄:テンプレートをそのまま使い、見直していない印象を与える
- 不自然な電子印鑑:日付入り・極端に大きい・名字の漢字違いは、押さないより目立つ
- 指示との不一致:「押印して郵送」と書かれているのにPDFの電子印鑑で済ませると、要項を読んでいないと判断される
つまり、「押すか押さないか」より「欄と指示に対して書類が筋の通った状態になっているか」が評価の分かれ目です。
押印欄のない様式を選べば迷わない
日本規格協会が2020年7月にJIS規格の解説から履歴書の様式例を削除したことを受け、厚生労働省は2021年4月に新しい「厚生労働省履歴書様式例」を公表しました。この様式例には押印欄がありません。
これからデータで履歴書を作るなら、最初から厚生労働省の様式例に沿ったテンプレートを使えば、電子印鑑を作る手間そのものがなくなります。
- 中途採用に応募するなら職歴欄を広く取った転職用テンプレート
- 就職活動中の学生なら新卒向けの履歴書テンプレート
- アルバイトの応募ならアルバイト用のテンプレート

押印を求められた・押し忘れたときの対処法
応募後に押印を求められた場合
書類選考後や内定後に「押印した履歴書を改めて提出してください」と言われることがあります。このときは電子で出すのか紙で出すのかを確認してから対応してください。紙での提出なら、印刷して認印を朱肉で押したものを用意します。念のため、応募期間中は認印を手元に置いておくと対応が早くなります。
押し忘れたまま送ってしまった場合
押印の指示があったのに押さずに送った場合は、気づいた時点でメールで連絡し、押印済みのファイルを送り直します。指示がなく、押印欄が空いていただけなら、すぐに連絡しなくても選考に大きく響くことはほぼありません。
良い例文(押印漏れの連絡メール)
件名:履歴書再送のお願い(氏名)
〇〇株式会社 採用ご担当者様
先日お送りした履歴書に押印が漏れておりました。押印済みの履歴書を添付いたしましたので、差し替えをお願いできますでしょうか。お手数をおかけし申し訳ございません。
添付ファイルの名前は「履歴書_氏名_再送.pdf」のように、差し替え版だとわかる形にしておくと担当者が管理しやすくなります。


まとめ
- 押印欄なし・指示なしなら不要:パソコンやスマホで作った履歴書に電子印鑑は押さなくてよい
- データで出すなら電子印鑑:Wordの図形かAcrobat Readerのスタンプで名字だけの印影を作る
- 印刷して出すなら紙に押す:インクが乾いてから朱肉で認印を押し、失敗したら印刷し直す
- 実印・銀行印はデータにしない:画像の印影はコピーされても防げない
- 一番手早いのは様式の見直し:押印欄のない厚生労働省様式例ベースのテンプレートを使う
印鑑で手が止まっているなら、押印欄のない様式で作り直すのが最短です。浮いた時間を志望動機や職歴の見直しに回してください。
履歴書の電子印鑑に関するよくある質問
- 電子印鑑を押した履歴書に法的な効力はありますか?
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履歴書は契約書のように押印で効力が決まる書類ではないため、法的効力を気にする必要はありません。なお、画像やスタンプの電子印鑑には本人確認や改ざん防止の機能がなく、電子署名とは別物です。履歴書では「押印欄を埋めて体裁を整えるもの」と考えてください。
- スマホで作った履歴書にも印鑑は必要ですか?
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パソコンで作った場合と同じく、押印欄がなく企業の指示もなければ不要です。スマホの作成ツールやアプリの多くは押印欄のない様式を採用しています。押印を求められた場合は、紙に押した認印を撮影して画像にするか、印刷して紙に押してください。
- シャチハタの印影を電子印鑑にしても大丈夫ですか?
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データ上ではインクのにじみや色あせは起きませんが、紙で押す場合にシャチハタが避けられているのと同じ理由で、認印の印影を使うほうが無難です。迷ったら、Wordの図形やAcrobat Readerのスタンプで作った印影を使えば問題ありません。
- 押印欄を削除して提出してもいいですか?
-
企業から指定された様式でなければ、押印欄のない様式に作り直して提出して構いません。ただし、企業指定の履歴書フォーマットの欄を自分で消すのは避け、指定どおりに押印してください。

