整骨院の事業内容は、職務経歴書の勤務先名のすぐ下に「業態+施術の柱+規模」を1〜2行で書くのが基本です。個人経営の院で資本金や売上高がわからなくても、来院数やスタッフ数で規模は伝えられます。院のタイプ別の例文、代わりに書ける数字、異業種へ応募するときの言い換えまで、採用担当者の見方とあわせて紹介します。
整骨院の事業内容の書き方と例文【院のタイプ別】
結論:「業態+施術の柱+規模」を1〜2行で書く
職務経歴書の事業内容は、勤務先の名称の次に置く「どんな事業所で働いていたか」の説明です。整骨院の場合は、次の3つを入れれば十分に伝わります。
| 要素 | 書く内容 | 記載例 |
|---|---|---|
| 業態 | 何をする事業所か | 柔道整復師による施術所(整骨院)の運営 |
| 施術の柱 | 保険施術・自費施術の比重、主なメニュー | 外傷への保険施術、骨盤矯正・鍼灸などの自費施術 |
| 規模 | 院数・スタッフ数・1日の来院数 | 1院、スタッフ6名、1日平均来院数 約60名 |
「整骨院」の一言だけでは、採用担当者はどんな現場だったのかを想像できません。施術の柱と規模を添えるだけで、あなたの経験がどの程度の忙しさ・どんな患者層の中で積まれたものかが伝わります。
個人経営の整骨院(1院)の例文
院長が個人で開業している院は、資本金がなく売上高も公開されていないのが普通です。その場合は無理に書かず、院の規模を数字で示します。
良い書き方(個人経営の院)
〇〇整骨院(20XX年4月〜20XX年3月)
事業内容:柔道整復師による施術所の運営(打撲・捻挫などの保険施術、骨盤矯正・スポーツ障害ケアの自費施術)
規模:1院/スタッフ5名(柔道整復師3名、受付2名)/1日平均来院数 約50名
NG例
〇〇整骨院
事業内容:整骨院
院名を言い換えただけで、施術の中身も規模もわかりません。在籍期間の記載もないため、経験年数を読み取れない書類になっています。
グループ・法人運営(複数院)の例文
株式会社や医療系の法人が複数院を運営している場合は、法人名を正式名称で書き、法人全体の事業と自分が勤務した院を分けて記載します。資本金や従業員数は法人のホームページの会社概要で確認できることが多いです。
良い書き方(複数院を運営する法人)
株式会社〇〇(20XX年4月〜現在)
事業内容:整骨院・鍼灸院の運営(首都圏に12院)、訪問マッサージ事業
資本金:1,000万円/従業員数:約120名(パート・アルバイト含む)
勤務院:〇〇駅前整骨院(スタッフ8名、1日平均来院数 約80名)
自費施術が中心の院の例文
自費メニューの比率が高い院は、メニュー名と料金帯、予約制かどうかを書くと、接客や提案の経験があることが伝わります。保険施術をほとんど扱っていない場合は、そのことも正直に書きます。
良い書き方(自費中心の院)
〇〇整骨院(20XX年10月〜20XX年9月)
事業内容:完全予約制の自費施術を中心とした整骨院の運営(姿勢・骨盤矯正、産後ケア、回数券制のコース施術。売上に占める自費施術の割合 約7割)
規模:1院/スタッフ4名/月間来院数 約600名
介護・訪問・ジムなど併設事業がある院の例文
デイサービスや訪問施術、トレーニングジムを併設している院は、併設事業も事業内容に含めます。介護やフィットネスの求人に応募するときは、この1行が経験の接点になります。
良い書き方(併設事業あり)
有限会社〇〇(20XX年4月〜20XX年3月)
事業内容:整骨院の運営、機能訓練特化型デイサービス(定員20名)の運営
従業員数:15名(パート含む)/整骨院の1日平均来院数 約40名
採用担当者はここを見ている
- 院のタイプ:保険中心か自費中心か、1院か複数院かで、身についている経験の種類を判断している
- 数字の有無:来院数やスタッフ数が書かれていると、忙しさや1人あたりの担当量を具体的に想像できる
- 併設事業:介護・訪問・ジムの記載があれば、応募先の業務につながる経験として面接で質問したくなる
採用担当者が整骨院の事業内容欄で見ている3つのこと
同じ「整骨院で5年」でも、院のタイプによって積んできた経験はまったく違います。採用担当者は事業内容欄で、次の3点を確かめてから職務内容を読んでいます。
保険中心か自費中心か
保険施術が中心の院では、外傷の評価や療養費の申請書の作成、短時間で多くの患者さんを回す段取りが身につきます。自費施術が中心の院では、カウンセリングやコース提案、リピートにつなげる接客が経験の中心になります。
どちらが上ということはありません。応募先が求める経験と同じ型かどうかを、採用担当者は最初の数行で見ています。
1日の来院数とスタッフ数
「1日平均来院数 約80名/柔道整復師4名」と書かれていれば、1人あたり1日20名前後を担当していたと読み取れます。逆に来院数が少なめの院なら、1人の患者さんに時間をかけた丁寧な施術経験として評価されることもあります。数字があって初めて、職務内容の「施術を担当」という一文に厚みが出ます。
応募先との共通点
採用担当者は「うちの仕事にそのまま活きるか」を探しながら読みます。事業内容に応募先と重なる要素があるなら、省かずに書き入れてください。
- スポーツ外傷の多い院 → スポーツ整形・トレーナー職への応募で接点になる
- 交通事故の施術を扱う院 → 損害保険会社とのやり取りの経験として伝えられる
- 高齢の患者さんが多い院 → 介護施設の機能訓練指導員への応募で評価されやすい
事業内容欄に書く項目と、数字がわからないときの調べ方
職務経歴書の事業内容欄には、事業の説明と規模を示す数字をセットで書くのが一般的です。整骨院の場合に書く項目と、確認できる場所をまとめました。
| 項目 | 書き方 | 調べ方 |
|---|---|---|
| 勤務先の名称 | 法人名・院名を正式名称で。「(株)」などの略称は使わない | 給与明細、雇用契約書、国税庁の法人番号公表サイト |
| 事業内容 | 業態+施術の柱を1行で | 院のホームページ、求人票 |
| 資本金 | 法人の場合のみ。個人経営の院は書かない | 法人のホームページの会社概要 |
| 従業員数 | 退職時点の人数。パート・アルバイトを含める | シフト表、在籍時の記憶でおおよその数 |
| 院数・ベッド数 | 複数院なら院数、1院ならベッド数でも可 | 院のホームページ、院内の設備 |
| 来院数 | 1日平均または月間で「約〇名」 | 受付の日報、予約システムの記録、在籍時の実感 |
医療系の職務経歴書全体の並びを確認したい場合は、医療業界向けの職務経歴書テンプレートに当てはめると、事業内容欄の位置と分量の目安がつかめます。
資本金・売上高がわからない個人院の書き方
個人で開業している院には、そもそも資本金がありません。売上高も院長しか知らないのが普通なので、空欄のまま残すより、項目ごと削って来院数・スタッフ数・ベッド数に置き換えるほうが読みやすい書類になります。
良い書き方(数字がわからない個人院)
〇〇接骨院(20XX年4月〜20XX年3月)
事業内容:柔道整復師による施術所の運営(保険施術中心、一部自費の鍼灸施術)
規模:スタッフ3名/施術ベッド6台/1日平均来院数 約35名
NG例
資本金:不明/売上高:不明/従業員数:不明
「不明」が並ぶと、勤務先のことを把握していない印象になります。わからない項目は書かず、自分で把握できる数字に差し替えてください。
院の数字はどこまで書いていいか
来院数や院数、スタッフ数は、院の規模を示す情報として書いて問題ありません。一方で、次の情報は書かないでください。
- 患者さんの氏名や、特定の個人がわかるエピソード
- 院長から聞いた売上の詳細、療養費の請求額など公表されていない経営情報
- 提携先の企業名やスポーツチーム名(公表されていないもの)
採用担当者は、前職の内部情報を気軽に書く人を「うちの情報も外で話すのでは」と警戒します。数字は「約〇名」程度の丸めた表現で十分です。
事業内容のあとに書く職務内容・実績の書き方
事業内容で院の全体像を示したら、すぐ下に自分が担当した仕事を書きます。事業内容と職務内容が混ざると、院の説明なのか自分の経験なのかが読み取りにくくなるため、欄を分けてください。
職務内容は「施術」と「院内業務」に分けて書く
整骨院の仕事は施術以外にも幅があります。受付、療養費の申請書の作成、新人の指導、SNSやチラシでの集客など、担当していた業務を箇条書きで並べると経験の広さが伝わります。
良い書き方(職務内容)
【施術】
・打撲、捻挫などの外傷に対する評価・施術(1日平均15名を担当)
・骨盤矯正、スポーツ障害ケアなど自費メニューのカウンセリングと施術
【院内業務】
・療養費支給申請書の作成、月末の請求事務
・施術管理者として院の運営管理(20XX年〜)
・新人柔道整復師2名の技術指導
施術管理者の経験は、とくに書き漏らさないでください。2024年4月以降、健康保険の受領委任を扱う施術管理者になるには、柔道整復師としての実務経験3年以上と施術管理者研修の修了が求められています。経験と責任の両方を示せる経歴です。
実績は担当数・継続率など数字で書く
「患者さんに寄り添った施術を心がけた」だけでは、ほかの応募者と差がつきません。自分が関わって変わったことを、数字で書きます。
良い書き方(実績)
・初回来院者のうち、3回目まで通院を続けた方の割合を約5割から約7割に改善(初回カウンセリングの説明資料を作成)
・自費コースの新メニュー(産後骨盤ケア)を企画し、導入半年で月30件の予約を獲得
・指名予約数 院内3位(スタッフ6名中)
NG例
・地域No.1の整骨院で施術を担当
・ゴッドハンドと呼ばれる院長のもとで技術を習得
院の宣伝文句をそのまま写した表現は、根拠のない誇張に見えます。院の評判ではなく、自分が担当した数と変化を書いてください。
柔道整復師としての職務経歴書全体の書き方は、こちらの記事で職務要約や自己PRまで例文つきで解説しています。

応募先に合わせた事業内容の伝え方
事業内容は一度書いたら終わりではなく、応募先によって強調する部分を入れ替えると通過しやすくなります。同じ院の経歴でも、読む人が変われば伝わる言葉が変わるためです。
同業の整骨院・接骨院に応募する場合
同業の院長や採用担当者は業界の言葉を知っているので、専門用語のままで伝わります。そのぶん応募先と同じタイプの院かどうかがはっきりわかるよう、保険・自費の比重や来院数を具体的に書いてください。分院展開している法人に応募するなら、複数院の運営やスタッフ間の情報共有に関わった経験も事業内容の近くに添えると、分院長候補として読まれやすくなります。
整形外科・介護・フィットネスなど異業種に応募する場合
異業種の採用担当者は、整骨院の業界用語になじみがありません。応募先に伝わる言葉に置き換えます。
| 整骨院での言い方 | 異業種向けの言い換え例 |
|---|---|
| 保険施術 | 健康保険を使った、打撲・捻挫などのけがへの施術 |
| 療養費の請求 | 保険者への施術料の請求書類の作成・提出 |
| 自費メニューの提案 | お客様の悩みを聞き取り、有料の施術コースを提案・販売 |
| 施術管理者 | 院の責任者として、スタッフ管理と保険請求の管理を担当 |
| 来院数 | 1日あたりの接客・対応人数 |
リハビリ職の求人が多い整形外科やクリニックに応募する場合は、理学療法士向けの職務経歴書テンプレートの項目立てが参考になります。施設の規模や担当患者の疾患を書く欄の並びが、医療機関の採用担当者が読み慣れた形になっています。
機能訓練指導員など介護施設への応募では、介護業界の職務経歴書テンプレートに沿って、高齢の患者さんへの対応経験を前に出すと読まれやすくなります。
病院やクリニックを経由した経歴がある場合は、医療機関の事業内容の書き方もあわせて確認しておくと、経歴の並びをそろえやすくなります。

整骨院の事業内容でよくあるNG例
提出前に、事業内容欄が次のNG例に当てはまっていないか確認してください。書類選考で手が止まる人の多くは、書く量が足りないのではなく、書く内容の選び方でつまずいています。
| NG例 | 直し方 | 理由 |
|---|---|---|
| 事業内容:整骨院 | 業態+施術の柱+規模を書く | どんな院か想像できない |
| (株)〇〇 | 株式会社〇〇 | 略称は正式名称に直す |
| 資本金:不明 | 項目ごと削り、来院数などに置き換える | 把握していない印象になる |
| 地域No.1・口コミ評価4.8 | 削除し、自分の担当数を書く | 院の宣伝であり、本人の実績ではない |
| 事業内容の欄に担当業務まで書く | 職務内容の欄に分ける | 院の説明と自分の経験が混ざる |
| 異業種に業界用語のまま出す | 応募先に伝わる言葉に言い換える | 経験の価値が伝わらない |
事業内容から自己PRまで、職務経歴書全体の完成形を見ながら仕上げたい場合は、こちらの見本も役立ちます。

まとめ
- 事業内容は1〜2行:「業態+施術の柱+規模」を勤務先名のすぐ下に書く
- 院のタイプを明確に:保険中心か自費中心か、1院か複数院か、併設事業があるか
- 個人院は数字を置き換える:資本金・売上高は書かず、来院数・スタッフ数・ベッド数で規模を示す
- 職務内容とは欄を分ける:施術と院内業務に分け、施術管理者の経験は必ず書く
- 応募先で言葉を変える:異業種には業界用語を言い換えて伝える
事業内容欄の数行が整うと、その下の施術経験も同じ物差しで読んでもらえます。まずは勤務先の来院数とスタッフ数を書き出すところから手をつけてください。
整骨院の事業内容と職務経歴書に関するよくある質問
- 整骨院の事業内容は「施術業」とだけ書いてもいいですか?
-
間違いではありませんが、情報が足りません。「柔道整復師による施術所(整骨院)の運営」と業態を書いたうえで、保険施術・自費施術のどちらが中心か、院数やスタッフ数などの規模を1行添えてください。採用担当者が院の様子を想像できるかどうかが基準です。
- 個人経営の整骨院で、資本金や従業員数がわかりません。どうすればいいですか?
-
個人で開業している院には資本金がないため、資本金の項目は書かなくて構いません。従業員数は在籍時のスタッフ数(パート・アルバイトを含む)をおおよそで書けば十分です。売上高も無理に調べず、1日の来院数やベッド数で規模を示してください。
- 「整骨院」と「接骨院」はどちらで書けばいいですか?
-
勤務先が名乗っている名称をそのまま書きます。どちらも柔道整復師が施術を行う施術所の名称で、事業の中身に違いはありません。院名に「整骨院」とあれば整骨院、「接骨院」とあれば接骨院と、看板や給与明細の表記に合わせてください。
- 受付スタッフとして働いていた場合も、事業内容は同じ書き方でいいですか?
-
事業内容は院の説明なので、職種に関係なく同じ書き方で問題ありません。違いが出るのは職務内容の欄です。受付・会計、予約管理、療養費の申請書類の準備など、担当した業務を具体的に書いてください。パート勤務だった場合は、パート用の職務経歴書テンプレートを使うと勤務日数や時間帯も整理しやすくなります。

